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着物や伝統工芸、伝統文化にまつわる情報をお待ちしております
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action or later. Please see Debugging in WordPress for more information. (This message was added in version 6.7.0.) in /home/quon001/www/wp/wp-includes/functions.php on line 6114織物や陶磁器、漆器など日本を象徴する伝統的工芸品は、現在日本には237品目あります。 そんな伝統的工芸品には、品質を保証するための目印として「伝統マーク」が付けられているのです。 伝統マークを見たことがある人の中には 「伝統マークはどういう基準で付けられているの?」「伝統マークがなぜつけられているのか知りたい」 このような疑問を持っている人も多いはず。 ここでは伝統マークの意味や認定されるための条件について分かりやすく解説していきます。 また、 伝統マークと伝統証紙の違いや伝統的工芸品の定義などについても紹介していきますので、伝統的工芸品に興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統マークとは? 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 伝統マークの見た目は、日の丸がマークの中に入っており、日本をイメージしやすいデザインが特徴的です。 伝統的工芸品として認められれば、伝統マークのデザインが入った伝統証紙が貼られます。 国から認められた伝統的工芸品のみに与えられる信頼の証と言えるでしょう。 経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークのこと 伝統マークは経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 日本には工芸品が数多く存在しますが、その中でも国が定めた厳しい基準をクリアした工芸品が伝統的工芸品として登録されています。 日本の工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統的工芸品として認定されるための条件 伝統的工芸品として認定されるための条件は主に5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの 上記の要件全てを満たしていることが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律で定められています。 主として日常生活で使われるもの 現在でも私たちの日常生活で使われるものでなければ、伝統的工芸品として認められません。 例えば、福島の奥会津編み組細工はバックやカバンとして使われていますし、東京の江戸切子はグラスとして多くの人に使われています。 他にも扇子や着物、包丁などさまざまな伝統的工芸品がありますが、日常生活でしっかり使われていることが条件の1つです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 製造過程のほとんどが手作り 製品が職人の手で製造されていることも伝統的工芸品の条件です。 ただ、厳密にいえば工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 しかし、製品の品質、形態、デザインを手作りで継承することが重要とされているので、メインとなる主要部分はやはり職人による手作りとなります。 現在では機械が発達していますが、人の手によって製造される製品には特有の味があり、製作者の技術を楽しめるのも伝統的工芸品の良さですね。 100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている そもそも伝統的とは、何を指すのでしょうか? 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を意味します。 魅力的な美しい見た目や高い機能性の工芸品であったとしても、製造技術や技法が確立されてから100年以上継続されていないと、伝統的工芸品に指定されることはありません。 そのため、伝統的工芸品として認められている製品は少なくとも100年以上前から存在していたということになります。 長年紡がれてきた技術や技法により、伝統的工芸品は機能性に長けていたり、美しさや丈夫さに秀でているのです。 伝統的に使われる原材料 工芸品に使われる原材料も、伝統的工芸品として認定されるための条件に関わっています。 原材料は木、土、漆、金など日本の天然資源が使用されていることが多く、100年間以上製品に使われる原材料が同じであることが条件となっているのです。 しかし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値の高さから入手が困難な場合もあります。 上記のようにやむを得ない事情がある場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で同種の原材料に転換することが認められます。 一定の地域で産地を形成しているもの 伝統的工芸品は、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいて、地域産業として成立している必要があります。 もし、1人だけしか製造方法を知らなかったら、技術や技法を次世代に残せませんよね。 そのため、ある程度の規模で製造に関わっている人が条件になっているのです。 また、いくら素晴らしい技術だとしても日常生活で利用される製品でなければ、工芸品とは呼べないので、地域産業として私たちの生活を豊かにしてくれることも条件になっています。 伝統マークと伝統証紙の違い 伝統マークは、冒頭に伝えている通り経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークです。 一方、伝統証紙は伝統的工芸品の表示のために、伝産協会が発行する伝統マークを使用した証紙のことを指します。 つまり、伝統マークはシンボルであり、伝統証紙は伝統的工芸品を一目で分かりやすくするために貼るものと考えてください。 伝統証紙が貼られていることで、消費者が伝統的工芸品を安心して購入できるのです。 また、伝統証紙は職人にとって、「伝統を誇る手作りの証」でもあります。 伝統証紙には2種類ある 伝統証紙は金と銀の2種類あります。 前提として、どちらも伝統的工芸品を保証する証紙ではありますが、細かい違いがあるのでそれぞれ解説していきます。 金色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 金色の伝統証紙は、100年以上の歴史があり、先程紹介した5つの条件を満たした伝統的工芸品に貼られます。 経済産業大臣が指定した技術・技法・原材料で制作され、産地検査に合格した製品が対象となっています。 銀色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 銀色の伝統証紙は、「現代の伝統工芸品」が対象とされています。 伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品のことを指します。 伝統的工芸品産業振興協会と産地組合の間で条件を決め、クリアしたものだけに銀色の伝統証紙が貼られます。 銀色の伝統証紙は、金色の伝統証紙の後に作られました。日本のライフスタイルの変化に合わせて、「現代の匠の逸品」として新しい伝統的工芸品が誕生したのです。 伝統工芸品と伝統的工芸品の違い 伝統工芸品と伝統的工芸品には違いがあるのをご存知でしょうか。 今回紹介した伝統マークが貼られているのは伝統的工芸品ですが、耳なじみがあるのは伝統工芸品という人も少なくないでしょう。 そこで最後に、伝統工芸品と伝統的工芸品の定義をそれぞれ紹介しておきますね。 伝統工芸品の定義 実は、伝統工芸品には明確な定義がなく、長年受け継がれてきた工芸品の事を指します。 現在の日本では、約1300種類もの伝統工芸品が全国各地に存在するのです。 伝統工芸品は伝統的工芸品と同じように、「日常生活で使われるもの」を指し、着物や漆器、ガラス細工、人形、和紙など種類はさまざまです。 伝統的工芸品の定義 伝統的工芸品の定義は明確で、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められている条件を満たしており、経済産業大臣に認定されていることです。 伝統的工芸品として認定されるための条件は下記の5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの さらに、伝統的工芸品として認定された製品には伝統証紙が貼られるので、消費者が明確に判断しやすくなっています。 つまり、伝統工芸品と伝統的工芸品の違いを判断したいときには、製品に伝統証紙が貼られているかを見ればいいですね。 まとめ 今回は伝統マークの意味や伝統証紙との違いについて解説してきました。 おさらいすると、伝統マークは経済産業大臣に認定された伝統的工芸品を表すシンボルマークです。 国が定めた厳しい条件をクリアした伝統的工芸品に与えられる証なのです。 この記事を読んで、伝統的工芸品への興味・関心が少しでも高まってくれたら嬉しいです。
日本の文化として、世界中から高い注目を集めている伝統工芸品。 職人による独自の技法や技術で作られていることが多く、古くから日本で愛されてきた文化でもあります。 最近では、SNSなどの普及により若者からも注目され、幅広い世代から関心を集めているのです。 しかし、まだ伝統工芸に興味を持っていない人やあまり知らない人からすると 「伝統工芸のよさってなんなの?」 と感じてしまいますよね。 ここでは伝統工芸のよさを5つ紹介していきます。記事の最後ではおすすめの製品も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸ってそもそも何?伝統工芸の歴史は?など網羅的に理解したい人は、以下の記事で解説していますのでぜひチェックしてみてください。 →伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介 伝統工芸のよさを5つ紹介! 伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い それぞれ詳しく解説していきます。 1.日本の美を演出している 伝統工芸のよさ1つ目は、日本の美を演出している点です。 伝統工芸には古くからの歴史があり、100年間以上継承されてきた工芸品もあります。 意外に感じる人もいるのですが、工芸品は主に日本人が生活の中で使っているものが多く、着物やうちわ、漆器など身近な物がほとんどです。 日本刀なども工芸品の1つで、現代では美術工芸品として人気がとても高いですね。 このように、工芸品は日本をイメージしやすい物がほとんどで、その美しさや技術力は世界中から高く評価されていると言えるでしょう。 2.職人の手作り 伝統工芸のよさ2つ目は、職人の手作りで製造されている点です。 機械をほとんど使わず、主な製造工程は手作業であるため、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 つまり、世界に同じ工芸品は1つも無いということになります。 手作りだからこそ、製品それぞれに個性がでるのも伝統工芸の魅力ですよ。 3.経年変化してこその楽しみがある 伝統工芸のよさ3つ目は、経年変化してこその楽しみがある点です。 日常生活で使う物は、基本的に使えば使うほど劣化していきますよね。見た目も古く感じたり、機能性が落ちたりするのが普通でしょう。 しかし、伝統工芸品は年季が入ることで魅力的になったり、使いやすくなるのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても新たな魅力を見出せる 伝統工芸のよさ4つ目は、壊れても新たな魅力を見出せる点です。 焼き物などは落として割れてしまうこともありますよね。普通は割れてしまったら捨てますが、工芸品は修復できます。 割れたり欠けてしまった器は「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術で修復します。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を振る技術です。 「金継ぎ」によって修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 5.デザイン性と機能性が高い 伝統工芸のよさ5つ目は、デザイン性と機能性が高い点です。 もともと工芸品は日本人が日常生活で使用しているものが多く、使いやすく壊れにくい特徴があります。 また職人の手で1つずつ作られているため、機械では表現できない美しさも魅力の1つと言えるでしょう。 最近では、新進気鋭なデザイナーが手掛ける「現代の伝統工芸品」が非常に人気で、古き良き日本を感じながらおしゃれでかわいいデザインの伝統工芸品が注目を集めています。 伝統工芸のよさが広まらない原因は大きく3つ 使いやすく丈夫でデザイン性も魅力的な伝統工芸品のよさが広まらないのはなぜでしょうか? 原因は大きく3つあります。 伝統的=古いイメージがあるから そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 身近で触れることがないから 1つずつ解説していきますね。 伝統的=古いイメージがあるから 伝統的と聞くと、なんだか古いイメージがある人は少なくないはず。 実際、工芸品の中には100年間以上の歴史があるものがたくさんあるのは事実。 しかし、いざ伝統工芸品を目にするとデザイン性や美しさに気づき、イメージと違ったという人は多いのです。 手作りだからこそ分かる独特の世界観が感じられ、その場で即決して購入する人もいるほどです。 近年ではデザイナーにより現代の伝統工芸品が生み出され、和モダンなデザインの工芸品が非常に人気なのをご存知でしょうか。 イメージにとらわれず、ぜひ一度伝統工芸品を直接見て触れてみてください。 そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 伝統工芸は興味を持たれにくいのが現状です。 まず伝統工芸を知る機会がなければ、興味を持ちにくいでしょう。 こうした現状を打破すべく、伝統工芸の体験イベントなどが実施されています。 例えば、藍染めでオリジナルTシャツを作れたり、鍛冶屋で刃物造りを体験できたりと日本全国で伝統工芸を体験できるのです。 旅行先で友人と楽しんだり、お子さんが自由研究で体験教室に通うなど、伝統工芸にふれられる機会はどんどん増えてきていますよ。 伝統工芸の後継者不足問題を少しでも解消できるよう、より多くの人に伝統工芸の魅力を知ってもらえる機会が増えると嬉しいです。 身近で触れることがないから 伝統工芸は身近で触れることがあまり無いですよね。 機械で大量に生産されているわけではなく、職人により手作りされているので生産数には限りがあり、製品が市場に出回る数は多くはありません。 そのため百貨店や大型デパートなどで販売されていることが多いです。 科学と技術が進歩し、安くて質の良い製品が大量に作られていることは私たちにとってありがたいですが、一方で日本の文化が失われてしまう原因にもなっていると言えるでしょう。 伝統工芸のよさがわかる製品5選 伝統工芸のよさをより知ってもらうために、日本の代表的な伝統工芸品を5つ紹介します。 日常で使えるもの、贈り物として喜ばれるもの、趣味として人気なものなど、さまざまありますのでぜひチェックしてみてください。 1.陶磁器 陶磁器は、土をこねて焼いたものの総称で、一般的には「やきもの」と呼ばれています。 耐久性が高く、手触りが良いことやデザイン面に優れている特徴を持つため食器や湯呑などの製品が多いです。 日本の代表的な陶磁器として、岐阜県の美濃焼、滋賀県の信楽焼、佐賀県の有田焼、京都府の清水焼、石川県の九谷焼などが有名ですね。 陶磁器は割れたり欠けたりしても修復でき、壊れても魅力を見いだせる工芸品の1つです。 2.漆器 漆器は、漆を塗った工芸品のことで、お椀や箸などの製品が多いです。 耐久性・耐水性・断熱性・抗菌作用に優れていて、食器だけでなく棚や台などにも漆は使われています。 機能性が高い上に、美しい見た目も漆器の魅力なんです。合成樹脂では表現できない上品なツヤがあり、使い込むほどに美しい光沢が生まれます。 もし漆器が欠けたりしても、上から漆を塗ることで修復できるので長い間使用できるメリットもありますよ。 3.和紙 和紙は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の伝統工芸品。薄くてとても頑丈でさまざまな種類の製品に使われています。 日本が誇る和紙は、和傘・提灯・うちわなどに使われていて、最近ではくつ下や付箋の材料として利用されているのです。 日本三大和紙として、岐阜県の美濃和紙、高知県の土佐和紙、福井県の越前和紙がとても有名です。 4.染物 染物は、染料などで染めた布のことを指し、着物や洋服などの衣類が製品として代表的。 種類や技法は全国でかなりの数があり、それぞれ歴史のある技法を用いて製造されます。 高級な着物は染物としてイメージしやすいですが、Tシャツやスカーフ、手ぬぐいなどの身近な衣類にも使われているため女性の方は触れる機会も多いでしょう。 成人式や結婚式などの行事で着物を着ることはありますし、最近では着物をおしゃれに着こなすファッションなども流行っていますよね。 5.日本刀 日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた刀です。 昔は武器として使用されていましたが、現代では美術工芸品や文化財として扱われています。 日本刀の魅力は何と言っても美しい見た目で、刀身に反りがあることや片側だけに刃が付けられているのが特徴です。 また、折れない・曲がらない・切れ味が鋭いことも有名で、頑丈さや刃物としてムダが削ぎ落とされている面も高く評価されています。 アニメやマンガで刀を扱うキャラクターが人気だったり、武将がブームになったことで若者から注目を集めましたね。 その美しさから思わず息を呑んでしまう魅力の日本刀は、博物館で見れます。日本刀をコンセプトにしたカフェなどもあるので、最近では日本刀を気軽に楽しめるようになりました。 伝統工芸品と現代技術のコラボもある 出典元:https://kishu-plus.jp/product/details 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 例えば、3Dプリンターで作られた器に職人が漆を塗って食器を作るコラボや藍染をスニーカーに施したコラボなど、さまざまな新しい製品が誕生しているのです。 伝統工芸品の良さと現代技術の進歩をマッチさせることで、より魅力的な製品が出来上がるのはワクワクしますよね。 また、伝統工芸品と人気コンテンツとのコラボも高い注目を集めています。 伝統工芸×人気キャラクターという異色な組み合わせにより、今まで伝統工芸に関心が無かった人に知ってもらえるきっかけとなりました。 伝統工芸は決して閉鎖的な文化・技術ではないのです。 まとめ 今回は伝統工芸のよさについて解説してきました。 おさらいすると、伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い 古くて敷居が高いイメージを持たれがちな伝統工芸ですが、良さがたくさん詰まっているのでぜひ一度手に取って魅力を感じてください。 伝統工芸の体験イベントやさまざまなコラボも実施されているので、この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。
アニメ八十八箇所巡り・一か所目の霊場は、人気アニメーション映画「秒速5センチメートル」に登場する「種子島」をクローズアップしてお届けします。 アニメ八十八箇所巡りとは サブカルという位置づけが長かった"アニメ"や"漫画"は今や世界的に大人気で、ジャパニーズカルチャーをけん引する存在となっています。 これからの日本の文化を担う"アニメ"と、古来からの日本文化である"工芸品"や"食文化"をなんとか融合できないかと考えたのが、この「アニメ八十八箇所巡り」です。 お遍路巡りになぞらえて、日本各地のアニメの聖地とその地域に伝わる伝統工芸品を紹介していきます。 「秒速5センチメートル」あらすじ 「君の名は。」「天気の子」の新海誠監督が手掛ける2007年公開の長編アニメーション映画。主題歌の「One more time one more chance/山崎まさよし」も有名です。 東京で暮らす遠野貴樹と篠原明里は、お互い転勤族であるという共通点から仲良くなる。中学校へ上がると同時に明里が栃木へ転校になってしまう。そこから文通を始める二人だが、貴樹も東京から鹿児島に転校することになり、最後に明里に会いに行く...。あらすじ 舞台を東京、栃木、種子島と変えながら、時間の経過と共に変わる主人公の心境が印象的な作品です。 第1話「桜花抄」、第2話「コスモナウト」、第3話「秒速5センチメートル」の3部構成となっています。 [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]今回は、その中から第2話「コスモナウト」で主人公・遠野貴樹が高校生活を過ごす場所である種子島を伝統工芸品と共に見ていきましょう。[/ふきだし] 【聖地巡礼】秒速5センチメートルで登場する種子島の場所は? 秒速センチメートルでは、シリーズごとにメインとなる舞台が変わります。今回は、その中でも種子島の聖地をご紹介します。 「秒速5センチメートル」の聖地1:中山海岸 「秒速5センチメートル」の聖地2:アイショップ石堂 「秒速5センチメートル」の聖地3:通学路のさとうきび畑 「秒速5センチメートル」の聖地4:種子島中央高等学校 「秒速5センチメートル」の聖地5:旧種子島空港 ①中山海岸 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹に片思いをするサーフィンが好きな中学生・澄田花苗がサーフィンの練習をしているのが中山海岸です。実際に多くのサーファーがサーフィンを楽しむ絶好のスポットです。 『西武秩父駅(駅前アーケード)』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で17分 ②アイショップ石堂 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗がよく行くコンビニです。聖地巡礼をした方々は、2人がよく飲んでいたドリンクを」このベンチで飲むそうです。寄せ書きノートの量から、人気が伺えます。 『アイショップ石堂』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間2172−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で10分 ③通学路のさとうきび畑 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 種子島の特徴的な風景の一つであるさとうきび畑は、地元の方々にも馴染み深い景色です。貴樹の通う高校の付近も、このように広いさとうきび畑が広がっており、その中を通って通学している様子が描かれています。 正確には、中種子町の中心部から南に向かったあたりと言われています。 『通学路のさとうきび畑』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 ④種子島中央高等学校 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗が通う高校は種子島の中心部に位置します。作品の公開時には「中種子島高校」でしたが、統合により現在の「種子島中央高校」という名称になっています。 アニメの世界そのままの場所が多数存在します。 『種子島中央高等学校』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間4258−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で12分 ⑤旧種子島空港 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! こちらは第2話「コスモナウト」ではなく、第3話「秒速5センチメートル」で登場します。中種子町野間にある「旧種子島空港」がモデルとなっていますが、2006年に閉鎖されており、現在は立ち入り禁止となっています。 『旧種子島空港』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間16915・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 以下の記事では、漫画のシーンと合わせて聖地の情報が掲載されています。詳しく知りたい人はどうぞ。 →『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 【PRODUCT】種子島の伝統工芸品は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]種子島で今でも作られている伝統工芸品は①種子鋏・種子包丁 ②種子島焼(熊野焼)です。いずれも元々の土壌と、鉄砲伝来の地という文化的要素が強く影響しています。[/ふきだし] ①種子鋏・種子包丁 出典元:職人と作家の工芸店 梅木本種子鋏製作所– 本種子鋏 5寸 1543年、ポルトガル船が漂着したことにより日本に持ち込まれたことで有名なのが「鉄砲」です。もう一つ、その船に乗り合わせていた鍛冶師によって、はさみ鍛冶の技術が伝えられました。 種子島は元々質のいい砂鉄が取れる地域であり、材料と技術の両方が合わさって独自の製品を作り上げました。その技術は熟練の職人によって今に伝えられます。 特徴は、何といってもその抜群の切れ味と精巧な作りです。日本刀の技法も取り入れ、伝統的な鍛冶技術によって作られています。一度使ったら量産されているはさみには戻れないと言われるほど、その使い心地には定評があります。 ②種子島焼(熊野焼) 出典元:福元陶苑-作品紹介 種子島では、300年以上前から焼き物の制作が行われてきました。西之表市をはじめ、たくさんの窯元が存在します。その原点は西之表市上熊野地域に伝わる熊野焼(よきのやき)と言われています。 残念ながら熊野焼は明治中期に衰退してしまい、”幻の名陶”と言われています。現在は新たな窯が登場し、伝統を引き継いでいます。 良質な砂鉄を含む土壌が種子島の最大の特徴です。この土で作られた陶器は、砂鉄による鉄分が多分に含まれます。それにより、鮮やかな茶色が発色し、その質感は重厚な風情を醸し出します。種子島焼の器は素朴でぬくもりを感じ、使い込むほどに色艶が増してくる味わい深さがあると人気です。 【FOOD】種子島の食文化は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]食のイメージがあまりない種子島ですが、独自の食材ももちろんあります。[/ふきだし] ①安納芋 出典元:たねがしまや - 安納芋の歴史 ねっとりとした食感と濃厚な甘さが特徴で、さつまいもの中でも人気の高い安納芋は、実は種子島が発祥とされています。種子島は国内で初めてさつまいもの栽培を成功させた場所でもあります。現在は全国各地で安納芋が栽培されていますが、やはりその土壌の影響もあり、品質の高い種子島で採れた安納芋を試してみてください。 ②インギー地鶏 出典元:インギー地鶏の里 - インギー鶏とは 天然記念物であるインギー鶏を別の鶏と交配させたのがインギー地鶏で、種子島にしか存在しない地鶏です。 イギリスの貿易船が種子島に流れ着き、それを島の人々が助けた御礼として贈られたのが始まりです。鶏の正式な名前でなく、当時イギリス人の事をインギーさんと呼んでいたことからその名がついたと言われています。 非常に珍しい地鶏のインギー鶏は、種子島でも食べられるお店は限られていますのでご注意ください。 【食べログ】食事処 インギー地鶏の里 【食べログ】美の吉食堂 歯ごたえのある肉質と旨味が特徴の種子島でしか食べられない地鶏ですので、訪れた際には一度は食べておきたい食材です。 【CULTURE】種子島の伝統芸能は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]近年ではロケットのイメージの強い種子島。古くからの伝統芸能にはどのようなものがあるのでしょうか?[/ふきだし] ①城川内種子島踊り 出典元:鹿児島県ホームページ - 城川内種子島踊り 「種子島楽」とも呼ばれるこの踊りは、種子島の出水地方に昔から伝わる郷土芸能です。踊りの構成は先頭に「妙鉢(チャッパー)」を持つ者、次に大太鼓・小太鼓が、最後に鉦柴を持つ者が続きます。総勢30~40人で執り行われます。 毎年8月8日に行われるため、タイミングが合えば見られるかもしれません。 ②民謡 種子島には、「草切り節」「増田節・周袈裟(しゅうけさ)節」「めでた節」といった民謡が古くから伝わります。よく聞くと方言も確認できます。運がよければ地元の方が謳ってくださるかも…? 民謡についてはこちらのサイトで一部を聞くことができます。 → 種子島の民謡 聖地巡りをした人の口コミ [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]放映から数年が経つ秒速5センチメートルですが、今も聖地としてアニメに登場する場所を訪れる人がたくさんいらっしゃいます。[/ふきだし] 秒速5センチメートルの聖地にカブで来ました引用元:ほびー(@Hoobee773) スーパーカブ(C125)で念願の種子島・秒速5センチメートル聖地巡礼を果たしました( ´∀`)引用元:けーおー@C125(@Versys1nomiya) オタクだから秒速5センチメートルみたいな恋愛したことないのに秒速5センチメートルの聖地巡礼してワンワン泣いとる引用元:李白®︎(@limited__exp) 申し訳程度の秒速5センチメートル聖地巡礼とゆで卵引用元:む〜〜〜〜〜〜〜ん🌙(@Violet_Moon636) まとめ 秒速5センチメートルは、公開から数年が経った今も聖地を訪れる人が絶えない人気アニメです。その聖地の一つである種子島は、JAXAのロケット発射が見られたり、綺麗な海が合ったりと、観光するにも楽しい場所です。 島に古くから伝わる伝統工芸品に触れることで、よりその土地を知り、アニメの見解が深まることでしょう。種子島を訪れた際は、ぜひ伝統工芸品や食事、文化も合わせてお楽しみください。
日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら 「用の美」を極めた銀器の魅力 ――まず初めに銀器とはどのようなものか教えてください。 上川さん)銀器というのは、全国に236品目ある日本の伝統工芸品の一つです。南部鉄器だとか、金沢の金箔、江戸切子などが有名ですね。 銀器のルーツは今から約300年前になります。江戸時代の当時の職人さんを記した文献「人倫訓蒙図彙(じんりんきんもうずい)」の中に、「銀師(しろがねし)」と呼ばれる銀細工の職人がいたことが記されています。私共は、1700年に始まった金槌で打って形を作り出す「鍛金(たんきん)」を確立した流派を受け継がせていただいています。令和4年においても根本的な技術・技法は変えずに、それぞれの時代のお客様のニーズに応じて作っていくということをしています。 ――銀細工の一つとおっしゃっていましたが、具体的にどのような技術で、他の銀細工とは何が異なっているのでしょうか。 上川さん)例えば銀の線細工をされる職人さんは全国にたくさんいらっしゃいますが、基本的には装飾品なので強度はそれほど必要なく、形をつくるという目的がメインです。 それに対して、刀や包丁を作る「打ち刃物」という業種があるのですが、こちらは形をつくるために打っているだけではなく、打つことによって材質に実用品として使える強度を出すという目的があります。 私たち職人は、“使っていただけるように作る”というのが一番の仕事です。それが叩いているのか、形を作っているのか、完成品だけ見るとわからないかもしれませんが、それらは使用の目的が異なるということです。 ――銀器、鍛金技法の魅力はどんなところにあるのでしょうか。 上川さん)「用の美」という言葉がありますが、実用的でなおかつ美しさを兼ね備える。これが伝統工芸品の主要要件です。素材を加工して形をつくる産業というのはたくさんありますが、打つことにより生まれる強度が江戸時代から伝わる鍛金技法の根幹であり、結果的に生まれる美しさが魅力だと考えています。 『銀器』なので基本的には器が主な製品です。技法を生かした、装身具、アクセサリーなどがあります。それらは伝統技法で造るというところの根幹がずれてしまうと他で作っても同じ指輪になってしまうので、そこを間違えないように装身具やアクセサリーに生かしていくというのが一番のテーマです。 また、銀は熱伝導率が高く抗菌作用を持つという特性も、器として優秀な機能の一つであります。そして銀という素材ならではの“特別さ”や“記念”といった要素も銀器の価値と言えると思います。 体験型クラウドファンディングに込めた想い ――今回のクラウドファンディングをやってみようと思ったきっかけや、課題と考えられていたことを教えてください。 上川さん)台東区さん主導の地域活性化を目的とした産業と別業種のマッチング商談会というものに参加する機会があり、そこで今回クラウドファンディングでお世話になっているベルトラ株式会社さんとお話させていただいたことがきっかけになりました。 おかげさまで私は銀師となって29年目を迎えます。私の父親も現役で、江戸から11代を越える半世紀以上の職歴を重ね、陛下から黄綬褒章をいただいたこともあります。これまで歴史と伝統を引き継いで技術を磨くことに専念して参りましたが、やはり長く続けていくとなると、後世に伝えていくという役割も担っていると強く感じます。そのためには、広く知ってもらうための新しいチャレンジが必要です。 銀器というと、ショーケースに入った高級品としてのイメージが一般的にあります。ブランドとしてそのような価値ももちろんありますが、多くの方に使っていただくためにネックになったのは、その敷居の高さでした。職人としては、みなさまに使っていただきたいという想いを持って作っています。今のままでは、どこで売っているのか、どういう歴史的背景があるのか、どういう風に使うのかというところがわかりにくいままでしたので、まずは知っていただいて、使っていただくところまで持っていこうという考えがありました。 一方で、10年ほど前から修学旅行生や海外からのお客様に対して銀器の体験をしていただくという取り組みをしており、1万人ほどご対応させていただいておりました。そこで体験を通じた普及促進というものが有効であるという実績もあったため、今回の体験型のクラウドファンディングというものに繋がりました。 若い方でも伝統工芸品に対して興味を持っている方がかなり多いと感じていますので、実際に自分で作ってみることで、より愛着と興味関心につながると考えています。同時に歴史的背景や意義というものもお伝えすることもでき、この体験型クラウドファンディングは多くの方にご賛同いただいています。 ――今回のクラウドファンディングはどのようなシーンで利用されていますか? 上川さん)銀器を広めていく上でのコンセプトとして、「ちょっと豊かに、ちょっと贅沢に。」という位置づけを構想しています。過去にあったのは、カップルの方々の記念だったり、おじいちゃんおばあちゃんがお孫さんのために作るアイススプーンだったり、少し特別な意味で銀器をつくられる方が多いです。 具体的なエピソードですが、普段は指輪を贈るなんて恥ずかしいけど、銀婚式だからちょっと銀器で作ってみようか、というお話をいただきました。ご自身で作られた指輪ってすごく愛着がわくと思うんですね。記念の時にこれ作ったよね、と思い出すことができます。そのように自然な形で使っていただけると嬉しいなと思っております。 あとは、地域全体を使った結婚式をされる方々の指輪制作にも携わりました。今までありそうでなかったのですが、台東区は観光の名所もあるので、地域全体の町おこしとしていい取り組みだったなと思っています。 ――体験することで「思い出」という価値もさらについてくるようなイメージでしょうか。 上川さん)まさにそうです。ものをお買い上げいただくのはもちろんですが、その前にまず、あそこで体験したことあるな、といったように思い出していただける位置づけまでもっていく必要があると思います。 ――銀器というと美しい鏡面が印象的ですが、体験でもこのような作品が出来上がるのですか? 上川さん)そこが一番のポイントなのですが、このツルツルの鏡面にするのは、職人の熟練した技が必要ですので、体験ではそこまではできません。先ほど申し上げたように、使用の目的によってその加工が変わってきます。鏡面にするには、叩いて形にした後に削り出して磨き上げます。そのため工程数がものすごく多くなり体験ではちょっと難しいんですよね。 まずは体験で、自分で作る楽しさや難しさを実感していただく。そうすることで、職人の受け継いできた伝統技術の奥深さや、手間暇の大変をより強く肌で感じられるでしょう。それはとても大切だと思っています。 ――クラウドファンディングや、オンライン、ITを取り入れて変わったことはありますか? 上川さん)職人の世界では顔を出してはいけないというのが通例で、メディアに出させていただくことは全くなかったんですよね。それが今ではこうしてご取材いただいたり、伝統と新技術という題目で理系の大学の講演をお願いされたりすることも増えました。 あとは、全国の伝統工芸やものづくりをなされている方々や、酒蔵の方々などと交流するオンラインイベントがあり、最近それに初めて参加させていただいてすごく刺激を受けました。そこで私共の取り組みも紹介させていただいたのですが、「体験型クラウドファンディングなんてすごいですね」と興味を持っていただけたんですよね。そのような前向きにものづくりに取り組む方々と情報を交換し、刺激し合える関係性を築けたのも一つの成果かもしれません。 オンラインやITを取り入れた理由 ――オンラインなどの取り組みは、コロナ以前からやられていたのですか? 上川さん)オンラインイベントなどは以前から模索していたのですが、実際にやってみるとリアルとの差がかなりあったんですね。お子さんたちを対象として体験キットをご自宅に届けてオンラインで説明しながら銀器を作成するということをしたのですが、やはり難しかったです。ですから、この状況下ではありますが、実際に対面で体験指導していく方法に行き着きました。 ――新型コロナウイルスの感染拡大は、上川さんのお仕事や銀器の産業にどのような影響を与えましたか? 上川さん)影響は非常に大きいものでした。私の77歳の父親よりも上の世代一人親方をされている職人さんも多いんです。コロナ禍で今までの販売体系や流通が全く動かなくなってしまいました。ここ数年の販路としては、百貨店さんなどでの販売がメインだったんですよね。そうするとイベント自体がもう中止で売り上げが立たないし、オンラインの対応もなかなか難しいという現状もあり、廃業を選択される職人さんも後を絶ちません。 「上川さんのところはまだ若い職人もいるから」ということで、廃業される先輩の職人から道具を譲っていただくこともあります。その道具にも専門の職人がいるんですよね。そうやって受け継いだ道具を、今度は新しくやりたいという子に使ってもらえるように、まだ若手と言わる私が銀器の産業に対して今何ができるか。そして地域ぐるみで何ができるかと深く考え、後の世代へ繋げていく方法を模索し続けなければならないと考えています。 受け継いできた技術を次の世代へ ――よく伝統工芸では後継者問題も多く聞かれると思うのですが、銀器の世界でも厳しいのでしょうか? 上川さん)銀器の業界は、圧倒的に廃業なされる方が多いですね。銀器の組合というものがあって、入りたての29年前には青年部員だけで30人以上、本体で2~300人くらいいたんです。当時はいろいろな分業制を行っていたりしたので、現在と形態は違うとはいえ、今は当時の10分の1くらいに減ってしまったんですよね。私は青年部の部長という役を担っているのですが、実働しているのは2割程度くらいになってしまっていているのが実状です。 ――なかなか厳しいですね。高齢の方が多いと、ITやオンラインといった新しいことに対しての抵抗感が強いのではないですか? 上川さん)私がパソコンやスマートフォンで打ち合わせや作業をしていると、「何やっているの?」と。「そんなことしてないで手伝ってくれ」と言われることもあります。他の職人さんに必要性を伝えるのは難しかったですが、少しずつ意義を伝えていきながらようやくオンラインという言葉を覚えてもらったかなというレベルです。 他の職人さんたちにも使ってもらうようになるためには、まず自分が実践していかなければならないと思っています。今はまだ勉強させていただいているところではあるのですが、一つ一つを積み重ねていくことで銀器の世界だけでなく、地域の他の産業にもうまく広がっていけばなと思っております。 ――理解が得られない中で進めるのは大変ですね。 上川さん)伝統工芸は、職人だけでなく使っていただく方々も含め多くの関わりの中で作り上げていくのものだと思います。そういった意味で、私の役割はみなさまに広く知っていたき、継続する方向にしていくことだと考えて活動しております。今はまだ実績もなく直接的な売り上げに繋がっているわけではないのですが、先を見据えるとやらなければいけないことなんです。だから今、このようにチャレンジしています。 ――後継者不足が深刻ですが、例えば「明日から職人さんになりたいです!」と言ってなれるものなのですか? 上川さん)もちろん流派や親方筋によって考え方はそれぞれあると思いますが、うちの父親なんかは明日からでも来ていいよ、というタイプなんですよ。ただ、始めることは簡単でも、続けることが結局難しいんです。続けるために工夫をしたり、時代に合わせたり、ご縁を大切にしたり、それらがあるからこその仕事ですので、そのような辛抱強さは必要なのではないでしょうか。 ――次世代に受け継いでいくことについてどのようにお考えですか? 私の息子は高校生と中学生なんですけれども、家業の事や伝統を受け継いでいくことについては理解しています。「お父さんは英語や中国語はダメだから僕は語学の勉強をして、海外の方々とも取引できるように勉強したい」と言ってくれています。子どもが自主的に見聞きし、考えてくれていて、そうやって新しい世代が興味を持ってくれるのは嬉しいことです。 ――先を見据えた考え方ができる息子さんで将来有望ですね。 上川さん)まだ勉強中なんですけどね。親父が「俺の背中を見ていればいい」という時代でもありません。子どもの方がよくわかってくれていて、私は私の、息子は息子の今だからできる必要だと思うことを行動しようと話しています。いい意味で子どもから学んでいますね。子どもが行動しやすい環境を作っていきたいです。 ――今上川さんの種まきをしていることが、息子さんの代に広がっている画が見えますね。 上川さん)その時代その時代でのお客様のご要望や、ニーズ、社会情勢は変わってくると思うので、そこにどうやって対応するかですね。親として息子の今後を応援したいなと思います。 ――後世に繋げていくには時代のニーズを的確に捉えていくことが不可欠ですね。 上川さん)分かる人にだけ分かってもらえればいいという時代もあったのかもしれないですが、それは今と時代背景が全く違う高度成長期の時代や大量生産でものをいっぱい作るという体制があった時代の使い方です。職人は黙って手を動かしていればそれで生業として成立する、という時代は終わりました。 「伝える」ということは誰かが代わりにやってくれたりどうにかしてくれたりするわけではありません。一生懸命にものづくりをすることと同じくらい、職人として伝えていくことに対して熱量を持って行かないとダメなんだと痛感しています。実績を重ねていく過程も皆さん見ていると思いますので、身が引き締まる思いがしますね。 銀器を普及させるための新しい取り組み ――最近の銀器に対する新しいニーズはありますか? 最近ですと、アイススプーンを作り始めました。これは今体験型のクラウドファンディングでもご案内させていただいております。銀という素材は熱伝導率が金属の中で一番優れているため、自身の体温の熱が伝って、凍っているアイスクリームがゼリーのようにスーッとスプーンが入るんです。それを実感していただくことも非日常の一つで幸せを感じる瞬間とも言えますね。 そのアイススプーンから発想して、ベビースプーンとしてもいいよね、とお客様からアイデアをいただき、形にしました。時代にあったもの、必要なものを教えていただきながら形にしていく作業は楽しいですね。 銀器以外の伝統工芸の素材のものとコラボレーションすることによっていろんなものができるんですよね。例えば、陶器と銀器を合わせる工芸品。この工芸品を生活の中で使っていただけるよう提案していくこともものづくりを楽しさかなと思います。そこから新たなオーダーをいただくこともありますよ。 ――最近ではサステナブルという価値観が若い方に共感されるポイントとなっていますが、これは伝統工芸にとって追い風と言えるかもしれませんね。 上川さん)SDGsやサステナブルといった考え方は、実は日本文化の中で大切にされていた部分と通じる要素が多くあるんです。今がその時代のタイミングになってきているのかな、ということを肌で感じている部分はあります。先程の大学の講演についてもそうですが、若い方に伝える機会をいただけることはすごくありがたいことです。 ――現在ECやオンラインショップもされているのですか? 上川さん)東京都さんの方で今年度からオフィシャルの東京の伝統工芸品として選んでいただいて、ECサイトに出店させていただいています。あとはホームページの方では遠方の方にお買い求めいただけるようなプラットフォームをつくりました。 ――実店舗以外でも楽しめる環境を整えられているのですね。 上川さん)それでも、他の職人が「自分もやってみようかな」と期待値が高くなるほどの成果までは行っていないので、常に課題感を持って進めていければと思います。ここで辞めてしまったら、やっぱり意味がなかった、と思われてしまうと思うので、職人としてやるからには時間がかかってでも成果を出していきたいと思っております。 ――SNSの活用や、ライブコマースなどについてはいかがですか?また、これからの展望を教えてください。 上川さん)東京都の若手の職人さんが集まって開催されるTOKYO職人展というイベントで、僭越ながら実行委員長という大役を担わせていただきました。イベント会場内でやっていただいたインスタライブでは、イベント関係者様のご尽力によりお陰様をもちまして会期中2~3千人の方々に実演風景や商品案内を見ていただきました。来年にも出来たら取り組みたいと思います。 SNSもコロナ禍をきっかけに去年の夏くらいからようやく始めたんです。始めるにあたって周囲からものすごく反対がありました。なんで外に自分の情報を流すのか、という批判がすごいんですよ。でも、出すからには正確な広報をしっかり発信していかなければならないと思い、取り組んでいます。まだまだ周知もできていませんが、いろんな方にご覧いただければなと思います。若い方にはこんなメッセージを提示していこうなどと勉強を重ねていって、物づくりに対して一人でも多くの方の興味に繋がっていけたらと思います。 投稿には、必ず日本語と英語の表記で入れています。息子には中国語もやらないとだめだよとおしりをたたかれていますが。 ――中国は市場が大きいですからね。 上川さん)SNSでも中国や台湾の方からメッセージをたくさんいただくんですよ。気を遣っていただいて日本語だったりするんですけど。やり取りをして、微力ながら興味を持っていただけるよう尽力しております。 銀師としての想いと続けていく原動力 ――銀師をしていて苦労したところはどんなところですか。 上川さん)苦労したところは続けていくことです。やっていくうちにどれだけ大変なことかがわかってきました。私ははじめから銀師だったのではなく、一度社会に出て少し離れた環境からものづくりを見れたので、自分のやりたいことをそのまま表現できるありがたみを実感しています。私が入りたての頃の先輩はものすごく背中が大きくて、まだまだ並べてはいませんが、後輩にもそのように思ってもらえるようになれればなと思います。続けたくてもできない方がいる中で、ご縁があって続けられることがありがたいです。 ――ご縁を大切にされていらっしゃいますが、その辺りが続けていく原動力や喜びに繋がっているのでしょうか。 上川さん)そうですね。体験をされた方がお世辞でなく楽しいと言っていただけた時には、幸せをおすそ分けしていただいたような気持になって元気が出てきます。よし、頑張ってみよう、と思えるような体験や出会いは、僕の原動力になっていると思います。 お客様に限らず、ものづくりをされている別業種の方や、メディア、大学などこれまで関わることのなかった様々な方々と繋がってお話できることはとても刺激になりますし、実際に作品をつくるときにも試行錯誤していいものを作っていこう、という気持ちにさせられます。それもまた原動力ですね。 ――銀器に対する想いや、チャレンジングな姿勢が伝わってきました。様々な取り組みがどのように広がっていくか、楽しみですね。本日はお話いただきありがとうございました。 日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら
福岡県福岡市ホテルグレートモーニング博多にて、福岡の伝統織物「久留米絣」と「博多織」を部屋の様々な場所に使用した宿泊プランが開始されました。 このプランは、福岡市の支援と久留米絣の工房が一番多く残る広川町の観光協会にも協力を受け実現しました。新しい生活様式や潜在ニーズに応え、新たな価値を創造することを目的としています。 ホテルグレートモーニング博多公式サイトはこちら ホテルグレートモーニング公式サイトはこちら 国内外から高い評価を受ける伝統織物「久留米絣」と「博多織」を体験 一番の特徴は、このプランのために特注で誂えられた創業125周年を迎える野村織物の久留米絣の布団カバー。丈夫で、夏は涼しく冬は暖かいという綿織物ならではの特徴を体感いただけます。さらに、ホテルのエントランスには博多織を贅沢に使ったソファーが置かれ、スタッフは久留米絣で仕立てられた制服を羽織ります。 お部屋に置かれた伝統織物の歴史本など、ホテルに一歩入った瞬間から、いま世界的な課題となっている「大量生産・大量消費」で生み出される製品では感じることのできない、伝統織物ならではのサステナブルな魅力が伝わってくる体験型宿泊プランです。 プランの価格と予約方法 プラン名福岡の伝統織物に包まれ癒される「久留米絣なステイ」料金12,000円~予約方法公式サイトより所在地福岡県福岡市博多区店屋町6-3 特別プラン 予約と詳細はこちら 久留米絣とは 「久留米絣」は、「伊予絣(愛媛県松山市)」「備後絣(広島県福山市)」とともに日本三大絣の1つとして数えられる、九州筑後地方に伝わる綿織物です。 無地が主流だった約200年前、優しい風合いの柄を織物に浮かび上がらせる技が、偶然の発見により生み出されました。綿糸を先に染めてから織ることで微妙なズレが生じ、独特なかすれ模様となります。これが久留米絣の大きな特徴であり魅力です。 この久留米絣は、福岡の夏の風物詩である博多山笠の法被にも使われています。ホテルグレートモーニング博多では、プラン限定の布団カバーの他に、制服やポケットチーフに採用されています。 博多織とは 770年以上もの歴史を持つ「博多織」は、中国の王朝・宋から、博多の商人が持ち帰った織の技法がルーツといわれています。多くの経糸に、緯糸を強く打ち込むことで、厚く張りのある生地に織り上がるのが大きな特徴です。 1600年には、筑前福岡藩の初代藩主が、幕府への献上品にも選んだ特別な織物で、「献上柄」「博多献上」などと呼ばれます。現代でも、和服の帯としてよく用いられ、博多地区のシンボル的な模様として、街中のさまざまな場所で使われてます。 こちらのプラン限定で、博多織のソファーとフットスローを楽しむことができます。 宿泊施設だからこそできる価値の伝え方 宿泊施設の中でも、寝具は疲れを癒すために一番長い時間を過ごすと言えます。そんな宿泊施設の特徴を活かして、“福岡の久留米絣や博多織の魅力的な文化をもっと多くの方に知って頂きたい”という想いから今回の取り組みをスタートされたそうです。一過性のプランではなく、感染症が終息した未来も見据え、福岡だからこそ体験できる。世界に誇れるホテルステイの形として期待がされます。 ホテルグレートモーニング博多の特徴 「都市型リフレッシュホテル」として、天然素材、水そして空気にまでこだわっています。 空気が美しい:無風の冷暖システムF-CONを全館に採用天然素材が包み込む:木材は天然の竹、壁は漆喰と珪藻土にこだわって使用ミネラルウォーター:水道から出てくる水は全て、特殊な活水器で濾過されたミネラルウォーターオーガニックタオル:全室に標準採用、洗剤はオリジナルで環境に配慮したものを使用高級寝具:金属のスプリングなどを一切使わないメーカーと共同開発した寝具の自然な寝心地が、最高の目覚めをサポート ホテルグレートモーニング博多 〒812-0025 福岡県福岡市博多区店屋町6-3 TEL : 092-272-1414
着物初心者の方にありがちなのが「どちらの衿が上?」という疑問です。自分で着付けるときに必ずクリアしなければならないところなので、絶対に間違えないポイントをご紹介いたします。 右前・左前ってなに? 着物の着付けの際に登場する言葉の「右前」「左前」とは、衿合わせのことです。 通常の着付けでどちらが用いられるかというと、「右前」が正解です。反対の「左前」になってしまうと、古くから縁起が悪いとされており、葬儀で亡くなられた方が経帷子という着物の着方になってしまいます。 さて、では「右前」はどのような形かと言うと、自分から見て右側が下、その上に左側の身ごろが重なっている状態です。これは男女関係なく、同じです。洋服の身ごろの合わせ方が、男性は着物でいう右前、女性は左前となっているため、女性の方が混乱しやすいので注意が必要です。 なぜ右前の決まりになった? 着物の右前がルール付けられたのは、719年で奈良時代のことです。元正天皇によって発令された衣服令の中の「右衽着装法(うじんちゃくそうほう)」で、すべての衣服は右前で着るということが定められました。 今、これを守らないから罰則があるという訳では決してありませんが、伝統として今日まで守られています。 右前を絶対に間違えないコツ ①「右」を「前(先)」に着付ける 一番のおすすめは、「右前」の意味を理解することです。右前と言われると、右が前に出ていると誤解されがちですが、そうではありません。 右前の「前」には、「先」という意味があります。その通りに右側の身ごろを先に、左側を後に着付けると、「右前」が完成します。 ②自分から見て「右が”手前”」になるようにする 自分から見て、「右」側の衿元が自分の「手前」になるのが『右前』です。この覚え方であれば、鏡を見たとしても混乱しません。 ③右手が入る 手を衿元に入れようとしたとき、右手が入るのが「右前」の状態です。 着物にはポケットがない代わりに、ハンカチや貴重品、扇子などを懐にしまうことがあります。9割以上が右利きなので、右利きの人が出し入れしやすいのが右前です。 ④女性の場合、洋服と逆 混乱してしまう原因の一つが、着慣れている洋服と違うためです。洋服の場合、男性が着物でいう「右前」、女性が「左前」の状態が通常の衿合わせです。 女性は普段と逆のため違和感がある方も多いですが、それを逆手にとって、「普段のブラウスと逆」と確認するとよいでしょう。 ⑤相手から見て「yの字」になる これは自分で確認しにくいのですが、相手から見て衿元が「y」の形になっていれば正しい右前になっています。 自分で着付けるというよりは、誰かに着付けてあげる機会に役立つ見分け方と言えます。 現代ならではの“右前の落とし穴” 先に述べたように、着付けの際に右前をしっかり確認して外出したとします。普通に歩いている分には特に問題はありません。ところが、写真を撮る機会があったときは、要注意です。なぜかというと、思い出を残すために皆さんお友達と自撮りをする方も多いと思いますが、その際に写真が反転して撮影されることがかなりの確率であるのです。 撮った写真をSNSにアップする際に、反転したまま載せてしまうと、せっかく確認した衿合わせが誤って左前にしてしまっているように見えてしまいます。そのため、カメラアプリの設定で自撮りの際の鏡モードをオフにしたり、撮影してSNSに載せる前に反転しなおすという作業を挟む必要があります。 たいていの方はアプリの関係で反転してしまっているとわかると思いますが、気になる方は、そのあたりも確認をするとよいでしょう。 さいごに 右前を正しく見分けられるポイントは見つかりましたか?覚え方は人それぞれなので、自分に合った方法で覚えて着付けを楽しんでみてください。
洋服を買う際に、自分のサイズがわからないという方はあまりいませんが、普段着物を着ない方は、どのようなサイズの着物を着ればいいかわからないという方も多いでしょう。 着物のいいところはサイズが合わなくても着られるところでもありますが、自分の体に合ったものは着崩れにくく、快適に過ごすことができます。 今回は、初心者向けに最低限ここを知ってほしい、という部分をピックアップし、着物の各パーツの名称と、採寸方法、どのパーツと対応するかを解説していきます。 着物のサイズを表す箇所の名称 身丈(みたけ) 身丈とは、簡単に言うと着物の長さです。肩口から裾までの長さを測ります。 『身丈=自分の身長』が一番ぴったりのサイズとなります。ただ、前後5cm以内であれば、問題なく着ることができます。それ以上差があっても着ることはできますが、短い場合おはしょりが短くなる、また対丈(ついたけ)で着ることになります。長いときは着付け方で調整することはできますが、もたつきや着崩れの原因になるため、できれば大きすぎない方がよいでしょう。 裄丈(ゆきたけ) 裄丈とは、腕の長さを指します。着物のどこに対応するかというと、衿の中心(背中心)から袖の先までの長さになります。 体を測る際は、肩と背骨の交差する部分から肩先を通って手首までの長さを測ることになります。腕下方向にを斜め45度くらいにすると正確に測れます。測った長さと同じとするのが一般的です。ただ、動きやすさから少し短めに着る方、寒い時期は少し長めがいいという方などがいらっしゃいます。 袖丈(そでたけ) 袖丈は、裄丈と混同しやすいですが、腕の長さではなく袖の上から下までの長さを指します。 先の二つとは違い、気姿や着崩れにくさよりは、TPOに関わってきます。袖丈が長いものから順に大振袖、中振袖、二尺袖、通常の着物、となります。 通常の着物の標準は49cm前後です。袖丈は、下に着る襦袢や上に着る羽織とサイズが合っていると隙間ができたり余ったりせずにきれいに着ることができます。 前巾・後巾(まえはば・うしろはば) 前巾と後巾は、前側の半分または後川半分の端から端までの長さで、腰回りのサイズに関わります。前巾×2、後巾×2の合計が腰回りの長さとなります。ただ、着物には衽(おくみ)と言われる15cm程度の幅もありますので、長さが足りなくても多少の余裕はあります。 着物以外の小物のサイズは? 着物本体(長着)以外の帯や襦袢のサイズも知っておきましょう。 長襦袢 長襦袢は着物の下に着ます。長襦袢のサイズは、身長×0.85の身丈がぴったりのサイズとなります。もしくは、身長-25cm前後であれば女性の身長であれば問題なく着られるサイズとなります。 『長襦袢の身丈 = 身長×0.85』 帯 帯には半幅帯、名古屋帯、袋帯といった種類があります。半幅帯と袋帯の多くは約4mで作られているものが多く、結び方も様々なので、あまり長さに神経質になる必要はありません。 名古屋帯に関しては、基本的にお太鼓結びか銀座結びにすることが多いため、ある程度ちょうどよい長さが決まってきます。全通と言われる全体に柄が入ったものではなく、ワンポイントの柄であれば、なおさらサイズが合っていないときれいに柄が出ません。名古屋帯の一般的な長さは3m50cm前後で、普通体型の方であればちょうどよいサイズになります。長い分には調整がききますが、これ以上短いときれいに帯の形が作れなかったり、着崩れてしまったりします。 サイズの合わない着物はどうする? 着物のサイズについて詳しくお話してきましたが、サイズが合わないからと言って着られないわけではありません。例えば、身丈が短い場合はおはしょりを作らずに対丈で着たり、おはしょりを作る代わりに裾を短く着付け、中にプリーツスカートを履いて裾から見せたり、といった着方もあります。 また、アンティーク着物は裄の短いものも多く、フリルなどの付け袖を活用する場合もあります。 アレンジして着るのではなく、お直しに出してしまうというのも一つの手です。ただ、裄丈が長い場合に短く詰めるなどは可能ですが、長さ出しには限界があるので、お店で確認してもらいましょう。 まとめ 自分のサイズに合った着物を着ることは、気姿が美しくなるだけでなく着崩れの防止や動きやすさにもつながります。マイサイズに仕立てられれば一番いいのですが、初心者にはハードルが高いのも事実です。まずは仕立て上がりの着物や、アンティーク・中古の着物から始められる方が多いと思われますので、購入際に、ぜひ参考にしてみてください。
屋形船東京都協同組合は、ARと屋形船を融合させた新らしいエンターテイメントの創出に挑戦。応募フォームの回答で先着100名様に無料乗船チケットをプレゼントされます。 江戸時代の生活を再現!ARによる体験型アクティビティ 今回の企画は、かつての江戸時代の賑わいをARで再現し、浅草や東京湾と融合させるという取り組みです。スマートフォンやタブレットでQRコードを読みm取ると、画面に江戸時代の登場人物が出現。屋形船から見える景色と重なり、タイムスリップしたような感覚で非日常感が増します。 新型コロナウイルスの感染拡大で、大きなダメージを受けた屋形船業界。苦境を新たな顧客層開拓へのチャンスと捉え、この取り組みが生まれました。 最新技術のARと、一見交わらない江戸文化との融合をぜひご体験してみてはいかがでしょうか。 無料乗船詳細 <一般向け>・日時: 2022年1月15日(土)16日(日) 13:00 - 17:30のうち60分の乗船・場所: 浅草・台場・コース: 60分のスカイツリーまたは台場周遊・その他: ご自身のスマートフォンで江戸時代の様子を体現できる体験あり。飲食は含まれません。 無料乗船会・応募フォーム 【Application Form】Time Travel Cruising on Japanese traditional boat → https://forms.gle/oErMcraS76K3jhJj8※本事業では外国籍の方も招待する為、英語・日本語で記載しています。 < 始動の背景と目的 >屋形船東京都協同組合は、歴史ある屋形船と現代技術のそれぞれの強みを活かした、新たなサービスとしてこちらのサービスを開始。 需要の減少や、事業者の高齢化といった慢性的な問題を抱えている中、コロナウイルスが直撃しましたが、特別な体験と日本の文化を届けたい思いから生まれたとのこと。 コロナ禍で旅行や催し物が制限されている今、日常に物足りなさを感じている方に対して、「かけがえのない体験」や「非日常的な空間」をより多くの人に提供することを目指しています。 ※本企画は東京都主催「新しい日常対応型業界活性化プロジェクト」に伴った内容になっています。https://www.tokyochuokai.or.jp/sienseido/jyoseijigyou/groupsenryaku.html 【団体概要】 団体名:屋形船東京都協同組合所在地:東京都台東区柳橋1-5-11篠塚ビル3F代表者:高橋呂美HP:https://www.yakatabune-kumiai.jp/ 【お問い合わせ先】 運営:NOFATE株式会社担当者名:南條 佑佳TEL:03-6416-4265 (平日9:00‐18:00)e-mail:yakatabune@no-fate.co.jp
着物を快適に着るためには、気候や気温に合ったものを選ぶことが重要です。気候に合わせて、寒い季節には暖かくする工夫を、暑い夏には涼しく過ごすための工夫が着物にはなされています。また、日本には昔から季節を大切にする風習がありました。仕立て方や素材、見た目の変化とともに着物を着る楽しみを味わってみてください。 着物に季節はある?月別に解説 着物には大きく分けて「袷(あわせ)」「単衣(ひとえ)」「薄物(うすもの)」の3つの種類があります。それぞれ特徴を解説していきます。 袷 袷は、文字通り表地と裏地の2枚の布を合わせて作られます。布が重なっているので、冬にも暖かく過ごせます。時期的に成人式の振袖は合わせである場合が多いです。胴裏と八掛(はっかけ)という部分に分けられ、袖口や八掛は着て動くと見える部分でもあるため、表地に合わせて色合いになっている場合もあります。適応時期:1月~5月、10月~12月 単衣 単衣は、裏地のない1枚の生地で作られます。袷よりも軽く、涼しく過ごすことができます。一般的に6月と9月に着るものとされていますが、下に着る襦袢や下着などで調整しやすいので春や秋には非常に重宝します。適応時期:6月、9月 薄物(夏着物・浴衣) 夏に着る涼しさに特化した夏用の着物を薄物と言います。薄物には、夏着物と浴衣があります。裏地はなく、紗(しゃ)や絽(ろ)といった透ける程薄い織り方の織物で作られます。格でいうと、絽がフォーマル、紗はカジュアル寄りです。中に着るものが透けるので、襦袢の色にも気を遣う必要があります。 浴衣は湯上りの寝間着として使用されていた歴史があります。また、暑い夏のカジュアル着としても使用されてきました。浴衣と夏着物の違いは、①襦袢を着るか②透け感があるか③足袋を履くか④合わせる帯の格 などで見分けることができます。しかし、現代では浴衣を着物風に着ることもあるので一概には言えません。あまり神経質に線引きをせず、おしゃれとして楽しむのがよいでしょう。 着物カレンダー 目安となる月は上の図のようになっています。ただ、あくまで目安なので、例えば5月で20度を越えるような暖かい日に無理して袷を着ないといけないわけではありません。状況に合わせて判断してみてください。 温度調整には素材も大切 着物の素材によっても、保温性や通気性が変わってきます。 正絹は保温性と通気性に優れるため、寒い季節に最適です。また、ウールは羊毛コートが暖かいように単衣でも袷と同じくらい暖かいものもあります。 春~夏、初秋にかけての単衣や、浴衣に用いられることが多い綿は吸湿性もあり、暑い季節によく用いられます。麻の素材で作られた着物も通気性がいいので夏におすすめです。 ポリエステルは熱が籠りやすいため、夏にはあまり向きません。 着物の季節と柄 日本は季節を大切にする文化があるため、着物の柄と切っても切れない関係です。 季節による柄の違い 季節を感じる着物の柄は、自然文様が代表的です。四季折々の草花や自然現象をモチーフにした柄は定番で用いられます。春の桜、初夏や夏の紫陽花、秋の紅葉、冬は椿など、花の種類に限っても多数存在し、我々の目を楽しませてくれます。 その季節のものを取り入れる場合もありますが、反対に暑い季節だからこそ、雪の結晶の柄や冷たい色味の夏着物や浴衣を着て涼を取る、という場合もあります。 柄を先取りするとは? 季節に合う柄の着物を着るのはわかりやすい基準ですが、さらに深く知っていくと、花であれば、その花の咲くピークの季節ではなく、半月ほど早く着るのが粋、とされます。これは先取りしなければならないという訳ではなく、あくまでトレンドを先取りするのがおしゃれ、とう感覚的なものです。 季節に合った着こなしのコツ 季節に関わらず、着付け方法は大きく変わりません。しかし、寒い時期に暖かく、暑い時期に涼しく着るために、少し変化を付けることはよくあります。 冬は着物の下にたくさん着こんだり、襦袢も袷のものを用いたりして暖かく着ることができます。現代の衣服を用いて、襦袢や肌着だけでなくタイツ(レギンス)を履いたり、ヒートテックを着たりすることで、暖かさがかなり変わります。ただし、裾や袖口から見えてしまうこともあるので注意が必要です。夏の時期は、通気性をよくするために襟元を通常よりもゆったり着付けることもあります。帯の間に保冷剤をはさむのもおすすめです。 まとめ 今回は、季節によってどのような着物を着ると快適に過ごせるか、解説してきました。 昔からの基準はありますが、それらは快適に過ごすための目安として伝えられてきたものです。何月だからこの着物は着なければならない、と囚われずに、その都度快適な着物を選んで着ましょう。
織物や陶磁器、漆器など日本を象徴する伝統的工芸品は、現在日本には237品目あります。 そんな伝統的工芸品には、品質を保証するための目印として「伝統マーク」が付けられているのです。 伝統マークを見たことがある人の中には 「伝統マークはどういう基準で付けられているの?」「伝統マークがなぜつけられているのか知りたい」 このような疑問を持っている人も多いはず。 ここでは伝統マークの意味や認定されるための条件について分かりやすく解説していきます。 また、 伝統マークと伝統証紙の違いや伝統的工芸品の定義などについても紹介していきますので、伝統的工芸品に興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統マークとは? 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 伝統マークの見た目は、日の丸がマークの中に入っており、日本をイメージしやすいデザインが特徴的です。 伝統的工芸品として認められれば、伝統マークのデザインが入った伝統証紙が貼られます。 国から認められた伝統的工芸品のみに与えられる信頼の証と言えるでしょう。 経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークのこと 伝統マークは経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 日本には工芸品が数多く存在しますが、その中でも国が定めた厳しい基準をクリアした工芸品が伝統的工芸品として登録されています。 日本の工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統的工芸品として認定されるための条件 伝統的工芸品として認定されるための条件は主に5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの 上記の要件全てを満たしていることが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律で定められています。 主として日常生活で使われるもの 現在でも私たちの日常生活で使われるものでなければ、伝統的工芸品として認められません。 例えば、福島の奥会津編み組細工はバックやカバンとして使われていますし、東京の江戸切子はグラスとして多くの人に使われています。 他にも扇子や着物、包丁などさまざまな伝統的工芸品がありますが、日常生活でしっかり使われていることが条件の1つです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 製造過程のほとんどが手作り 製品が職人の手で製造されていることも伝統的工芸品の条件です。 ただ、厳密にいえば工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 しかし、製品の品質、形態、デザインを手作りで継承することが重要とされているので、メインとなる主要部分はやはり職人による手作りとなります。 現在では機械が発達していますが、人の手によって製造される製品には特有の味があり、製作者の技術を楽しめるのも伝統的工芸品の良さですね。 100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている そもそも伝統的とは、何を指すのでしょうか? 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を意味します。 魅力的な美しい見た目や高い機能性の工芸品であったとしても、製造技術や技法が確立されてから100年以上継続されていないと、伝統的工芸品に指定されることはありません。 そのため、伝統的工芸品として認められている製品は少なくとも100年以上前から存在していたということになります。 長年紡がれてきた技術や技法により、伝統的工芸品は機能性に長けていたり、美しさや丈夫さに秀でているのです。 伝統的に使われる原材料 工芸品に使われる原材料も、伝統的工芸品として認定されるための条件に関わっています。 原材料は木、土、漆、金など日本の天然資源が使用されていることが多く、100年間以上製品に使われる原材料が同じであることが条件となっているのです。 しかし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値の高さから入手が困難な場合もあります。 上記のようにやむを得ない事情がある場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で同種の原材料に転換することが認められます。 一定の地域で産地を形成しているもの 伝統的工芸品は、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいて、地域産業として成立している必要があります。 もし、1人だけしか製造方法を知らなかったら、技術や技法を次世代に残せませんよね。 そのため、ある程度の規模で製造に関わっている人が条件になっているのです。 また、いくら素晴らしい技術だとしても日常生活で利用される製品でなければ、工芸品とは呼べないので、地域産業として私たちの生活を豊かにしてくれることも条件になっています。 伝統マークと伝統証紙の違い 伝統マークは、冒頭に伝えている通り経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークです。 一方、伝統証紙は伝統的工芸品の表示のために、伝産協会が発行する伝統マークを使用した証紙のことを指します。 つまり、伝統マークはシンボルであり、伝統証紙は伝統的工芸品を一目で分かりやすくするために貼るものと考えてください。 伝統証紙が貼られていることで、消費者が伝統的工芸品を安心して購入できるのです。 また、伝統証紙は職人にとって、「伝統を誇る手作りの証」でもあります。 伝統証紙には2種類ある 伝統証紙は金と銀の2種類あります。 前提として、どちらも伝統的工芸品を保証する証紙ではありますが、細かい違いがあるのでそれぞれ解説していきます。 金色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 金色の伝統証紙は、100年以上の歴史があり、先程紹介した5つの条件を満たした伝統的工芸品に貼られます。 経済産業大臣が指定した技術・技法・原材料で制作され、産地検査に合格した製品が対象となっています。 銀色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 銀色の伝統証紙は、「現代の伝統工芸品」が対象とされています。 伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品のことを指します。 伝統的工芸品産業振興協会と産地組合の間で条件を決め、クリアしたものだけに銀色の伝統証紙が貼られます。 銀色の伝統証紙は、金色の伝統証紙の後に作られました。日本のライフスタイルの変化に合わせて、「現代の匠の逸品」として新しい伝統的工芸品が誕生したのです。 伝統工芸品と伝統的工芸品の違い 伝統工芸品と伝統的工芸品には違いがあるのをご存知でしょうか。 今回紹介した伝統マークが貼られているのは伝統的工芸品ですが、耳なじみがあるのは伝統工芸品という人も少なくないでしょう。 そこで最後に、伝統工芸品と伝統的工芸品の定義をそれぞれ紹介しておきますね。 伝統工芸品の定義 実は、伝統工芸品には明確な定義がなく、長年受け継がれてきた工芸品の事を指します。 現在の日本では、約1300種類もの伝統工芸品が全国各地に存在するのです。 伝統工芸品は伝統的工芸品と同じように、「日常生活で使われるもの」を指し、着物や漆器、ガラス細工、人形、和紙など種類はさまざまです。 伝統的工芸品の定義 伝統的工芸品の定義は明確で、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められている条件を満たしており、経済産業大臣に認定されていることです。 伝統的工芸品として認定されるための条件は下記の5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの さらに、伝統的工芸品として認定された製品には伝統証紙が貼られるので、消費者が明確に判断しやすくなっています。 つまり、伝統工芸品と伝統的工芸品の違いを判断したいときには、製品に伝統証紙が貼られているかを見ればいいですね。 まとめ 今回は伝統マークの意味や伝統証紙との違いについて解説してきました。 おさらいすると、伝統マークは経済産業大臣に認定された伝統的工芸品を表すシンボルマークです。 国が定めた厳しい条件をクリアした伝統的工芸品に与えられる証なのです。 この記事を読んで、伝統的工芸品への興味・関心が少しでも高まってくれたら嬉しいです。
日本の文化として、世界中から高い注目を集めている伝統工芸品。 職人による独自の技法や技術で作られていることが多く、古くから日本で愛されてきた文化でもあります。 最近では、SNSなどの普及により若者からも注目され、幅広い世代から関心を集めているのです。 しかし、まだ伝統工芸に興味を持っていない人やあまり知らない人からすると 「伝統工芸のよさってなんなの?」 と感じてしまいますよね。 ここでは伝統工芸のよさを5つ紹介していきます。記事の最後ではおすすめの製品も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸ってそもそも何?伝統工芸の歴史は?など網羅的に理解したい人は、以下の記事で解説していますのでぜひチェックしてみてください。 →伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介 伝統工芸のよさを5つ紹介! 伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い それぞれ詳しく解説していきます。 1.日本の美を演出している 伝統工芸のよさ1つ目は、日本の美を演出している点です。 伝統工芸には古くからの歴史があり、100年間以上継承されてきた工芸品もあります。 意外に感じる人もいるのですが、工芸品は主に日本人が生活の中で使っているものが多く、着物やうちわ、漆器など身近な物がほとんどです。 日本刀なども工芸品の1つで、現代では美術工芸品として人気がとても高いですね。 このように、工芸品は日本をイメージしやすい物がほとんどで、その美しさや技術力は世界中から高く評価されていると言えるでしょう。 2.職人の手作り 伝統工芸のよさ2つ目は、職人の手作りで製造されている点です。 機械をほとんど使わず、主な製造工程は手作業であるため、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 つまり、世界に同じ工芸品は1つも無いということになります。 手作りだからこそ、製品それぞれに個性がでるのも伝統工芸の魅力ですよ。 3.経年変化してこその楽しみがある 伝統工芸のよさ3つ目は、経年変化してこその楽しみがある点です。 日常生活で使う物は、基本的に使えば使うほど劣化していきますよね。見た目も古く感じたり、機能性が落ちたりするのが普通でしょう。 しかし、伝統工芸品は年季が入ることで魅力的になったり、使いやすくなるのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても新たな魅力を見出せる 伝統工芸のよさ4つ目は、壊れても新たな魅力を見出せる点です。 焼き物などは落として割れてしまうこともありますよね。普通は割れてしまったら捨てますが、工芸品は修復できます。 割れたり欠けてしまった器は「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術で修復します。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を振る技術です。 「金継ぎ」によって修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 5.デザイン性と機能性が高い 伝統工芸のよさ5つ目は、デザイン性と機能性が高い点です。 もともと工芸品は日本人が日常生活で使用しているものが多く、使いやすく壊れにくい特徴があります。 また職人の手で1つずつ作られているため、機械では表現できない美しさも魅力の1つと言えるでしょう。 最近では、新進気鋭なデザイナーが手掛ける「現代の伝統工芸品」が非常に人気で、古き良き日本を感じながらおしゃれでかわいいデザインの伝統工芸品が注目を集めています。 伝統工芸のよさが広まらない原因は大きく3つ 使いやすく丈夫でデザイン性も魅力的な伝統工芸品のよさが広まらないのはなぜでしょうか? 原因は大きく3つあります。 伝統的=古いイメージがあるから そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 身近で触れることがないから 1つずつ解説していきますね。 伝統的=古いイメージがあるから 伝統的と聞くと、なんだか古いイメージがある人は少なくないはず。 実際、工芸品の中には100年間以上の歴史があるものがたくさんあるのは事実。 しかし、いざ伝統工芸品を目にするとデザイン性や美しさに気づき、イメージと違ったという人は多いのです。 手作りだからこそ分かる独特の世界観が感じられ、その場で即決して購入する人もいるほどです。 近年ではデザイナーにより現代の伝統工芸品が生み出され、和モダンなデザインの工芸品が非常に人気なのをご存知でしょうか。 イメージにとらわれず、ぜひ一度伝統工芸品を直接見て触れてみてください。 そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 伝統工芸は興味を持たれにくいのが現状です。 まず伝統工芸を知る機会がなければ、興味を持ちにくいでしょう。 こうした現状を打破すべく、伝統工芸の体験イベントなどが実施されています。 例えば、藍染めでオリジナルTシャツを作れたり、鍛冶屋で刃物造りを体験できたりと日本全国で伝統工芸を体験できるのです。 旅行先で友人と楽しんだり、お子さんが自由研究で体験教室に通うなど、伝統工芸にふれられる機会はどんどん増えてきていますよ。 伝統工芸の後継者不足問題を少しでも解消できるよう、より多くの人に伝統工芸の魅力を知ってもらえる機会が増えると嬉しいです。 身近で触れることがないから 伝統工芸は身近で触れることがあまり無いですよね。 機械で大量に生産されているわけではなく、職人により手作りされているので生産数には限りがあり、製品が市場に出回る数は多くはありません。 そのため百貨店や大型デパートなどで販売されていることが多いです。 科学と技術が進歩し、安くて質の良い製品が大量に作られていることは私たちにとってありがたいですが、一方で日本の文化が失われてしまう原因にもなっていると言えるでしょう。 伝統工芸のよさがわかる製品5選 伝統工芸のよさをより知ってもらうために、日本の代表的な伝統工芸品を5つ紹介します。 日常で使えるもの、贈り物として喜ばれるもの、趣味として人気なものなど、さまざまありますのでぜひチェックしてみてください。 1.陶磁器 陶磁器は、土をこねて焼いたものの総称で、一般的には「やきもの」と呼ばれています。 耐久性が高く、手触りが良いことやデザイン面に優れている特徴を持つため食器や湯呑などの製品が多いです。 日本の代表的な陶磁器として、岐阜県の美濃焼、滋賀県の信楽焼、佐賀県の有田焼、京都府の清水焼、石川県の九谷焼などが有名ですね。 陶磁器は割れたり欠けたりしても修復でき、壊れても魅力を見いだせる工芸品の1つです。 2.漆器 漆器は、漆を塗った工芸品のことで、お椀や箸などの製品が多いです。 耐久性・耐水性・断熱性・抗菌作用に優れていて、食器だけでなく棚や台などにも漆は使われています。 機能性が高い上に、美しい見た目も漆器の魅力なんです。合成樹脂では表現できない上品なツヤがあり、使い込むほどに美しい光沢が生まれます。 もし漆器が欠けたりしても、上から漆を塗ることで修復できるので長い間使用できるメリットもありますよ。 3.和紙 和紙は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の伝統工芸品。薄くてとても頑丈でさまざまな種類の製品に使われています。 日本が誇る和紙は、和傘・提灯・うちわなどに使われていて、最近ではくつ下や付箋の材料として利用されているのです。 日本三大和紙として、岐阜県の美濃和紙、高知県の土佐和紙、福井県の越前和紙がとても有名です。 4.染物 染物は、染料などで染めた布のことを指し、着物や洋服などの衣類が製品として代表的。 種類や技法は全国でかなりの数があり、それぞれ歴史のある技法を用いて製造されます。 高級な着物は染物としてイメージしやすいですが、Tシャツやスカーフ、手ぬぐいなどの身近な衣類にも使われているため女性の方は触れる機会も多いでしょう。 成人式や結婚式などの行事で着物を着ることはありますし、最近では着物をおしゃれに着こなすファッションなども流行っていますよね。 5.日本刀 日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた刀です。 昔は武器として使用されていましたが、現代では美術工芸品や文化財として扱われています。 日本刀の魅力は何と言っても美しい見た目で、刀身に反りがあることや片側だけに刃が付けられているのが特徴です。 また、折れない・曲がらない・切れ味が鋭いことも有名で、頑丈さや刃物としてムダが削ぎ落とされている面も高く評価されています。 アニメやマンガで刀を扱うキャラクターが人気だったり、武将がブームになったことで若者から注目を集めましたね。 その美しさから思わず息を呑んでしまう魅力の日本刀は、博物館で見れます。日本刀をコンセプトにしたカフェなどもあるので、最近では日本刀を気軽に楽しめるようになりました。 伝統工芸品と現代技術のコラボもある 出典元:https://kishu-plus.jp/product/details 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 例えば、3Dプリンターで作られた器に職人が漆を塗って食器を作るコラボや藍染をスニーカーに施したコラボなど、さまざまな新しい製品が誕生しているのです。 伝統工芸品の良さと現代技術の進歩をマッチさせることで、より魅力的な製品が出来上がるのはワクワクしますよね。 また、伝統工芸品と人気コンテンツとのコラボも高い注目を集めています。 伝統工芸×人気キャラクターという異色な組み合わせにより、今まで伝統工芸に関心が無かった人に知ってもらえるきっかけとなりました。 伝統工芸は決して閉鎖的な文化・技術ではないのです。 まとめ 今回は伝統工芸のよさについて解説してきました。 おさらいすると、伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い 古くて敷居が高いイメージを持たれがちな伝統工芸ですが、良さがたくさん詰まっているのでぜひ一度手に取って魅力を感じてください。 伝統工芸の体験イベントやさまざまなコラボも実施されているので、この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。
アニメ八十八箇所巡り・一か所目の霊場は、人気アニメーション映画「秒速5センチメートル」に登場する「種子島」をクローズアップしてお届けします。 アニメ八十八箇所巡りとは サブカルという位置づけが長かった"アニメ"や"漫画"は今や世界的に大人気で、ジャパニーズカルチャーをけん引する存在となっています。 これからの日本の文化を担う"アニメ"と、古来からの日本文化である"工芸品"や"食文化"をなんとか融合できないかと考えたのが、この「アニメ八十八箇所巡り」です。 お遍路巡りになぞらえて、日本各地のアニメの聖地とその地域に伝わる伝統工芸品を紹介していきます。 「秒速5センチメートル」あらすじ 「君の名は。」「天気の子」の新海誠監督が手掛ける2007年公開の長編アニメーション映画。主題歌の「One more time one more chance/山崎まさよし」も有名です。 東京で暮らす遠野貴樹と篠原明里は、お互い転勤族であるという共通点から仲良くなる。中学校へ上がると同時に明里が栃木へ転校になってしまう。そこから文通を始める二人だが、貴樹も東京から鹿児島に転校することになり、最後に明里に会いに行く...。あらすじ 舞台を東京、栃木、種子島と変えながら、時間の経過と共に変わる主人公の心境が印象的な作品です。 第1話「桜花抄」、第2話「コスモナウト」、第3話「秒速5センチメートル」の3部構成となっています。 [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]今回は、その中から第2話「コスモナウト」で主人公・遠野貴樹が高校生活を過ごす場所である種子島を伝統工芸品と共に見ていきましょう。[/ふきだし] 【聖地巡礼】秒速5センチメートルで登場する種子島の場所は? 秒速センチメートルでは、シリーズごとにメインとなる舞台が変わります。今回は、その中でも種子島の聖地をご紹介します。 「秒速5センチメートル」の聖地1:中山海岸 「秒速5センチメートル」の聖地2:アイショップ石堂 「秒速5センチメートル」の聖地3:通学路のさとうきび畑 「秒速5センチメートル」の聖地4:種子島中央高等学校 「秒速5センチメートル」の聖地5:旧種子島空港 ①中山海岸 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹に片思いをするサーフィンが好きな中学生・澄田花苗がサーフィンの練習をしているのが中山海岸です。実際に多くのサーファーがサーフィンを楽しむ絶好のスポットです。 『西武秩父駅(駅前アーケード)』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で17分 ②アイショップ石堂 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗がよく行くコンビニです。聖地巡礼をした方々は、2人がよく飲んでいたドリンクを」このベンチで飲むそうです。寄せ書きノートの量から、人気が伺えます。 『アイショップ石堂』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間2172−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で10分 ③通学路のさとうきび畑 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 種子島の特徴的な風景の一つであるさとうきび畑は、地元の方々にも馴染み深い景色です。貴樹の通う高校の付近も、このように広いさとうきび畑が広がっており、その中を通って通学している様子が描かれています。 正確には、中種子町の中心部から南に向かったあたりと言われています。 『通学路のさとうきび畑』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 ④種子島中央高等学校 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗が通う高校は種子島の中心部に位置します。作品の公開時には「中種子島高校」でしたが、統合により現在の「種子島中央高校」という名称になっています。 アニメの世界そのままの場所が多数存在します。 『種子島中央高等学校』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間4258−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で12分 ⑤旧種子島空港 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! こちらは第2話「コスモナウト」ではなく、第3話「秒速5センチメートル」で登場します。中種子町野間にある「旧種子島空港」がモデルとなっていますが、2006年に閉鎖されており、現在は立ち入り禁止となっています。 『旧種子島空港』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間16915・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 以下の記事では、漫画のシーンと合わせて聖地の情報が掲載されています。詳しく知りたい人はどうぞ。 →『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 【PRODUCT】種子島の伝統工芸品は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]種子島で今でも作られている伝統工芸品は①種子鋏・種子包丁 ②種子島焼(熊野焼)です。いずれも元々の土壌と、鉄砲伝来の地という文化的要素が強く影響しています。[/ふきだし] ①種子鋏・種子包丁 出典元:職人と作家の工芸店 梅木本種子鋏製作所– 本種子鋏 5寸 1543年、ポルトガル船が漂着したことにより日本に持ち込まれたことで有名なのが「鉄砲」です。もう一つ、その船に乗り合わせていた鍛冶師によって、はさみ鍛冶の技術が伝えられました。 種子島は元々質のいい砂鉄が取れる地域であり、材料と技術の両方が合わさって独自の製品を作り上げました。その技術は熟練の職人によって今に伝えられます。 特徴は、何といってもその抜群の切れ味と精巧な作りです。日本刀の技法も取り入れ、伝統的な鍛冶技術によって作られています。一度使ったら量産されているはさみには戻れないと言われるほど、その使い心地には定評があります。 ②種子島焼(熊野焼) 出典元:福元陶苑-作品紹介 種子島では、300年以上前から焼き物の制作が行われてきました。西之表市をはじめ、たくさんの窯元が存在します。その原点は西之表市上熊野地域に伝わる熊野焼(よきのやき)と言われています。 残念ながら熊野焼は明治中期に衰退してしまい、”幻の名陶”と言われています。現在は新たな窯が登場し、伝統を引き継いでいます。 良質な砂鉄を含む土壌が種子島の最大の特徴です。この土で作られた陶器は、砂鉄による鉄分が多分に含まれます。それにより、鮮やかな茶色が発色し、その質感は重厚な風情を醸し出します。種子島焼の器は素朴でぬくもりを感じ、使い込むほどに色艶が増してくる味わい深さがあると人気です。 【FOOD】種子島の食文化は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]食のイメージがあまりない種子島ですが、独自の食材ももちろんあります。[/ふきだし] ①安納芋 出典元:たねがしまや - 安納芋の歴史 ねっとりとした食感と濃厚な甘さが特徴で、さつまいもの中でも人気の高い安納芋は、実は種子島が発祥とされています。種子島は国内で初めてさつまいもの栽培を成功させた場所でもあります。現在は全国各地で安納芋が栽培されていますが、やはりその土壌の影響もあり、品質の高い種子島で採れた安納芋を試してみてください。 ②インギー地鶏 出典元:インギー地鶏の里 - インギー鶏とは 天然記念物であるインギー鶏を別の鶏と交配させたのがインギー地鶏で、種子島にしか存在しない地鶏です。 イギリスの貿易船が種子島に流れ着き、それを島の人々が助けた御礼として贈られたのが始まりです。鶏の正式な名前でなく、当時イギリス人の事をインギーさんと呼んでいたことからその名がついたと言われています。 非常に珍しい地鶏のインギー鶏は、種子島でも食べられるお店は限られていますのでご注意ください。 【食べログ】食事処 インギー地鶏の里 【食べログ】美の吉食堂 歯ごたえのある肉質と旨味が特徴の種子島でしか食べられない地鶏ですので、訪れた際には一度は食べておきたい食材です。 【CULTURE】種子島の伝統芸能は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]近年ではロケットのイメージの強い種子島。古くからの伝統芸能にはどのようなものがあるのでしょうか?[/ふきだし] ①城川内種子島踊り 出典元:鹿児島県ホームページ - 城川内種子島踊り 「種子島楽」とも呼ばれるこの踊りは、種子島の出水地方に昔から伝わる郷土芸能です。踊りの構成は先頭に「妙鉢(チャッパー)」を持つ者、次に大太鼓・小太鼓が、最後に鉦柴を持つ者が続きます。総勢30~40人で執り行われます。 毎年8月8日に行われるため、タイミングが合えば見られるかもしれません。 ②民謡 種子島には、「草切り節」「増田節・周袈裟(しゅうけさ)節」「めでた節」といった民謡が古くから伝わります。よく聞くと方言も確認できます。運がよければ地元の方が謳ってくださるかも…? 民謡についてはこちらのサイトで一部を聞くことができます。 → 種子島の民謡 聖地巡りをした人の口コミ [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]放映から数年が経つ秒速5センチメートルですが、今も聖地としてアニメに登場する場所を訪れる人がたくさんいらっしゃいます。[/ふきだし] 秒速5センチメートルの聖地にカブで来ました引用元:ほびー(@Hoobee773) スーパーカブ(C125)で念願の種子島・秒速5センチメートル聖地巡礼を果たしました( ´∀`)引用元:けーおー@C125(@Versys1nomiya) オタクだから秒速5センチメートルみたいな恋愛したことないのに秒速5センチメートルの聖地巡礼してワンワン泣いとる引用元:李白®︎(@limited__exp) 申し訳程度の秒速5センチメートル聖地巡礼とゆで卵引用元:む〜〜〜〜〜〜〜ん🌙(@Violet_Moon636) まとめ 秒速5センチメートルは、公開から数年が経った今も聖地を訪れる人が絶えない人気アニメです。その聖地の一つである種子島は、JAXAのロケット発射が見られたり、綺麗な海が合ったりと、観光するにも楽しい場所です。 島に古くから伝わる伝統工芸品に触れることで、よりその土地を知り、アニメの見解が深まることでしょう。種子島を訪れた際は、ぜひ伝統工芸品や食事、文化も合わせてお楽しみください。
日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら 「用の美」を極めた銀器の魅力 ――まず初めに銀器とはどのようなものか教えてください。 上川さん)銀器というのは、全国に236品目ある日本の伝統工芸品の一つです。南部鉄器だとか、金沢の金箔、江戸切子などが有名ですね。 銀器のルーツは今から約300年前になります。江戸時代の当時の職人さんを記した文献「人倫訓蒙図彙(じんりんきんもうずい)」の中に、「銀師(しろがねし)」と呼ばれる銀細工の職人がいたことが記されています。私共は、1700年に始まった金槌で打って形を作り出す「鍛金(たんきん)」を確立した流派を受け継がせていただいています。令和4年においても根本的な技術・技法は変えずに、それぞれの時代のお客様のニーズに応じて作っていくということをしています。 ――銀細工の一つとおっしゃっていましたが、具体的にどのような技術で、他の銀細工とは何が異なっているのでしょうか。 上川さん)例えば銀の線細工をされる職人さんは全国にたくさんいらっしゃいますが、基本的には装飾品なので強度はそれほど必要なく、形をつくるという目的がメインです。 それに対して、刀や包丁を作る「打ち刃物」という業種があるのですが、こちらは形をつくるために打っているだけではなく、打つことによって材質に実用品として使える強度を出すという目的があります。 私たち職人は、“使っていただけるように作る”というのが一番の仕事です。それが叩いているのか、形を作っているのか、完成品だけ見るとわからないかもしれませんが、それらは使用の目的が異なるということです。 ――銀器、鍛金技法の魅力はどんなところにあるのでしょうか。 上川さん)「用の美」という言葉がありますが、実用的でなおかつ美しさを兼ね備える。これが伝統工芸品の主要要件です。素材を加工して形をつくる産業というのはたくさんありますが、打つことにより生まれる強度が江戸時代から伝わる鍛金技法の根幹であり、結果的に生まれる美しさが魅力だと考えています。 『銀器』なので基本的には器が主な製品です。技法を生かした、装身具、アクセサリーなどがあります。それらは伝統技法で造るというところの根幹がずれてしまうと他で作っても同じ指輪になってしまうので、そこを間違えないように装身具やアクセサリーに生かしていくというのが一番のテーマです。 また、銀は熱伝導率が高く抗菌作用を持つという特性も、器として優秀な機能の一つであります。そして銀という素材ならではの“特別さ”や“記念”といった要素も銀器の価値と言えると思います。 体験型クラウドファンディングに込めた想い ――今回のクラウドファンディングをやってみようと思ったきっかけや、課題と考えられていたことを教えてください。 上川さん)台東区さん主導の地域活性化を目的とした産業と別業種のマッチング商談会というものに参加する機会があり、そこで今回クラウドファンディングでお世話になっているベルトラ株式会社さんとお話させていただいたことがきっかけになりました。 おかげさまで私は銀師となって29年目を迎えます。私の父親も現役で、江戸から11代を越える半世紀以上の職歴を重ね、陛下から黄綬褒章をいただいたこともあります。これまで歴史と伝統を引き継いで技術を磨くことに専念して参りましたが、やはり長く続けていくとなると、後世に伝えていくという役割も担っていると強く感じます。そのためには、広く知ってもらうための新しいチャレンジが必要です。 銀器というと、ショーケースに入った高級品としてのイメージが一般的にあります。ブランドとしてそのような価値ももちろんありますが、多くの方に使っていただくためにネックになったのは、その敷居の高さでした。職人としては、みなさまに使っていただきたいという想いを持って作っています。今のままでは、どこで売っているのか、どういう歴史的背景があるのか、どういう風に使うのかというところがわかりにくいままでしたので、まずは知っていただいて、使っていただくところまで持っていこうという考えがありました。 一方で、10年ほど前から修学旅行生や海外からのお客様に対して銀器の体験をしていただくという取り組みをしており、1万人ほどご対応させていただいておりました。そこで体験を通じた普及促進というものが有効であるという実績もあったため、今回の体験型のクラウドファンディングというものに繋がりました。 若い方でも伝統工芸品に対して興味を持っている方がかなり多いと感じていますので、実際に自分で作ってみることで、より愛着と興味関心につながると考えています。同時に歴史的背景や意義というものもお伝えすることもでき、この体験型クラウドファンディングは多くの方にご賛同いただいています。 ――今回のクラウドファンディングはどのようなシーンで利用されていますか? 上川さん)銀器を広めていく上でのコンセプトとして、「ちょっと豊かに、ちょっと贅沢に。」という位置づけを構想しています。過去にあったのは、カップルの方々の記念だったり、おじいちゃんおばあちゃんがお孫さんのために作るアイススプーンだったり、少し特別な意味で銀器をつくられる方が多いです。 具体的なエピソードですが、普段は指輪を贈るなんて恥ずかしいけど、銀婚式だからちょっと銀器で作ってみようか、というお話をいただきました。ご自身で作られた指輪ってすごく愛着がわくと思うんですね。記念の時にこれ作ったよね、と思い出すことができます。そのように自然な形で使っていただけると嬉しいなと思っております。 あとは、地域全体を使った結婚式をされる方々の指輪制作にも携わりました。今までありそうでなかったのですが、台東区は観光の名所もあるので、地域全体の町おこしとしていい取り組みだったなと思っています。 ――体験することで「思い出」という価値もさらについてくるようなイメージでしょうか。 上川さん)まさにそうです。ものをお買い上げいただくのはもちろんですが、その前にまず、あそこで体験したことあるな、といったように思い出していただける位置づけまでもっていく必要があると思います。 ――銀器というと美しい鏡面が印象的ですが、体験でもこのような作品が出来上がるのですか? 上川さん)そこが一番のポイントなのですが、このツルツルの鏡面にするのは、職人の熟練した技が必要ですので、体験ではそこまではできません。先ほど申し上げたように、使用の目的によってその加工が変わってきます。鏡面にするには、叩いて形にした後に削り出して磨き上げます。そのため工程数がものすごく多くなり体験ではちょっと難しいんですよね。 まずは体験で、自分で作る楽しさや難しさを実感していただく。そうすることで、職人の受け継いできた伝統技術の奥深さや、手間暇の大変をより強く肌で感じられるでしょう。それはとても大切だと思っています。 ――クラウドファンディングや、オンライン、ITを取り入れて変わったことはありますか? 上川さん)職人の世界では顔を出してはいけないというのが通例で、メディアに出させていただくことは全くなかったんですよね。それが今ではこうしてご取材いただいたり、伝統と新技術という題目で理系の大学の講演をお願いされたりすることも増えました。 あとは、全国の伝統工芸やものづくりをなされている方々や、酒蔵の方々などと交流するオンラインイベントがあり、最近それに初めて参加させていただいてすごく刺激を受けました。そこで私共の取り組みも紹介させていただいたのですが、「体験型クラウドファンディングなんてすごいですね」と興味を持っていただけたんですよね。そのような前向きにものづくりに取り組む方々と情報を交換し、刺激し合える関係性を築けたのも一つの成果かもしれません。 オンラインやITを取り入れた理由 ――オンラインなどの取り組みは、コロナ以前からやられていたのですか? 上川さん)オンラインイベントなどは以前から模索していたのですが、実際にやってみるとリアルとの差がかなりあったんですね。お子さんたちを対象として体験キットをご自宅に届けてオンラインで説明しながら銀器を作成するということをしたのですが、やはり難しかったです。ですから、この状況下ではありますが、実際に対面で体験指導していく方法に行き着きました。 ――新型コロナウイルスの感染拡大は、上川さんのお仕事や銀器の産業にどのような影響を与えましたか? 上川さん)影響は非常に大きいものでした。私の77歳の父親よりも上の世代一人親方をされている職人さんも多いんです。コロナ禍で今までの販売体系や流通が全く動かなくなってしまいました。ここ数年の販路としては、百貨店さんなどでの販売がメインだったんですよね。そうするとイベント自体がもう中止で売り上げが立たないし、オンラインの対応もなかなか難しいという現状もあり、廃業を選択される職人さんも後を絶ちません。 「上川さんのところはまだ若い職人もいるから」ということで、廃業される先輩の職人から道具を譲っていただくこともあります。その道具にも専門の職人がいるんですよね。そうやって受け継いだ道具を、今度は新しくやりたいという子に使ってもらえるように、まだ若手と言わる私が銀器の産業に対して今何ができるか。そして地域ぐるみで何ができるかと深く考え、後の世代へ繋げていく方法を模索し続けなければならないと考えています。 受け継いできた技術を次の世代へ ――よく伝統工芸では後継者問題も多く聞かれると思うのですが、銀器の世界でも厳しいのでしょうか? 上川さん)銀器の業界は、圧倒的に廃業なされる方が多いですね。銀器の組合というものがあって、入りたての29年前には青年部員だけで30人以上、本体で2~300人くらいいたんです。当時はいろいろな分業制を行っていたりしたので、現在と形態は違うとはいえ、今は当時の10分の1くらいに減ってしまったんですよね。私は青年部の部長という役を担っているのですが、実働しているのは2割程度くらいになってしまっていているのが実状です。 ――なかなか厳しいですね。高齢の方が多いと、ITやオンラインといった新しいことに対しての抵抗感が強いのではないですか? 上川さん)私がパソコンやスマートフォンで打ち合わせや作業をしていると、「何やっているの?」と。「そんなことしてないで手伝ってくれ」と言われることもあります。他の職人さんに必要性を伝えるのは難しかったですが、少しずつ意義を伝えていきながらようやくオンラインという言葉を覚えてもらったかなというレベルです。 他の職人さんたちにも使ってもらうようになるためには、まず自分が実践していかなければならないと思っています。今はまだ勉強させていただいているところではあるのですが、一つ一つを積み重ねていくことで銀器の世界だけでなく、地域の他の産業にもうまく広がっていけばなと思っております。 ――理解が得られない中で進めるのは大変ですね。 上川さん)伝統工芸は、職人だけでなく使っていただく方々も含め多くの関わりの中で作り上げていくのものだと思います。そういった意味で、私の役割はみなさまに広く知っていたき、継続する方向にしていくことだと考えて活動しております。今はまだ実績もなく直接的な売り上げに繋がっているわけではないのですが、先を見据えるとやらなければいけないことなんです。だから今、このようにチャレンジしています。 ――後継者不足が深刻ですが、例えば「明日から職人さんになりたいです!」と言ってなれるものなのですか? 上川さん)もちろん流派や親方筋によって考え方はそれぞれあると思いますが、うちの父親なんかは明日からでも来ていいよ、というタイプなんですよ。ただ、始めることは簡単でも、続けることが結局難しいんです。続けるために工夫をしたり、時代に合わせたり、ご縁を大切にしたり、それらがあるからこその仕事ですので、そのような辛抱強さは必要なのではないでしょうか。 ――次世代に受け継いでいくことについてどのようにお考えですか? 私の息子は高校生と中学生なんですけれども、家業の事や伝統を受け継いでいくことについては理解しています。「お父さんは英語や中国語はダメだから僕は語学の勉強をして、海外の方々とも取引できるように勉強したい」と言ってくれています。子どもが自主的に見聞きし、考えてくれていて、そうやって新しい世代が興味を持ってくれるのは嬉しいことです。 ――先を見据えた考え方ができる息子さんで将来有望ですね。 上川さん)まだ勉強中なんですけどね。親父が「俺の背中を見ていればいい」という時代でもありません。子どもの方がよくわかってくれていて、私は私の、息子は息子の今だからできる必要だと思うことを行動しようと話しています。いい意味で子どもから学んでいますね。子どもが行動しやすい環境を作っていきたいです。 ――今上川さんの種まきをしていることが、息子さんの代に広がっている画が見えますね。 上川さん)その時代その時代でのお客様のご要望や、ニーズ、社会情勢は変わってくると思うので、そこにどうやって対応するかですね。親として息子の今後を応援したいなと思います。 ――後世に繋げていくには時代のニーズを的確に捉えていくことが不可欠ですね。 上川さん)分かる人にだけ分かってもらえればいいという時代もあったのかもしれないですが、それは今と時代背景が全く違う高度成長期の時代や大量生産でものをいっぱい作るという体制があった時代の使い方です。職人は黙って手を動かしていればそれで生業として成立する、という時代は終わりました。 「伝える」ということは誰かが代わりにやってくれたりどうにかしてくれたりするわけではありません。一生懸命にものづくりをすることと同じくらい、職人として伝えていくことに対して熱量を持って行かないとダメなんだと痛感しています。実績を重ねていく過程も皆さん見ていると思いますので、身が引き締まる思いがしますね。 銀器を普及させるための新しい取り組み ――最近の銀器に対する新しいニーズはありますか? 最近ですと、アイススプーンを作り始めました。これは今体験型のクラウドファンディングでもご案内させていただいております。銀という素材は熱伝導率が金属の中で一番優れているため、自身の体温の熱が伝って、凍っているアイスクリームがゼリーのようにスーッとスプーンが入るんです。それを実感していただくことも非日常の一つで幸せを感じる瞬間とも言えますね。 そのアイススプーンから発想して、ベビースプーンとしてもいいよね、とお客様からアイデアをいただき、形にしました。時代にあったもの、必要なものを教えていただきながら形にしていく作業は楽しいですね。 銀器以外の伝統工芸の素材のものとコラボレーションすることによっていろんなものができるんですよね。例えば、陶器と銀器を合わせる工芸品。この工芸品を生活の中で使っていただけるよう提案していくこともものづくりを楽しさかなと思います。そこから新たなオーダーをいただくこともありますよ。 ――最近ではサステナブルという価値観が若い方に共感されるポイントとなっていますが、これは伝統工芸にとって追い風と言えるかもしれませんね。 上川さん)SDGsやサステナブルといった考え方は、実は日本文化の中で大切にされていた部分と通じる要素が多くあるんです。今がその時代のタイミングになってきているのかな、ということを肌で感じている部分はあります。先程の大学の講演についてもそうですが、若い方に伝える機会をいただけることはすごくありがたいことです。 ――現在ECやオンラインショップもされているのですか? 上川さん)東京都さんの方で今年度からオフィシャルの東京の伝統工芸品として選んでいただいて、ECサイトに出店させていただいています。あとはホームページの方では遠方の方にお買い求めいただけるようなプラットフォームをつくりました。 ――実店舗以外でも楽しめる環境を整えられているのですね。 上川さん)それでも、他の職人が「自分もやってみようかな」と期待値が高くなるほどの成果までは行っていないので、常に課題感を持って進めていければと思います。ここで辞めてしまったら、やっぱり意味がなかった、と思われてしまうと思うので、職人としてやるからには時間がかかってでも成果を出していきたいと思っております。 ――SNSの活用や、ライブコマースなどについてはいかがですか?また、これからの展望を教えてください。 上川さん)東京都の若手の職人さんが集まって開催されるTOKYO職人展というイベントで、僭越ながら実行委員長という大役を担わせていただきました。イベント会場内でやっていただいたインスタライブでは、イベント関係者様のご尽力によりお陰様をもちまして会期中2~3千人の方々に実演風景や商品案内を見ていただきました。来年にも出来たら取り組みたいと思います。 SNSもコロナ禍をきっかけに去年の夏くらいからようやく始めたんです。始めるにあたって周囲からものすごく反対がありました。なんで外に自分の情報を流すのか、という批判がすごいんですよ。でも、出すからには正確な広報をしっかり発信していかなければならないと思い、取り組んでいます。まだまだ周知もできていませんが、いろんな方にご覧いただければなと思います。若い方にはこんなメッセージを提示していこうなどと勉強を重ねていって、物づくりに対して一人でも多くの方の興味に繋がっていけたらと思います。 投稿には、必ず日本語と英語の表記で入れています。息子には中国語もやらないとだめだよとおしりをたたかれていますが。 ――中国は市場が大きいですからね。 上川さん)SNSでも中国や台湾の方からメッセージをたくさんいただくんですよ。気を遣っていただいて日本語だったりするんですけど。やり取りをして、微力ながら興味を持っていただけるよう尽力しております。 銀師としての想いと続けていく原動力 ――銀師をしていて苦労したところはどんなところですか。 上川さん)苦労したところは続けていくことです。やっていくうちにどれだけ大変なことかがわかってきました。私ははじめから銀師だったのではなく、一度社会に出て少し離れた環境からものづくりを見れたので、自分のやりたいことをそのまま表現できるありがたみを実感しています。私が入りたての頃の先輩はものすごく背中が大きくて、まだまだ並べてはいませんが、後輩にもそのように思ってもらえるようになれればなと思います。続けたくてもできない方がいる中で、ご縁があって続けられることがありがたいです。 ――ご縁を大切にされていらっしゃいますが、その辺りが続けていく原動力や喜びに繋がっているのでしょうか。 上川さん)そうですね。体験をされた方がお世辞でなく楽しいと言っていただけた時には、幸せをおすそ分けしていただいたような気持になって元気が出てきます。よし、頑張ってみよう、と思えるような体験や出会いは、僕の原動力になっていると思います。 お客様に限らず、ものづくりをされている別業種の方や、メディア、大学などこれまで関わることのなかった様々な方々と繋がってお話できることはとても刺激になりますし、実際に作品をつくるときにも試行錯誤していいものを作っていこう、という気持ちにさせられます。それもまた原動力ですね。 ――銀器に対する想いや、チャレンジングな姿勢が伝わってきました。様々な取り組みがどのように広がっていくか、楽しみですね。本日はお話いただきありがとうございました。 日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら
福岡県福岡市ホテルグレートモーニング博多にて、福岡の伝統織物「久留米絣」と「博多織」を部屋の様々な場所に使用した宿泊プランが開始されました。 このプランは、福岡市の支援と久留米絣の工房が一番多く残る広川町の観光協会にも協力を受け実現しました。新しい生活様式や潜在ニーズに応え、新たな価値を創造することを目的としています。 ホテルグレートモーニング博多公式サイトはこちら ホテルグレートモーニング公式サイトはこちら 国内外から高い評価を受ける伝統織物「久留米絣」と「博多織」を体験 一番の特徴は、このプランのために特注で誂えられた創業125周年を迎える野村織物の久留米絣の布団カバー。丈夫で、夏は涼しく冬は暖かいという綿織物ならではの特徴を体感いただけます。さらに、ホテルのエントランスには博多織を贅沢に使ったソファーが置かれ、スタッフは久留米絣で仕立てられた制服を羽織ります。 お部屋に置かれた伝統織物の歴史本など、ホテルに一歩入った瞬間から、いま世界的な課題となっている「大量生産・大量消費」で生み出される製品では感じることのできない、伝統織物ならではのサステナブルな魅力が伝わってくる体験型宿泊プランです。 プランの価格と予約方法 プラン名福岡の伝統織物に包まれ癒される「久留米絣なステイ」料金12,000円~予約方法公式サイトより所在地福岡県福岡市博多区店屋町6-3 特別プラン 予約と詳細はこちら 久留米絣とは 「久留米絣」は、「伊予絣(愛媛県松山市)」「備後絣(広島県福山市)」とともに日本三大絣の1つとして数えられる、九州筑後地方に伝わる綿織物です。 無地が主流だった約200年前、優しい風合いの柄を織物に浮かび上がらせる技が、偶然の発見により生み出されました。綿糸を先に染めてから織ることで微妙なズレが生じ、独特なかすれ模様となります。これが久留米絣の大きな特徴であり魅力です。 この久留米絣は、福岡の夏の風物詩である博多山笠の法被にも使われています。ホテルグレートモーニング博多では、プラン限定の布団カバーの他に、制服やポケットチーフに採用されています。 博多織とは 770年以上もの歴史を持つ「博多織」は、中国の王朝・宋から、博多の商人が持ち帰った織の技法がルーツといわれています。多くの経糸に、緯糸を強く打ち込むことで、厚く張りのある生地に織り上がるのが大きな特徴です。 1600年には、筑前福岡藩の初代藩主が、幕府への献上品にも選んだ特別な織物で、「献上柄」「博多献上」などと呼ばれます。現代でも、和服の帯としてよく用いられ、博多地区のシンボル的な模様として、街中のさまざまな場所で使われてます。 こちらのプラン限定で、博多織のソファーとフットスローを楽しむことができます。 宿泊施設だからこそできる価値の伝え方 宿泊施設の中でも、寝具は疲れを癒すために一番長い時間を過ごすと言えます。そんな宿泊施設の特徴を活かして、“福岡の久留米絣や博多織の魅力的な文化をもっと多くの方に知って頂きたい”という想いから今回の取り組みをスタートされたそうです。一過性のプランではなく、感染症が終息した未来も見据え、福岡だからこそ体験できる。世界に誇れるホテルステイの形として期待がされます。 ホテルグレートモーニング博多の特徴 「都市型リフレッシュホテル」として、天然素材、水そして空気にまでこだわっています。 空気が美しい:無風の冷暖システムF-CONを全館に採用天然素材が包み込む:木材は天然の竹、壁は漆喰と珪藻土にこだわって使用ミネラルウォーター:水道から出てくる水は全て、特殊な活水器で濾過されたミネラルウォーターオーガニックタオル:全室に標準採用、洗剤はオリジナルで環境に配慮したものを使用高級寝具:金属のスプリングなどを一切使わないメーカーと共同開発した寝具の自然な寝心地が、最高の目覚めをサポート ホテルグレートモーニング博多 〒812-0025 福岡県福岡市博多区店屋町6-3 TEL : 092-272-1414
着物初心者の方にありがちなのが「どちらの衿が上?」という疑問です。自分で着付けるときに必ずクリアしなければならないところなので、絶対に間違えないポイントをご紹介いたします。 右前・左前ってなに? 着物の着付けの際に登場する言葉の「右前」「左前」とは、衿合わせのことです。 通常の着付けでどちらが用いられるかというと、「右前」が正解です。反対の「左前」になってしまうと、古くから縁起が悪いとされており、葬儀で亡くなられた方が経帷子という着物の着方になってしまいます。 さて、では「右前」はどのような形かと言うと、自分から見て右側が下、その上に左側の身ごろが重なっている状態です。これは男女関係なく、同じです。洋服の身ごろの合わせ方が、男性は着物でいう右前、女性は左前となっているため、女性の方が混乱しやすいので注意が必要です。 なぜ右前の決まりになった? 着物の右前がルール付けられたのは、719年で奈良時代のことです。元正天皇によって発令された衣服令の中の「右衽着装法(うじんちゃくそうほう)」で、すべての衣服は右前で着るということが定められました。 今、これを守らないから罰則があるという訳では決してありませんが、伝統として今日まで守られています。 右前を絶対に間違えないコツ ①「右」を「前(先)」に着付ける 一番のおすすめは、「右前」の意味を理解することです。右前と言われると、右が前に出ていると誤解されがちですが、そうではありません。 右前の「前」には、「先」という意味があります。その通りに右側の身ごろを先に、左側を後に着付けると、「右前」が完成します。 ②自分から見て「右が”手前”」になるようにする 自分から見て、「右」側の衿元が自分の「手前」になるのが『右前』です。この覚え方であれば、鏡を見たとしても混乱しません。 ③右手が入る 手を衿元に入れようとしたとき、右手が入るのが「右前」の状態です。 着物にはポケットがない代わりに、ハンカチや貴重品、扇子などを懐にしまうことがあります。9割以上が右利きなので、右利きの人が出し入れしやすいのが右前です。 ④女性の場合、洋服と逆 混乱してしまう原因の一つが、着慣れている洋服と違うためです。洋服の場合、男性が着物でいう「右前」、女性が「左前」の状態が通常の衿合わせです。 女性は普段と逆のため違和感がある方も多いですが、それを逆手にとって、「普段のブラウスと逆」と確認するとよいでしょう。 ⑤相手から見て「yの字」になる これは自分で確認しにくいのですが、相手から見て衿元が「y」の形になっていれば正しい右前になっています。 自分で着付けるというよりは、誰かに着付けてあげる機会に役立つ見分け方と言えます。 現代ならではの“右前の落とし穴” 先に述べたように、着付けの際に右前をしっかり確認して外出したとします。普通に歩いている分には特に問題はありません。ところが、写真を撮る機会があったときは、要注意です。なぜかというと、思い出を残すために皆さんお友達と自撮りをする方も多いと思いますが、その際に写真が反転して撮影されることがかなりの確率であるのです。 撮った写真をSNSにアップする際に、反転したまま載せてしまうと、せっかく確認した衿合わせが誤って左前にしてしまっているように見えてしまいます。そのため、カメラアプリの設定で自撮りの際の鏡モードをオフにしたり、撮影してSNSに載せる前に反転しなおすという作業を挟む必要があります。 たいていの方はアプリの関係で反転してしまっているとわかると思いますが、気になる方は、そのあたりも確認をするとよいでしょう。 さいごに 右前を正しく見分けられるポイントは見つかりましたか?覚え方は人それぞれなので、自分に合った方法で覚えて着付けを楽しんでみてください。
洋服を買う際に、自分のサイズがわからないという方はあまりいませんが、普段着物を着ない方は、どのようなサイズの着物を着ればいいかわからないという方も多いでしょう。 着物のいいところはサイズが合わなくても着られるところでもありますが、自分の体に合ったものは着崩れにくく、快適に過ごすことができます。 今回は、初心者向けに最低限ここを知ってほしい、という部分をピックアップし、着物の各パーツの名称と、採寸方法、どのパーツと対応するかを解説していきます。 着物のサイズを表す箇所の名称 身丈(みたけ) 身丈とは、簡単に言うと着物の長さです。肩口から裾までの長さを測ります。 『身丈=自分の身長』が一番ぴったりのサイズとなります。ただ、前後5cm以内であれば、問題なく着ることができます。それ以上差があっても着ることはできますが、短い場合おはしょりが短くなる、また対丈(ついたけ)で着ることになります。長いときは着付け方で調整することはできますが、もたつきや着崩れの原因になるため、できれば大きすぎない方がよいでしょう。 裄丈(ゆきたけ) 裄丈とは、腕の長さを指します。着物のどこに対応するかというと、衿の中心(背中心)から袖の先までの長さになります。 体を測る際は、肩と背骨の交差する部分から肩先を通って手首までの長さを測ることになります。腕下方向にを斜め45度くらいにすると正確に測れます。測った長さと同じとするのが一般的です。ただ、動きやすさから少し短めに着る方、寒い時期は少し長めがいいという方などがいらっしゃいます。 袖丈(そでたけ) 袖丈は、裄丈と混同しやすいですが、腕の長さではなく袖の上から下までの長さを指します。 先の二つとは違い、気姿や着崩れにくさよりは、TPOに関わってきます。袖丈が長いものから順に大振袖、中振袖、二尺袖、通常の着物、となります。 通常の着物の標準は49cm前後です。袖丈は、下に着る襦袢や上に着る羽織とサイズが合っていると隙間ができたり余ったりせずにきれいに着ることができます。 前巾・後巾(まえはば・うしろはば) 前巾と後巾は、前側の半分または後川半分の端から端までの長さで、腰回りのサイズに関わります。前巾×2、後巾×2の合計が腰回りの長さとなります。ただ、着物には衽(おくみ)と言われる15cm程度の幅もありますので、長さが足りなくても多少の余裕はあります。 着物以外の小物のサイズは? 着物本体(長着)以外の帯や襦袢のサイズも知っておきましょう。 長襦袢 長襦袢は着物の下に着ます。長襦袢のサイズは、身長×0.85の身丈がぴったりのサイズとなります。もしくは、身長-25cm前後であれば女性の身長であれば問題なく着られるサイズとなります。 『長襦袢の身丈 = 身長×0.85』 帯 帯には半幅帯、名古屋帯、袋帯といった種類があります。半幅帯と袋帯の多くは約4mで作られているものが多く、結び方も様々なので、あまり長さに神経質になる必要はありません。 名古屋帯に関しては、基本的にお太鼓結びか銀座結びにすることが多いため、ある程度ちょうどよい長さが決まってきます。全通と言われる全体に柄が入ったものではなく、ワンポイントの柄であれば、なおさらサイズが合っていないときれいに柄が出ません。名古屋帯の一般的な長さは3m50cm前後で、普通体型の方であればちょうどよいサイズになります。長い分には調整がききますが、これ以上短いときれいに帯の形が作れなかったり、着崩れてしまったりします。 サイズの合わない着物はどうする? 着物のサイズについて詳しくお話してきましたが、サイズが合わないからと言って着られないわけではありません。例えば、身丈が短い場合はおはしょりを作らずに対丈で着たり、おはしょりを作る代わりに裾を短く着付け、中にプリーツスカートを履いて裾から見せたり、といった着方もあります。 また、アンティーク着物は裄の短いものも多く、フリルなどの付け袖を活用する場合もあります。 アレンジして着るのではなく、お直しに出してしまうというのも一つの手です。ただ、裄丈が長い場合に短く詰めるなどは可能ですが、長さ出しには限界があるので、お店で確認してもらいましょう。 まとめ 自分のサイズに合った着物を着ることは、気姿が美しくなるだけでなく着崩れの防止や動きやすさにもつながります。マイサイズに仕立てられれば一番いいのですが、初心者にはハードルが高いのも事実です。まずは仕立て上がりの着物や、アンティーク・中古の着物から始められる方が多いと思われますので、購入際に、ぜひ参考にしてみてください。
屋形船東京都協同組合は、ARと屋形船を融合させた新らしいエンターテイメントの創出に挑戦。応募フォームの回答で先着100名様に無料乗船チケットをプレゼントされます。 江戸時代の生活を再現!ARによる体験型アクティビティ 今回の企画は、かつての江戸時代の賑わいをARで再現し、浅草や東京湾と融合させるという取り組みです。スマートフォンやタブレットでQRコードを読みm取ると、画面に江戸時代の登場人物が出現。屋形船から見える景色と重なり、タイムスリップしたような感覚で非日常感が増します。 新型コロナウイルスの感染拡大で、大きなダメージを受けた屋形船業界。苦境を新たな顧客層開拓へのチャンスと捉え、この取り組みが生まれました。 最新技術のARと、一見交わらない江戸文化との融合をぜひご体験してみてはいかがでしょうか。 無料乗船詳細 <一般向け>・日時: 2022年1月15日(土)16日(日) 13:00 - 17:30のうち60分の乗船・場所: 浅草・台場・コース: 60分のスカイツリーまたは台場周遊・その他: ご自身のスマートフォンで江戸時代の様子を体現できる体験あり。飲食は含まれません。 無料乗船会・応募フォーム 【Application Form】Time Travel Cruising on Japanese traditional boat → https://forms.gle/oErMcraS76K3jhJj8※本事業では外国籍の方も招待する為、英語・日本語で記載しています。 < 始動の背景と目的 >屋形船東京都協同組合は、歴史ある屋形船と現代技術のそれぞれの強みを活かした、新たなサービスとしてこちらのサービスを開始。 需要の減少や、事業者の高齢化といった慢性的な問題を抱えている中、コロナウイルスが直撃しましたが、特別な体験と日本の文化を届けたい思いから生まれたとのこと。 コロナ禍で旅行や催し物が制限されている今、日常に物足りなさを感じている方に対して、「かけがえのない体験」や「非日常的な空間」をより多くの人に提供することを目指しています。 ※本企画は東京都主催「新しい日常対応型業界活性化プロジェクト」に伴った内容になっています。https://www.tokyochuokai.or.jp/sienseido/jyoseijigyou/groupsenryaku.html 【団体概要】 団体名:屋形船東京都協同組合所在地:東京都台東区柳橋1-5-11篠塚ビル3F代表者:高橋呂美HP:https://www.yakatabune-kumiai.jp/ 【お問い合わせ先】 運営:NOFATE株式会社担当者名:南條 佑佳TEL:03-6416-4265 (平日9:00‐18:00)e-mail:yakatabune@no-fate.co.jp
着物を快適に着るためには、気候や気温に合ったものを選ぶことが重要です。気候に合わせて、寒い季節には暖かくする工夫を、暑い夏には涼しく過ごすための工夫が着物にはなされています。また、日本には昔から季節を大切にする風習がありました。仕立て方や素材、見た目の変化とともに着物を着る楽しみを味わってみてください。 着物に季節はある?月別に解説 着物には大きく分けて「袷(あわせ)」「単衣(ひとえ)」「薄物(うすもの)」の3つの種類があります。それぞれ特徴を解説していきます。 袷 袷は、文字通り表地と裏地の2枚の布を合わせて作られます。布が重なっているので、冬にも暖かく過ごせます。時期的に成人式の振袖は合わせである場合が多いです。胴裏と八掛(はっかけ)という部分に分けられ、袖口や八掛は着て動くと見える部分でもあるため、表地に合わせて色合いになっている場合もあります。適応時期:1月~5月、10月~12月 単衣 単衣は、裏地のない1枚の生地で作られます。袷よりも軽く、涼しく過ごすことができます。一般的に6月と9月に着るものとされていますが、下に着る襦袢や下着などで調整しやすいので春や秋には非常に重宝します。適応時期:6月、9月 薄物(夏着物・浴衣) 夏に着る涼しさに特化した夏用の着物を薄物と言います。薄物には、夏着物と浴衣があります。裏地はなく、紗(しゃ)や絽(ろ)といった透ける程薄い織り方の織物で作られます。格でいうと、絽がフォーマル、紗はカジュアル寄りです。中に着るものが透けるので、襦袢の色にも気を遣う必要があります。 浴衣は湯上りの寝間着として使用されていた歴史があります。また、暑い夏のカジュアル着としても使用されてきました。浴衣と夏着物の違いは、①襦袢を着るか②透け感があるか③足袋を履くか④合わせる帯の格 などで見分けることができます。しかし、現代では浴衣を着物風に着ることもあるので一概には言えません。あまり神経質に線引きをせず、おしゃれとして楽しむのがよいでしょう。 着物カレンダー 目安となる月は上の図のようになっています。ただ、あくまで目安なので、例えば5月で20度を越えるような暖かい日に無理して袷を着ないといけないわけではありません。状況に合わせて判断してみてください。 温度調整には素材も大切 着物の素材によっても、保温性や通気性が変わってきます。 正絹は保温性と通気性に優れるため、寒い季節に最適です。また、ウールは羊毛コートが暖かいように単衣でも袷と同じくらい暖かいものもあります。 春~夏、初秋にかけての単衣や、浴衣に用いられることが多い綿は吸湿性もあり、暑い季節によく用いられます。麻の素材で作られた着物も通気性がいいので夏におすすめです。 ポリエステルは熱が籠りやすいため、夏にはあまり向きません。 着物の季節と柄 日本は季節を大切にする文化があるため、着物の柄と切っても切れない関係です。 季節による柄の違い 季節を感じる着物の柄は、自然文様が代表的です。四季折々の草花や自然現象をモチーフにした柄は定番で用いられます。春の桜、初夏や夏の紫陽花、秋の紅葉、冬は椿など、花の種類に限っても多数存在し、我々の目を楽しませてくれます。 その季節のものを取り入れる場合もありますが、反対に暑い季節だからこそ、雪の結晶の柄や冷たい色味の夏着物や浴衣を着て涼を取る、という場合もあります。 柄を先取りするとは? 季節に合う柄の着物を着るのはわかりやすい基準ですが、さらに深く知っていくと、花であれば、その花の咲くピークの季節ではなく、半月ほど早く着るのが粋、とされます。これは先取りしなければならないという訳ではなく、あくまでトレンドを先取りするのがおしゃれ、とう感覚的なものです。 季節に合った着こなしのコツ 季節に関わらず、着付け方法は大きく変わりません。しかし、寒い時期に暖かく、暑い時期に涼しく着るために、少し変化を付けることはよくあります。 冬は着物の下にたくさん着こんだり、襦袢も袷のものを用いたりして暖かく着ることができます。現代の衣服を用いて、襦袢や肌着だけでなくタイツ(レギンス)を履いたり、ヒートテックを着たりすることで、暖かさがかなり変わります。ただし、裾や袖口から見えてしまうこともあるので注意が必要です。夏の時期は、通気性をよくするために襟元を通常よりもゆったり着付けることもあります。帯の間に保冷剤をはさむのもおすすめです。 まとめ 今回は、季節によってどのような着物を着ると快適に過ごせるか、解説してきました。 昔からの基準はありますが、それらは快適に過ごすための目安として伝えられてきたものです。何月だからこの着物は着なければならない、と囚われずに、その都度快適な着物を選んで着ましょう。