伝統工芸の歴史が3分で分かる記事|伝統工芸の未来も解説!

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世界中から高い評価を得ている日本の伝統工芸品。

中には1000年以上前を起源とし、現在まで技術と技法が継承されてきたものもあります。

そんな伝統工芸品に対して

「伝統工芸品って、どんな歴史があるの?」
「いつから作られているんだろう?」

と、疑問に感じる人も多いでしょう。

ここでは伝統工芸品の歴史について、どこよりも分かりやすく解説していきます。

また、伝統工芸品が抱える課題や将来についても紹介していきますので、興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。

伝統工芸品の歴史

伝統工芸品の起源は約1万年ほど前、原始時代にまで遡ります。

原始時代の人たちによって、木器や石器、骨角器、土器などが大量に作られました。

紀元前2世紀ころになると、大陸から青銅器、鉄器といった金属器の文化が伝わり、狩りや農作業に使われました。

当時の生活を支える狩りや農作業の道具として作られたものが、伝統工芸品が誕生することに大きく影響しています。

工芸品の技術は外国の技術との融合により生まれた

工芸品は、海外からの技術や文化と融合して生まれたものが多いです。

飛鳥、奈良時代に遣唐使が派遣されたり、朝鮮半島や中国から仏教文化とともにさまざまな技術が日本に渡ってきたりしました。

木工、金工などの技術者が朝鮮半島から渡来し、仏像や寺院の建設が進められたのです。

奈良の東大寺正倉院には正倉院宝物として、シルクロードを通って伝えられたさまざまな工芸品が残されています。

奈良時代〜平安時代に外国から伝わった技術や文化が融合したことによって、日本の工芸品は生まれたのです。

伝統工芸品の多くは生活必需品として作られた

そもそも伝統工芸品とは、主に日常生活で使われるものを指します。

使われるほどに使いやすくなったり、見た目も美しくなったりすることが多く、工芸品は「用の美」ともいわれています。

生活を豊かにする道具として、各産地の原材料が利用され、独自の技法・技術によって質の高い道具が作られました。

伝統工芸品の多くは、生活必需品として、生活に根ざしたものの中から生まれたのです。

江戸時代は農民らの副業とさせていた

江戸時代の鎖国制度によって、国内で生活用具・生産用具が自給されるようになり、特に生産技術の進歩に大きな影響を与えました。

地方諸藩は財政を支えるために、農民の副業として特産品の開発を奨励していました。

それぞれの地域で伝統工芸が生産されるようになり、「土地の素材」を使った製品が生まれたのです。

江戸時代に伝統工芸の技術・技法がほとんどが完成し、現在にまで継承されてきました。

明治時代にヨーロッパで伝統工芸品が好評

1873年に、明治政府はウィーン万国博覧会にはじめて参加しました。

新しい日本を世界にアピールする絶好の機会だったため、日本はさまざまな工芸品を展示したのです。

日本が自信を持つ浮世絵、錦などの染織品、漆器、櫛、人形などの工芸品をはじめ、仏像、楽器、刀剣、甲冑、伊万里・瀬戸・薩摩焼などの陶磁器に至る美術用品等、種類は豊富でした。

出品された工芸品の中には、正倉院宝物や御神宝水晶玉、籬菊螺鈿手箱など国宝級のものも多数含まれており、世界中から注目を集め、日本は「美術工芸の国」として高い評価を受けました。

第二次世界大戦が勃発し伝統工芸の需要と生産が減少

1940年代に入ると、第二次世界大戦の影響で軍事産業が優先され、工芸品産業は荒廃します。

そして高度経済成長により、大量生産と大量消費が進みました。今までは道具の質が評価されていましたが、安く効率的に生産されることが重要視されるようになりました。

日本人の生活変化により、工芸品の需要が減ってしまい、生産量も減少していったのです。

伝統工芸品が抱える課題とは?

現在、伝統工芸品が抱えている課題は以下の3つです。

  • 手作り故に大量生産ができない
  • 後継者不足
  • 関心の薄れ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

手作り故に大量生産ができない

伝統工芸品の課題1つ目は、大量生産が難しい点です。

伝統工芸品は、機械をほとんど使わず、職人の手によって1つずつ作られます。

そのため、1度に生産できる量は決まっており、需要が合っても供給が追いつかないのが現状なのです。

後継者不足

伝統工芸品の課題2つ目は、後継者不足です。

需要の低下とともに、売上も低下したことが影響し、伝統工芸品を継ぎたい人が増えなかったり、後継者が育たなかったりしたことが現在にまで響いています。

現在の職人が高齢化してきていることもあり、若い世代で伝統工芸品の技術を受け継ぐ人材が望まれています。

関心の薄れ

伝統工芸品の課題3つ目は、関心の薄れです。

かつて日本人の生活を支えていた工芸品ですが、戦後の高度経済成長で大量生産と大量消費が進み需要が低下しました。

より安い製品が求められるようになり、価格面で劣る工芸品が生活の一部から遠ざかってしまったのです。

伝統工芸品の多くは、希少な原材料を使っていたり、製造工程が複雑なためコストがかかったりしますからね。

しかし、最近では伝統工芸品の良さが見直され、求める声も増えています。

伝統工芸品の未来とは?

最後に、日本の古き良き文化である伝統工芸品の未来について紹介しておきます。

最近になって伝統工芸品に興味・関心が出てきた人は要チェックですよ。

伝統工芸と現代技術がコラボ!

伝統工芸品と現代技術のコラボにより、全く新しい製品がどんどん生まれています。

例えば、漆器に使われる津軽塗の技術をスマホカバーに生かした製品や、南部鉄器の技術を利用した炊飯ジャーなど、魅力的な製品がたくさんあります。

また、ジャパンブルーとして有名な藍染とコラボしたスニーカーなども非常に人気。

このように、今まで触れる機会が少なかった伝統工芸品が、形を変えて身近な製品に生まれ変っているのです。

現代技術と融合することで、現代風の工芸品と呼べる製品が増えれば、幅広い世代から注目され、伝統工芸品が抱える課題の解消に繋がることが期待されています。

伝統工芸の魅力を海外へ発信!

もともと海外からの評価が高い伝統工芸品ですが、まだまだ認知されていないことも事実です。

近年、伝統工芸品の魅力を海外の人たちにも知ってもらうために、WebサイトやSNSでの発信が活発になっています。

今ではGoogleやSNSで簡単に検索でき、写真付きで製品の詳細を知ることができます。

また、海外での展示会なども積極的に行われており、改めて日本の伝統工芸品の魅力・良さが世界に浸透してきていると言えます。

伝統工芸品の保護

伝統工芸品を衰退させないため、保護や支援する動きも出てきています。

まず、伝統工芸品自体に興味を持ってもらうことや、需要を増やすことが重要です。

WebサイトやSNSでの発信、鑑賞会やイベントの開催などによって、存在を知ってもらえる仕組みが作られています。

また、場所を選ばず購入できるよう、ECサイトの制作会社が協力したり、マーケティング会社によって販路が増やされたりもしていますよ。

伝統工芸品の興味・関心が増えることは売上増加とともに、後継者不足の解消にも繋がります。

このように、他業種との協力によって伝統工芸品は、新たな歴史の道を歩み始めているのです。

まとめ

今回は伝統工芸品の歴史について解説してきました。

100年以上の歴史を持つ伝統工芸品はたくさんあり、それぞれの歴史を知ることで、その地域の歴史や文化も知ることができます。

この記事を読んで、あなたが伝統工芸品に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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