Category

  • スラムダンクの聖地と伝統工芸品|アニメ八十八箇所巡り【霊場二】

    アニメ八十八箇所巡り・二か所目の霊場は、30年以上に渡り根強い人気を誇るバスケットボール漫画「スラムダンク」の舞台となった鎌倉・湘南地区をクローズアップしてお届けします。 アニメ八十八箇所巡りとは サブカルという位置づけが長かった"アニメ"や"漫画"は今や世界的に大人気で、ジャパニーズカルチャーをけん引する存在となっています。 これからの日本の文化を担う"アニメ"と、古来からの日本文化である"工芸品"や"食文化"をなんとか融合できないかと考えたのが、この「アニメ八十八箇所巡り」です。 お遍路巡りになぞらえて、日本各地のアニメの聖地とその地域に伝わる伝統工芸品を紹介していきます。 「スラムダンク」あらすじ 井上雄彦作の1990年から週刊少年ジャンプにて連載され、数あるバスケットボール漫画の中でも最も人気のある伝説的な漫画です。 中学時代に不良で有名だった主人公の桜木花道が湘北高校に入学し、ヒロインの影響でバスケットボールと出会い急速に才能を開花させていきます。ライバルの流川やキャプテンの赤木らのチームメイトや監督の安斎先生とともに、競合のライバル校の面々との試合の中でバスケットボールにのめり込んでいく姿が描かれます。あらすじ [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#000" col="#fff" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]物語の舞台である湘北高校は、神奈川県・湘南にあり、鎌倉、江の島も漫画の中で描かれています。今回は、湘南~鎌倉にかけて、スラムダンクに出てくる聖地と、その地区の伝統文化を紹介していきます。[/ふきだし] 【聖地巡礼】スラムダンクに登場する場所は? 聖地1:江ノ電の踏切(鎌倉高校前) 出典元:Tokyo Day Trip スラムダンクの聖地巡礼で一番人気なのがこちらのスポット。アニメのオープニングシーンに登場するので、コアなファンでなくても見たことがある、という方も多いと思います。同じポーズで写真をとるのもいいですね。 但し、特に人気な場所なので人気の少ない時間を狙って行くのがオススメです。 『江ノ電の踏切(鎌倉高校前)』の詳細 住所:〒248-0033 神奈川県鎌倉市腰越1丁目1 アクセス:江ノ島電鉄鎌倉高校前駅より徒歩1分 聖地2:鵠沼海岸 出典元:にじめん 漫画の一番最後のシーンで登場するのがこの鵠沼海岸です。インターハイの大事な試合の後、手紙を読む桜木と流川が印象的です。 江の島の見える景色が抜群にいい場所なので、散歩感覚で立ち寄ってみてもいいでしょう。 『鵠沼海岸』の詳細 住所:〒251-0037 神奈川県藤沢市鵠沼海岸4 アクセス:小田急電鉄江ノ島線 鵠沼海岸駅より徒歩15分 聖地3:鎌倉高校 出典元:みんなの高校情報-鎌倉高等学校 こちらは主人公たちの高校ではなく、ライバル校・陵南高校のモデルとなった高校です。 アニメのオープニングの場所からすぐ近く、立ち寄りやすいところにあります。 『鎌倉高校』の詳細 住所:〒248-0026 神奈川県鎌倉市七里ガ浜2丁目21−1 アクセス:江ノ島電鉄鎌倉高校前駅より徒歩5分 聖地4:平塚総合体育館 出典元:KUGENUMA×STILE インターハイの舞台となったのが、平塚総合体育館です。ガラス張りの建物や球状のモニュメントなどが漫画でもしっかりと描写されていて、分かりやすい聖地と言えます。 最後の試合の場所であるため、数々の名シーンが思い出されます。 『平塚総合体育館』の詳細 住所:〒254-0074 神奈川県平塚市大原1−1 アクセス:JR東海道線平塚駅西口より徒歩25分 【PRODUCT】鎌倉・湘南・江の島地区の伝統工芸品 鎌倉彫 出典元:鎌倉市-鎌倉彫 鎌倉時代に木彫彩漆(もくちょうさいしつ)の仏具としてつくられたのが鎌倉彫の始まりです。茶道の普及とともに、一般的に広がりました。 お盆やお皿など、さまざまな器の形があります。ひとつひとつに手作業で模様を掘り、丁寧に漆を重ねてつくられる光沢と質感の美しい伝統工芸品です。 政宗工芸 出典元:政宗工芸-包丁 約700年前に執権北条氏に各地から招かれた刀工が鎌倉に集められ、鎌倉鍛冶の基礎を築きました。その刀工の一人が五郎入道政宗です。大きな5つの作風の一つ「相州伝(そうしゅうでん)」を作り上げました。 戦国の時代には戦いの刀が主な製品でしたが、時代によって形を変えながら現代に続いています。 生活に馴染み深い包丁や鋏も今でも手に取ることが可能ですので、その抜群の切れ味を自分の手で確かめてみてください。 【FOOD】鎌倉・湘南・江の島地区の食文化 [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#000" col="#fff" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]観光地として多くの飲食店や観光スポットを持つ鎌倉・湘南地区の特産品をご紹介![/ふきだし] 湘南しらす 出典元:SHUN GATE 湘南地区の名物と言えばシラスが有名です。相模湾は日本3大湾のひとつで、海の幸に恵まれており、カタクチイワシの稚魚であるシラスも豊富に獲れるのです。 毎年3月11日から12月31日の10か月間のみ漁が行われているので、生シラスが食べたい方はそのシーズンを狙って行きましょう。 聖地巡りをした人の口コミ スラムダンクの聖地巡礼しました。引用元:あかね🐷(@akaneruck) スラムダンク聖地巡礼なう!!!オープニングの体育館うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ<◎>..<◎>引用元:秋良(@akira01260) スラムダンクの聖地巡礼してきた(超地元・笑)。 新作映画が全国大会編だとしたら、改めてロケハン隊が来たりするのだろーか?引用元:ゲンダイサエキ(@GendaiSaeki) 聖地巡礼🏀💨💨 「スラムダンク」の舞台!神奈川県湘南の聖地巡礼レポートを公開しました🚇 世界的に有名なスポットをはじめ、新たに追加された(?)聖地などなど作品の世界観を感じるエリアをお届けします🌸🔥 https://nijimen.net/topics/241444 #スラムダンク #スラダン #SLAMDUNK引用元:にじめん編集部(@nijimen) まとめ バスケットボール漫画の枠を越えて、スポーツ漫画と言えば、という括りでも名前が上がるほど根強い人気のスラムダンク。 今回は、スラムダンクで描かれている聖地とその土地の伝統文化を紹介しました。どれも実際に訪れることができ、都内からのアクセスもしやすい場所にあります。 鎌倉や湘南、江の島は観光スポットとして楽しめる場所やグルメがたくさんあるので、ぜひスラムダンクの聖地にも立ち寄って、伝統文化にも触れていただければと思います。

  • 伝統工芸のマークは一体どんなもの?意味や伝統証紙との違いも解説

    織物や陶磁器、漆器など日本を象徴する伝統的工芸品は、現在日本には237品目あります。 そんな伝統的工芸品には、品質を保証するための目印として「伝統マーク」が付けられているのです。 伝統マークを見たことがある人の中には 「伝統マークはどういう基準で付けられているの?」「伝統マークがなぜつけられているのか知りたい」 このような疑問を持っている人も多いはず。 ここでは伝統マークの意味や認定されるための条件について分かりやすく解説していきます。 また、 伝統マークと伝統証紙の違いや伝統的工芸品の定義などについても紹介していきますので、伝統的工芸品に興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統マークとは? 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 伝統マークの見た目は、日の丸がマークの中に入っており、日本をイメージしやすいデザインが特徴的です。 伝統的工芸品として認められれば、伝統マークのデザインが入った伝統証紙が貼られます。 国から認められた伝統的工芸品のみに与えられる信頼の証と言えるでしょう。 経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークのこと 伝統マークは経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 日本には工芸品が数多く存在しますが、その中でも国が定めた厳しい基準をクリアした工芸品が伝統的工芸品として登録されています。 日本の工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統的工芸品として認定されるための条件 伝統的工芸品として認定されるための条件は主に5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの 上記の要件全てを満たしていることが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律で定められています。 主として日常生活で使われるもの 現在でも私たちの日常生活で使われるものでなければ、伝統的工芸品として認められません。 例えば、福島の奥会津編み組細工はバックやカバンとして使われていますし、東京の江戸切子はグラスとして多くの人に使われています。 他にも扇子や着物、包丁などさまざまな伝統的工芸品がありますが、日常生活でしっかり使われていることが条件の1つです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 製造過程のほとんどが手作り 製品が職人の手で製造されていることも伝統的工芸品の条件です。 ただ、厳密にいえば工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 しかし、製品の品質、形態、デザインを手作りで継承することが重要とされているので、メインとなる主要部分はやはり職人による手作りとなります。 現在では機械が発達していますが、人の手によって製造される製品には特有の味があり、製作者の技術を楽しめるのも伝統的工芸品の良さですね。 100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている そもそも伝統的とは、何を指すのでしょうか? 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を意味します。 魅力的な美しい見た目や高い機能性の工芸品であったとしても、製造技術や技法が確立されてから100年以上継続されていないと、伝統的工芸品に指定されることはありません。 そのため、伝統的工芸品として認められている製品は少なくとも100年以上前から存在していたということになります。 長年紡がれてきた技術や技法により、伝統的工芸品は機能性に長けていたり、美しさや丈夫さに秀でているのです。 伝統的に使われる原材料 工芸品に使われる原材料も、伝統的工芸品として認定されるための条件に関わっています。 原材料は木、土、漆、金など日本の天然資源が使用されていることが多く、100年間以上製品に使われる原材料が同じであることが条件となっているのです。 しかし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値の高さから入手が困難な場合もあります。 上記のようにやむを得ない事情がある場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で同種の原材料に転換することが認められます。 一定の地域で産地を形成しているもの 伝統的工芸品は、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいて、地域産業として成立している必要があります。 もし、1人だけしか製造方法を知らなかったら、技術や技法を次世代に残せませんよね。 そのため、ある程度の規模で製造に関わっている人が条件になっているのです。 また、いくら素晴らしい技術だとしても日常生活で利用される製品でなければ、工芸品とは呼べないので、地域産業として私たちの生活を豊かにしてくれることも条件になっています。 伝統マークと伝統証紙の違い 伝統マークは、冒頭に伝えている通り経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークです。 一方、伝統証紙は伝統的工芸品の表示のために、伝産協会が発行する伝統マークを使用した証紙のことを指します。 つまり、伝統マークはシンボルであり、伝統証紙は伝統的工芸品を一目で分かりやすくするために貼るものと考えてください。 伝統証紙が貼られていることで、消費者が伝統的工芸品を安心して購入できるのです。 また、伝統証紙は職人にとって、「伝統を誇る手作りの証」でもあります。 伝統証紙には2種類ある 伝統証紙は金と銀の2種類あります。 前提として、どちらも伝統的工芸品を保証する証紙ではありますが、細かい違いがあるのでそれぞれ解説していきます。 金色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 金色の伝統証紙は、100年以上の歴史があり、先程紹介した5つの条件を満たした伝統的工芸品に貼られます。 経済産業大臣が指定した技術・技法・原材料で制作され、産地検査に合格した製品が対象となっています。 銀色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 銀色の伝統証紙は、「現代の伝統工芸品」が対象とされています。 伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品のことを指します。 伝統的工芸品産業振興協会と産地組合の間で条件を決め、クリアしたものだけに銀色の伝統証紙が貼られます。 銀色の伝統証紙は、金色の伝統証紙の後に作られました。日本のライフスタイルの変化に合わせて、「現代の匠の逸品」として新しい伝統的工芸品が誕生したのです。 伝統工芸品と伝統的工芸品の違い 伝統工芸品と伝統的工芸品には違いがあるのをご存知でしょうか。 今回紹介した伝統マークが貼られているのは伝統的工芸品ですが、耳なじみがあるのは伝統工芸品という人も少なくないでしょう。 そこで最後に、伝統工芸品と伝統的工芸品の定義をそれぞれ紹介しておきますね。 伝統工芸品の定義 実は、伝統工芸品には明確な定義がなく、長年受け継がれてきた工芸品の事を指します。 現在の日本では、約1300種類もの伝統工芸品が全国各地に存在するのです。 伝統工芸品は伝統的工芸品と同じように、「日常生活で使われるもの」を指し、着物や漆器、ガラス細工、人形、和紙など種類はさまざまです。 伝統的工芸品の定義 伝統的工芸品の定義は明確で、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められている条件を満たしており、経済産業大臣に認定されていることです。 伝統的工芸品として認定されるための条件は下記の5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの さらに、伝統的工芸品として認定された製品には伝統証紙が貼られるので、消費者が明確に判断しやすくなっています。 つまり、伝統工芸品と伝統的工芸品の違いを判断したいときには、製品に伝統証紙が貼られているかを見ればいいですね。 まとめ 今回は伝統マークの意味や伝統証紙との違いについて解説してきました。 おさらいすると、伝統マークは経済産業大臣に認定された伝統的工芸品を表すシンボルマークです。 国が定めた厳しい条件をクリアした伝統的工芸品に与えられる証なのです。 この記事を読んで、伝統的工芸品への興味・関心が少しでも高まってくれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸って何がいいの?良さ5つと良さがわかる製品5選

    日本の文化として、世界中から高い注目を集めている伝統工芸品。 職人による独自の技法や技術で作られていることが多く、古くから日本で愛されてきた文化でもあります。 最近では、SNSなどの普及により若者からも注目され、幅広い世代から関心を集めているのです。 しかし、まだ伝統工芸に興味を持っていない人やあまり知らない人からすると 「伝統工芸のよさってなんなの?」 と感じてしまいますよね。 ここでは伝統工芸のよさを5つ紹介していきます。記事の最後ではおすすめの製品も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸ってそもそも何?伝統工芸の歴史は?など網羅的に理解したい人は、以下の記事で解説していますのでぜひチェックしてみてください。 →伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介 伝統工芸のよさを5つ紹介! 伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い それぞれ詳しく解説していきます。 1.日本の美を演出している 伝統工芸のよさ1つ目は、日本の美を演出している点です。 伝統工芸には古くからの歴史があり、100年間以上継承されてきた工芸品もあります。 意外に感じる人もいるのですが、工芸品は主に日本人が生活の中で使っているものが多く、着物やうちわ、漆器など身近な物がほとんどです。 日本刀なども工芸品の1つで、現代では美術工芸品として人気がとても高いですね。 このように、工芸品は日本をイメージしやすい物がほとんどで、その美しさや技術力は世界中から高く評価されていると言えるでしょう。 2.職人の手作り 伝統工芸のよさ2つ目は、職人の手作りで製造されている点です。 機械をほとんど使わず、主な製造工程は手作業であるため、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 つまり、世界に同じ工芸品は1つも無いということになります。 手作りだからこそ、製品それぞれに個性がでるのも伝統工芸の魅力ですよ。 3.経年変化してこその楽しみがある 伝統工芸のよさ3つ目は、経年変化してこその楽しみがある点です。 日常生活で使う物は、基本的に使えば使うほど劣化していきますよね。見た目も古く感じたり、機能性が落ちたりするのが普通でしょう。 しかし、伝統工芸品は年季が入ることで魅力的になったり、使いやすくなるのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても新たな魅力を見出せる 伝統工芸のよさ4つ目は、壊れても新たな魅力を見出せる点です。 焼き物などは落として割れてしまうこともありますよね。普通は割れてしまったら捨てますが、工芸品は修復できます。 割れたり欠けてしまった器は「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術で修復します。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を振る技術です。 「金継ぎ」によって修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 5.デザイン性と機能性が高い 伝統工芸のよさ5つ目は、デザイン性と機能性が高い点です。 もともと工芸品は日本人が日常生活で使用しているものが多く、使いやすく壊れにくい特徴があります。 また職人の手で1つずつ作られているため、機械では表現できない美しさも魅力の1つと言えるでしょう。 最近では、新進気鋭なデザイナーが手掛ける「現代の伝統工芸品」が非常に人気で、古き良き日本を感じながらおしゃれでかわいいデザインの伝統工芸品が注目を集めています。 伝統工芸のよさが広まらない原因は大きく3つ 使いやすく丈夫でデザイン性も魅力的な伝統工芸品のよさが広まらないのはなぜでしょうか? 原因は大きく3つあります。 伝統的=古いイメージがあるから そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 身近で触れることがないから 1つずつ解説していきますね。 伝統的=古いイメージがあるから 伝統的と聞くと、なんだか古いイメージがある人は少なくないはず。 実際、工芸品の中には100年間以上の歴史があるものがたくさんあるのは事実。 しかし、いざ伝統工芸品を目にするとデザイン性や美しさに気づき、イメージと違ったという人は多いのです。 手作りだからこそ分かる独特の世界観が感じられ、その場で即決して購入する人もいるほどです。 近年ではデザイナーにより現代の伝統工芸品が生み出され、和モダンなデザインの工芸品が非常に人気なのをご存知でしょうか。 イメージにとらわれず、ぜひ一度伝統工芸品を直接見て触れてみてください。 そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 伝統工芸は興味を持たれにくいのが現状です。 まず伝統工芸を知る機会がなければ、興味を持ちにくいでしょう。 こうした現状を打破すべく、伝統工芸の体験イベントなどが実施されています。 例えば、藍染めでオリジナルTシャツを作れたり、鍛冶屋で刃物造りを体験できたりと日本全国で伝統工芸を体験できるのです。 旅行先で友人と楽しんだり、お子さんが自由研究で体験教室に通うなど、伝統工芸にふれられる機会はどんどん増えてきていますよ。 伝統工芸の後継者不足問題を少しでも解消できるよう、より多くの人に伝統工芸の魅力を知ってもらえる機会が増えると嬉しいです。 身近で触れることがないから 伝統工芸は身近で触れることがあまり無いですよね。 機械で大量に生産されているわけではなく、職人により手作りされているので生産数には限りがあり、製品が市場に出回る数は多くはありません。 そのため百貨店や大型デパートなどで販売されていることが多いです。 科学と技術が進歩し、安くて質の良い製品が大量に作られていることは私たちにとってありがたいですが、一方で日本の文化が失われてしまう原因にもなっていると言えるでしょう。 伝統工芸のよさがわかる製品5選 伝統工芸のよさをより知ってもらうために、日本の代表的な伝統工芸品を5つ紹介します。 日常で使えるもの、贈り物として喜ばれるもの、趣味として人気なものなど、さまざまありますのでぜひチェックしてみてください。 1.陶磁器 陶磁器は、土をこねて焼いたものの総称で、一般的には「やきもの」と呼ばれています。 耐久性が高く、手触りが良いことやデザイン面に優れている特徴を持つため食器や湯呑などの製品が多いです。 日本の代表的な陶磁器として、岐阜県の美濃焼、滋賀県の信楽焼、佐賀県の有田焼、京都府の清水焼、石川県の九谷焼などが有名ですね。 陶磁器は割れたり欠けたりしても修復でき、壊れても魅力を見いだせる工芸品の1つです。 2.漆器 漆器は、漆を塗った工芸品のことで、お椀や箸などの製品が多いです。 耐久性・耐水性・断熱性・抗菌作用に優れていて、食器だけでなく棚や台などにも漆は使われています。 機能性が高い上に、美しい見た目も漆器の魅力なんです。合成樹脂では表現できない上品なツヤがあり、使い込むほどに美しい光沢が生まれます。 もし漆器が欠けたりしても、上から漆を塗ることで修復できるので長い間使用できるメリットもありますよ。 3.和紙 和紙は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の伝統工芸品。薄くてとても頑丈でさまざまな種類の製品に使われています。 日本が誇る和紙は、和傘・提灯・うちわなどに使われていて、最近ではくつ下や付箋の材料として利用されているのです。 日本三大和紙として、岐阜県の美濃和紙、高知県の土佐和紙、福井県の越前和紙がとても有名です。 4.染物 染物は、染料などで染めた布のことを指し、着物や洋服などの衣類が製品として代表的。 種類や技法は全国でかなりの数があり、それぞれ歴史のある技法を用いて製造されます。 高級な着物は染物としてイメージしやすいですが、Tシャツやスカーフ、手ぬぐいなどの身近な衣類にも使われているため女性の方は触れる機会も多いでしょう。 成人式や結婚式などの行事で着物を着ることはありますし、最近では着物をおしゃれに着こなすファッションなども流行っていますよね。 5.日本刀 日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた刀です。 昔は武器として使用されていましたが、現代では美術工芸品や文化財として扱われています。 日本刀の魅力は何と言っても美しい見た目で、刀身に反りがあることや片側だけに刃が付けられているのが特徴です。 また、折れない・曲がらない・切れ味が鋭いことも有名で、頑丈さや刃物としてムダが削ぎ落とされている面も高く評価されています。 アニメやマンガで刀を扱うキャラクターが人気だったり、武将がブームになったことで若者から注目を集めましたね。 その美しさから思わず息を呑んでしまう魅力の日本刀は、博物館で見れます。日本刀をコンセプトにしたカフェなどもあるので、最近では日本刀を気軽に楽しめるようになりました。 伝統工芸品と現代技術のコラボもある 出典元:https://kishu-plus.jp/product/details 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 例えば、3Dプリンターで作られた器に職人が漆を塗って食器を作るコラボや藍染をスニーカーに施したコラボなど、さまざまな新しい製品が誕生しているのです。 伝統工芸品の良さと現代技術の進歩をマッチさせることで、より魅力的な製品が出来上がるのはワクワクしますよね。 また、伝統工芸品と人気コンテンツとのコラボも高い注目を集めています。 伝統工芸×人気キャラクターという異色な組み合わせにより、今まで伝統工芸に関心が無かった人に知ってもらえるきっかけとなりました。 伝統工芸は決して閉鎖的な文化・技術ではないのです。 まとめ 今回は伝統工芸のよさについて解説してきました。 おさらいすると、伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い 古くて敷居が高いイメージを持たれがちな伝統工芸ですが、良さがたくさん詰まっているのでぜひ一度手に取って魅力を感じてください。 伝統工芸の体験イベントやさまざまなコラボも実施されているので、この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。

  • 秒速5センチメートルの聖地と伝統工芸品|アニメ八十八箇所巡り【霊場一】

    アニメ八十八箇所巡り・一か所目の霊場は、人気アニメーション映画「秒速5センチメートル」に登場する「種子島」をクローズアップしてお届けします。 アニメ八十八箇所巡りとは サブカルという位置づけが長かった"アニメ"や"漫画"は今や世界的に大人気で、ジャパニーズカルチャーをけん引する存在となっています。 これからの日本の文化を担う"アニメ"と、古来からの日本文化である"工芸品"や"食文化"をなんとか融合できないかと考えたのが、この「アニメ八十八箇所巡り」です。 お遍路巡りになぞらえて、日本各地のアニメの聖地とその地域に伝わる伝統工芸品を紹介していきます。 「秒速5センチメートル」あらすじ 「君の名は。」「天気の子」の新海誠監督が手掛ける2007年公開の長編アニメーション映画。主題歌の「One more time one more chance/山崎まさよし」も有名です。 東京で暮らす遠野貴樹と篠原明里は、お互い転勤族であるという共通点から仲良くなる。中学校へ上がると同時に明里が栃木へ転校になってしまう。そこから文通を始める二人だが、貴樹も東京から鹿児島に転校することになり、最後に明里に会いに行く...。あらすじ 舞台を東京、栃木、種子島と変えながら、時間の経過と共に変わる主人公の心境が印象的な作品です。 第1話「桜花抄」、第2話「コスモナウト」、第3話「秒速5センチメートル」の3部構成となっています。 [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]今回は、その中から第2話「コスモナウト」で主人公・遠野貴樹が高校生活を過ごす場所である種子島を伝統工芸品と共に見ていきましょう。[/ふきだし] 【聖地巡礼】秒速5センチメートルで登場する種子島の場所は? 秒速センチメートルでは、シリーズごとにメインとなる舞台が変わります。今回は、その中でも種子島の聖地をご紹介します。 「秒速5センチメートル」の聖地1:中山海岸 「秒速5センチメートル」の聖地2:アイショップ石堂 「秒速5センチメートル」の聖地3:通学路のさとうきび畑 「秒速5センチメートル」の聖地4:種子島中央高等学校 「秒速5センチメートル」の聖地5:旧種子島空港 ①中山海岸 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹に片思いをするサーフィンが好きな中学生・澄田花苗がサーフィンの練習をしているのが中山海岸です。実際に多くのサーファーがサーフィンを楽しむ絶好のスポットです。 『西武秩父駅(駅前アーケード)』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で17分 ②アイショップ石堂 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗がよく行くコンビニです。聖地巡礼をした方々は、2人がよく飲んでいたドリンクを」このベンチで飲むそうです。寄せ書きノートの量から、人気が伺えます。 『アイショップ石堂』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間2172−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で10分 ③通学路のさとうきび畑 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 種子島の特徴的な風景の一つであるさとうきび畑は、地元の方々にも馴染み深い景色です。貴樹の通う高校の付近も、このように広いさとうきび畑が広がっており、その中を通って通学している様子が描かれています。 正確には、中種子町の中心部から南に向かったあたりと言われています。 『通学路のさとうきび畑』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 ④種子島中央高等学校 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗が通う高校は種子島の中心部に位置します。作品の公開時には「中種子島高校」でしたが、統合により現在の「種子島中央高校」という名称になっています。 アニメの世界そのままの場所が多数存在します。 『種子島中央高等学校』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間4258−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で12分 ⑤旧種子島空港 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! こちらは第2話「コスモナウト」ではなく、第3話「秒速5センチメートル」で登場します。中種子町野間にある「旧種子島空港」がモデルとなっていますが、2006年に閉鎖されており、現在は立ち入り禁止となっています。 『旧種子島空港』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間16915・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 以下の記事では、漫画のシーンと合わせて聖地の情報が掲載されています。詳しく知りたい人はどうぞ。 →『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 【PRODUCT】種子島の伝統工芸品は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]種子島で今でも作られている伝統工芸品は①種子鋏・種子包丁 ②種子島焼(熊野焼)です。いずれも元々の土壌と、鉄砲伝来の地という文化的要素が強く影響しています。[/ふきだし] ①種子鋏・種子包丁 出典元:職人と作家の工芸店 梅木本種子鋏製作所– 本種子鋏 5寸 1543年、ポルトガル船が漂着したことにより日本に持ち込まれたことで有名なのが「鉄砲」です。もう一つ、その船に乗り合わせていた鍛冶師によって、はさみ鍛冶の技術が伝えられました。 種子島は元々質のいい砂鉄が取れる地域であり、材料と技術の両方が合わさって独自の製品を作り上げました。その技術は熟練の職人によって今に伝えられます。 特徴は、何といってもその抜群の切れ味と精巧な作りです。日本刀の技法も取り入れ、伝統的な鍛冶技術によって作られています。一度使ったら量産されているはさみには戻れないと言われるほど、その使い心地には定評があります。 ②種子島焼(熊野焼) 出典元:福元陶苑-作品紹介 種子島では、300年以上前から焼き物の制作が行われてきました。西之表市をはじめ、たくさんの窯元が存在します。その原点は西之表市上熊野地域に伝わる熊野焼(よきのやき)と言われています。 残念ながら熊野焼は明治中期に衰退してしまい、”幻の名陶”と言われています。現在は新たな窯が登場し、伝統を引き継いでいます。 良質な砂鉄を含む土壌が種子島の最大の特徴です。この土で作られた陶器は、砂鉄による鉄分が多分に含まれます。それにより、鮮やかな茶色が発色し、その質感は重厚な風情を醸し出します。種子島焼の器は素朴でぬくもりを感じ、使い込むほどに色艶が増してくる味わい深さがあると人気です。 【FOOD】種子島の食文化は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]食のイメージがあまりない種子島ですが、独自の食材ももちろんあります。[/ふきだし] ①安納芋 出典元:たねがしまや - 安納芋の歴史 ねっとりとした食感と濃厚な甘さが特徴で、さつまいもの中でも人気の高い安納芋は、実は種子島が発祥とされています。種子島は国内で初めてさつまいもの栽培を成功させた場所でもあります。現在は全国各地で安納芋が栽培されていますが、やはりその土壌の影響もあり、品質の高い種子島で採れた安納芋を試してみてください。 ②インギー地鶏 出典元:インギー地鶏の里 - インギー鶏とは 天然記念物であるインギー鶏を別の鶏と交配させたのがインギー地鶏で、種子島にしか存在しない地鶏です。 イギリスの貿易船が種子島に流れ着き、それを島の人々が助けた御礼として贈られたのが始まりです。鶏の正式な名前でなく、当時イギリス人の事をインギーさんと呼んでいたことからその名がついたと言われています。 非常に珍しい地鶏のインギー鶏は、種子島でも食べられるお店は限られていますのでご注意ください。 【食べログ】食事処 インギー地鶏の里 【食べログ】美の吉食堂 歯ごたえのある肉質と旨味が特徴の種子島でしか食べられない地鶏ですので、訪れた際には一度は食べておきたい食材です。 【CULTURE】種子島の伝統芸能は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]近年ではロケットのイメージの強い種子島。古くからの伝統芸能にはどのようなものがあるのでしょうか?[/ふきだし] ①城川内種子島踊り 出典元:鹿児島県ホームページ - 城川内種子島踊り 「種子島楽」とも呼ばれるこの踊りは、種子島の出水地方に昔から伝わる郷土芸能です。踊りの構成は先頭に「妙鉢(チャッパー)」を持つ者、次に大太鼓・小太鼓が、最後に鉦柴を持つ者が続きます。総勢30~40人で執り行われます。 毎年8月8日に行われるため、タイミングが合えば見られるかもしれません。 ②民謡 種子島には、「草切り節」「増田節・周袈裟(しゅうけさ)節」「めでた節」といった民謡が古くから伝わります。よく聞くと方言も確認できます。運がよければ地元の方が謳ってくださるかも…? 民謡についてはこちらのサイトで一部を聞くことができます。 → 種子島の民謡 聖地巡りをした人の口コミ [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]放映から数年が経つ秒速5センチメートルですが、今も聖地としてアニメに登場する場所を訪れる人がたくさんいらっしゃいます。[/ふきだし] 秒速5センチメートルの聖地にカブで来ました引用元:ほびー(@Hoobee773) スーパーカブ(C125)で念願の種子島・秒速5センチメートル聖地巡礼を果たしました( ´∀`)引用元:けーおー@C125(@Versys1nomiya) オタクだから秒速5センチメートルみたいな恋愛したことないのに秒速5センチメートルの聖地巡礼してワンワン泣いとる引用元:李白®︎(@limited__exp) 申し訳程度の秒速5センチメートル聖地巡礼とゆで卵引用元:む〜〜〜〜〜〜〜ん🌙(@Violet_Moon636) まとめ 秒速5センチメートルは、公開から数年が経った今も聖地を訪れる人が絶えない人気アニメです。その聖地の一つである種子島は、JAXAのロケット発射が見られたり、綺麗な海が合ったりと、観光するにも楽しい場所です。 島に古くから伝わる伝統工芸品に触れることで、よりその土地を知り、アニメの見解が深まることでしょう。種子島を訪れた際は、ぜひ伝統工芸品や食事、文化も合わせてお楽しみください。

  • 日本最古の布「しな織」帽子が販売開始

    木の皮から作られる「しな織」の製造・販売をおこなっているしな織創芸石田(有限会社丸石産業)から、折りたたみ可能で日除け効果抜群のブリムの広い帽子の販売が開始されました。 風通しがよく夏にぴったりの商品です。 「しな織」詳細はこちら しな織とは 「しな織」は、日本最古の織物の一つであり、シナノキ、オオバボダイジュの木の皮から糸を紡いで作られます。木綿や絹が普及する以前、樹皮から作ったしな織の耐久性と水にも強い特性から、寝具、穀物入れ、漁網、調味料の漉し袋など生活必需品として様々に活用されてきました。 布作りの工程は木の皮を剥ぐところから全て手作業でおこなわれ、織り上がりには約一年がかかります。そのため生産量は少なく、かつては日本各地で織られていましたが徐々に減っていきました。山形県と新潟県の三つの村では、昔と変わらない製法で現在も織り継がれています。 生活の手段となるものは山からの恵みであるという考え方で、必要以上に木を切るなど自然を乱すことなく、自然と共生してきました。梅雨の時期に皮をはぎ、農閑期の冬に糸を作る。山里の暮らしのサイクルを今に残すのがしな織です。 商品詳細 価格88,000(税込)サイズ57cm(オーダー可)販売場所5月11日~17日 大阪髙島屋5月18日~24日 仙台三越5月25日~31日 松坂屋名古屋店 商品詳細はこちら 製品に込めた想い ~古代の布を現代へ~ 歴史あるしな織を後世に残そうと「しな織創芸石田」1990年に操業して以来32年間、現代の生活に合ったデザインで製品を作り続けてきました。中でも、その通気性の良さと丈夫さから帽子が定番商品になっています。 そして今回、お客様の声を集約した新たな定番帽子が完成しました。 特徴 ・風通しが良く飛ばされにくいしな織はその技法により独特の透け感を持ちます。風通しがよく夏でも涼しく過ごすことができます。他の天然素材に比べて糸が太く、強い撚りをかけているので、ざっくりとした織物に仕上がります。 ・折りたたみ可能布の接ぎに沿って折りたたみが可能です。屋内や旅行先などでバッグの中に収納するのも簡単。折りジワができた場合も、霧吹きで湿らせて形を整えることできれいに取れます。 ・経年変化丈夫で耐久性のあるしな織は使っていくうちにしなやかになり、色もアメ色に変わっていきます。20年、30年と変わっていく風合いを楽しみながら、長く使用していただけるサステナブルな商品です。 会社概要 会社名:有限会社丸石産業屋号:しな織創芸石田 「しな織」詳細はこちら

  • 着物とアウトドアのコラボレーション「OUTDOOR*KIMONO」から2022年春夏新作を発売

    老舗の着物専門店「株式会社やまと」と、アウトドアメーカー「スノーピーク」とのコラボレーションシリーズである「OUTDOOR*KIMONO」シリーズから、2022年春夏の新作が発売されます。 やまとオンラインストアはこちら 「OUTDOOR*KIMONO」とは 着物で楽しむ日本らしいアウトドアの雛型を一緒に創りたい、という想いから、アウトドアメーカーである「スノーピーク」と、着物専門店である「やまと」がコラボ―レーションして誕生しました。 コンセプトは、「アウトドアシーンで気軽に着ることができるKIMONO」。ボタンとバックルベルトで留められるようになっており、和装の仕立ての美しさを保ちながらも、帯なしで着用できる気軽さが特徴です。 さらに、アウトドアシーンでも問題なく着用できるような生地を採用し、着る以外にも「包む」「掛ける」「敷く」など、さまざまな用途で活躍する万能な着物です。 2022年春夏の特徴 軽量で通気性に優れた素材「Dot air™️」は、その使用感から毎シーズン人気を博しております。今回は、定番のKIMONO(着物)に加え、同生地で作られたHAORI(羽織)が登場。 シワ加工を施したパナマライクな表情が特徴の生地は、これまでの「Dot air™️」シリーズに比べさらに薄手かつ軽量に進化しました。 またHAORIには取り外しできるフードとポケットがつき、一段とカジュアルな仕様になったため、より普段着に取り入れやすくなりました。 カラーはブラックとブラウンの2色が発売となり、ユニセックスで着用可能となっています。和装としてはもちろんのこと、ライトなアウターとして、またTシャツやパンツと合わせてラフに着られるアイテムです。 商品情報 商品名Quick Dry OUTDOOR KIMONO価格42,900円(税込 / マイサイズ仕立付き)カラーBlack/Brown発売日2022年4月29日(金) 商品名OUTDOOR KIMONO Quick Dry HAORI価格52,800円(税込 / マイサイズ仕立付き)カラーBlack/Brown発売日2022年5月30日(月) やまとオンラインストアまたはY. & SONS 各店での販売となります。 やまとオンラインストアはこちら YAMATO Tsunagari Project 産地と私たちの<つながり>を生かし、私たちと<つながり>がある人、ブランドとともに作った新たなプロダクトで、きものと世の中の<つながり>を生み出すプロジェクトとして株式会社やまとが推進しています。 企業情報 株式会社スノーピーク “ものづくりのまち”新潟県三条市にて創業したアウトドアメーカー。「人と自然、そして人と人をつなぎ、人間性を回復する」ことを社会的使命とし、キャンプ用品、アパレルの開発、国内外での販売のほか、 地方創生、ビジネスソリューション等、幅広い事業を展開する。 株式会社やまと 大正6年創業のきもの専門店。「“きもの”でエキサイティングな世の中をつくる」というビジョンを掲げ、歴史に裏打ちされた信頼感に加え、チャレンジ精神を大切に、生活者や産地と共に革新を続けている。「きものやまと」「KIMONO by NADESHIKO」「Y. & SONS」「DOUBLE MAISON」「THE YARD」の5ブランドを全国に約80店舗展開している。

  • 広島県の地酒YOGANSUから米とテロワールを味わう純米酒「OKITA9241」を発売

    広島県三原市の地元の”米”と”テロワール”にこだわり、それらの違いを味わう価値観を育む「次世代の日本酒」造りに挑戦するため、地元素材を融合して醸した日本酒「OKITA9241」が発売されます。 よがんす白竜オフィシャルサイトはこちら OKITA9241 とは? OKITA9241は、「自然を味わう楽しみを持てるお酒」を目指して、地元三原の老舗酒蔵「醉心山根本店」との連携によってつくられています。 かつて、広島県三原市は品質の高い日本酒を造る酒処として全国的に知られていましたが、現在も残る酒蔵は『醉心山根本店』のみとなってしまいました。160年の歴史をもつ地元の老舗酒蔵『醉心山根本店』は、今も当時の高い技術と品質を維持し続けている酒蔵です。 自分たちの愛する土地にある貴重な地域資源を、「醉心山根本店」の歴史に裏打ちされた技術と融合させ、新しい価値を持った「次世代の日本酒」造りに挑戦することにしました。 テロワールとは、”風土の、土地の個性の”という意味があります。葡萄の品種とテロワールでワインの味わいが変わるなら、日本酒でも同じことが言えるはずだと考え、”米”と”テロワール”にこだわり、それらの違いを味わう価値観を育む「次世代の日本酒」造りに挑戦して生まれた新しい日本酒です。 OKITA9241 3つのこだわり テロワールを固定するため「単一の田んぼ」三原市大和町大草沖田(おきた)9241番地の田圃で原料米を自家栽培する。米本来の味を引き出すため、精米歩合90%「お米は磨かない」で醸す。類を見ない酒質を目指すため、原料米に「イタリア米と日本米」の交配種を使う。カルナローリと北陸204号DNAを併せ持つリゾット専用米「和みリゾット」 無濾過生原酒と、原酒一度火入れの2タイプご用意しています。 OKITA9241の特徴 味覚のコンセプトは「白ワイン」を意識し、しっかりとした酸味と同時に、米本来の甘味と旨味、苦みがバランスよく混ざり合って複雑な印象を与え、余韻も長く続く残るよう仕上げています。 香りは爽やかな柑橘系の中に少し甘いフルーツが混ざるようなイメージ。これが「OKITA9241」の味と香りです。 商品情報 商品名OKITA9241 無濾過生原酒(純米酒) 720ml原材料名米(国産)、米こうじ(国産米)精米歩合90%アルコール分14%内容量720ml保存方法冷蔵保存販売予定価格5,500円(税込) 商品名OKITA9241 原酒一度火入れ(純米酒) 720ml原材料名米(国産)、米こうじ(国産米)精米歩合90%アルコール分14%内容量720ml保存方法冷蔵保存販売予定価格4,400円(税込) 販売スケジュール ①Makuakeのクラウドファンディングにて先行販売 公開期間:2022年5月2日(月)~6月5日(日) ②一般販売 販売開始予定:2022年6月17日(金) 販売場所:道の駅よがんす特産品売り場等 今後の展開 三原市大和町大草沖田9241番地で原料米の生産をスタートしましたが、来年以降は、様々な場所の単一田と様々な品種の米でお酒をつくる予定。日本酒にもワインと同じような、米とテロワールの違いによる”お酒の味と香りの変化を楽しむ文化”を広めていくことを目標に展開していく予定です。 販売者情報 会社名:株式会社よがんす白竜 ~「おどろき」を提供し続ける生真面目な田舎企業~所在地:〒729-1321 広島県三原市大和町和木652-3(道の駅よがんす白竜内)

  • 【伝統工芸×オンライン】クラウドファンディングを通して銀器を後世に…銀師の挑戦 ~日伸貴金属 上川宗伯氏インタビュー~

    日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら 「用の美」を極めた銀器の魅力 ――まず初めに銀器とはどのようなものか教えてください。 上川さん)銀器というのは、全国に236品目ある日本の伝統工芸品の一つです。南部鉄器だとか、金沢の金箔、江戸切子などが有名ですね。 銀器のルーツは今から約300年前になります。江戸時代の当時の職人さんを記した文献「人倫訓蒙図彙(じんりんきんもうずい)」の中に、「銀師(しろがねし)」と呼ばれる銀細工の職人がいたことが記されています。私共は、1700年に始まった金槌で打って形を作り出す「鍛金(たんきん)」を確立した流派を受け継がせていただいています。令和4年においても根本的な技術・技法は変えずに、それぞれの時代のお客様のニーズに応じて作っていくということをしています。 ――銀細工の一つとおっしゃっていましたが、具体的にどのような技術で、他の銀細工とは何が異なっているのでしょうか。 上川さん)例えば銀の線細工をされる職人さんは全国にたくさんいらっしゃいますが、基本的には装飾品なので強度はそれほど必要なく、形をつくるという目的がメインです。 それに対して、刀や包丁を作る「打ち刃物」という業種があるのですが、こちらは形をつくるために打っているだけではなく、打つことによって材質に実用品として使える強度を出すという目的があります。 私たち職人は、“使っていただけるように作る”というのが一番の仕事です。それが叩いているのか、形を作っているのか、完成品だけ見るとわからないかもしれませんが、それらは使用の目的が異なるということです。 ――銀器、鍛金技法の魅力はどんなところにあるのでしょうか。 上川さん)「用の美」という言葉がありますが、実用的でなおかつ美しさを兼ね備える。これが伝統工芸品の主要要件です。素材を加工して形をつくる産業というのはたくさんありますが、打つことにより生まれる強度が江戸時代から伝わる鍛金技法の根幹であり、結果的に生まれる美しさが魅力だと考えています。 『銀器』なので基本的には器が主な製品です。技法を生かした、装身具、アクセサリーなどがあります。それらは伝統技法で造るというところの根幹がずれてしまうと他で作っても同じ指輪になってしまうので、そこを間違えないように装身具やアクセサリーに生かしていくというのが一番のテーマです。 また、銀は熱伝導率が高く抗菌作用を持つという特性も、器として優秀な機能の一つであります。そして銀という素材ならではの“特別さ”や“記念”といった要素も銀器の価値と言えると思います。 体験型クラウドファンディングに込めた想い ――今回のクラウドファンディングをやってみようと思ったきっかけや、課題と考えられていたことを教えてください。 上川さん)台東区さん主導の地域活性化を目的とした産業と別業種のマッチング商談会というものに参加する機会があり、そこで今回クラウドファンディングでお世話になっているベルトラ株式会社さんとお話させていただいたことがきっかけになりました。 おかげさまで私は銀師となって29年目を迎えます。私の父親も現役で、江戸から11代を越える半世紀以上の職歴を重ね、陛下から黄綬褒章をいただいたこともあります。これまで歴史と伝統を引き継いで技術を磨くことに専念して参りましたが、やはり長く続けていくとなると、後世に伝えていくという役割も担っていると強く感じます。そのためには、広く知ってもらうための新しいチャレンジが必要です。 銀器というと、ショーケースに入った高級品としてのイメージが一般的にあります。ブランドとしてそのような価値ももちろんありますが、多くの方に使っていただくためにネックになったのは、その敷居の高さでした。職人としては、みなさまに使っていただきたいという想いを持って作っています。今のままでは、どこで売っているのか、どういう歴史的背景があるのか、どういう風に使うのかというところがわかりにくいままでしたので、まずは知っていただいて、使っていただくところまで持っていこうという考えがありました。 一方で、10年ほど前から修学旅行生や海外からのお客様に対して銀器の体験をしていただくという取り組みをしており、1万人ほどご対応させていただいておりました。そこで体験を通じた普及促進というものが有効であるという実績もあったため、今回の体験型のクラウドファンディングというものに繋がりました。 若い方でも伝統工芸品に対して興味を持っている方がかなり多いと感じていますので、実際に自分で作ってみることで、より愛着と興味関心につながると考えています。同時に歴史的背景や意義というものもお伝えすることもでき、この体験型クラウドファンディングは多くの方にご賛同いただいています。 ――今回のクラウドファンディングはどのようなシーンで利用されていますか? 上川さん)銀器を広めていく上でのコンセプトとして、「ちょっと豊かに、ちょっと贅沢に。」という位置づけを構想しています。過去にあったのは、カップルの方々の記念だったり、おじいちゃんおばあちゃんがお孫さんのために作るアイススプーンだったり、少し特別な意味で銀器をつくられる方が多いです。 具体的なエピソードですが、普段は指輪を贈るなんて恥ずかしいけど、銀婚式だからちょっと銀器で作ってみようか、というお話をいただきました。ご自身で作られた指輪ってすごく愛着がわくと思うんですね。記念の時にこれ作ったよね、と思い出すことができます。そのように自然な形で使っていただけると嬉しいなと思っております。 あとは、地域全体を使った結婚式をされる方々の指輪制作にも携わりました。今までありそうでなかったのですが、台東区は観光の名所もあるので、地域全体の町おこしとしていい取り組みだったなと思っています。 ――体験することで「思い出」という価値もさらについてくるようなイメージでしょうか。 上川さん)まさにそうです。ものをお買い上げいただくのはもちろんですが、その前にまず、あそこで体験したことあるな、といったように思い出していただける位置づけまでもっていく必要があると思います。 ――銀器というと美しい鏡面が印象的ですが、体験でもこのような作品が出来上がるのですか? 上川さん)そこが一番のポイントなのですが、このツルツルの鏡面にするのは、職人の熟練した技が必要ですので、体験ではそこまではできません。先ほど申し上げたように、使用の目的によってその加工が変わってきます。鏡面にするには、叩いて形にした後に削り出して磨き上げます。そのため工程数がものすごく多くなり体験ではちょっと難しいんですよね。 まずは体験で、自分で作る楽しさや難しさを実感していただく。そうすることで、職人の受け継いできた伝統技術の奥深さや、手間暇の大変をより強く肌で感じられるでしょう。それはとても大切だと思っています。 ――クラウドファンディングや、オンライン、ITを取り入れて変わったことはありますか? 上川さん)職人の世界では顔を出してはいけないというのが通例で、メディアに出させていただくことは全くなかったんですよね。それが今ではこうしてご取材いただいたり、伝統と新技術という題目で理系の大学の講演をお願いされたりすることも増えました。 あとは、全国の伝統工芸やものづくりをなされている方々や、酒蔵の方々などと交流するオンラインイベントがあり、最近それに初めて参加させていただいてすごく刺激を受けました。そこで私共の取り組みも紹介させていただいたのですが、「体験型クラウドファンディングなんてすごいですね」と興味を持っていただけたんですよね。そのような前向きにものづくりに取り組む方々と情報を交換し、刺激し合える関係性を築けたのも一つの成果かもしれません。 オンラインやITを取り入れた理由 ――オンラインなどの取り組みは、コロナ以前からやられていたのですか? 上川さん)オンラインイベントなどは以前から模索していたのですが、実際にやってみるとリアルとの差がかなりあったんですね。お子さんたちを対象として体験キットをご自宅に届けてオンラインで説明しながら銀器を作成するということをしたのですが、やはり難しかったです。ですから、この状況下ではありますが、実際に対面で体験指導していく方法に行き着きました。 ――新型コロナウイルスの感染拡大は、上川さんのお仕事や銀器の産業にどのような影響を与えましたか? 上川さん)影響は非常に大きいものでした。私の77歳の父親よりも上の世代一人親方をされている職人さんも多いんです。コロナ禍で今までの販売体系や流通が全く動かなくなってしまいました。ここ数年の販路としては、百貨店さんなどでの販売がメインだったんですよね。そうするとイベント自体がもう中止で売り上げが立たないし、オンラインの対応もなかなか難しいという現状もあり、廃業を選択される職人さんも後を絶ちません。 「上川さんのところはまだ若い職人もいるから」ということで、廃業される先輩の職人から道具を譲っていただくこともあります。その道具にも専門の職人がいるんですよね。そうやって受け継いだ道具を、今度は新しくやりたいという子に使ってもらえるように、まだ若手と言わる私が銀器の産業に対して今何ができるか。そして地域ぐるみで何ができるかと深く考え、後の世代へ繋げていく方法を模索し続けなければならないと考えています。 受け継いできた技術を次の世代へ ――よく伝統工芸では後継者問題も多く聞かれると思うのですが、銀器の世界でも厳しいのでしょうか? 上川さん)銀器の業界は、圧倒的に廃業なされる方が多いですね。銀器の組合というものがあって、入りたての29年前には青年部員だけで30人以上、本体で2~300人くらいいたんです。当時はいろいろな分業制を行っていたりしたので、現在と形態は違うとはいえ、今は当時の10分の1くらいに減ってしまったんですよね。私は青年部の部長という役を担っているのですが、実働しているのは2割程度くらいになってしまっていているのが実状です。 ――なかなか厳しいですね。高齢の方が多いと、ITやオンラインといった新しいことに対しての抵抗感が強いのではないですか? 上川さん)私がパソコンやスマートフォンで打ち合わせや作業をしていると、「何やっているの?」と。「そんなことしてないで手伝ってくれ」と言われることもあります。他の職人さんに必要性を伝えるのは難しかったですが、少しずつ意義を伝えていきながらようやくオンラインという言葉を覚えてもらったかなというレベルです。 他の職人さんたちにも使ってもらうようになるためには、まず自分が実践していかなければならないと思っています。今はまだ勉強させていただいているところではあるのですが、一つ一つを積み重ねていくことで銀器の世界だけでなく、地域の他の産業にもうまく広がっていけばなと思っております。 ――理解が得られない中で進めるのは大変ですね。 上川さん)伝統工芸は、職人だけでなく使っていただく方々も含め多くの関わりの中で作り上げていくのものだと思います。そういった意味で、私の役割はみなさまに広く知っていたき、継続する方向にしていくことだと考えて活動しております。今はまだ実績もなく直接的な売り上げに繋がっているわけではないのですが、先を見据えるとやらなければいけないことなんです。だから今、このようにチャレンジしています。 ――後継者不足が深刻ですが、例えば「明日から職人さんになりたいです!」と言ってなれるものなのですか? 上川さん)もちろん流派や親方筋によって考え方はそれぞれあると思いますが、うちの父親なんかは明日からでも来ていいよ、というタイプなんですよ。ただ、始めることは簡単でも、続けることが結局難しいんです。続けるために工夫をしたり、時代に合わせたり、ご縁を大切にしたり、それらがあるからこその仕事ですので、そのような辛抱強さは必要なのではないでしょうか。 ――次世代に受け継いでいくことについてどのようにお考えですか? 私の息子は高校生と中学生なんですけれども、家業の事や伝統を受け継いでいくことについては理解しています。「お父さんは英語や中国語はダメだから僕は語学の勉強をして、海外の方々とも取引できるように勉強したい」と言ってくれています。子どもが自主的に見聞きし、考えてくれていて、そうやって新しい世代が興味を持ってくれるのは嬉しいことです。 ――先を見据えた考え方ができる息子さんで将来有望ですね。 上川さん)まだ勉強中なんですけどね。親父が「俺の背中を見ていればいい」という時代でもありません。子どもの方がよくわかってくれていて、私は私の、息子は息子の今だからできる必要だと思うことを行動しようと話しています。いい意味で子どもから学んでいますね。子どもが行動しやすい環境を作っていきたいです。 ――今上川さんの種まきをしていることが、息子さんの代に広がっている画が見えますね。 上川さん)その時代その時代でのお客様のご要望や、ニーズ、社会情勢は変わってくると思うので、そこにどうやって対応するかですね。親として息子の今後を応援したいなと思います。 ――後世に繋げていくには時代のニーズを的確に捉えていくことが不可欠ですね。 上川さん)分かる人にだけ分かってもらえればいいという時代もあったのかもしれないですが、それは今と時代背景が全く違う高度成長期の時代や大量生産でものをいっぱい作るという体制があった時代の使い方です。職人は黙って手を動かしていればそれで生業として成立する、という時代は終わりました。 「伝える」ということは誰かが代わりにやってくれたりどうにかしてくれたりするわけではありません。一生懸命にものづくりをすることと同じくらい、職人として伝えていくことに対して熱量を持って行かないとダメなんだと痛感しています。実績を重ねていく過程も皆さん見ていると思いますので、身が引き締まる思いがしますね。 銀器を普及させるための新しい取り組み ――最近の銀器に対する新しいニーズはありますか? 最近ですと、アイススプーンを作り始めました。これは今体験型のクラウドファンディングでもご案内させていただいております。銀という素材は熱伝導率が金属の中で一番優れているため、自身の体温の熱が伝って、凍っているアイスクリームがゼリーのようにスーッとスプーンが入るんです。それを実感していただくことも非日常の一つで幸せを感じる瞬間とも言えますね。 そのアイススプーンから発想して、ベビースプーンとしてもいいよね、とお客様からアイデアをいただき、形にしました。時代にあったもの、必要なものを教えていただきながら形にしていく作業は楽しいですね。 銀器以外の伝統工芸の素材のものとコラボレーションすることによっていろんなものができるんですよね。例えば、陶器と銀器を合わせる工芸品。この工芸品を生活の中で使っていただけるよう提案していくこともものづくりを楽しさかなと思います。そこから新たなオーダーをいただくこともありますよ。 ――最近ではサステナブルという価値観が若い方に共感されるポイントとなっていますが、これは伝統工芸にとって追い風と言えるかもしれませんね。 上川さん)SDGsやサステナブルといった考え方は、実は日本文化の中で大切にされていた部分と通じる要素が多くあるんです。今がその時代のタイミングになってきているのかな、ということを肌で感じている部分はあります。先程の大学の講演についてもそうですが、若い方に伝える機会をいただけることはすごくありがたいことです。 ――現在ECやオンラインショップもされているのですか? 上川さん)東京都さんの方で今年度からオフィシャルの東京の伝統工芸品として選んでいただいて、ECサイトに出店させていただいています。あとはホームページの方では遠方の方にお買い求めいただけるようなプラットフォームをつくりました。 ――実店舗以外でも楽しめる環境を整えられているのですね。 上川さん)それでも、他の職人が「自分もやってみようかな」と期待値が高くなるほどの成果までは行っていないので、常に課題感を持って進めていければと思います。ここで辞めてしまったら、やっぱり意味がなかった、と思われてしまうと思うので、職人としてやるからには時間がかかってでも成果を出していきたいと思っております。 ――SNSの活用や、ライブコマースなどについてはいかがですか?また、これからの展望を教えてください。 上川さん)東京都の若手の職人さんが集まって開催されるTOKYO職人展というイベントで、僭越ながら実行委員長という大役を担わせていただきました。イベント会場内でやっていただいたインスタライブでは、イベント関係者様のご尽力によりお陰様をもちまして会期中2~3千人の方々に実演風景や商品案内を見ていただきました。来年にも出来たら取り組みたいと思います。 SNSもコロナ禍をきっかけに去年の夏くらいからようやく始めたんです。始めるにあたって周囲からものすごく反対がありました。なんで外に自分の情報を流すのか、という批判がすごいんですよ。でも、出すからには正確な広報をしっかり発信していかなければならないと思い、取り組んでいます。まだまだ周知もできていませんが、いろんな方にご覧いただければなと思います。若い方にはこんなメッセージを提示していこうなどと勉強を重ねていって、物づくりに対して一人でも多くの方の興味に繋がっていけたらと思います。 投稿には、必ず日本語と英語の表記で入れています。息子には中国語もやらないとだめだよとおしりをたたかれていますが。 ――中国は市場が大きいですからね。 上川さん)SNSでも中国や台湾の方からメッセージをたくさんいただくんですよ。気を遣っていただいて日本語だったりするんですけど。やり取りをして、微力ながら興味を持っていただけるよう尽力しております。 銀師としての想いと続けていく原動力 ――銀師をしていて苦労したところはどんなところですか。 上川さん)苦労したところは続けていくことです。やっていくうちにどれだけ大変なことかがわかってきました。私ははじめから銀師だったのではなく、一度社会に出て少し離れた環境からものづくりを見れたので、自分のやりたいことをそのまま表現できるありがたみを実感しています。私が入りたての頃の先輩はものすごく背中が大きくて、まだまだ並べてはいませんが、後輩にもそのように思ってもらえるようになれればなと思います。続けたくてもできない方がいる中で、ご縁があって続けられることがありがたいです。 ――ご縁を大切にされていらっしゃいますが、その辺りが続けていく原動力や喜びに繋がっているのでしょうか。 上川さん)そうですね。体験をされた方がお世辞でなく楽しいと言っていただけた時には、幸せをおすそ分けしていただいたような気持になって元気が出てきます。よし、頑張ってみよう、と思えるような体験や出会いは、僕の原動力になっていると思います。 お客様に限らず、ものづくりをされている別業種の方や、メディア、大学などこれまで関わることのなかった様々な方々と繋がってお話できることはとても刺激になりますし、実際に作品をつくるときにも試行錯誤していいものを作っていこう、という気持ちにさせられます。それもまた原動力ですね。 ――銀器に対する想いや、チャレンジングな姿勢が伝わってきました。様々な取り組みがどのように広がっていくか、楽しみですね。本日はお話いただきありがとうございました。 日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら

  • 福岡の伝統織物に包まれるホテルステイ 福岡・ホテルグレートモーニング博多にて開始

    福岡県福岡市ホテルグレートモーニング博多にて、福岡の伝統織物「久留米絣」と「博多織」を部屋の様々な場所に使用した宿泊プランが開始されました。 このプランは、福岡市の支援と久留米絣の工房が一番多く残る広川町の観光協会にも協力を受け実現しました。新しい生活様式や潜在ニーズに応え、新たな価値を創造することを目的としています。 ホテルグレートモーニング博多公式サイトはこちら ホテルグレートモーニング公式サイトはこちら 国内外から高い評価を受ける伝統織物「久留米絣」と「博多織」を体験 一番の特徴は、このプランのために特注で誂えられた創業125周年を迎える野村織物の久留米絣の布団カバー。丈夫で、夏は涼しく冬は暖かいという綿織物ならではの特徴を体感いただけます。さらに、ホテルのエントランスには博多織を贅沢に使ったソファーが置かれ、スタッフは久留米絣で仕立てられた制服を羽織ります。 お部屋に置かれた伝統織物の歴史本など、ホテルに一歩入った瞬間から、いま世界的な課題となっている「大量生産・大量消費」で生み出される製品では感じることのできない、伝統織物ならではのサステナブルな魅力が伝わってくる体験型宿泊プランです。 プランの価格と予約方法 プラン名福岡の伝統織物に包まれ癒される「久留米絣なステイ」料金12,000円~予約方法公式サイトより所在地福岡県福岡市博多区店屋町6-3 特別プラン 予約と詳細はこちら 久留米絣とは 「久留米絣」は、「伊予絣(愛媛県松山市)」「備後絣(広島県福山市)」とともに日本三大絣の1つとして数えられる、九州筑後地方に伝わる綿織物です。 無地が主流だった約200年前、優しい風合いの柄を織物に浮かび上がらせる技が、偶然の発見により生み出されました。綿糸を先に染めてから織ることで微妙なズレが生じ、独特なかすれ模様となります。これが久留米絣の大きな特徴であり魅力です。 この久留米絣は、福岡の夏の風物詩である博多山笠の法被にも使われています。ホテルグレートモーニング博多では、プラン限定の布団カバーの他に、制服やポケットチーフに採用されています。 博多織とは 770年以上もの歴史を持つ「博多織」は、中国の王朝・宋から、博多の商人が持ち帰った織の技法がルーツといわれています。多くの経糸に、緯糸を強く打ち込むことで、厚く張りのある生地に織り上がるのが大きな特徴です。 1600年には、筑前福岡藩の初代藩主が、幕府への献上品にも選んだ特別な織物で、「献上柄」「博多献上」などと呼ばれます。現代でも、和服の帯としてよく用いられ、博多地区のシンボル的な模様として、街中のさまざまな場所で使われてます。 こちらのプラン限定で、博多織のソファーとフットスローを楽しむことができます。 宿泊施設だからこそできる価値の伝え方 宿泊施設の中でも、寝具は疲れを癒すために一番長い時間を過ごすと言えます。そんな宿泊施設の特徴を活かして、“福岡の久留米絣や博多織の魅力的な文化をもっと多くの方に知って頂きたい”という想いから今回の取り組みをスタートされたそうです。一過性のプランではなく、感染症が終息した未来も見据え、福岡だからこそ体験できる。世界に誇れるホテルステイの形として期待がされます。 ホテルグレートモーニング博多の特徴 「都市型リフレッシュホテル」として、天然素材、水そして空気にまでこだわっています。 空気が美しい:無風の冷暖システムF-CONを全館に採用天然素材が包み込む:木材は天然の竹、壁は漆喰と珪藻土にこだわって使用ミネラルウォーター:水道から出てくる水は全て、特殊な活水器で濾過されたミネラルウォーターオーガニックタオル:全室に標準採用、洗剤はオリジナルで環境に配慮したものを使用高級寝具:金属のスプリングなどを一切使わないメーカーと共同開発した寝具の自然な寝心地が、最高の目覚めをサポート ホテルグレートモーニング博多 〒812-0025 福岡県福岡市博多区店屋町6-3 TEL : 092-272-1414

  • 日本最大級の江戸切子の祭典『Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』3月25日から開催

    2022年3月25日(金)より、東急プラザ銀座にて『第4回 Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』が3日間開催されます。 Love Nippon!江戸切子桜祭りとは 江戸切子の販売や体験ワークショップなどを通して、「江戸切子のある豊かな暮らし」を提案する、日本最大の江戸切子の祭典となります。江戸切子協同組合主催『第34回 江戸切子新作展』に特別協力しています。 2018年に第1回目が開催された『Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』は、今回で4回目の開催となります。 イベント開催の想い 『江戸切子」は、江戸時代後期から今日まで続く、国および東京都の伝統工芸品に指定されているガラス工芸品です。しかし、技術を継承する職人は年々高齢化が進み、後継者がおらず廃業に追い込まれる場合が多々あり、その職人の技術や作品が失われつつあります。 伝統工芸の未来を明るいものとするため、“現代のライフスタイルに合う新しい価値を江戸切子に与えたい”と考えてきた藤巻百貨店。現在伝統の継承に尽力する「若手職人の育成」が、江戸切子ひいては伝統工芸産業に良い影響を与えると信じて、本イベントの全面サポートを行ってきたと語ります。 本イベントの会場である「東急プラザ銀座」は、その外観のモチーフを江戸切子としています。この場所を江戸切子の魅力発信の 地とし、職人とお客様の交流を創出し、イベントを通じてお客様からの評価が職人たちのモチベーション向上、ひいては「若手職人の育成・発展」を目指しているとのこと。 コロナ禍においてライフスタイルが大きく変わっていく中で、「江戸切子のある豊かな暮らし」を提案していく新しいイベントとなっています。 イベント概要 『Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』は、以下の日程、会場で開催されます。 日程2022年3月25日(金)~27日(日)11:00~20:00予定 ※最終日は18:00までメイン会場東急プラザ銀座 3F 特設スペース第2会場東急プラザ銀座 B1F 藤巻百貨店 銀座店オンライン会場藤巻百貨店WEBサイト 藤巻百貨店WEBサイトはこちら 開催内容(予定) 第34回江戸切子新作展『受賞作品特別展示』伝統工芸士『個人作品展示』江戸切子体験ワークショップ江戸切子直売コーナー そのほかにも多くのイベントを開催予定。※開催概要の詳細については順次WEBサイトにて更新されます。また、開催概要は予告なく変更される可能性があります。ご来場に際しましては、事前に藤巻百貨店WEBにてご確認をお願い致します。 江戸切子とは <過去受賞作品(2021年)>1位 経済産業省 製造産業局長賞 【渡部 聖也】沫~Shibuki~ 『江戸切子(エドキリコ)』とは、江戸時代後期より江戸発祥のガラス工芸品。 1834年、江戸大伝馬町のビードロ屋加賀屋久兵衛が、金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻したものが原型とされています。その後、明治時代以降ヨーロッパのカットグラス技法が導入され、現代に伝わる江戸切子として発展してゆく。 江戸切子は、1985年7月15日東京都伝統工芸品に指定、また2002年1月30日には国が指定する伝統工芸品に指定されました。 江戸切子新作展とは 江戸切子新作展は、江戸切子協同組合が主催する伝統工芸江戸切子職人による新作作品コンテスト出品作品が⼀堂に会する展示会です。 選考会では、特に秀でた作品へ「経済産業省製造産業局長賞」「経済産業省関東経済産業局長賞」「東京都知事賞」などの賞がに与えられます。 江戸切子協同組合 江戸切子協同組合は、江戸切子をはじめとするガラス加工業に従事する事業所・職人の振興と発展をはかり、美しさと品質を追求したガラス工芸品として江戸切子の伝統を長く継承、育むことを目的としている協同組合。 特に高度な卓越した伝統的技術・技法を有する者に与えられる東京都の伝統工芸士、日本の伝統工芸士をはじめ、数々の名誉ある認定を受けた者が組合に数多く在籍しています。 藤巻百貨店(フジマキヒャッカテン) 株式会社caramoが運営。伊勢丹の名物バイヤーとして知られていた故・藤巻幸大(ふじまきゆきお / 1960-2014)のプロデュースにより、“日本をテーマにしたこだわりの逸品のみを届けるECサイト”として2012年5月にオープン。高いデザイン性と使い勝手の良さを両立した「あっと驚く」オリジナリティ溢れる逸品を取り扱っています。 現在、優れた職人やクリエイターなど取引先は400社以上に上り、厳選された日本の商品のみを扱う日本最大級のECサイトとなっています。 「モノ」に対して関心が高く日々の暮らしにちょっとした豊かさを求める30代後半〜50代の男女をターゲットとし、Facebook会員は約24万人、メルマガ会員は約10万人と多くのファンに愛されています。 2016年3月には初の実店舗を銀座(東急プラザ銀座6階 / 東京都中央区銀座5-2-1)にオープン。※取引先数・会員数は、2021年6月現在のもの 所在地:東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座B1階営業時間:11:00~20:00(「東急プラザ銀座」の定休日に準ずる) 藤巻百貨店WEBサイトはこちら

  • 西陣織で作るウェディングドレス「renacnatta(レナクナッタ)」受注開始 伝統文化をまとう結婚式とその後の日常にも

    株式会社Dodiciが展開するD2Cブランドrenacnatta(レナクナッタ)より、京都・西陣の伝統工芸「西陣織」の生地を使用したウェディングドレスと、同生地で作成したネクタイの受注販売が2022年1月18日(火)より開始されます。 文化を纏うブランドrenacnatta(レナクナッタ) renacnattaは「文化を纏う」をコンセプトに、イタリアと日本のデッドストック素材や伝統工芸品を用いたアイテムを展開するブランド。日本とイタリアで使わ「れなくなった」、着ら「れなくなった」テキスタイルが新たなものへ生まれ変わるというコンセプトがブランド名の由来とのこと。 また、第二の取り組みとして、昔よりも作ら「れなくなった」伝統工芸を継承する職人さんとタッグを組んだ商品も展開されています。 公式サイト 京都の西陣織織元とのコラボレーションは今回で三度目で、ウェディングドレスとネクタイが販売となります。作り手と需要の減少が著しい西陣織を、新しい形で纏う機会を作り、可能性を広げたいと考え作ったのがこの西陣織の記事を使った「一生着られるウェディングドレス」です。 西陣織の生地そのままのシンプルなデザインのほかに、西陣織の上にさらに繊細な手刺繍を施している贅沢な品もご用意。刺繍はファッションデザイナーであり刺繍デザイナーの田中大資氏がデザインされました。 一生着られるウェディングドレス 「一生着られるウェディングドレス」というコンセプトのもと、ドレスはトップスとスカートのセットアップとなっており、挙式を終えた後もトップスやスカートの単体で使用することができます。 このドレスでは西陣織をポリエステルで織っているため、水や摩擦に強く、絹の西陣織より扱いやすい生地となっています。絹に劣らない柔らかい質感、上品な光沢感が楽しめる「現代の西陣織」として活躍します。 結婚記念日やお子様の入学式など、人生の特別な節目に着続けることができます。人生に寄り添う一着になってほしいという願いをこめて「一生着られるウェディングドレス」と名付けたそうです。 西陣織とは 西陣織とは、「西陣地区で生産される先染の紋織物」。素材ではなく、技術自体を指します。西陣織は、この20年弱で関連企業は半減、事業主の高齢化、転廃業を決めている事業主も急増しているという事実があります。 今でさえ貴重な西陣織は、もう二度と作られなくなる幻の織物になってしまう危険性もあります。そのような事態を食い止めるため、renacnattaは今回のような新しい用途を提案しています。 商品情報 <サイズ> ①ドレス:Free(S~Mをカバー Tops:着丈cm バスト72~85cmスカート丈は2種類Skirt 80:丈80cm ウエスト58~70cmSkirt 90:丈90cm ウエスト58~70cm体型別着画はこちらから ②ネクタイ 全長:約148cm大剣幅:7cm <価格> セットアップ刺繍あり:214,500円(税込)セットアップ刺繍なし:115,500円(税込)ネクタイ:15,000円(税込) 全て税込価格です。 試着会・注文について 東京、渋谷エリアにて2022年1月30日(日)に試着会をおこないます。感染症対策として、少人数の完全予約制となっていますので、下記のフォームからお申し込みください。 お申し込みはコチラ 受注期間:2022年1月18日(火)~2月6日(日)(延長する可能性あり)下記オンラインサイトからご注文が可能です。 オンラインサイトはこちら 刺繍なしは春頃、刺繍ありは夏頃のお届けを予定しております。

  • 越前漆器の『至福の白木箱』withコロナ時代個別の盛り付けに対応

    伝統工芸品「越前漆器」の産地である福井県鯖江市で漆器メーカーを営む株式会社サンユーから、個別の料理の盛り付けに対応する新たな漆器『至福の白木箱』が発売されました。 コロナ禍に対応する個食を支える器 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で起こった変化の中でも、飲食店は大きな影響を受けています。大皿料理でシェアする食べ方から、個別の盛り付けに変化しました。『至福の白木箱』は、そうした新しい食事の常識に対応します。 越前漆器とは 福井県鯖江市の伝統工芸 越前漆器は、約1500年の歴史と技に支えられ発展してきました。信頼と実績を誇る越前漆器は、高級レストランや飲食店、ホテル、旅館などで用いられ、業務用漆器製造で国内80%を超えるシェアを占めています。 『至福の白木箱』3つの特徴 問屋を介さず直接お客様にお届けするため、低価格で品質の高い商品をお届けできます。自社に塗装工場を持つため、販売以外にも塗りなおしなどの修繕も自社の職人が対応。まさに、SDGsにのっとった取り組みです。ロゴや名入れに対応しており、店名を入れたり、贈り物としても重宝します。 コロナ禍の飲食店に嬉しい機能 コロナ禍で食事をする楽しみが失われる中、『至福の白木箱』の高級白木タモの柾目の無垢&合板の木蓋が、宝箱を開けるような特別なワクワク感を演出します。 さらに、木蓋があるため、飲食店などで運ぶ際にも衛生面でも安心感を与えられるほか、一度に多くの料理を提供することができ、会食の時間短縮やお客さまと従業員とのソーシャルディスタンスの確保を実現します。また、白木箱の木蓋は飛沫防止に効果があり、ワンプレートの容器は抗菌塗装が施されているため、衛生面でも優れています。 また、毎日使用することを想定しているため、耐水性に優れたウレタン塗装によるコーティングが施されているのもうれしいポイント。 白木箱の中に入れるプレートは、バリエーションを豊富に取り揃え、メニューによって自由に使い分けることもできます。 サンユーとは 福井県鯖江市の伝統工芸 越前漆器は、約1500年の歴史と技に支えられ発展してきました。信頼と実績を誇る越前漆器は、高級レストランや飲食店、ホテル、旅館などで用いられ、業務用漆器製造で国内80%を超えるシェアを占めています。サンユーは自社に専用の工場を持ち、業務用漆器の製造をはじめ、修理や手直しなどにも対応。受け継がれてきた確かな職人技でお客さまと信頼関係を築き、持続可能な社会づくりにも取り組んでいます。 ■会社概要会社名 : 株式会社サンユー所在地 : 〒916-1221福井県鯖江市西袋町30-4設立 : 1982年4月資本金 : 1,000万事業内容 : 漆器製造販売会社サイト: https://san-you.jpショッピングサイト:https://sabae.san-you.jp

  • スラムダンクの聖地と伝統工芸品|アニメ八十八箇所巡り【霊場二】

    アニメ八十八箇所巡り・二か所目の霊場は、30年以上に渡り根強い人気を誇るバスケットボール漫画「スラムダンク」の舞台となった鎌倉・湘南地区をクローズアップしてお届けします。 アニメ八十八箇所巡りとは サブカルという位置づけが長かった"アニメ"や"漫画"は今や世界的に大人気で、ジャパニーズカルチャーをけん引する存在となっています。 これからの日本の文化を担う"アニメ"と、古来からの日本文化である"工芸品"や"食文化"をなんとか融合できないかと考えたのが、この「アニメ八十八箇所巡り」です。 お遍路巡りになぞらえて、日本各地のアニメの聖地とその地域に伝わる伝統工芸品を紹介していきます。 「スラムダンク」あらすじ 井上雄彦作の1990年から週刊少年ジャンプにて連載され、数あるバスケットボール漫画の中でも最も人気のある伝説的な漫画です。 中学時代に不良で有名だった主人公の桜木花道が湘北高校に入学し、ヒロインの影響でバスケットボールと出会い急速に才能を開花させていきます。ライバルの流川やキャプテンの赤木らのチームメイトや監督の安斎先生とともに、競合のライバル校の面々との試合の中でバスケットボールにのめり込んでいく姿が描かれます。あらすじ [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#000" col="#fff" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]物語の舞台である湘北高校は、神奈川県・湘南にあり、鎌倉、江の島も漫画の中で描かれています。今回は、湘南~鎌倉にかけて、スラムダンクに出てくる聖地と、その地区の伝統文化を紹介していきます。[/ふきだし] 【聖地巡礼】スラムダンクに登場する場所は? 聖地1:江ノ電の踏切(鎌倉高校前) 出典元:Tokyo Day Trip スラムダンクの聖地巡礼で一番人気なのがこちらのスポット。アニメのオープニングシーンに登場するので、コアなファンでなくても見たことがある、という方も多いと思います。同じポーズで写真をとるのもいいですね。 但し、特に人気な場所なので人気の少ない時間を狙って行くのがオススメです。 『江ノ電の踏切(鎌倉高校前)』の詳細 住所:〒248-0033 神奈川県鎌倉市腰越1丁目1 アクセス:江ノ島電鉄鎌倉高校前駅より徒歩1分 聖地2:鵠沼海岸 出典元:にじめん 漫画の一番最後のシーンで登場するのがこの鵠沼海岸です。インターハイの大事な試合の後、手紙を読む桜木と流川が印象的です。 江の島の見える景色が抜群にいい場所なので、散歩感覚で立ち寄ってみてもいいでしょう。 『鵠沼海岸』の詳細 住所:〒251-0037 神奈川県藤沢市鵠沼海岸4 アクセス:小田急電鉄江ノ島線 鵠沼海岸駅より徒歩15分 聖地3:鎌倉高校 出典元:みんなの高校情報-鎌倉高等学校 こちらは主人公たちの高校ではなく、ライバル校・陵南高校のモデルとなった高校です。 アニメのオープニングの場所からすぐ近く、立ち寄りやすいところにあります。 『鎌倉高校』の詳細 住所:〒248-0026 神奈川県鎌倉市七里ガ浜2丁目21−1 アクセス:江ノ島電鉄鎌倉高校前駅より徒歩5分 聖地4:平塚総合体育館 出典元:KUGENUMA×STILE インターハイの舞台となったのが、平塚総合体育館です。ガラス張りの建物や球状のモニュメントなどが漫画でもしっかりと描写されていて、分かりやすい聖地と言えます。 最後の試合の場所であるため、数々の名シーンが思い出されます。 『平塚総合体育館』の詳細 住所:〒254-0074 神奈川県平塚市大原1−1 アクセス:JR東海道線平塚駅西口より徒歩25分 【PRODUCT】鎌倉・湘南・江の島地区の伝統工芸品 鎌倉彫 出典元:鎌倉市-鎌倉彫 鎌倉時代に木彫彩漆(もくちょうさいしつ)の仏具としてつくられたのが鎌倉彫の始まりです。茶道の普及とともに、一般的に広がりました。 お盆やお皿など、さまざまな器の形があります。ひとつひとつに手作業で模様を掘り、丁寧に漆を重ねてつくられる光沢と質感の美しい伝統工芸品です。 政宗工芸 出典元:政宗工芸-包丁 約700年前に執権北条氏に各地から招かれた刀工が鎌倉に集められ、鎌倉鍛冶の基礎を築きました。その刀工の一人が五郎入道政宗です。大きな5つの作風の一つ「相州伝(そうしゅうでん)」を作り上げました。 戦国の時代には戦いの刀が主な製品でしたが、時代によって形を変えながら現代に続いています。 生活に馴染み深い包丁や鋏も今でも手に取ることが可能ですので、その抜群の切れ味を自分の手で確かめてみてください。 【FOOD】鎌倉・湘南・江の島地区の食文化 [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#000" col="#fff" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]観光地として多くの飲食店や観光スポットを持つ鎌倉・湘南地区の特産品をご紹介![/ふきだし] 湘南しらす 出典元:SHUN GATE 湘南地区の名物と言えばシラスが有名です。相模湾は日本3大湾のひとつで、海の幸に恵まれており、カタクチイワシの稚魚であるシラスも豊富に獲れるのです。 毎年3月11日から12月31日の10か月間のみ漁が行われているので、生シラスが食べたい方はそのシーズンを狙って行きましょう。 聖地巡りをした人の口コミ スラムダンクの聖地巡礼しました。引用元:あかね🐷(@akaneruck) スラムダンク聖地巡礼なう!!!オープニングの体育館うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ<◎>..<◎>引用元:秋良(@akira01260) スラムダンクの聖地巡礼してきた(超地元・笑)。 新作映画が全国大会編だとしたら、改めてロケハン隊が来たりするのだろーか?引用元:ゲンダイサエキ(@GendaiSaeki) 聖地巡礼🏀💨💨 「スラムダンク」の舞台!神奈川県湘南の聖地巡礼レポートを公開しました🚇 世界的に有名なスポットをはじめ、新たに追加された(?)聖地などなど作品の世界観を感じるエリアをお届けします🌸🔥 https://nijimen.net/topics/241444 #スラムダンク #スラダン #SLAMDUNK引用元:にじめん編集部(@nijimen) まとめ バスケットボール漫画の枠を越えて、スポーツ漫画と言えば、という括りでも名前が上がるほど根強い人気のスラムダンク。 今回は、スラムダンクで描かれている聖地とその土地の伝統文化を紹介しました。どれも実際に訪れることができ、都内からのアクセスもしやすい場所にあります。 鎌倉や湘南、江の島は観光スポットとして楽しめる場所やグルメがたくさんあるので、ぜひスラムダンクの聖地にも立ち寄って、伝統文化にも触れていただければと思います。

  • 伝統工芸のマークは一体どんなもの?意味や伝統証紙との違いも解説

    織物や陶磁器、漆器など日本を象徴する伝統的工芸品は、現在日本には237品目あります。 そんな伝統的工芸品には、品質を保証するための目印として「伝統マーク」が付けられているのです。 伝統マークを見たことがある人の中には 「伝統マークはどういう基準で付けられているの?」「伝統マークがなぜつけられているのか知りたい」 このような疑問を持っている人も多いはず。 ここでは伝統マークの意味や認定されるための条件について分かりやすく解説していきます。 また、 伝統マークと伝統証紙の違いや伝統的工芸品の定義などについても紹介していきますので、伝統的工芸品に興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統マークとは? 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 伝統マークの見た目は、日の丸がマークの中に入っており、日本をイメージしやすいデザインが特徴的です。 伝統的工芸品として認められれば、伝統マークのデザインが入った伝統証紙が貼られます。 国から認められた伝統的工芸品のみに与えられる信頼の証と言えるでしょう。 経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークのこと 伝統マークは経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 日本には工芸品が数多く存在しますが、その中でも国が定めた厳しい基準をクリアした工芸品が伝統的工芸品として登録されています。 日本の工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統的工芸品として認定されるための条件 伝統的工芸品として認定されるための条件は主に5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの 上記の要件全てを満たしていることが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律で定められています。 主として日常生活で使われるもの 現在でも私たちの日常生活で使われるものでなければ、伝統的工芸品として認められません。 例えば、福島の奥会津編み組細工はバックやカバンとして使われていますし、東京の江戸切子はグラスとして多くの人に使われています。 他にも扇子や着物、包丁などさまざまな伝統的工芸品がありますが、日常生活でしっかり使われていることが条件の1つです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 製造過程のほとんどが手作り 製品が職人の手で製造されていることも伝統的工芸品の条件です。 ただ、厳密にいえば工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 しかし、製品の品質、形態、デザインを手作りで継承することが重要とされているので、メインとなる主要部分はやはり職人による手作りとなります。 現在では機械が発達していますが、人の手によって製造される製品には特有の味があり、製作者の技術を楽しめるのも伝統的工芸品の良さですね。 100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている そもそも伝統的とは、何を指すのでしょうか? 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を意味します。 魅力的な美しい見た目や高い機能性の工芸品であったとしても、製造技術や技法が確立されてから100年以上継続されていないと、伝統的工芸品に指定されることはありません。 そのため、伝統的工芸品として認められている製品は少なくとも100年以上前から存在していたということになります。 長年紡がれてきた技術や技法により、伝統的工芸品は機能性に長けていたり、美しさや丈夫さに秀でているのです。 伝統的に使われる原材料 工芸品に使われる原材料も、伝統的工芸品として認定されるための条件に関わっています。 原材料は木、土、漆、金など日本の天然資源が使用されていることが多く、100年間以上製品に使われる原材料が同じであることが条件となっているのです。 しかし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値の高さから入手が困難な場合もあります。 上記のようにやむを得ない事情がある場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で同種の原材料に転換することが認められます。 一定の地域で産地を形成しているもの 伝統的工芸品は、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいて、地域産業として成立している必要があります。 もし、1人だけしか製造方法を知らなかったら、技術や技法を次世代に残せませんよね。 そのため、ある程度の規模で製造に関わっている人が条件になっているのです。 また、いくら素晴らしい技術だとしても日常生活で利用される製品でなければ、工芸品とは呼べないので、地域産業として私たちの生活を豊かにしてくれることも条件になっています。 伝統マークと伝統証紙の違い 伝統マークは、冒頭に伝えている通り経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークです。 一方、伝統証紙は伝統的工芸品の表示のために、伝産協会が発行する伝統マークを使用した証紙のことを指します。 つまり、伝統マークはシンボルであり、伝統証紙は伝統的工芸品を一目で分かりやすくするために貼るものと考えてください。 伝統証紙が貼られていることで、消費者が伝統的工芸品を安心して購入できるのです。 また、伝統証紙は職人にとって、「伝統を誇る手作りの証」でもあります。 伝統証紙には2種類ある 伝統証紙は金と銀の2種類あります。 前提として、どちらも伝統的工芸品を保証する証紙ではありますが、細かい違いがあるのでそれぞれ解説していきます。 金色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 金色の伝統証紙は、100年以上の歴史があり、先程紹介した5つの条件を満たした伝統的工芸品に貼られます。 経済産業大臣が指定した技術・技法・原材料で制作され、産地検査に合格した製品が対象となっています。 銀色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 銀色の伝統証紙は、「現代の伝統工芸品」が対象とされています。 伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品のことを指します。 伝統的工芸品産業振興協会と産地組合の間で条件を決め、クリアしたものだけに銀色の伝統証紙が貼られます。 銀色の伝統証紙は、金色の伝統証紙の後に作られました。日本のライフスタイルの変化に合わせて、「現代の匠の逸品」として新しい伝統的工芸品が誕生したのです。 伝統工芸品と伝統的工芸品の違い 伝統工芸品と伝統的工芸品には違いがあるのをご存知でしょうか。 今回紹介した伝統マークが貼られているのは伝統的工芸品ですが、耳なじみがあるのは伝統工芸品という人も少なくないでしょう。 そこで最後に、伝統工芸品と伝統的工芸品の定義をそれぞれ紹介しておきますね。 伝統工芸品の定義 実は、伝統工芸品には明確な定義がなく、長年受け継がれてきた工芸品の事を指します。 現在の日本では、約1300種類もの伝統工芸品が全国各地に存在するのです。 伝統工芸品は伝統的工芸品と同じように、「日常生活で使われるもの」を指し、着物や漆器、ガラス細工、人形、和紙など種類はさまざまです。 伝統的工芸品の定義 伝統的工芸品の定義は明確で、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められている条件を満たしており、経済産業大臣に認定されていることです。 伝統的工芸品として認定されるための条件は下記の5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの さらに、伝統的工芸品として認定された製品には伝統証紙が貼られるので、消費者が明確に判断しやすくなっています。 つまり、伝統工芸品と伝統的工芸品の違いを判断したいときには、製品に伝統証紙が貼られているかを見ればいいですね。 まとめ 今回は伝統マークの意味や伝統証紙との違いについて解説してきました。 おさらいすると、伝統マークは経済産業大臣に認定された伝統的工芸品を表すシンボルマークです。 国が定めた厳しい条件をクリアした伝統的工芸品に与えられる証なのです。 この記事を読んで、伝統的工芸品への興味・関心が少しでも高まってくれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸って何がいいの?良さ5つと良さがわかる製品5選

    日本の文化として、世界中から高い注目を集めている伝統工芸品。 職人による独自の技法や技術で作られていることが多く、古くから日本で愛されてきた文化でもあります。 最近では、SNSなどの普及により若者からも注目され、幅広い世代から関心を集めているのです。 しかし、まだ伝統工芸に興味を持っていない人やあまり知らない人からすると 「伝統工芸のよさってなんなの?」 と感じてしまいますよね。 ここでは伝統工芸のよさを5つ紹介していきます。記事の最後ではおすすめの製品も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸ってそもそも何?伝統工芸の歴史は?など網羅的に理解したい人は、以下の記事で解説していますのでぜひチェックしてみてください。 →伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介 伝統工芸のよさを5つ紹介! 伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い それぞれ詳しく解説していきます。 1.日本の美を演出している 伝統工芸のよさ1つ目は、日本の美を演出している点です。 伝統工芸には古くからの歴史があり、100年間以上継承されてきた工芸品もあります。 意外に感じる人もいるのですが、工芸品は主に日本人が生活の中で使っているものが多く、着物やうちわ、漆器など身近な物がほとんどです。 日本刀なども工芸品の1つで、現代では美術工芸品として人気がとても高いですね。 このように、工芸品は日本をイメージしやすい物がほとんどで、その美しさや技術力は世界中から高く評価されていると言えるでしょう。 2.職人の手作り 伝統工芸のよさ2つ目は、職人の手作りで製造されている点です。 機械をほとんど使わず、主な製造工程は手作業であるため、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 つまり、世界に同じ工芸品は1つも無いということになります。 手作りだからこそ、製品それぞれに個性がでるのも伝統工芸の魅力ですよ。 3.経年変化してこその楽しみがある 伝統工芸のよさ3つ目は、経年変化してこその楽しみがある点です。 日常生活で使う物は、基本的に使えば使うほど劣化していきますよね。見た目も古く感じたり、機能性が落ちたりするのが普通でしょう。 しかし、伝統工芸品は年季が入ることで魅力的になったり、使いやすくなるのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても新たな魅力を見出せる 伝統工芸のよさ4つ目は、壊れても新たな魅力を見出せる点です。 焼き物などは落として割れてしまうこともありますよね。普通は割れてしまったら捨てますが、工芸品は修復できます。 割れたり欠けてしまった器は「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術で修復します。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を振る技術です。 「金継ぎ」によって修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 5.デザイン性と機能性が高い 伝統工芸のよさ5つ目は、デザイン性と機能性が高い点です。 もともと工芸品は日本人が日常生活で使用しているものが多く、使いやすく壊れにくい特徴があります。 また職人の手で1つずつ作られているため、機械では表現できない美しさも魅力の1つと言えるでしょう。 最近では、新進気鋭なデザイナーが手掛ける「現代の伝統工芸品」が非常に人気で、古き良き日本を感じながらおしゃれでかわいいデザインの伝統工芸品が注目を集めています。 伝統工芸のよさが広まらない原因は大きく3つ 使いやすく丈夫でデザイン性も魅力的な伝統工芸品のよさが広まらないのはなぜでしょうか? 原因は大きく3つあります。 伝統的=古いイメージがあるから そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 身近で触れることがないから 1つずつ解説していきますね。 伝統的=古いイメージがあるから 伝統的と聞くと、なんだか古いイメージがある人は少なくないはず。 実際、工芸品の中には100年間以上の歴史があるものがたくさんあるのは事実。 しかし、いざ伝統工芸品を目にするとデザイン性や美しさに気づき、イメージと違ったという人は多いのです。 手作りだからこそ分かる独特の世界観が感じられ、その場で即決して購入する人もいるほどです。 近年ではデザイナーにより現代の伝統工芸品が生み出され、和モダンなデザインの工芸品が非常に人気なのをご存知でしょうか。 イメージにとらわれず、ぜひ一度伝統工芸品を直接見て触れてみてください。 そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 伝統工芸は興味を持たれにくいのが現状です。 まず伝統工芸を知る機会がなければ、興味を持ちにくいでしょう。 こうした現状を打破すべく、伝統工芸の体験イベントなどが実施されています。 例えば、藍染めでオリジナルTシャツを作れたり、鍛冶屋で刃物造りを体験できたりと日本全国で伝統工芸を体験できるのです。 旅行先で友人と楽しんだり、お子さんが自由研究で体験教室に通うなど、伝統工芸にふれられる機会はどんどん増えてきていますよ。 伝統工芸の後継者不足問題を少しでも解消できるよう、より多くの人に伝統工芸の魅力を知ってもらえる機会が増えると嬉しいです。 身近で触れることがないから 伝統工芸は身近で触れることがあまり無いですよね。 機械で大量に生産されているわけではなく、職人により手作りされているので生産数には限りがあり、製品が市場に出回る数は多くはありません。 そのため百貨店や大型デパートなどで販売されていることが多いです。 科学と技術が進歩し、安くて質の良い製品が大量に作られていることは私たちにとってありがたいですが、一方で日本の文化が失われてしまう原因にもなっていると言えるでしょう。 伝統工芸のよさがわかる製品5選 伝統工芸のよさをより知ってもらうために、日本の代表的な伝統工芸品を5つ紹介します。 日常で使えるもの、贈り物として喜ばれるもの、趣味として人気なものなど、さまざまありますのでぜひチェックしてみてください。 1.陶磁器 陶磁器は、土をこねて焼いたものの総称で、一般的には「やきもの」と呼ばれています。 耐久性が高く、手触りが良いことやデザイン面に優れている特徴を持つため食器や湯呑などの製品が多いです。 日本の代表的な陶磁器として、岐阜県の美濃焼、滋賀県の信楽焼、佐賀県の有田焼、京都府の清水焼、石川県の九谷焼などが有名ですね。 陶磁器は割れたり欠けたりしても修復でき、壊れても魅力を見いだせる工芸品の1つです。 2.漆器 漆器は、漆を塗った工芸品のことで、お椀や箸などの製品が多いです。 耐久性・耐水性・断熱性・抗菌作用に優れていて、食器だけでなく棚や台などにも漆は使われています。 機能性が高い上に、美しい見た目も漆器の魅力なんです。合成樹脂では表現できない上品なツヤがあり、使い込むほどに美しい光沢が生まれます。 もし漆器が欠けたりしても、上から漆を塗ることで修復できるので長い間使用できるメリットもありますよ。 3.和紙 和紙は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の伝統工芸品。薄くてとても頑丈でさまざまな種類の製品に使われています。 日本が誇る和紙は、和傘・提灯・うちわなどに使われていて、最近ではくつ下や付箋の材料として利用されているのです。 日本三大和紙として、岐阜県の美濃和紙、高知県の土佐和紙、福井県の越前和紙がとても有名です。 4.染物 染物は、染料などで染めた布のことを指し、着物や洋服などの衣類が製品として代表的。 種類や技法は全国でかなりの数があり、それぞれ歴史のある技法を用いて製造されます。 高級な着物は染物としてイメージしやすいですが、Tシャツやスカーフ、手ぬぐいなどの身近な衣類にも使われているため女性の方は触れる機会も多いでしょう。 成人式や結婚式などの行事で着物を着ることはありますし、最近では着物をおしゃれに着こなすファッションなども流行っていますよね。 5.日本刀 日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた刀です。 昔は武器として使用されていましたが、現代では美術工芸品や文化財として扱われています。 日本刀の魅力は何と言っても美しい見た目で、刀身に反りがあることや片側だけに刃が付けられているのが特徴です。 また、折れない・曲がらない・切れ味が鋭いことも有名で、頑丈さや刃物としてムダが削ぎ落とされている面も高く評価されています。 アニメやマンガで刀を扱うキャラクターが人気だったり、武将がブームになったことで若者から注目を集めましたね。 その美しさから思わず息を呑んでしまう魅力の日本刀は、博物館で見れます。日本刀をコンセプトにしたカフェなどもあるので、最近では日本刀を気軽に楽しめるようになりました。 伝統工芸品と現代技術のコラボもある 出典元:https://kishu-plus.jp/product/details 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 例えば、3Dプリンターで作られた器に職人が漆を塗って食器を作るコラボや藍染をスニーカーに施したコラボなど、さまざまな新しい製品が誕生しているのです。 伝統工芸品の良さと現代技術の進歩をマッチさせることで、より魅力的な製品が出来上がるのはワクワクしますよね。 また、伝統工芸品と人気コンテンツとのコラボも高い注目を集めています。 伝統工芸×人気キャラクターという異色な組み合わせにより、今まで伝統工芸に関心が無かった人に知ってもらえるきっかけとなりました。 伝統工芸は決して閉鎖的な文化・技術ではないのです。 まとめ 今回は伝統工芸のよさについて解説してきました。 おさらいすると、伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い 古くて敷居が高いイメージを持たれがちな伝統工芸ですが、良さがたくさん詰まっているのでぜひ一度手に取って魅力を感じてください。 伝統工芸の体験イベントやさまざまなコラボも実施されているので、この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。

  • 秒速5センチメートルの聖地と伝統工芸品|アニメ八十八箇所巡り【霊場一】

    アニメ八十八箇所巡り・一か所目の霊場は、人気アニメーション映画「秒速5センチメートル」に登場する「種子島」をクローズアップしてお届けします。 アニメ八十八箇所巡りとは サブカルという位置づけが長かった"アニメ"や"漫画"は今や世界的に大人気で、ジャパニーズカルチャーをけん引する存在となっています。 これからの日本の文化を担う"アニメ"と、古来からの日本文化である"工芸品"や"食文化"をなんとか融合できないかと考えたのが、この「アニメ八十八箇所巡り」です。 お遍路巡りになぞらえて、日本各地のアニメの聖地とその地域に伝わる伝統工芸品を紹介していきます。 「秒速5センチメートル」あらすじ 「君の名は。」「天気の子」の新海誠監督が手掛ける2007年公開の長編アニメーション映画。主題歌の「One more time one more chance/山崎まさよし」も有名です。 東京で暮らす遠野貴樹と篠原明里は、お互い転勤族であるという共通点から仲良くなる。中学校へ上がると同時に明里が栃木へ転校になってしまう。そこから文通を始める二人だが、貴樹も東京から鹿児島に転校することになり、最後に明里に会いに行く...。あらすじ 舞台を東京、栃木、種子島と変えながら、時間の経過と共に変わる主人公の心境が印象的な作品です。 第1話「桜花抄」、第2話「コスモナウト」、第3話「秒速5センチメートル」の3部構成となっています。 [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]今回は、その中から第2話「コスモナウト」で主人公・遠野貴樹が高校生活を過ごす場所である種子島を伝統工芸品と共に見ていきましょう。[/ふきだし] 【聖地巡礼】秒速5センチメートルで登場する種子島の場所は? 秒速センチメートルでは、シリーズごとにメインとなる舞台が変わります。今回は、その中でも種子島の聖地をご紹介します。 「秒速5センチメートル」の聖地1:中山海岸 「秒速5センチメートル」の聖地2:アイショップ石堂 「秒速5センチメートル」の聖地3:通学路のさとうきび畑 「秒速5センチメートル」の聖地4:種子島中央高等学校 「秒速5センチメートル」の聖地5:旧種子島空港 ①中山海岸 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹に片思いをするサーフィンが好きな中学生・澄田花苗がサーフィンの練習をしているのが中山海岸です。実際に多くのサーファーがサーフィンを楽しむ絶好のスポットです。 『西武秩父駅(駅前アーケード)』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で17分 ②アイショップ石堂 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗がよく行くコンビニです。聖地巡礼をした方々は、2人がよく飲んでいたドリンクを」このベンチで飲むそうです。寄せ書きノートの量から、人気が伺えます。 『アイショップ石堂』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間2172−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で10分 ③通学路のさとうきび畑 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 種子島の特徴的な風景の一つであるさとうきび畑は、地元の方々にも馴染み深い景色です。貴樹の通う高校の付近も、このように広いさとうきび畑が広がっており、その中を通って通学している様子が描かれています。 正確には、中種子町の中心部から南に向かったあたりと言われています。 『通学路のさとうきび畑』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 ④種子島中央高等学校 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 貴樹と花苗が通う高校は種子島の中心部に位置します。作品の公開時には「中種子島高校」でしたが、統合により現在の「種子島中央高校」という名称になっています。 アニメの世界そのままの場所が多数存在します。 『種子島中央高等学校』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間4258−1・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で12分 ⑤旧種子島空港 出典元:ぶくまる-『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! こちらは第2話「コスモナウト」ではなく、第3話「秒速5センチメートル」で登場します。中種子町野間にある「旧種子島空港」がモデルとなっていますが、2006年に閉鎖されており、現在は立ち入り禁止となっています。 『旧種子島空港』の詳細 ・住所:鹿児島県熊毛郡中種子町野間16915・アクセス:種子島空港(コスモポート種子島)から車で13分 以下の記事では、漫画のシーンと合わせて聖地の情報が掲載されています。詳しく知りたい人はどうぞ。 →『秒速5センチメートル』の聖地、種子島を旅好き書店員が徹底解説! 【PRODUCT】種子島の伝統工芸品は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]種子島で今でも作られている伝統工芸品は①種子鋏・種子包丁 ②種子島焼(熊野焼)です。いずれも元々の土壌と、鉄砲伝来の地という文化的要素が強く影響しています。[/ふきだし] ①種子鋏・種子包丁 出典元:職人と作家の工芸店 梅木本種子鋏製作所– 本種子鋏 5寸 1543年、ポルトガル船が漂着したことにより日本に持ち込まれたことで有名なのが「鉄砲」です。もう一つ、その船に乗り合わせていた鍛冶師によって、はさみ鍛冶の技術が伝えられました。 種子島は元々質のいい砂鉄が取れる地域であり、材料と技術の両方が合わさって独自の製品を作り上げました。その技術は熟練の職人によって今に伝えられます。 特徴は、何といってもその抜群の切れ味と精巧な作りです。日本刀の技法も取り入れ、伝統的な鍛冶技術によって作られています。一度使ったら量産されているはさみには戻れないと言われるほど、その使い心地には定評があります。 ②種子島焼(熊野焼) 出典元:福元陶苑-作品紹介 種子島では、300年以上前から焼き物の制作が行われてきました。西之表市をはじめ、たくさんの窯元が存在します。その原点は西之表市上熊野地域に伝わる熊野焼(よきのやき)と言われています。 残念ながら熊野焼は明治中期に衰退してしまい、”幻の名陶”と言われています。現在は新たな窯が登場し、伝統を引き継いでいます。 良質な砂鉄を含む土壌が種子島の最大の特徴です。この土で作られた陶器は、砂鉄による鉄分が多分に含まれます。それにより、鮮やかな茶色が発色し、その質感は重厚な風情を醸し出します。種子島焼の器は素朴でぬくもりを感じ、使い込むほどに色艶が増してくる味わい深さがあると人気です。 【FOOD】種子島の食文化は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]食のイメージがあまりない種子島ですが、独自の食材ももちろんあります。[/ふきだし] ①安納芋 出典元:たねがしまや - 安納芋の歴史 ねっとりとした食感と濃厚な甘さが特徴で、さつまいもの中でも人気の高い安納芋は、実は種子島が発祥とされています。種子島は国内で初めてさつまいもの栽培を成功させた場所でもあります。現在は全国各地で安納芋が栽培されていますが、やはりその土壌の影響もあり、品質の高い種子島で採れた安納芋を試してみてください。 ②インギー地鶏 出典元:インギー地鶏の里 - インギー鶏とは 天然記念物であるインギー鶏を別の鶏と交配させたのがインギー地鶏で、種子島にしか存在しない地鶏です。 イギリスの貿易船が種子島に流れ着き、それを島の人々が助けた御礼として贈られたのが始まりです。鶏の正式な名前でなく、当時イギリス人の事をインギーさんと呼んでいたことからその名がついたと言われています。 非常に珍しい地鶏のインギー鶏は、種子島でも食べられるお店は限られていますのでご注意ください。 【食べログ】食事処 インギー地鶏の里 【食べログ】美の吉食堂 歯ごたえのある肉質と旨味が特徴の種子島でしか食べられない地鶏ですので、訪れた際には一度は食べておきたい食材です。 【CULTURE】種子島の伝統芸能は? [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]近年ではロケットのイメージの強い種子島。古くからの伝統芸能にはどのようなものがあるのでしょうか?[/ふきだし] ①城川内種子島踊り 出典元:鹿児島県ホームページ - 城川内種子島踊り 「種子島楽」とも呼ばれるこの踊りは、種子島の出水地方に昔から伝わる郷土芸能です。踊りの構成は先頭に「妙鉢(チャッパー)」を持つ者、次に大太鼓・小太鼓が、最後に鉦柴を持つ者が続きます。総勢30~40人で執り行われます。 毎年8月8日に行われるため、タイミングが合えば見られるかもしれません。 ②民謡 種子島には、「草切り節」「増田節・周袈裟(しゅうけさ)節」「めでた節」といった民謡が古くから伝わります。よく聞くと方言も確認できます。運がよければ地元の方が謳ってくださるかも…? 民謡についてはこちらのサイトで一部を聞くことができます。 → 種子島の民謡 聖地巡りをした人の口コミ [ふきだし icon="https://quon.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/pixta_73861620_M.jpg" align="left" col_border="#FD9A8B" col="#fcdcd7" type="speaking" border="on" icon_shape="circle"]放映から数年が経つ秒速5センチメートルですが、今も聖地としてアニメに登場する場所を訪れる人がたくさんいらっしゃいます。[/ふきだし] 秒速5センチメートルの聖地にカブで来ました引用元:ほびー(@Hoobee773) スーパーカブ(C125)で念願の種子島・秒速5センチメートル聖地巡礼を果たしました( ´∀`)引用元:けーおー@C125(@Versys1nomiya) オタクだから秒速5センチメートルみたいな恋愛したことないのに秒速5センチメートルの聖地巡礼してワンワン泣いとる引用元:李白®︎(@limited__exp) 申し訳程度の秒速5センチメートル聖地巡礼とゆで卵引用元:む〜〜〜〜〜〜〜ん🌙(@Violet_Moon636) まとめ 秒速5センチメートルは、公開から数年が経った今も聖地を訪れる人が絶えない人気アニメです。その聖地の一つである種子島は、JAXAのロケット発射が見られたり、綺麗な海が合ったりと、観光するにも楽しい場所です。 島に古くから伝わる伝統工芸品に触れることで、よりその土地を知り、アニメの見解が深まることでしょう。種子島を訪れた際は、ぜひ伝統工芸品や食事、文化も合わせてお楽しみください。

  • 日本最古の布「しな織」帽子が販売開始

    木の皮から作られる「しな織」の製造・販売をおこなっているしな織創芸石田(有限会社丸石産業)から、折りたたみ可能で日除け効果抜群のブリムの広い帽子の販売が開始されました。 風通しがよく夏にぴったりの商品です。 「しな織」詳細はこちら しな織とは 「しな織」は、日本最古の織物の一つであり、シナノキ、オオバボダイジュの木の皮から糸を紡いで作られます。木綿や絹が普及する以前、樹皮から作ったしな織の耐久性と水にも強い特性から、寝具、穀物入れ、漁網、調味料の漉し袋など生活必需品として様々に活用されてきました。 布作りの工程は木の皮を剥ぐところから全て手作業でおこなわれ、織り上がりには約一年がかかります。そのため生産量は少なく、かつては日本各地で織られていましたが徐々に減っていきました。山形県と新潟県の三つの村では、昔と変わらない製法で現在も織り継がれています。 生活の手段となるものは山からの恵みであるという考え方で、必要以上に木を切るなど自然を乱すことなく、自然と共生してきました。梅雨の時期に皮をはぎ、農閑期の冬に糸を作る。山里の暮らしのサイクルを今に残すのがしな織です。 商品詳細 価格88,000(税込)サイズ57cm(オーダー可)販売場所5月11日~17日 大阪髙島屋5月18日~24日 仙台三越5月25日~31日 松坂屋名古屋店 商品詳細はこちら 製品に込めた想い ~古代の布を現代へ~ 歴史あるしな織を後世に残そうと「しな織創芸石田」1990年に操業して以来32年間、現代の生活に合ったデザインで製品を作り続けてきました。中でも、その通気性の良さと丈夫さから帽子が定番商品になっています。 そして今回、お客様の声を集約した新たな定番帽子が完成しました。 特徴 ・風通しが良く飛ばされにくいしな織はその技法により独特の透け感を持ちます。風通しがよく夏でも涼しく過ごすことができます。他の天然素材に比べて糸が太く、強い撚りをかけているので、ざっくりとした織物に仕上がります。 ・折りたたみ可能布の接ぎに沿って折りたたみが可能です。屋内や旅行先などでバッグの中に収納するのも簡単。折りジワができた場合も、霧吹きで湿らせて形を整えることできれいに取れます。 ・経年変化丈夫で耐久性のあるしな織は使っていくうちにしなやかになり、色もアメ色に変わっていきます。20年、30年と変わっていく風合いを楽しみながら、長く使用していただけるサステナブルな商品です。 会社概要 会社名:有限会社丸石産業屋号:しな織創芸石田 「しな織」詳細はこちら

  • 着物とアウトドアのコラボレーション「OUTDOOR*KIMONO」から2022年春夏新作を発売

    老舗の着物専門店「株式会社やまと」と、アウトドアメーカー「スノーピーク」とのコラボレーションシリーズである「OUTDOOR*KIMONO」シリーズから、2022年春夏の新作が発売されます。 やまとオンラインストアはこちら 「OUTDOOR*KIMONO」とは 着物で楽しむ日本らしいアウトドアの雛型を一緒に創りたい、という想いから、アウトドアメーカーである「スノーピーク」と、着物専門店である「やまと」がコラボ―レーションして誕生しました。 コンセプトは、「アウトドアシーンで気軽に着ることができるKIMONO」。ボタンとバックルベルトで留められるようになっており、和装の仕立ての美しさを保ちながらも、帯なしで着用できる気軽さが特徴です。 さらに、アウトドアシーンでも問題なく着用できるような生地を採用し、着る以外にも「包む」「掛ける」「敷く」など、さまざまな用途で活躍する万能な着物です。 2022年春夏の特徴 軽量で通気性に優れた素材「Dot air™️」は、その使用感から毎シーズン人気を博しております。今回は、定番のKIMONO(着物)に加え、同生地で作られたHAORI(羽織)が登場。 シワ加工を施したパナマライクな表情が特徴の生地は、これまでの「Dot air™️」シリーズに比べさらに薄手かつ軽量に進化しました。 またHAORIには取り外しできるフードとポケットがつき、一段とカジュアルな仕様になったため、より普段着に取り入れやすくなりました。 カラーはブラックとブラウンの2色が発売となり、ユニセックスで着用可能となっています。和装としてはもちろんのこと、ライトなアウターとして、またTシャツやパンツと合わせてラフに着られるアイテムです。 商品情報 商品名Quick Dry OUTDOOR KIMONO価格42,900円(税込 / マイサイズ仕立付き)カラーBlack/Brown発売日2022年4月29日(金) 商品名OUTDOOR KIMONO Quick Dry HAORI価格52,800円(税込 / マイサイズ仕立付き)カラーBlack/Brown発売日2022年5月30日(月) やまとオンラインストアまたはY. & SONS 各店での販売となります。 やまとオンラインストアはこちら YAMATO Tsunagari Project 産地と私たちの<つながり>を生かし、私たちと<つながり>がある人、ブランドとともに作った新たなプロダクトで、きものと世の中の<つながり>を生み出すプロジェクトとして株式会社やまとが推進しています。 企業情報 株式会社スノーピーク “ものづくりのまち”新潟県三条市にて創業したアウトドアメーカー。「人と自然、そして人と人をつなぎ、人間性を回復する」ことを社会的使命とし、キャンプ用品、アパレルの開発、国内外での販売のほか、 地方創生、ビジネスソリューション等、幅広い事業を展開する。 株式会社やまと 大正6年創業のきもの専門店。「“きもの”でエキサイティングな世の中をつくる」というビジョンを掲げ、歴史に裏打ちされた信頼感に加え、チャレンジ精神を大切に、生活者や産地と共に革新を続けている。「きものやまと」「KIMONO by NADESHIKO」「Y. & SONS」「DOUBLE MAISON」「THE YARD」の5ブランドを全国に約80店舗展開している。

  • 広島県の地酒YOGANSUから米とテロワールを味わう純米酒「OKITA9241」を発売

    広島県三原市の地元の”米”と”テロワール”にこだわり、それらの違いを味わう価値観を育む「次世代の日本酒」造りに挑戦するため、地元素材を融合して醸した日本酒「OKITA9241」が発売されます。 よがんす白竜オフィシャルサイトはこちら OKITA9241 とは? OKITA9241は、「自然を味わう楽しみを持てるお酒」を目指して、地元三原の老舗酒蔵「醉心山根本店」との連携によってつくられています。 かつて、広島県三原市は品質の高い日本酒を造る酒処として全国的に知られていましたが、現在も残る酒蔵は『醉心山根本店』のみとなってしまいました。160年の歴史をもつ地元の老舗酒蔵『醉心山根本店』は、今も当時の高い技術と品質を維持し続けている酒蔵です。 自分たちの愛する土地にある貴重な地域資源を、「醉心山根本店」の歴史に裏打ちされた技術と融合させ、新しい価値を持った「次世代の日本酒」造りに挑戦することにしました。 テロワールとは、”風土の、土地の個性の”という意味があります。葡萄の品種とテロワールでワインの味わいが変わるなら、日本酒でも同じことが言えるはずだと考え、”米”と”テロワール”にこだわり、それらの違いを味わう価値観を育む「次世代の日本酒」造りに挑戦して生まれた新しい日本酒です。 OKITA9241 3つのこだわり テロワールを固定するため「単一の田んぼ」三原市大和町大草沖田(おきた)9241番地の田圃で原料米を自家栽培する。米本来の味を引き出すため、精米歩合90%「お米は磨かない」で醸す。類を見ない酒質を目指すため、原料米に「イタリア米と日本米」の交配種を使う。カルナローリと北陸204号DNAを併せ持つリゾット専用米「和みリゾット」 無濾過生原酒と、原酒一度火入れの2タイプご用意しています。 OKITA9241の特徴 味覚のコンセプトは「白ワイン」を意識し、しっかりとした酸味と同時に、米本来の甘味と旨味、苦みがバランスよく混ざり合って複雑な印象を与え、余韻も長く続く残るよう仕上げています。 香りは爽やかな柑橘系の中に少し甘いフルーツが混ざるようなイメージ。これが「OKITA9241」の味と香りです。 商品情報 商品名OKITA9241 無濾過生原酒(純米酒) 720ml原材料名米(国産)、米こうじ(国産米)精米歩合90%アルコール分14%内容量720ml保存方法冷蔵保存販売予定価格5,500円(税込) 商品名OKITA9241 原酒一度火入れ(純米酒) 720ml原材料名米(国産)、米こうじ(国産米)精米歩合90%アルコール分14%内容量720ml保存方法冷蔵保存販売予定価格4,400円(税込) 販売スケジュール ①Makuakeのクラウドファンディングにて先行販売 公開期間:2022年5月2日(月)~6月5日(日) ②一般販売 販売開始予定:2022年6月17日(金) 販売場所:道の駅よがんす特産品売り場等 今後の展開 三原市大和町大草沖田9241番地で原料米の生産をスタートしましたが、来年以降は、様々な場所の単一田と様々な品種の米でお酒をつくる予定。日本酒にもワインと同じような、米とテロワールの違いによる”お酒の味と香りの変化を楽しむ文化”を広めていくことを目標に展開していく予定です。 販売者情報 会社名:株式会社よがんす白竜 ~「おどろき」を提供し続ける生真面目な田舎企業~所在地:〒729-1321 広島県三原市大和町和木652-3(道の駅よがんす白竜内)

  • 【伝統工芸×オンライン】クラウドファンディングを通して銀器を後世に…銀師の挑戦 ~日伸貴金属 上川宗伯氏インタビュー~

    日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら 「用の美」を極めた銀器の魅力 ――まず初めに銀器とはどのようなものか教えてください。 上川さん)銀器というのは、全国に236品目ある日本の伝統工芸品の一つです。南部鉄器だとか、金沢の金箔、江戸切子などが有名ですね。 銀器のルーツは今から約300年前になります。江戸時代の当時の職人さんを記した文献「人倫訓蒙図彙(じんりんきんもうずい)」の中に、「銀師(しろがねし)」と呼ばれる銀細工の職人がいたことが記されています。私共は、1700年に始まった金槌で打って形を作り出す「鍛金(たんきん)」を確立した流派を受け継がせていただいています。令和4年においても根本的な技術・技法は変えずに、それぞれの時代のお客様のニーズに応じて作っていくということをしています。 ――銀細工の一つとおっしゃっていましたが、具体的にどのような技術で、他の銀細工とは何が異なっているのでしょうか。 上川さん)例えば銀の線細工をされる職人さんは全国にたくさんいらっしゃいますが、基本的には装飾品なので強度はそれほど必要なく、形をつくるという目的がメインです。 それに対して、刀や包丁を作る「打ち刃物」という業種があるのですが、こちらは形をつくるために打っているだけではなく、打つことによって材質に実用品として使える強度を出すという目的があります。 私たち職人は、“使っていただけるように作る”というのが一番の仕事です。それが叩いているのか、形を作っているのか、完成品だけ見るとわからないかもしれませんが、それらは使用の目的が異なるということです。 ――銀器、鍛金技法の魅力はどんなところにあるのでしょうか。 上川さん)「用の美」という言葉がありますが、実用的でなおかつ美しさを兼ね備える。これが伝統工芸品の主要要件です。素材を加工して形をつくる産業というのはたくさんありますが、打つことにより生まれる強度が江戸時代から伝わる鍛金技法の根幹であり、結果的に生まれる美しさが魅力だと考えています。 『銀器』なので基本的には器が主な製品です。技法を生かした、装身具、アクセサリーなどがあります。それらは伝統技法で造るというところの根幹がずれてしまうと他で作っても同じ指輪になってしまうので、そこを間違えないように装身具やアクセサリーに生かしていくというのが一番のテーマです。 また、銀は熱伝導率が高く抗菌作用を持つという特性も、器として優秀な機能の一つであります。そして銀という素材ならではの“特別さ”や“記念”といった要素も銀器の価値と言えると思います。 体験型クラウドファンディングに込めた想い ――今回のクラウドファンディングをやってみようと思ったきっかけや、課題と考えられていたことを教えてください。 上川さん)台東区さん主導の地域活性化を目的とした産業と別業種のマッチング商談会というものに参加する機会があり、そこで今回クラウドファンディングでお世話になっているベルトラ株式会社さんとお話させていただいたことがきっかけになりました。 おかげさまで私は銀師となって29年目を迎えます。私の父親も現役で、江戸から11代を越える半世紀以上の職歴を重ね、陛下から黄綬褒章をいただいたこともあります。これまで歴史と伝統を引き継いで技術を磨くことに専念して参りましたが、やはり長く続けていくとなると、後世に伝えていくという役割も担っていると強く感じます。そのためには、広く知ってもらうための新しいチャレンジが必要です。 銀器というと、ショーケースに入った高級品としてのイメージが一般的にあります。ブランドとしてそのような価値ももちろんありますが、多くの方に使っていただくためにネックになったのは、その敷居の高さでした。職人としては、みなさまに使っていただきたいという想いを持って作っています。今のままでは、どこで売っているのか、どういう歴史的背景があるのか、どういう風に使うのかというところがわかりにくいままでしたので、まずは知っていただいて、使っていただくところまで持っていこうという考えがありました。 一方で、10年ほど前から修学旅行生や海外からのお客様に対して銀器の体験をしていただくという取り組みをしており、1万人ほどご対応させていただいておりました。そこで体験を通じた普及促進というものが有効であるという実績もあったため、今回の体験型のクラウドファンディングというものに繋がりました。 若い方でも伝統工芸品に対して興味を持っている方がかなり多いと感じていますので、実際に自分で作ってみることで、より愛着と興味関心につながると考えています。同時に歴史的背景や意義というものもお伝えすることもでき、この体験型クラウドファンディングは多くの方にご賛同いただいています。 ――今回のクラウドファンディングはどのようなシーンで利用されていますか? 上川さん)銀器を広めていく上でのコンセプトとして、「ちょっと豊かに、ちょっと贅沢に。」という位置づけを構想しています。過去にあったのは、カップルの方々の記念だったり、おじいちゃんおばあちゃんがお孫さんのために作るアイススプーンだったり、少し特別な意味で銀器をつくられる方が多いです。 具体的なエピソードですが、普段は指輪を贈るなんて恥ずかしいけど、銀婚式だからちょっと銀器で作ってみようか、というお話をいただきました。ご自身で作られた指輪ってすごく愛着がわくと思うんですね。記念の時にこれ作ったよね、と思い出すことができます。そのように自然な形で使っていただけると嬉しいなと思っております。 あとは、地域全体を使った結婚式をされる方々の指輪制作にも携わりました。今までありそうでなかったのですが、台東区は観光の名所もあるので、地域全体の町おこしとしていい取り組みだったなと思っています。 ――体験することで「思い出」という価値もさらについてくるようなイメージでしょうか。 上川さん)まさにそうです。ものをお買い上げいただくのはもちろんですが、その前にまず、あそこで体験したことあるな、といったように思い出していただける位置づけまでもっていく必要があると思います。 ――銀器というと美しい鏡面が印象的ですが、体験でもこのような作品が出来上がるのですか? 上川さん)そこが一番のポイントなのですが、このツルツルの鏡面にするのは、職人の熟練した技が必要ですので、体験ではそこまではできません。先ほど申し上げたように、使用の目的によってその加工が変わってきます。鏡面にするには、叩いて形にした後に削り出して磨き上げます。そのため工程数がものすごく多くなり体験ではちょっと難しいんですよね。 まずは体験で、自分で作る楽しさや難しさを実感していただく。そうすることで、職人の受け継いできた伝統技術の奥深さや、手間暇の大変をより強く肌で感じられるでしょう。それはとても大切だと思っています。 ――クラウドファンディングや、オンライン、ITを取り入れて変わったことはありますか? 上川さん)職人の世界では顔を出してはいけないというのが通例で、メディアに出させていただくことは全くなかったんですよね。それが今ではこうしてご取材いただいたり、伝統と新技術という題目で理系の大学の講演をお願いされたりすることも増えました。 あとは、全国の伝統工芸やものづくりをなされている方々や、酒蔵の方々などと交流するオンラインイベントがあり、最近それに初めて参加させていただいてすごく刺激を受けました。そこで私共の取り組みも紹介させていただいたのですが、「体験型クラウドファンディングなんてすごいですね」と興味を持っていただけたんですよね。そのような前向きにものづくりに取り組む方々と情報を交換し、刺激し合える関係性を築けたのも一つの成果かもしれません。 オンラインやITを取り入れた理由 ――オンラインなどの取り組みは、コロナ以前からやられていたのですか? 上川さん)オンラインイベントなどは以前から模索していたのですが、実際にやってみるとリアルとの差がかなりあったんですね。お子さんたちを対象として体験キットをご自宅に届けてオンラインで説明しながら銀器を作成するということをしたのですが、やはり難しかったです。ですから、この状況下ではありますが、実際に対面で体験指導していく方法に行き着きました。 ――新型コロナウイルスの感染拡大は、上川さんのお仕事や銀器の産業にどのような影響を与えましたか? 上川さん)影響は非常に大きいものでした。私の77歳の父親よりも上の世代一人親方をされている職人さんも多いんです。コロナ禍で今までの販売体系や流通が全く動かなくなってしまいました。ここ数年の販路としては、百貨店さんなどでの販売がメインだったんですよね。そうするとイベント自体がもう中止で売り上げが立たないし、オンラインの対応もなかなか難しいという現状もあり、廃業を選択される職人さんも後を絶ちません。 「上川さんのところはまだ若い職人もいるから」ということで、廃業される先輩の職人から道具を譲っていただくこともあります。その道具にも専門の職人がいるんですよね。そうやって受け継いだ道具を、今度は新しくやりたいという子に使ってもらえるように、まだ若手と言わる私が銀器の産業に対して今何ができるか。そして地域ぐるみで何ができるかと深く考え、後の世代へ繋げていく方法を模索し続けなければならないと考えています。 受け継いできた技術を次の世代へ ――よく伝統工芸では後継者問題も多く聞かれると思うのですが、銀器の世界でも厳しいのでしょうか? 上川さん)銀器の業界は、圧倒的に廃業なされる方が多いですね。銀器の組合というものがあって、入りたての29年前には青年部員だけで30人以上、本体で2~300人くらいいたんです。当時はいろいろな分業制を行っていたりしたので、現在と形態は違うとはいえ、今は当時の10分の1くらいに減ってしまったんですよね。私は青年部の部長という役を担っているのですが、実働しているのは2割程度くらいになってしまっていているのが実状です。 ――なかなか厳しいですね。高齢の方が多いと、ITやオンラインといった新しいことに対しての抵抗感が強いのではないですか? 上川さん)私がパソコンやスマートフォンで打ち合わせや作業をしていると、「何やっているの?」と。「そんなことしてないで手伝ってくれ」と言われることもあります。他の職人さんに必要性を伝えるのは難しかったですが、少しずつ意義を伝えていきながらようやくオンラインという言葉を覚えてもらったかなというレベルです。 他の職人さんたちにも使ってもらうようになるためには、まず自分が実践していかなければならないと思っています。今はまだ勉強させていただいているところではあるのですが、一つ一つを積み重ねていくことで銀器の世界だけでなく、地域の他の産業にもうまく広がっていけばなと思っております。 ――理解が得られない中で進めるのは大変ですね。 上川さん)伝統工芸は、職人だけでなく使っていただく方々も含め多くの関わりの中で作り上げていくのものだと思います。そういった意味で、私の役割はみなさまに広く知っていたき、継続する方向にしていくことだと考えて活動しております。今はまだ実績もなく直接的な売り上げに繋がっているわけではないのですが、先を見据えるとやらなければいけないことなんです。だから今、このようにチャレンジしています。 ――後継者不足が深刻ですが、例えば「明日から職人さんになりたいです!」と言ってなれるものなのですか? 上川さん)もちろん流派や親方筋によって考え方はそれぞれあると思いますが、うちの父親なんかは明日からでも来ていいよ、というタイプなんですよ。ただ、始めることは簡単でも、続けることが結局難しいんです。続けるために工夫をしたり、時代に合わせたり、ご縁を大切にしたり、それらがあるからこその仕事ですので、そのような辛抱強さは必要なのではないでしょうか。 ――次世代に受け継いでいくことについてどのようにお考えですか? 私の息子は高校生と中学生なんですけれども、家業の事や伝統を受け継いでいくことについては理解しています。「お父さんは英語や中国語はダメだから僕は語学の勉強をして、海外の方々とも取引できるように勉強したい」と言ってくれています。子どもが自主的に見聞きし、考えてくれていて、そうやって新しい世代が興味を持ってくれるのは嬉しいことです。 ――先を見据えた考え方ができる息子さんで将来有望ですね。 上川さん)まだ勉強中なんですけどね。親父が「俺の背中を見ていればいい」という時代でもありません。子どもの方がよくわかってくれていて、私は私の、息子は息子の今だからできる必要だと思うことを行動しようと話しています。いい意味で子どもから学んでいますね。子どもが行動しやすい環境を作っていきたいです。 ――今上川さんの種まきをしていることが、息子さんの代に広がっている画が見えますね。 上川さん)その時代その時代でのお客様のご要望や、ニーズ、社会情勢は変わってくると思うので、そこにどうやって対応するかですね。親として息子の今後を応援したいなと思います。 ――後世に繋げていくには時代のニーズを的確に捉えていくことが不可欠ですね。 上川さん)分かる人にだけ分かってもらえればいいという時代もあったのかもしれないですが、それは今と時代背景が全く違う高度成長期の時代や大量生産でものをいっぱい作るという体制があった時代の使い方です。職人は黙って手を動かしていればそれで生業として成立する、という時代は終わりました。 「伝える」ということは誰かが代わりにやってくれたりどうにかしてくれたりするわけではありません。一生懸命にものづくりをすることと同じくらい、職人として伝えていくことに対して熱量を持って行かないとダメなんだと痛感しています。実績を重ねていく過程も皆さん見ていると思いますので、身が引き締まる思いがしますね。 銀器を普及させるための新しい取り組み ――最近の銀器に対する新しいニーズはありますか? 最近ですと、アイススプーンを作り始めました。これは今体験型のクラウドファンディングでもご案内させていただいております。銀という素材は熱伝導率が金属の中で一番優れているため、自身の体温の熱が伝って、凍っているアイスクリームがゼリーのようにスーッとスプーンが入るんです。それを実感していただくことも非日常の一つで幸せを感じる瞬間とも言えますね。 そのアイススプーンから発想して、ベビースプーンとしてもいいよね、とお客様からアイデアをいただき、形にしました。時代にあったもの、必要なものを教えていただきながら形にしていく作業は楽しいですね。 銀器以外の伝統工芸の素材のものとコラボレーションすることによっていろんなものができるんですよね。例えば、陶器と銀器を合わせる工芸品。この工芸品を生活の中で使っていただけるよう提案していくこともものづくりを楽しさかなと思います。そこから新たなオーダーをいただくこともありますよ。 ――最近ではサステナブルという価値観が若い方に共感されるポイントとなっていますが、これは伝統工芸にとって追い風と言えるかもしれませんね。 上川さん)SDGsやサステナブルといった考え方は、実は日本文化の中で大切にされていた部分と通じる要素が多くあるんです。今がその時代のタイミングになってきているのかな、ということを肌で感じている部分はあります。先程の大学の講演についてもそうですが、若い方に伝える機会をいただけることはすごくありがたいことです。 ――現在ECやオンラインショップもされているのですか? 上川さん)東京都さんの方で今年度からオフィシャルの東京の伝統工芸品として選んでいただいて、ECサイトに出店させていただいています。あとはホームページの方では遠方の方にお買い求めいただけるようなプラットフォームをつくりました。 ――実店舗以外でも楽しめる環境を整えられているのですね。 上川さん)それでも、他の職人が「自分もやってみようかな」と期待値が高くなるほどの成果までは行っていないので、常に課題感を持って進めていければと思います。ここで辞めてしまったら、やっぱり意味がなかった、と思われてしまうと思うので、職人としてやるからには時間がかかってでも成果を出していきたいと思っております。 ――SNSの活用や、ライブコマースなどについてはいかがですか?また、これからの展望を教えてください。 上川さん)東京都の若手の職人さんが集まって開催されるTOKYO職人展というイベントで、僭越ながら実行委員長という大役を担わせていただきました。イベント会場内でやっていただいたインスタライブでは、イベント関係者様のご尽力によりお陰様をもちまして会期中2~3千人の方々に実演風景や商品案内を見ていただきました。来年にも出来たら取り組みたいと思います。 SNSもコロナ禍をきっかけに去年の夏くらいからようやく始めたんです。始めるにあたって周囲からものすごく反対がありました。なんで外に自分の情報を流すのか、という批判がすごいんですよ。でも、出すからには正確な広報をしっかり発信していかなければならないと思い、取り組んでいます。まだまだ周知もできていませんが、いろんな方にご覧いただければなと思います。若い方にはこんなメッセージを提示していこうなどと勉強を重ねていって、物づくりに対して一人でも多くの方の興味に繋がっていけたらと思います。 投稿には、必ず日本語と英語の表記で入れています。息子には中国語もやらないとだめだよとおしりをたたかれていますが。 ――中国は市場が大きいですからね。 上川さん)SNSでも中国や台湾の方からメッセージをたくさんいただくんですよ。気を遣っていただいて日本語だったりするんですけど。やり取りをして、微力ながら興味を持っていただけるよう尽力しております。 銀師としての想いと続けていく原動力 ――銀師をしていて苦労したところはどんなところですか。 上川さん)苦労したところは続けていくことです。やっていくうちにどれだけ大変なことかがわかってきました。私ははじめから銀師だったのではなく、一度社会に出て少し離れた環境からものづくりを見れたので、自分のやりたいことをそのまま表現できるありがたみを実感しています。私が入りたての頃の先輩はものすごく背中が大きくて、まだまだ並べてはいませんが、後輩にもそのように思ってもらえるようになれればなと思います。続けたくてもできない方がいる中で、ご縁があって続けられることがありがたいです。 ――ご縁を大切にされていらっしゃいますが、その辺りが続けていく原動力や喜びに繋がっているのでしょうか。 上川さん)そうですね。体験をされた方がお世辞でなく楽しいと言っていただけた時には、幸せをおすそ分けしていただいたような気持になって元気が出てきます。よし、頑張ってみよう、と思えるような体験や出会いは、僕の原動力になっていると思います。 お客様に限らず、ものづくりをされている別業種の方や、メディア、大学などこれまで関わることのなかった様々な方々と繋がってお話できることはとても刺激になりますし、実際に作品をつくるときにも試行錯誤していいものを作っていこう、という気持ちにさせられます。それもまた原動力ですね。 ――銀器に対する想いや、チャレンジングな姿勢が伝わってきました。様々な取り組みがどのように広がっていくか、楽しみですね。本日はお話いただきありがとうございました。 日伸貴金属クラウドファンディング詳細はこちら

  • 福岡の伝統織物に包まれるホテルステイ 福岡・ホテルグレートモーニング博多にて開始

    福岡県福岡市ホテルグレートモーニング博多にて、福岡の伝統織物「久留米絣」と「博多織」を部屋の様々な場所に使用した宿泊プランが開始されました。 このプランは、福岡市の支援と久留米絣の工房が一番多く残る広川町の観光協会にも協力を受け実現しました。新しい生活様式や潜在ニーズに応え、新たな価値を創造することを目的としています。 ホテルグレートモーニング博多公式サイトはこちら ホテルグレートモーニング公式サイトはこちら 国内外から高い評価を受ける伝統織物「久留米絣」と「博多織」を体験 一番の特徴は、このプランのために特注で誂えられた創業125周年を迎える野村織物の久留米絣の布団カバー。丈夫で、夏は涼しく冬は暖かいという綿織物ならではの特徴を体感いただけます。さらに、ホテルのエントランスには博多織を贅沢に使ったソファーが置かれ、スタッフは久留米絣で仕立てられた制服を羽織ります。 お部屋に置かれた伝統織物の歴史本など、ホテルに一歩入った瞬間から、いま世界的な課題となっている「大量生産・大量消費」で生み出される製品では感じることのできない、伝統織物ならではのサステナブルな魅力が伝わってくる体験型宿泊プランです。 プランの価格と予約方法 プラン名福岡の伝統織物に包まれ癒される「久留米絣なステイ」料金12,000円~予約方法公式サイトより所在地福岡県福岡市博多区店屋町6-3 特別プラン 予約と詳細はこちら 久留米絣とは 「久留米絣」は、「伊予絣(愛媛県松山市)」「備後絣(広島県福山市)」とともに日本三大絣の1つとして数えられる、九州筑後地方に伝わる綿織物です。 無地が主流だった約200年前、優しい風合いの柄を織物に浮かび上がらせる技が、偶然の発見により生み出されました。綿糸を先に染めてから織ることで微妙なズレが生じ、独特なかすれ模様となります。これが久留米絣の大きな特徴であり魅力です。 この久留米絣は、福岡の夏の風物詩である博多山笠の法被にも使われています。ホテルグレートモーニング博多では、プラン限定の布団カバーの他に、制服やポケットチーフに採用されています。 博多織とは 770年以上もの歴史を持つ「博多織」は、中国の王朝・宋から、博多の商人が持ち帰った織の技法がルーツといわれています。多くの経糸に、緯糸を強く打ち込むことで、厚く張りのある生地に織り上がるのが大きな特徴です。 1600年には、筑前福岡藩の初代藩主が、幕府への献上品にも選んだ特別な織物で、「献上柄」「博多献上」などと呼ばれます。現代でも、和服の帯としてよく用いられ、博多地区のシンボル的な模様として、街中のさまざまな場所で使われてます。 こちらのプラン限定で、博多織のソファーとフットスローを楽しむことができます。 宿泊施設だからこそできる価値の伝え方 宿泊施設の中でも、寝具は疲れを癒すために一番長い時間を過ごすと言えます。そんな宿泊施設の特徴を活かして、“福岡の久留米絣や博多織の魅力的な文化をもっと多くの方に知って頂きたい”という想いから今回の取り組みをスタートされたそうです。一過性のプランではなく、感染症が終息した未来も見据え、福岡だからこそ体験できる。世界に誇れるホテルステイの形として期待がされます。 ホテルグレートモーニング博多の特徴 「都市型リフレッシュホテル」として、天然素材、水そして空気にまでこだわっています。 空気が美しい:無風の冷暖システムF-CONを全館に採用天然素材が包み込む:木材は天然の竹、壁は漆喰と珪藻土にこだわって使用ミネラルウォーター:水道から出てくる水は全て、特殊な活水器で濾過されたミネラルウォーターオーガニックタオル:全室に標準採用、洗剤はオリジナルで環境に配慮したものを使用高級寝具:金属のスプリングなどを一切使わないメーカーと共同開発した寝具の自然な寝心地が、最高の目覚めをサポート ホテルグレートモーニング博多 〒812-0025 福岡県福岡市博多区店屋町6-3 TEL : 092-272-1414

  • 日本最大級の江戸切子の祭典『Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』3月25日から開催

    2022年3月25日(金)より、東急プラザ銀座にて『第4回 Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』が3日間開催されます。 Love Nippon!江戸切子桜祭りとは 江戸切子の販売や体験ワークショップなどを通して、「江戸切子のある豊かな暮らし」を提案する、日本最大の江戸切子の祭典となります。江戸切子協同組合主催『第34回 江戸切子新作展』に特別協力しています。 2018年に第1回目が開催された『Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』は、今回で4回目の開催となります。 イベント開催の想い 『江戸切子」は、江戸時代後期から今日まで続く、国および東京都の伝統工芸品に指定されているガラス工芸品です。しかし、技術を継承する職人は年々高齢化が進み、後継者がおらず廃業に追い込まれる場合が多々あり、その職人の技術や作品が失われつつあります。 伝統工芸の未来を明るいものとするため、“現代のライフスタイルに合う新しい価値を江戸切子に与えたい”と考えてきた藤巻百貨店。現在伝統の継承に尽力する「若手職人の育成」が、江戸切子ひいては伝統工芸産業に良い影響を与えると信じて、本イベントの全面サポートを行ってきたと語ります。 本イベントの会場である「東急プラザ銀座」は、その外観のモチーフを江戸切子としています。この場所を江戸切子の魅力発信の 地とし、職人とお客様の交流を創出し、イベントを通じてお客様からの評価が職人たちのモチベーション向上、ひいては「若手職人の育成・発展」を目指しているとのこと。 コロナ禍においてライフスタイルが大きく変わっていく中で、「江戸切子のある豊かな暮らし」を提案していく新しいイベントとなっています。 イベント概要 『Love Nippon!江戸切子桜祭り2022』は、以下の日程、会場で開催されます。 日程2022年3月25日(金)~27日(日)11:00~20:00予定 ※最終日は18:00までメイン会場東急プラザ銀座 3F 特設スペース第2会場東急プラザ銀座 B1F 藤巻百貨店 銀座店オンライン会場藤巻百貨店WEBサイト 藤巻百貨店WEBサイトはこちら 開催内容(予定) 第34回江戸切子新作展『受賞作品特別展示』伝統工芸士『個人作品展示』江戸切子体験ワークショップ江戸切子直売コーナー そのほかにも多くのイベントを開催予定。※開催概要の詳細については順次WEBサイトにて更新されます。また、開催概要は予告なく変更される可能性があります。ご来場に際しましては、事前に藤巻百貨店WEBにてご確認をお願い致します。 江戸切子とは <過去受賞作品(2021年)>1位 経済産業省 製造産業局長賞 【渡部 聖也】沫~Shibuki~ 『江戸切子(エドキリコ)』とは、江戸時代後期より江戸発祥のガラス工芸品。 1834年、江戸大伝馬町のビードロ屋加賀屋久兵衛が、金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻したものが原型とされています。その後、明治時代以降ヨーロッパのカットグラス技法が導入され、現代に伝わる江戸切子として発展してゆく。 江戸切子は、1985年7月15日東京都伝統工芸品に指定、また2002年1月30日には国が指定する伝統工芸品に指定されました。 江戸切子新作展とは 江戸切子新作展は、江戸切子協同組合が主催する伝統工芸江戸切子職人による新作作品コンテスト出品作品が⼀堂に会する展示会です。 選考会では、特に秀でた作品へ「経済産業省製造産業局長賞」「経済産業省関東経済産業局長賞」「東京都知事賞」などの賞がに与えられます。 江戸切子協同組合 江戸切子協同組合は、江戸切子をはじめとするガラス加工業に従事する事業所・職人の振興と発展をはかり、美しさと品質を追求したガラス工芸品として江戸切子の伝統を長く継承、育むことを目的としている協同組合。 特に高度な卓越した伝統的技術・技法を有する者に与えられる東京都の伝統工芸士、日本の伝統工芸士をはじめ、数々の名誉ある認定を受けた者が組合に数多く在籍しています。 藤巻百貨店(フジマキヒャッカテン) 株式会社caramoが運営。伊勢丹の名物バイヤーとして知られていた故・藤巻幸大(ふじまきゆきお / 1960-2014)のプロデュースにより、“日本をテーマにしたこだわりの逸品のみを届けるECサイト”として2012年5月にオープン。高いデザイン性と使い勝手の良さを両立した「あっと驚く」オリジナリティ溢れる逸品を取り扱っています。 現在、優れた職人やクリエイターなど取引先は400社以上に上り、厳選された日本の商品のみを扱う日本最大級のECサイトとなっています。 「モノ」に対して関心が高く日々の暮らしにちょっとした豊かさを求める30代後半〜50代の男女をターゲットとし、Facebook会員は約24万人、メルマガ会員は約10万人と多くのファンに愛されています。 2016年3月には初の実店舗を銀座(東急プラザ銀座6階 / 東京都中央区銀座5-2-1)にオープン。※取引先数・会員数は、2021年6月現在のもの 所在地:東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座B1階営業時間:11:00~20:00(「東急プラザ銀座」の定休日に準ずる) 藤巻百貨店WEBサイトはこちら

  • 西陣織で作るウェディングドレス「renacnatta(レナクナッタ)」受注開始 伝統文化をまとう結婚式とその後の日常にも

    株式会社Dodiciが展開するD2Cブランドrenacnatta(レナクナッタ)より、京都・西陣の伝統工芸「西陣織」の生地を使用したウェディングドレスと、同生地で作成したネクタイの受注販売が2022年1月18日(火)より開始されます。 文化を纏うブランドrenacnatta(レナクナッタ) renacnattaは「文化を纏う」をコンセプトに、イタリアと日本のデッドストック素材や伝統工芸品を用いたアイテムを展開するブランド。日本とイタリアで使わ「れなくなった」、着ら「れなくなった」テキスタイルが新たなものへ生まれ変わるというコンセプトがブランド名の由来とのこと。 また、第二の取り組みとして、昔よりも作ら「れなくなった」伝統工芸を継承する職人さんとタッグを組んだ商品も展開されています。 公式サイト 京都の西陣織織元とのコラボレーションは今回で三度目で、ウェディングドレスとネクタイが販売となります。作り手と需要の減少が著しい西陣織を、新しい形で纏う機会を作り、可能性を広げたいと考え作ったのがこの西陣織の記事を使った「一生着られるウェディングドレス」です。 西陣織の生地そのままのシンプルなデザインのほかに、西陣織の上にさらに繊細な手刺繍を施している贅沢な品もご用意。刺繍はファッションデザイナーであり刺繍デザイナーの田中大資氏がデザインされました。 一生着られるウェディングドレス 「一生着られるウェディングドレス」というコンセプトのもと、ドレスはトップスとスカートのセットアップとなっており、挙式を終えた後もトップスやスカートの単体で使用することができます。 このドレスでは西陣織をポリエステルで織っているため、水や摩擦に強く、絹の西陣織より扱いやすい生地となっています。絹に劣らない柔らかい質感、上品な光沢感が楽しめる「現代の西陣織」として活躍します。 結婚記念日やお子様の入学式など、人生の特別な節目に着続けることができます。人生に寄り添う一着になってほしいという願いをこめて「一生着られるウェディングドレス」と名付けたそうです。 西陣織とは 西陣織とは、「西陣地区で生産される先染の紋織物」。素材ではなく、技術自体を指します。西陣織は、この20年弱で関連企業は半減、事業主の高齢化、転廃業を決めている事業主も急増しているという事実があります。 今でさえ貴重な西陣織は、もう二度と作られなくなる幻の織物になってしまう危険性もあります。そのような事態を食い止めるため、renacnattaは今回のような新しい用途を提案しています。 商品情報 <サイズ> ①ドレス:Free(S~Mをカバー Tops:着丈cm バスト72~85cmスカート丈は2種類Skirt 80:丈80cm ウエスト58~70cmSkirt 90:丈90cm ウエスト58~70cm体型別着画はこちらから ②ネクタイ 全長:約148cm大剣幅:7cm <価格> セットアップ刺繍あり:214,500円(税込)セットアップ刺繍なし:115,500円(税込)ネクタイ:15,000円(税込) 全て税込価格です。 試着会・注文について 東京、渋谷エリアにて2022年1月30日(日)に試着会をおこないます。感染症対策として、少人数の完全予約制となっていますので、下記のフォームからお申し込みください。 お申し込みはコチラ 受注期間:2022年1月18日(火)~2月6日(日)(延長する可能性あり)下記オンラインサイトからご注文が可能です。 オンラインサイトはこちら 刺繍なしは春頃、刺繍ありは夏頃のお届けを予定しております。

  • 越前漆器の『至福の白木箱』withコロナ時代個別の盛り付けに対応

    伝統工芸品「越前漆器」の産地である福井県鯖江市で漆器メーカーを営む株式会社サンユーから、個別の料理の盛り付けに対応する新たな漆器『至福の白木箱』が発売されました。 コロナ禍に対応する個食を支える器 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で起こった変化の中でも、飲食店は大きな影響を受けています。大皿料理でシェアする食べ方から、個別の盛り付けに変化しました。『至福の白木箱』は、そうした新しい食事の常識に対応します。 越前漆器とは 福井県鯖江市の伝統工芸 越前漆器は、約1500年の歴史と技に支えられ発展してきました。信頼と実績を誇る越前漆器は、高級レストランや飲食店、ホテル、旅館などで用いられ、業務用漆器製造で国内80%を超えるシェアを占めています。 『至福の白木箱』3つの特徴 問屋を介さず直接お客様にお届けするため、低価格で品質の高い商品をお届けできます。自社に塗装工場を持つため、販売以外にも塗りなおしなどの修繕も自社の職人が対応。まさに、SDGsにのっとった取り組みです。ロゴや名入れに対応しており、店名を入れたり、贈り物としても重宝します。 コロナ禍の飲食店に嬉しい機能 コロナ禍で食事をする楽しみが失われる中、『至福の白木箱』の高級白木タモの柾目の無垢&合板の木蓋が、宝箱を開けるような特別なワクワク感を演出します。 さらに、木蓋があるため、飲食店などで運ぶ際にも衛生面でも安心感を与えられるほか、一度に多くの料理を提供することができ、会食の時間短縮やお客さまと従業員とのソーシャルディスタンスの確保を実現します。また、白木箱の木蓋は飛沫防止に効果があり、ワンプレートの容器は抗菌塗装が施されているため、衛生面でも優れています。 また、毎日使用することを想定しているため、耐水性に優れたウレタン塗装によるコーティングが施されているのもうれしいポイント。 白木箱の中に入れるプレートは、バリエーションを豊富に取り揃え、メニューによって自由に使い分けることもできます。 サンユーとは 福井県鯖江市の伝統工芸 越前漆器は、約1500年の歴史と技に支えられ発展してきました。信頼と実績を誇る越前漆器は、高級レストランや飲食店、ホテル、旅館などで用いられ、業務用漆器製造で国内80%を超えるシェアを占めています。サンユーは自社に専用の工場を持ち、業務用漆器の製造をはじめ、修理や手直しなどにも対応。受け継がれてきた確かな職人技でお客さまと信頼関係を築き、持続可能な社会づくりにも取り組んでいます。 ■会社概要会社名 : 株式会社サンユー所在地 : 〒916-1221福井県鯖江市西袋町30-4設立 : 1982年4月資本金 : 1,000万事業内容 : 漆器製造販売会社サイト: https://san-you.jpショッピングサイト:https://sabae.san-you.jp