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  • 【完全保存版】日本刀の購入方法と注意点|所持するための資格も紹介

    歴史や映画などで活躍する武将たちは、現代でもとても人気です。 そんな武将や歴史が好きな人の中には 「日本刀を購入したい」「日本刀ってどこで買うの?」 と、日本刀が欲しい!と考えている人もいるのではないでしょうか。 しかし、いざ日本刀を購入したいと思っても、購入方法や値段が分からず悩んでいる人も多いはず。 そこで本記事では、日本刀の購入方法と注意点についてわかりやすく解説していきます。 また、日本刀の相場や、日本刀購入に関するよくある質問も紹介していきますよ。 この記事では、日本刀を購入するために必要な知識が全て把握できるので、ぜひ最後まで読んでみてください。 日本刀についてより網羅的に知りたい人は以下の記事を参考にして下さい。特徴や種類、歴史も紹介しています。 →【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介 前提:日本刀の購入前に決めておきたい3つのポイント まずは、日本刀を購入する前に決めておきたいポイントを3つ紹介します。 日本刀の購入を検討している人は、このポイントをしっかり押さえておくと、スムーズに購入することができますよ。 予算を決める 事前に、予算はいくらまでなのかをハッキリと決めておきましょう。 後ほど日本刀の値段や相場について詳しく解説していきますが、最低でも10万円ほど必要になります。 さらに、種類や刀工のランクによって金額は大きく変わるため、あらかじめ日本刀購入の予算がどのくらいになるか明確にしておくことがおすすめです。 購入したい日本刀はどれか明確にする 日本刀を購入する前に、どの日本刀が欲しいのか明確にしておきましょう。 一口に日本刀と言っても種類は豊富で、作成された時代や刀工によって、見た目や値段が変わるのです。 事前に、ある程度は欲しい日本刀を決めておかないと、いざお店に行った際になかなか決められないことが多々あります。 また、希望する日本刀の取り扱いが無いなんてこともあるので、欲しい日本刀を決めてから購入に進むと非常にスムーズです。 日本刀をどこに飾るか決める もし日本刀を購入したら、どこに飾りますか? 一般的なのは、和室の「床の間」ですが、家に和室が無い方もいますよね。 和室に飾らなければいけないというルールは無いため、家のどこに飾っても問題はありませんが、意外とスペースが必要になることに注意してください。 また、日本刀の保存に適した刀箪笥や刀剣ディスプレイケースなどを置く場所も必要になります。 勢いで日本刀を購入すると、置く場所や保存環境が整っておらず、後悔してしまう方もいるのです。 そのため、事前に日本刀を飾るスペースの確保ができてから購入することがおすすめです。 日本刀の値段や相場 「日本刀はいくらで買えるの?」 と、日本刀の値段や相場について、気になっている人は多いですよね。 ここでは、日本刀の値段や相場について解説していきます。 刀のランクが値段に影響する 日本刀の値段は、定められたランクによって大きく変わります。 当然ですが、有名な刀工が鍛えた名刀は価値が高くなり、値段も上がります。 刀工のランクは「位列」で格付けされ、上から「最上作」、「上々作」、「上作」、「中上作」、「中作」の5段階に定められているのです。 日本刀の出来栄えや切れ味も、格付け評価の対象となっています。 また、前提として、国宝や重要文化財に指定されている日本刀は非常に貴重で、基本的に購入はできません。 一般的に購入できる日本刀の値段は、「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」が発行する鑑定書により、4つのランクに分けられます。 保存刀剣特別保存刀剣重要刀剣特別重要刀剣 ランクによって値段・相場は変わりますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。 保存刀剣の場合 保存刀剣の値段の相場は、10万円〜100万円程度とされています。 保存刀剣とは、江戸時代までに制作された著名な刀工の銘がある作品を指します。 上記に加えて、地刃に多少の疲れ、あるいはキズがあっても鑑賞に堪え得るものも該当します。 特別保存刀剣の場合 特別保存刀剣の値段の相場は、30万円〜300万円程度とされています。 特別保存刀剣とは、保存刀剣のなかでも、さらに出来がよく、保存状態もよいものを指します。 在銘・無銘にかかわらず、傷・錆・補修などが目立ち、美観を損なうものは対象外となっています。 重要刀剣の場合 重要刀剣の値段の相場は、100万円〜500万円程度とされています。 重要刀剣とは、特別保存刀剣の中でも、特に出来が良く、保存状態も良好なものを指します。 国認定の重要美術品に準ずると判断される作品です。 特別重要刀剣の場合 特別重要刀剣の値段の相場は、500万円〜1000万円以上とされています。 重要刀剣のなかで、さらに一段と出来が傑出し、保存状態が優れているものを指します。 資料的価値が極めて高く、国認定の重要美術品の上位に相当すると判断されるもの、もしくは国指定の重要文化財に相当する価値があると考えられるものとされ、価値が高く値段も高額となります。 刃長によっても金額が変わる 日本刀は、刃長によっても金額が変わります。刃長が長いと、比例して値段も上がると考えてください。 一般的には刃長60cm以上の日本刀は、太刀、打刀と呼ばれ、刃長30〜60cmの日本刀は脇差、刃長30cm以下の日本刀は短刀に分類されます。 太刀と打刀の値段は高い傾向にあり、脇差は太刀と打刀の3割程度、短刀は半値くらいが相場とされています。 もちろん、刃長だけで価値が決まるものではありませんが、刃長の短い脇差や短刀の方が安価な場合が多いです。 そのため、初めて日本刀を購入する人や、予算的に厳しい人などは、脇差や短刀を検討してみるのもいいでしょう。 飾る場所や保存スペースを考えると、コレクションしやすいメリットもありますからね。 日本刀を購入できるECサイト オンラインで日本刀を購入できる、おすすめECサイトを3つ紹介しておきます。 刀の蔵 出典元:https://katananokura.jp/ 刀の蔵は、代表が倉敷刀剣美術館を運営している信頼のできるECサイトです。 日本刀は美術品なので、定価はありません。しかし、刀の蔵は良心的な価格設定なため、購入しやすいと人気なのです。 また、写真や刀の説明などの詳細も1つ1つ見られるので、ユーザーにとってはありがたいポイントでしょう。 さらに、日本刀の下取りや購入後のアフターサービスなども充実しています。 刀の蔵公式Webサイト:https://katananokura.jp/ 勇進堂 出典元:https://yushindou.com/ 勇進堂は、創業30年を誇る信頼と実績がある会社で、ECサイトから日本刀の購入が可能です。 勇進堂の刀剣には、必ず一振り毎に「登録証」が付いているため、「譲渡・売買等」がスムーズに行なえます。 「日本刀は購入しにくいな…」という人でも、鍔、目貫、拵え(外装)などの刀装具ごとに購入もできるため、非常におすすめです。 勇進堂Webサイト:https://yushindou.com/ 刀剣杉田 出典元:https://www.token-net.com/ 刀剣杉田は、創業から10年ほどで約5千本の刀剣を国内外に販売してきた実績を持つ会社です。 ECサイトでは、さまざまなカテゴリーから日本刀を探すことができ、価格帯から選ぶこともできるので、予算に合った日本刀を見つけやすいメリットがあります。 返品やクーリングオフ制度、海外への発送にも対応しているため、トラブルが起きにくく、安心して購入できる会社と言えるでしょう。 刀剣杉田の公式Webサイト:https://www.token-net.com/ 日本刀を購入できる実店舗 「日本刀は、実際に見てから買うか決めたい」という人もいますよね。 実際に足を運び、直接日本刀を購入できる実店舗も紹介していきます。 霜剣堂 原宿店 出典元:https://www.sokendo.jp/ 霜剣堂 原宿店は、東京都渋谷区にあり、原宿駅から徒歩5分の刀剣店。 約60年ほど日本刀の販売を行なっていて、買取にも対応しています。 常設展示販売も行っているので、見て感じて購入を検討できます。 店舗名霜剣堂 原宿店住所東京都渋谷区神宮前6-28-1電話番号03-3499-8080定休日木曜日公式Webサイトhttps://www.sokendo.jp/ 大阪刀剣会 吉井美術 出典元:http://www.art-express.co.jp/guide-net/osaka/osakatokenkaiyoshii/index.html# 大阪刀剣会 吉井美術は、大阪市にあり、難波駅から徒歩5分の刀剣店。 鎌倉時代より伝わる名刀から、現代の名匠による美術刀剣まで、太刀・打刀・脇差・短刀などを幅広く扱っています。 定期的に展示即売会を開催しているので、興味のある方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。 店舗名大阪刀剣会 吉井美術住所大阪市中央区日本橋2-7-1電話番号06-6631-2210定休日水曜日公式Webサイトhttp://www.art-express.co.jp/guide-net/osaka/osakatokenkaiyoshii/index.html# 古美術・刀剣 山城屋 出典元:https://www.yamasiroya.com/ 古美術・刀剣 山城屋は、東京都豊島区にあり、巣鴨駅から徒歩5分の刀剣店。 日本刀の展示販売だけでなく、美術工芸品、刀剣類などの保存・修復も行っています。 買取査定も対応してくれるので、日本刀を売りたいと考えている人は、引越しや相続、資金作り等の際に相談してみてください。 店舗名古美術・刀剣 山城屋住所東京都豊島区巣鴨1-21-8 吉田ビル電話番号03-3942-2701定休日土曜日、日曜日、祝日公式Webサイトhttps://www.yamasiroya.com/ 日本刀を購入する際の注意点 銃砲刀剣類登録証の所有者変更 日本刀を所持する際には、「銃砲刀剣類登録証」が必要です。 登録証がない場合、「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)違反となり、購入することも、所持することもできません。 刀剣店で日本刀を購入した後は、必ず登録証の所有者変更手続きを行いましょう。 購入した日から20日以内に、該当する刀剣・日本刀を登録した都道府県の教育委員会等へ届け出なければ、法律違反となり、せっかく購入した日本刀を手放すことになってしまいます。 登録証の所有者変更に関する届出用紙は、購入した店舗や各都道府県にある教育委員会のホームページからダウンロードできます。 銃砲刀剣類登録証のない刀剣を買わない もし、あなたがネットで銃砲刀剣類登録証が付いていない日本刀を見つけても、絶対に購入してはいけません。 先程も説明した通り、日本刀は「銃砲刀剣類登録証」が付いていなければ、「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)違反となるからです。 今回紹介したECサイトや刀剣店など、実績のある会社なら「銃砲刀剣類登録証」が付いているので問題はありません。 しかし、ネットオークションなどで個人から購入する際に、「銃砲刀剣類登録証」が付いていないこともあるので必ずチェックしましょう。 「知らなかった」と言っても、法律に違反していると見なされてしまうことがあるため要注意です。 日本刀購入に関するFAQ Q1.購入した日本刀の持ち運び方が知りたい 購入した日本刀を持ち帰る際には、専用の刀袋や風呂敷、ゴルフバッグなどに入れて持ち運びましょう。 法律として、日本刀を持ち帰ることは問題ありませんが、その際に日本刀を所持していることが分からないようにすることが大切です。 もし、日本刀を所持していることが周りの人に気づかれたら、騒ぎになったり通報されたりすることもありますからね。 心配な方は、購入した日本刀を郵送してもらうことをおすすめします。 Q2.日本刀の手入れはどうしたらいい? 日本刀は錆ないよう、古い油を拭き取り、新しい油を塗って手入れします。 目釘抜き、丁子油、拭紙、打粉などの手入れ道具は刀剣店や通販サイトから購入できます。 個人でも手入れはできますが、刀身に錆や傷が付いている場合には、刀剣店や研磨師に手入れを依頼するのがおすすめです。 Q3.日本刀を買い取ってもらうためには? 日本刀を買い取ってもらう際には、刀剣評価鑑定士がいる刀剣店に依頼するのがおすすめです。 個人でネットオークションに出したり、リサイクルショップで買い取ってもらう方法もありますが、前述した通り日本刀の値段は定価がなく、1振りごとに価値が違います。 そのため、日本刀の知識が無い人からすると、適切な値段が付けられず、0円で引き取られるなんてこともあるのです。 売りたいのであれば、日本刀の価値をしっかりと鑑定してもらい、買い取ってもらえる刀剣店に依頼するのが間違いないでしょう。 まとめ 今回は、日本刀の購入方法と注意点、値段の相場などについて解説してきました。 日本刀の相場は10万〜100万円程度で、決して安くはありません。 そのため、事前に予算や希望の日本刀を決めておき、信頼できる刀剣店やECサイトから購入するようにしましょう。 今回紹介した刀剣店やECサイトは実績があり、信頼できるところばかりなので、日本刀の購入を検討している人は一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

  • 日本刀の種類とそれぞれの特徴を解説!構造や名称なども紹介

    日本刀と一口に言っても、種類は豊富です。 この記事を読んでいるあなたは 「日本刀の種類について知りたい」「日本刀の構造ってどうなってるの?」 と、疑問に感じているのではないでしょうか。 結論から言うと、日本刀は主に7種類に分類され、それぞれ形や大きさはかなり違ってくるのです。 そこで今回は、日本刀の種類と構造について詳しく解説していきます。 意外と知られていない日本刀もあるので、興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。 また日本等の歴史や切れ味、作り方などより詳しく知りたい人は、以下の記事で紹介していますのでぜひ参考にして下さい。 →【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介 日本刀の種類は全部で7種類! 日本刀は、主に以下の8種類に分類されます。 直刀 太刀 打刀 脇差 短刀 薙刀 槍 それぞれの用途や特徴について見ていきましょう。 1.直刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 直刀は、古墳時代から奈良時代にかけて制作されました。 特徴はその名の通り、刀身がまっすぐな点で、湾刀と比べると反りがほとんどありません。 「上古刀」とも呼ばれ、日本刀の起源とされています。 武器としてだけでなく、権威の象徴としての意味があったり、献上品としても扱われていました。 2.太刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 太刀は、平安後期から戦国時代頃までに制作された日本刀です。 日本刀と言われた際に、一番イメージしやすい形の日本刀ではないでしょうか。 刀身が反っている湾刀で、「断ち斬る」が語源と言われています。 刃渡りが2尺(約60cm)以上の長刀で、騎馬戦が主流だった時代に作られました。 あえて刀身を反らすことで、馬上で刀が抜きやすいよう設計された刀です。 3.打刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 打刀は、太刀に代わって室町時代中期(15世紀後半)から江戸時代末期(19世紀中頃)まで使用された日本刀です。 一般的に日本刀といえば「打刀」のことを差す場合が多いでしょう。 太刀との違いは刀身がやや短くなっており、騎馬戦による馬上での使用ではなく、主に徒戦での使用を想定した刀とされています。 戦い方が変わると、日本刀の形も変わり、武器としてより洗練された作りに変化していきました。 4.脇差 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 脇差は打刀の一種で、刃渡り1尺(30cm)以上2尺(60cm)未満の日本刀です。 室町時代以降に誕生し、太刀や打刀の補助武器として用いられました。 刀身が打刀より短く、近接戦闘や打刀が折れた際などに使用されます。 打刀と脇差を同時に使うことは二刀流と呼ばれ、宮本武蔵なども大小二本の刀を戦闘に用いていたことは有名ですね。 5.短刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 短刀は打刀の一種で、刃渡り1尺(30cm)未満の日本刀です。 懐にも収められるサイズから、懐刀・腰刀と呼ばれたりもしますね。 脇差と同様に、太刀・打刀の補助武器として使用されました。 小さく扱いやすいので、女性や子供に護身用として持たせることも多かったそうです。 また、武器としてだけでなく、邪気や災厄を払うお守りとして扱われる一面もあります。 6.薙刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 薙刀は、長い柄の先に反りがついた刃を付けた武器のことで、日本刀として分類されます。 平安時代に誕生し、南北朝時代の主要武器として流行しました。 日本刀の柄の長さだけで約5尺(約150cm)あるリーチに優れた特徴があります。 間合いが広く、斬る・刺突・打撃などに優れていたため、長きに渡って使用された日本刀の1つです。 しかし、その長さゆえに味方を傷つけるなど、集団戦闘に不向きな点もありました。 7.槍 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 槍は鎌倉時代に登場し、安土桃山時代に多く使われた日本刀です。 薙刀と同様に長さが特徴で、「穂」と「柄」を合わせると3〜5mほどにもなります。 種類は穂の形や柄の長さで分けられ、時代によってさまざまな槍が作られました。 戦国時代に槍を使った武将として、加藤清正や本多忠勝が有名です。 日本刀の構造 日本刀本体の構造 出典元:https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/151803 日本刀本体は、10個のパーツに分けられます。 刀身:刀の本体にあたる部分 切先(きっさき):刀身の先端部分 刃(は):物を斬る鋭利な部分 刃先(はさき):刃の端の部分 物打(ものうち):切っ先から3寸(約9cm)ほどの部分。主にこの部分で斬る 峰(みね):刃の反対側の背にあたる部分 鎬(しのぎ):刀身の中ほどにある刃と峰の境界 鎺(はばき):鞘に収めた刀身が抜けないように固定する金具 茎(なかご):柄に収まる持ち手側の部分 目釘穴(めくぎあな):柄から抜けないように目釘を通して固定するための穴 刀剣の本体を「刀身」と呼び、鞘に収まる部位と柄(つか)に納まる部位に大別されます。 茎(なかご)には、製作者の「銘」や、刀そのものに名付けられた「号」などが刻まれることもあります。 このように、日本刀はそれぞれの部位で名称が細かく分かれていて、知っておくと鑑賞する際に奥深さが知れるので面白いですよね。 刀装の構造 続いて、刀身を包む外装である刀装の構造を見ていきましょう。 出典元:https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/151803 柄(つか):手で握る部分 柄頭(つかがしら):柄の末端。柄を補強するためにつけられた金具 目釘(めくぎ):刀身を柄に固定するための留め具 鞘(さや):刀身部分を納めて保護するための筒 鯉口(こいくち):鞘の口 鍔(つば):柄を握る手の保護や、刀全体の重心を調整するためにつける金具 鍔(つば)は、手が刀身まで滑って斬ってしまわないための留めとしての役割があります。 製作者の色や持ち主の好みなどで、鍔は華やかで魅力的なデザインとなっており、鍔をコレクションする人もいるほどです。 また、鍔がずれないように、切羽(せっぱ)と呼ばれる板金が重要な役割を果たしています。 出典元:https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/151803 切羽は柄(つか)、鍔(つば)、鎺(はばき)と刀身がしっかりと合致するために必要な部位です。 この部分がちゃんと合致していないと、日本刀を振った際に刀身が柄から抜けて飛び出たりすることがあるため、欠かせないパーツの1つです。 まとめ 今回は日本刀の種類と構造について解説してきました。 短刀や薙刀、槍などのように、一見すると日本刀とは思えない刀剣が、実は日本刀に分類されることは意外でしたね。 ちなみに、日本刀は制作された時代や刀工によって、価値がランク付けされるのも面白いポイントの1つですよ。 この記事を読んで、日本刀への関心をより深めてもらえたら嬉しいです。

  • 日本刀の歴史|成り立ちや年代別での日本刀の役割も紹介

    この記事を読んでいるあなたは 「日本刀ってどうやって作られたの?」「日本刀の歴史について知りたい」 と、思っているのではないでしょうか? 私たち日本人にとって馴染みがありますが、日本刀のルーツや成り立ちについて知らない人は多いはず。 そこで今回は、日本刀の歴史や起源について解説していきます。年代別で日本刀の役割についても紹介していきますよ。 さらに日本刀に関するよくある質問も、FAQで掲載しておきますので、日本刀に少しでも興味がある方はぜひ最後まで読んでください。 日本刀について網羅的に知りたい人は、以下の記事で日本刀の歴史だけでなく特徴や種類も解説していますので、是非参考にしてください。 →【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介 日本刀の起源 まずは、日本刀がどのようにして誕生したのか?そのルーツについて紹介していきます。 武具として扱う目的で作られたもの 日本刀は、古墳時代に中国大陸から鉄の加工技術が伝わり、作られた刀剣が起源とされています。 古墳時代以前にも刀剣は存在していましたが、戦いのための武器ではなく、権力・権威の象徴品として使用されていたのです。 古墳時代の刀剣は、平造(ひらづくり)と切刃造(きりはづくり)と呼ばれる反りのない直刀で、武具としての目的で作られました。 平安時代以前は上古刀が主流だった 古墳時代は直刀の上古刀が主流でしたが、平安時代に入ると片側に刃がある、反りの付いた湾刀が多く生産されるようになります。 戦い様式が騎馬戦に移ったことから、馬上でも抜刀しやすい、刀が求められるようになったのです。 平安時代以降に作られた湾刀は日本独自の刀剣であり、現在でも知られる日本刀が誕生したのです。 時代別で見る日本刀の歴史と役割 古墳時代 出典元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/making.html 古墳時代の日本刀は、反りのない直刀で上古刀と呼ばれ、日本刀の起源とも言えます。 今まで刀剣は権威の象徴品として使用されていましたが、古墳時代からは戦いの武器として生産されるようになりました。 上古刀として、「三種の神器」のひとつである「天叢雲剣」(あめのむらくものつるぎ)別名「草薙剣」や、「七星剣」(しちせいけん)などが有名です。 平安時代 平安時代に入ると、反りの付いた湾刀が主流になります。 騎馬戦が主になり、馬上でも抜刀しやすい刀が生産されるようになったのです。 斬りやすく、より効率的な形へと進化した日本刀が誕生した時代です。 博物館や美術館に展示されている形の日本刀で、太刀と呼ばれています。 鎌倉時代 出典元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/making.html 鎌倉時代は、日本刀が最も栄えた時代です。 武家が政権を握り、後鳥羽上皇が日本刀を作らせるため御番鍛冶制を設けたことで、日本刀はさらに発展します。 上皇が作刀を奨励したことで、山城国の粟田口派、備前国の福岡一文字派、備中国の青江派など、優れた刀工の流派が誕生しました。 当時、日本刀は折れやすいことが弱点とされていましたが、折れにくく丈夫な日本刀の作り方として「相州伝」が開発されました。 鎌倉時代に作られた有名な日本刀として、国宝「太刀銘則宗」や、御物「鬼丸国綱」などがあげられます。 南北朝時代 南北朝時代は、単騎の騎馬戦から徒歩での集団戦が主流となり、敵を薙ぎ払う大太刀や大薙刀などが作られるようになります。 大太刀は長さが1mを超え、腰の帯刀から背に背負う様式へと変化しました。 さらに武士だけでなく、農民なども使用しやすい槍や短刀などの日本刀も多く生産され、全国的に日本刀の需要が増大した時代でもあります。 室町時代 出典元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/making.html 室町時代後期には、応仁の乱をきっかけに各地で乱戦が勃発します。 農民なども戦に参加する機会が多くなり、数打物と呼ばれる安価で大量生産が可能な日本刀が流行しました。 数打物の中には粗悪品がたくさんあり、美術的価値はありません。 備前(岡山県)と美濃(岐阜県)が二大生産地とされています。 安土桃山時代 安土桃山時代には織田信長や豊臣秀吉が台頭し、戦国時代に突入します。 長篠の戦いでは火縄銃が使われ、最強騎馬隊として知られていた武田信玄を織田信長が破りましたね。 この時代の主力武器は鉄砲となりますが、日本刀も戦場では必須の武器でした。 豊臣秀吉が国内統一を果たした際に、刀狩令を発令し、武士以外の農民や商人が日本刀を持つことを禁止しました。 そのため、日本刀は武士だけが所持できる物として価値を高めたのです。 江戸時代・幕末 江戸時代になると徳川家康によって幕府が開かれ、大きな合戦は起きない太平の世へと移ります。 この時代は日本刀に武器としての価値は少なく、贈答品や美術品として価値を高めていくのでした。 実践で日本刀は使われなくなりますが、武芸として剣術が流行したこともあり、日本刀の需要が増加することも。 幕末になると、ペリー来航をきっかけに江戸幕府が弱体化し、物騒な世の中になったことで日本刀を注文する人も増えたのです。 明治時代以降 明治時代には江戸が東京に変わり、廃刀令が命じられます。 廃刀令によって武士の特権は無くなっていきました。これに伴い、多くの刀工が失業したのです。 武器として、日本刀の需要はほとんど無くなったものの、鍛刀の技術は保護され明治〜令和現在まで鍛錬技法は受け継がれています。 日本刀に関するFAQ Q.日本刀とは? 日本特有の鍛刀技術で作られた刀剣類のことを指します。 大きさや形によって名称が異なり、直刀、太刀、薙刀、短刀、打刀、脇差、槍などの種類に分類されます。 片刀で刀身が反っていて、薄身で切れ味が抜群に良いことが特徴です。 日本刀は4部構造になっていて、本体である刀身と、外装品である鞘、柄、鍔の4つから形成されています。 Q.日本最古の刀はなに? 出典元:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25985170S8A120C1CR8000/ 奈良市の春日大社が所持している「古伯耆(こほうき)」が最古級の日本刀と言われています。 平安時代後期に作られた日本刀で、最古の刀工「安綱」の作品である可能性が高いです。 Q.日本刀の有名な生産地はどこ? 日本刀は備前(岡山)、大和(奈良)、山城(京都)、相模(神奈川)、美濃(岐阜)の5大産地(五箇伝)が有名です。  中でも岡山県瀬戸内市の長船は、日本刀の聖地とされています。 国宝や文化財に指定されている日本刀の約4割が備前で作られたもので、質量共に全国トップレベルの技術と生産体制であったことが分かりますね。 織田信長、上杉謙信、坂本龍馬などの歴史上の人物は、備前刀を愛用していました。 Q.日本刀の良いところはどこ? 日本刀は「丈夫で折れにくく、切れ味が良い」という特徴があります。 また、鑑賞する上では「刃文や地鉄の美しさ」「反り姿」などの見た目も魅力の1つ。 さらに、作られた当時の時代背景が読み取れたり、愛刀していた武将の人物像もあわせて知れる面白さもあります。 Q.日本刀はどのようにして作られていた? 日本刀の作り方は流派や個人によって異なりますが、主に以下のとおりです。 水へし・小割り積沸し折り返し鍛錬・皮鉄造り心鉄造り・組み合わせ素延べ・火造り焼き入れ仕上げ 玉鋼という素材を加熱し、鍛えることで頑丈で薄身の日本刀が出来上がります。 まとめ 今回は日本刀の歴史や起源について解説してきました。 古墳時代に起源と言える上古刀が武器として誕生し、平安時代以降に多くの日本刀が生産されました。 日本刀は時代背景や生産地域によって形や特色が変わるので、それぞれどのようにして作られたのか?を気にしてみると面白いですね。

  • 【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介

    伝統工芸品の中でも人気な日本刀。 かつては武器や権力の象徴とされていましたが、現在では美術品・工芸品としてさまざまな美術館や博物館に展示されています。 女性からの人気度も高く、日本刀に興味を持つ若い世代の人が増えているのです。 今回は日本刀の歴史や種類、特徴についてくわしく解説していきます。 また日本刀と関わりの深い歴史上の人物も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 日本刀の定義 日本特有の鍛刀技術で作られた刀剣類のこと 日本刀は、刃が良質な玉鋼で造られていることや繰り返し鍛錬で造られている物を指します。 素材に使われる玉鋼は、たたら製鉄によって生産される鋼で、純度の高い鉄が日本刀の元になっているのです。 鋼を溶かし、塊になるまで叩いた後には、不純物を取り除くことと、炭素量を均一化させるために折り返し鍛錬と呼ばれる作業に移ります。 当時、日本刀は「折り返し鍛錬するから強靱になる」と言われており、何度も折り返して数十回叩くことで強く丈夫な鉄が作られました。 玉鋼から作られることと、折り返し鍛錬の作業があることが、日本特有の鍛刀技術・製造過程と言えるのです。 日本古来の作り方に則って作られたものだけが日本刀と呼べる 日本刀の作り方は流派や個人によって異なりますが、主に以下のとおりです。 水へし・小割り積沸し折り返し鍛錬・皮鉄造り心鉄造り・組み合わせ素延べ・火造り焼き入れ仕上げ 1本ずつ丁寧に作られているため、武器としての機能性が高く、どこか美しさを感じるのでしょう。 同じ刀剣でも、日本で古くから受け継がれてきた作り方に則っている刀だけが日本刀として呼ばれるのです。 日本刀の歴史 いつ、どうして日本刀は作られたのか?と気になりますよね。 ここでは日本刀の歴史について触れていきます。 古墳時代には鉄の加工技術が伝来し刀剣類が作られた 古墳時代に中国から鉄の加工技術が伝わり、日本刀の元と言える上古刀が誕生しました。 上古刀は、反りのない直刀で、「三種の神器」のひとつである「天叢雲剣」(あめのむらくものつるぎ)別名「草薙剣」が有名ですね。 後に、推古天皇や聖徳太子が日本を統一するための戦いが激化したため、武器として上古刀の需要が増え大量に生産されました。 平安時代中期以降に直刀から湾刀に変化 平安時代になり、反りの付いた湾刀に変化し、日本刀と定義される形になりました。 この時代では騎馬戦が主流となっていたため、馬上でも抜刀しやすい、反りの付いた刀が求められるようになったのです。 鎌倉時代中期〜戦国時代には名刀が誕生 鎌倉時代中期〜戦国時代は日本刀の全盛期と言っても過言ではない時代です。 武家が政権を握り、後鳥羽上皇が日本刀を作らせるため御番鍛冶制を設けたことで、日本刀はさらに発展します。 戦国時代には、応仁の乱をきっかけに全国的に争乱が広まり、合戦の規模が拡大したことで、徒歩での集団戦が主流になります。 刀の需要が増え、数打物と呼ばれる日本刀が大量に生産されました。 この時代には上杉謙信の愛刀である備前長船兼光(おさふねかねみつ)、織田信長のへし切長谷部など、数々の名刀が誕生したのです。 江戸時代後期〜現代へ 江戸時代になると、大きな合戦は起きない太平の世になり、日本刀は武器ではなく贈答品として扱われるようになります。 そして幕末以降は銃や火器が戦いの主流となり、日本刀は実戦で用いられることがなくなっていきました。 所持することも法律で取り締まられ、美術品として贈り物や家宝としての価値を見出していきました。 なお、廃刀令以降に作刀された日本刀を「現代刀」と呼びます。 日本刀は、神社のご神体として祀られることもあり、日本人にとって武具以上の意味を持った歴史的な文化的財産と言えるでしょう。 日本刀の歴史についてより詳しく知りたい人は、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてくだしあ。 →日本刀の歴史|成り立ちや年代別での日本刀の役割も紹介 日本刀の種類 日本刀は、形や大きさなどの違いから以下の7つの種類に分類されます。 直刀太刀薙刀短刀打刀脇差槍 それぞれの違いについて見ていきましょう。 1.直刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 直刀は、古墳時代から奈良時代にかけて制作された刀を指します。 反りがなくまっすぐか、わずかに内反りで、平造りや切刃造(きりはづくり)となっています。 湾刀との違いは、制作がしやすく安価で、斬るよりも叩いたり突いたりする使い方になります。 2.太刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 「断ち切る」を語源とする太刀は、刃長約80cm前後の刀剣のことです。 騎馬戦が主流となった平安時代〜鎌倉時代にかけて生産され、反りが強く長大な特徴があります。 腰から下げ、すぐに抜刀しやすい実践的な日本刀で、博物館などで刃先が下向きに展示されていることが多いです。 3.薙刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 薙刀とは、長い柄の先に反りがついた刃を付けた武器のことです。 南北朝時代の主要武器として流行しましたが、その長さゆえに味方を傷つけるなど、集団戦闘に不向きな点もありました。 間合いが広く、斬るだけでなく、刺突や打撃も与えられる武器です。 薙刀の名手である武蔵坊弁慶の愛刀として、「岩融」(いわとおし)が有名ですね。 4.短刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 短刀は長さが30cm以内の刀剣を指します。 力のない女性や子供でも扱え、主に護身用の武器として使われていました。 また、邪気や災厄を払うお守りとして扱われる一面もあります。 5.打刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 打刀は太刀に続いて武士の間で広く流行した刀剣です。 太刀より軽く、刀身の反りが浅い特徴があります。 主に徒戦用に作られた刀剣で、「大小2本差」と呼ばれる小型の脇差と合わせて帯刀されることが多かったようです。 有名な打刀として、「長曾祢虎徹」(ながそねこてつ)や「村正」(むらまさ)があげられます。 6.脇差 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 脇差は長さが30cm〜60cmの刀剣で、短刀よりは長い刀剣を指します。 その名の通り、脇に差し、打刀と合わせて帯刀されることの多い日本刀です。 二刀流の剣豪として有名な宮本武蔵、新選組の近藤勇なども脇差を使用していたことで有名ですね。 7.槍 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 日本刀のイメージと違うかもしれませんが、槍も日本刀として分類されます。 最大の特徴は、長い柄に「穂」と呼ばれる先の尖った刃が付いていること。 長いリーチから斬る、突き刺すことができ、徒歩での集団戦が多かった室町時代に主力武器として流行しました。 日本刀の種類についてより詳しく知りたい人は以下の記事をどうぞ。 →日本刀の種類とそれぞれの特徴を解説!構造や名称なども紹介 日本刀の特徴 片刀で刀身が反っている 日本刀の特徴1つ目は、片刀で刀身が反っていることです。 西洋の剣は両刃で直刀であるのに対して、日本刀は片側にのみ刃があり湾曲しています。 基本的に西洋の剣は重く分厚い構造ですが、薄くて細身の日本刀は切れ味が抜群に良く、斬ることに特化された刀と言えます。 丈夫で切れ味が良い 日本刀の特徴2つ目は、丈夫で切れ味が良いことです。 原材料には砂鉄を製錬した鋼の「玉鋼」が使われており、不純物が少ないことから頑丈な鉄になるのです。 また、刀身が反っていることで切れ味が鋭く、武器として非常に優秀といえますね。 軽量で携帯性が高い 日本刀の特徴3つ目は、軽量で携帯性が高いことです。 70cmの日本刀で、重さは約1kg。 携帯しやすいことから、武士は常に日本刀を腰に差して生活出来ていたんですね。 4部構造になっている 日本刀の特徴4つ目は、4部構造になっていることです。 本体である刀身と、外装品である鞘、柄、鍔の4つから形成されています。 鞘、柄、鍔は「拵」(こしらえ)と呼ばれていて、主に刀身の保護を目的としますが、他にも家柄などを象徴する意味もあります。 鞘、柄、鍔などのデザインも日本刀の魅力の1つです。 刀の長さ・形で呼称が異なる 日本刀の特徴5つ目は、刀の長さで呼称が異なることです。 長さが30cm以内の刀剣は短刀、30cm〜60cmの長さの刀剣は脇差、それ以上は太刀や打刀と呼ばれます。 同じ日本刀でも、それぞれ武器としての使い道が変わります。 刀身に刃文がある 日本刀の特徴6つ目は、刀身に刃文があることです。 刃文は「焼き入れ」によって付けられた焼刃の形状のことで、白い波のような模様が特徴的。 作られた時代、刀匠によって刃文は異なり、日本刀の美しさ・価値を決める上で重要なポイントとなります。 鋼を素材としている 日本刀の特徴7つ目は、鋼を素材としていることです。 かつては銅や青銅を原材料として剣が作られましたが、丈夫さや重さなどが不十分でした。 たたら製鉄によって生産される玉鋼は、不純物の含有量が極めて低く、材質が均一であるため貴重な材料とされています。 日本等の特徴についてより詳しく知りたい人は、以下の記事で詳細に解説していますので、どうぞ。 →日本刀の特徴とは?6つの特徴を詳しく解説!よく斬れるのには理由がある 日本刀に魅了された歴史上人物 最後に、日本等に魅了された歴史上の人物を紹介していきます。 それぞれが愛した日本刀もあわせてどうぞ。 足利義輝 室町幕府の第13代将軍である足利義輝は、「剣豪将軍」と呼ばれた人物です。 わずか11歳で将軍となり、塚原卜伝から指導を受けた直弟子の一人で、奥義「一之太刀」を伝授されたと言われています。 足利義輝の愛刀は「基近造」(もとちかつくる)。 徳川家康 天下を統一し、江戸幕府を開いたことで有名な徳川家康。 あまりイメージは無いかもしれませんが、徳川家康は武芸の達人で、剣豪だったと言われている戦国武将の1人です。 徳川家康の愛刀は重要文化財となっている名物・物吉貞宗で、家康がこの短刀を差して出陣すると、必ず勝利を収めたそうです。 明治天皇 実は、愛刀家として知られるのが明治天皇。 約300振もの刀をコレクションしていたと言われています。 中でも、現在では国宝の「岡田切」、「小竜景光」、「津軽正宗」などの日本刀が有名です。 上杉謙信 戦国時代の最強武将と言われる上杉謙信。 愛刀家でもあり、後に上杉景勝に多くの名刀を引き継いでいます。上杉景勝の名刀リストは「上杉家御手選三十五腰」としても有名です。 上杉謙信の愛刀は国宝の「山鳥毛一文字」、重要文化財の「姫鶴一文字」、重要美術品の「国宗」などがあげられます。 有名な武田信玄との川中島の戦いで使われた日本刀は、「典厩割国宗」(てんきゅうわりくにむね)で、現在では京都の井伊美術館に所蔵されています。 まとめ 今回は日本刀の歴史や種類、特徴について解説してきました。 日本刀は長さや形によって名称が変わったり、機能性や使い方も変化するところも魅力の1つです。 また、刀に関連する歴史や人物についても知っていくと、さらに興味が湧くこと間違いないですよ。 本来武器である日本刀ですが、美しさや魅力の詰まった伝統工芸品なので、この記事を読んで少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

  • 伝統工芸の歴史が3分で分かる記事|伝統工芸の未来も解説!

    世界中から高い評価を得ている日本の伝統工芸品。 中には1000年以上前を起源とし、現在まで技術と技法が継承されてきたものもあります。 そんな伝統工芸品に対して 「伝統工芸品って、どんな歴史があるの?」「いつから作られているんだろう?」 と、疑問に感じる人も多いでしょう。 ここでは伝統工芸品の歴史について、どこよりも分かりやすく解説していきます。 また、伝統工芸品が抱える課題や将来についても紹介していきますので、興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸品の歴史 伝統工芸品の起源は約1万年ほど前、原始時代にまで遡ります。 原始時代の人たちによって、木器や石器、骨角器、土器などが大量に作られました。 紀元前2世紀ころになると、大陸から青銅器、鉄器といった金属器の文化が伝わり、狩りや農作業に使われました。 当時の生活を支える狩りや農作業の道具として作られたものが、伝統工芸品が誕生することに大きく影響しています。 工芸品の技術は外国の技術との融合により生まれた 工芸品は、海外からの技術や文化と融合して生まれたものが多いです。 飛鳥、奈良時代に遣唐使が派遣されたり、朝鮮半島や中国から仏教文化とともにさまざまな技術が日本に渡ってきたりしました。 木工、金工などの技術者が朝鮮半島から渡来し、仏像や寺院の建設が進められたのです。 奈良の東大寺正倉院には正倉院宝物として、シルクロードを通って伝えられたさまざまな工芸品が残されています。 奈良時代〜平安時代に外国から伝わった技術や文化が融合したことによって、日本の工芸品は生まれたのです。 伝統工芸品の多くは生活必需品として作られた そもそも伝統工芸品とは、主に日常生活で使われるものを指します。 使われるほどに使いやすくなったり、見た目も美しくなったりすることが多く、工芸品は「用の美」ともいわれています。 生活を豊かにする道具として、各産地の原材料が利用され、独自の技法・技術によって質の高い道具が作られました。 伝統工芸品の多くは、生活必需品として、生活に根ざしたものの中から生まれたのです。 江戸時代は農民らの副業とさせていた 江戸時代の鎖国制度によって、国内で生活用具・生産用具が自給されるようになり、特に生産技術の進歩に大きな影響を与えました。 地方諸藩は財政を支えるために、農民の副業として特産品の開発を奨励していました。 それぞれの地域で伝統工芸が生産されるようになり、「土地の素材」を使った製品が生まれたのです。 江戸時代に伝統工芸の技術・技法がほとんどが完成し、現在にまで継承されてきました。 明治時代にヨーロッパで伝統工芸品が好評 1873年に、明治政府はウィーン万国博覧会にはじめて参加しました。 新しい日本を世界にアピールする絶好の機会だったため、日本はさまざまな工芸品を展示したのです。 日本が自信を持つ浮世絵、錦などの染織品、漆器、櫛、人形などの工芸品をはじめ、仏像、楽器、刀剣、甲冑、伊万里・瀬戸・薩摩焼などの陶磁器に至る美術用品等、種類は豊富でした。 出品された工芸品の中には、正倉院宝物や御神宝水晶玉、籬菊螺鈿手箱など国宝級のものも多数含まれており、世界中から注目を集め、日本は「美術工芸の国」として高い評価を受けました。 第二次世界大戦が勃発し伝統工芸の需要と生産が減少 1940年代に入ると、第二次世界大戦の影響で軍事産業が優先され、工芸品産業は荒廃します。 そして高度経済成長により、大量生産と大量消費が進みました。今までは道具の質が評価されていましたが、安く効率的に生産されることが重要視されるようになりました。 日本人の生活変化により、工芸品の需要が減ってしまい、生産量も減少していったのです。 伝統工芸品が抱える課題とは? 現在、伝統工芸品が抱えている課題は以下の3つです。 手作り故に大量生産ができない後継者不足関心の薄れ それぞれ詳しく見ていきましょう。 手作り故に大量生産ができない 伝統工芸品の課題1つ目は、大量生産が難しい点です。 伝統工芸品は、機械をほとんど使わず、職人の手によって1つずつ作られます。 そのため、1度に生産できる量は決まっており、需要が合っても供給が追いつかないのが現状なのです。 後継者不足 伝統工芸品の課題2つ目は、後継者不足です。 需要の低下とともに、売上も低下したことが影響し、伝統工芸品を継ぎたい人が増えなかったり、後継者が育たなかったりしたことが現在にまで響いています。 現在の職人が高齢化してきていることもあり、若い世代で伝統工芸品の技術を受け継ぐ人材が望まれています。 関心の薄れ 伝統工芸品の課題3つ目は、関心の薄れです。 かつて日本人の生活を支えていた工芸品ですが、戦後の高度経済成長で大量生産と大量消費が進み需要が低下しました。 より安い製品が求められるようになり、価格面で劣る工芸品が生活の一部から遠ざかってしまったのです。 伝統工芸品の多くは、希少な原材料を使っていたり、製造工程が複雑なためコストがかかったりしますからね。 しかし、最近では伝統工芸品の良さが見直され、求める声も増えています。 伝統工芸品の未来とは? 最後に、日本の古き良き文化である伝統工芸品の未来について紹介しておきます。 最近になって伝統工芸品に興味・関心が出てきた人は要チェックですよ。 伝統工芸と現代技術がコラボ! 伝統工芸品と現代技術のコラボにより、全く新しい製品がどんどん生まれています。 例えば、漆器に使われる津軽塗の技術をスマホカバーに生かした製品や、南部鉄器の技術を利用した炊飯ジャーなど、魅力的な製品がたくさんあります。 また、ジャパンブルーとして有名な藍染とコラボしたスニーカーなども非常に人気。 このように、今まで触れる機会が少なかった伝統工芸品が、形を変えて身近な製品に生まれ変っているのです。 現代技術と融合することで、現代風の工芸品と呼べる製品が増えれば、幅広い世代から注目され、伝統工芸品が抱える課題の解消に繋がることが期待されています。 伝統工芸の魅力を海外へ発信! もともと海外からの評価が高い伝統工芸品ですが、まだまだ認知されていないことも事実です。 近年、伝統工芸品の魅力を海外の人たちにも知ってもらうために、WebサイトやSNSでの発信が活発になっています。 今ではGoogleやSNSで簡単に検索でき、写真付きで製品の詳細を知ることができます。 また、海外での展示会なども積極的に行われており、改めて日本の伝統工芸品の魅力・良さが世界に浸透してきていると言えます。 伝統工芸品の保護 伝統工芸品を衰退させないため、保護や支援する動きも出てきています。 まず、伝統工芸品自体に興味を持ってもらうことや、需要を増やすことが重要です。 WebサイトやSNSでの発信、鑑賞会やイベントの開催などによって、存在を知ってもらえる仕組みが作られています。 また、場所を選ばず購入できるよう、ECサイトの制作会社が協力したり、マーケティング会社によって販路が増やされたりもしていますよ。 伝統工芸品の興味・関心が増えることは売上増加とともに、後継者不足の解消にも繋がります。 このように、他業種との協力によって伝統工芸品は、新たな歴史の道を歩み始めているのです。 まとめ 今回は伝統工芸品の歴史について解説してきました。 100年以上の歴史を持つ伝統工芸品はたくさんあり、それぞれの歴史を知ることで、その地域の歴史や文化も知ることができます。 この記事を読んで、あなたが伝統工芸品に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

  • 伝統工芸品の人気ランキングを紹介!47都道府県別に紹介

    伝統工芸品は日常生活でも使われ、贈答品としても人気です。 全国各地でさまざまな伝統工芸品があり、日本だけではなく世界中からも注目を集めています。 そんな伝統工芸品の人気ランキングが知りたいという人も多いでしょう。 ここでは47都道府県別で伝統工芸品の人気ランキングを紹介していきます。 意外と知らない魅力的な伝統工芸品がたくさんあるので、ぜひ最後まで見て参考にして下さい。 都道府県エリア別の伝統工芸品数ランキング 1位:東京都(18品目)村山大島紬、東京染小紋、本場黄八丈、江戸木目込人形、東京銀器、東京手描友禅、多摩織、江戸和竿、江戸指物、江戸からかみ、江戸切子、江戸節句人形、江戸木版画、江戸硝子、江戸べっ甲、東京アンチモニー工芸品、東京無地染、江戸押絵2位:京都府(17品目)西陣織、京鹿の子絞、京仏壇、京仏具、京漆器、京友禅、京小紋、京指物、京繍、京くみひも、京焼・清水焼、京扇子、京うちわ、京黒紋付染、京石工芸品、京人形、京表具3位:新潟県(16品目)塩沢紬、小千谷縮、小千谷紬、村上木彫堆朱、本塩沢、加茂桐箪笥、新潟・白根仏壇、長岡仏壇、三条仏壇、燕鎚起銅器、十日町絣、十日町明石ちぢみ、越後与板打刃物、新潟漆器、羽越しな布、越後三条打刃物3位:沖縄県(16品目)久米島紬、宮古上布、読谷山花織、読谷山ミンサー、壺屋焼、琉球絣、首里織、琉球びんがた、琉球漆器、与那国織、喜如嘉きじょかの芭蕉布、八重山ミンサー、八重山上布、知花花織、南風原花織、三線5位:愛知県(15品目)有松・鳴海絞、常滑焼、名古屋仏壇、三河仏壇、豊橋筆、赤津焼、岡崎石工品、名古屋桐箪笥、名古屋友禅、名古屋黒紋付染、尾張七宝、瀬戸染付焼、尾張仏具、三州鬼瓦工芸品、名古屋節句飾6位:石川県(10品目)加賀友禅、九谷焼、輪島塗、山中漆器、金沢仏壇、七尾仏壇、金沢漆器、牛首紬、加賀繍、金沢箔7位:大阪府(8品目)大阪欄間、大阪唐木指物、堺打刃物、大阪仏壇、大阪浪華錫器、大阪泉州桐箪笥、大阪金剛簾、浪華本染め8位:福井県(7品目)越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥8位:長野県(7品目)信州紬、木曽漆器、飯山仏壇、松本家具、内山紙、南木曽ろくろ細工、信州打刃物8位:福岡県(7品目)小石原焼、博多人形、博多織、久留米絣、八女福島仏壇、上野焼、八女提灯11位:埼玉県(6品目)江戸木目込人形、春日部桐箪笥、岩槻人形、秩父銘仙、行田足袋、江戸押絵11位:富山県(6品目)高岡銅器、井波彫刻、高岡漆器、越中和紙、越中福岡の菅笠、庄川挽物木地11位:岐阜県(6品目)飛騨春慶、一位一刀彫、美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯、岐阜和傘11位:兵庫県(6品目)播州そろばん、丹波立杭焼、出石焼、播州毛鉤、豊岡杞柳細工、播州三木打刃物15位:山形県(5品目)山形鋳物、置賜紬、山形仏壇、天童将棋駒、羽越しな布15位:福島県(5品目)会津塗、大堀相馬焼、会津本郷焼、奥会津編み組細工、奥会津昭和からむし織15位:三重県(5品目)伊賀くみひも、四日市萬古焼、鈴鹿墨、伊賀焼、伊勢形紙15位:広島県(5品目)熊野筆、広島仏壇、宮島細工、福山琴、川尻筆19位:秋田県(4品目)樺細工、川連漆器、大館曲げわっぱ、秋田杉桶樽19位:岩手県(4品目)南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗19位:宮城県(4品目)宮城伝統こけし、雄勝硯、鳴子漆器、仙台箪笥19位:島根県(4品目)出雲石燈ろう、雲州そろばん、石州和紙、石見焼19位:熊本県(4品目)小代焼、天草陶磁器、肥後象嵌、山鹿灯籠24位:茨城県(3品目)結城紬、笠間焼、真壁石燈籠24位:神奈川県(3品目)鎌倉彫、箱根寄木細工、小田原漆器24位:山梨県(3品目)甲州水晶貴石細工、甲州印伝、甲州手彫印章24位:静岡県(3品目)駿河竹千筋細工、駿河雛具、駿河雛人形24位:奈良県(3品目)高山茶筌、奈良筆、奈良墨24位:滋賀県(3品目)彦根仏壇、信楽焼、近江上布24位:和歌山県(3品目)紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿24位:鳥取県(3品目)因州和紙、弓浜絣、出雲石燈ろう24位:山口県(3品目)赤間硯、大内塗、萩焼24位:徳島県(3品目)阿波和紙、阿波正藍しじら織、大谷焼24位:長崎県(3品目)三川内焼、波佐見焼、長崎べっ甲24位:鹿児島県(3品目)本場大島紬、川辺仏壇、薩摩焼36位:北海道(2品目)二風谷イタ、二風谷アットゥㇱ36位:千葉県(2品目)房州うちわ、千葉工匠具36位:栃木県(2品目)結城紬、益子焼36位:群馬県(2品目)伊勢崎絣、桐生織36位:岡山県(2品目)勝山竹細工、備前焼36位:香川県(2品目)香川漆器、丸亀うちわ36位:愛媛県(2品目)砥部焼、大洲和紙36位:高知県(2品目)土佐和紙、土佐打刃物36位:佐賀県(2品目)伊万里焼・有田焼、唐津焼36位:宮崎県(2品目)本場大島紬、都城大弓46位:青森県(1品目)津軽塗46位:大分県(1品目)別府竹細工 令和4年現在、伝統工芸品数のランキング1位は東京都で18品目となっています。江戸切子や東京染小紋など有名な伝統工芸品が多数あります。 2位は京都府の17品目で高級着物として知られる西陣織や京焼・清水焼が有名ですね。 古い歴史を持つ伝統工芸品は、平安京から千年の都として栄えた京都府や江戸時代から日本の中心地となった東京都に多い傾向があります。 人や物流が多いほど文化は発展しやすく、さまざまな伝統工芸品が生まれたことが要因の1つです。 北海道・東北エリアの伝統工芸品人気ランキング 北海道 人気順位工芸品名月間検索数1位二風谷イタ9702位二風谷アットゥㇱ50 北海道の伝統工芸品は二風谷イタと二風谷アットゥㇱの2品目です。 二風谷イタはカツラやクルミの木などで作られる木のお盆で、アイヌ文様が可愛らしいデザインで人気ですね。 アイヌ文化が現在まで継承されてきた証とも言える伝統工芸品です。 青森県 人気順位工芸品名月間検索数1位津軽塗5400 青森県の伝統工芸品は津軽塗の2品目ですが、全国的に見ても人気度の高い伝統工芸品の1つです。 津軽塗の特徴は、堅牢で実用性に富んでいることで、漆を幾重にも塗り重ねることで高い耐久性のある商品になります。 また非常に美しい見た目で漆器として家庭での食卓や料亭などで使用されることが多いですね。 岩手県 人気順位工芸品名月間検索数1位南部鉄器445002位岩谷堂箪笥23003位浄法寺塗岩谷堂箪笥14004位秀衡塗1100 岩手県の伝統工芸品は4品目で、中でも南部鉄器は非常に人気の伝統工芸品です。 重厚感がありながらも、和テイストでスタイリッシュな見た目の南部鉄器は、幅広い世代の人から支持を得ています。 検索数もトップクラスなので、全国の人から注目されているのがわかりますね。 宮城県 人気順位工芸品名月間検索数1位仙台箪笥27002位雄勝硯23003位宮城伝統こけし10004位鳴子漆器460 宮城県の工芸品数は4品目で、仙台箪笥が検索数ではトップです。 仙台箪笥は欅、栗、杉等が原材料で牡丹や龍などの派手で美しい見た目が特徴的なタンスです。 近年、若い女性層を中心に宮城伝統こけしも注目されており、友人や家族で工房への見学・体験なども人気となっています。 秋田県 人気順位工芸品名月間検索数1位大館曲げわっぱ36002位川連漆器28003位樺細工28004位秋田杉桶樽550 秋田県の伝統工芸品は4品目で、大館曲げわっぱが検索数で1位となりました。 素材の良さを感じられる伝統工芸品が多く、秋田杉で作られる大館曲げわっぱや山桜の樹皮を使用した樺細工などが人気です。 山形県 人気順位工芸品名月間検索数1位天童将棋駒30002位置賜紬6803位山形鋳物6504位羽越しな布3605位山形仏壇250 山形県の伝統工芸品は5品目で、天童将棋駒が検索数で1位となりました。 天童将棋駒は、駒木地に漆で直接文字を書く草書体の書き駒で、生産地の天童市は「将棋駒のまち天童」として有名ですよね。 天童市内はいたる所に将棋駒のモニュメントが見られ、観光地としても人気の市です。 福島県 人気順位工芸品名月間検索数1位会津塗44002位会津本郷焼29003位大堀相馬焼21004位奥会津編み組細工2305位奥会津昭和からむし織60 福島県の伝統工芸品は5品目で、会津塗が検索数で1位になりました。 松竹梅と破魔矢を組み合わせた模様が魅力的で、会津塗は人気の漆器の1つです。 また会津本郷焼や大堀相馬焼などの陶磁器類も福島県を代表する伝統工芸品として有名で、戦国時代を起源とする焼物のため、見た目は渋くカッコいいと男女問わず注目されています。 関東エリアの伝統工芸品人気ランキング 茨城県 人気順位工芸品名月間検索数1位笠間焼148002位結城紬71003位真壁石燈籠170 茨城県の伝統工芸品は3品目で、笠間焼が検索数で1位になりました。 笠間焼は丈夫で壊れにくく、見た目も現代風なデザインが多いため人気の工芸品です。 またユネスコ無形文化遺産に指定されている結城紬は、製造工程が非常に繊細で、ほとんどが人の手によって作られることでも有名ですね。 栃木県 人気順位工芸品名月間検索数1位益子焼371002位結城紬7100 栃木県の伝統工芸品は2品目で、益子焼が検索数で1位になりました。 益子焼は江戸時代末期が起源とされていて、産地の陶土の影響で、厚手の手触りの良い感触が特徴的な焼き物です。 益子焼の器は和食から洋・中まで、どのジャンルの料理にでも合ってしまう雰囲気があるので、使い勝手が良く贈答品としても人気の工芸品と言えます。 群馬県 人気順位工芸品名月間検索数1位桐生織15002位伊勢崎絣450 群馬県の伝統工芸品は2品目で、桐生織が検索数で1位になりました。 桐生織の産地である桐生市は、気候や地形に恵まれていることから養蚕が盛んだったため、質の高い織物が生産されたそうです。 柔らかな感触と光沢が特徴で、高級な着物や服飾品として多くの人に愛されている工芸品です。 埼玉県 人気順位工芸品名月間検索数1位岩槻人形27002位秩父銘仙11003位行田足袋8604位江戸木目込人形7405位春日部桐箪笥3206位江戸押絵60 埼玉県の伝統工芸品は6品目で、岩槻人形が検索数で1位になりました。 岩槻人形をはじめ、織物や箪笥、足袋などさまざまな工芸品があります。 行田足袋は唯一無二の伝統的工芸品で、江戸時代に特産品として有名になり、行田市は国内有数の足袋の産地となりました。 千葉県 人気順位工芸品名月間検索数1位房州うちわ30002位千葉工匠具120 千葉県の伝統工芸品は2品目で、房州うちわが検索数で1位になりました。 房州うちわは京都の「京うちわ」、四国の「丸亀うちわ」とともに、日本三大うちわのひとつとして知られ、美しい半円で格子模様の窓が特徴です。 千葉工匠具は、千葉県の鍛冶職人が伝統的な技法で製作する刃物・手道具類のこと。主な製品として、鎌、鍬、包丁、洋鋏があり、全国の職人や一般の利用者にも愛されています。 東京都 人気順位工芸品名月間検索数1位江戸切子470002位東京染小紋31003位江戸硝子15004位江戸指物8705位東京銀器7506位江戸木目込人形7407位村山大島紬7308位江戸和竿4809位江戸からかみ45010位江戸べっ甲43011位多摩織37012位東京手描友禅32013位本場黄八丈27014位江戸木版画22015位東京無地染21016位東京アンチモニー工芸品16017位江戸節句人形9018位江戸押絵60 東京都の伝統工芸品は18品目で、江戸切子が検索数で1位になりました。 日本で最多数の伝統工芸品数を誇る東京都は、江戸時代から急速に文化や技術が発達し、さまざまな工芸品が生まれました。 中でも江戸切子はガラス工芸品として、華やかで美しいカットのデザインから酒器やグラスとして非常に人気が高い工芸品です。 東京都で人気順位2位の東京染小紋は、模様が細かく繊細で男女問わず人気の染色品。 他にも、羽子板や釣り竿など娯楽の用途で使われる工芸品などがあるのも、東京都の特徴です。 神奈川県 人気順位工芸品名月間検索数1位箱根寄木細工109002位鎌倉彫91003位小田原漆器1100 神奈川県の伝統工芸品は3品目で、箱根寄木細工が検索数で1位になりました。 天然木から作られる箱根寄木細工は、色彩と木目を生かしながら、職人の腕により精緻な幾何学模様が特徴の工芸品です。 箱根寄木細工、鎌倉彫、小田原漆器のどれも見た目が非常に美しく、思わず目を奪われてしまうほどですよ。 お土産品としても人気なので、神奈川に旅行・観光のさいにはぜひ注目してみてください。 中部エリアの伝統工芸品人気ランキング 新潟県 人気順位工芸品名月間検索数1位小千谷縮56002位塩沢紬11003位新潟漆器7304位加茂桐箪笥5605位小千谷紬4906位村上木彫堆朱4806位越後三条打刃物4808位本塩沢3909位燕鎚起銅器36010位羽越しな布36011位十日町明石ちぢみ23012位十日町絣21013位長岡仏壇18013位越後与板打刃物18015位新潟・白根仏壇16016位三条仏壇90 新潟県の伝統工芸品は16品目で、小千谷縮が検索数で1位になりました。 雪国の新潟県には、自然環境に応じた工芸品がたくさんあります。冬には積雪のため家屋での作業が必然となり、そこから織物文化などが発展したぞうです。 国の重要無形文化財に指定されている小千谷縮は、上質な麻で作られており、優れた通気性と吸湿性を持っている夏物着尺地として人気の工芸品です。 富山県 人気順位工芸品名月間検索数1位高岡銅器44002位井波彫刻27003位高岡漆器8604位越中和紙2905位庄川挽物木地1306位越中福岡の菅笠60 富山県の伝統工芸品は3品目で、高岡銅器が検索数で1位になりました。 高岡銅器は高岡市周辺で生産されており、力強さと繊細さ、しなやかさを併せ持つ鋳物として富山の代表的な工芸品です。 室内置物や仏具、花器などの小物から、仏像、銅像など銅器はさまざまな製品があります。 石川県 人気順位工芸品名月間検索数1位九谷焼606002位輪島塗200003位加賀友禅102004位山中漆器24004位牛首紬24006位金沢箔16007位金沢漆器5408位金沢仏壇2909位加賀繍17010位七尾仏壇120 石川県の伝統工芸品は10品目で、九谷焼が検索数で1位になりました。 世界的に高い評価を受けている九谷焼は、五彩で描かれた色絵が特徴で、日本の焼き物の中でもトップクラスの人気を誇っています。 他にも輪島塗、加賀友禅、山中漆器、金沢箔など有名な工芸品が多く、普段使い用に購入する人や贈答品として検索する人がたくさんいます。 福井県 人気順位工芸品名月間検索数1位越前和紙38002位越前焼30003位越前漆器20004位越前打刃物12005位若狭塗10006位若狭めのう細工9907位越前箪笥360 福井県の伝統工芸品は7品目で、越前和紙が検索数で1位になりました。 越前和紙は1500年の歴史を持っており、明治元年に出された日本最初のお札に採用されたほど品質が高いのです。 折り紙やしおり、ブックカバーとして気軽に購入できる点も人気の理由でしょう。 また一流料理人が愛用する越前打刃物、模様が個性的な若狭塗箸なども人気が高い工芸品です。 山梨県 人気順位工芸品名月間検索数1位甲州印伝42002位甲州水晶貴石細工11003位甲州手彫印章100 山梨県の伝統工芸品は3品目で、甲州印伝が検索数で1位になりました。 鹿革に漆で模様を付けた甲州印伝は、鞄やベルト、財布などのさまざまな製品があり、仕事で成功したいビジネスマンの憧れですね。 甲州手彫印章には、実印、銀行印などの日常生活でよく使う多種多様な印章があります。人生の節目の年や記念日に購入を検討してみてはいかがでしょうか。 長野県 人気順位工芸品名月間検索数1位木曽漆器25002位松本家具15003位信州紬5104位信州打刃物4505位内山紙3806位飯山仏壇3207位南木曽ろくろ細工300 長野県の伝統工芸品は7品目で、木曽漆器が検索数で1位になりました。 木曽漆器は天然漆が使われていて、丈夫で温もりのある艶が特徴です。高級ホテルや旅館で使われたり、土産品として人気の工芸品です。 松本家具は国産のミズメザクラ、栃、楢、欅などの無垢材を組み立てた後に漆を塗って作られています。家具にこだわりを持つ愛好家から絶大の人気です。 岐阜県 人気順位工芸品名月間検索数1位美濃焼328002位美濃和紙48003位岐阜提灯24004位飛騨春慶15005位一位一刀彫15006位岐阜和傘1300 岐阜県の伝統工芸品は6品目で、美濃焼が検索数で1位になりました。 美濃焼の歴史は1300年以上と言われていて、原料となる粘土や窯を焚くための燃料が豊富なことから質の高い焼き物が生産されているのです。 また日本最古の紙であると言われている美濃和紙は奈良時代からの歴史があり、薄くて丈夫な特徴がありますよ。 静岡県 人気順位工芸品名月間検索数1位駿河竹千筋細工19002位駿河雛人形3403位駿河雛具110 静岡県の伝統工芸品は3品目で、駿河竹千筋細工が検索数で1位になりました。 駿河竹千筋細工は丸ひごを使って、職人が一本一本ひごを組み、千筋にする特徴があります。 花器や籠などの製品があります。駿河竹千筋細工を作る体験教室も実施されているので、子どもから大人までおすすめですよ。 愛知県 人気順位工芸品名月間検索数1位常滑焼118002位豊橋筆15003位赤津焼8404位尾張七宝7905位名古屋友禅6606位名古屋仏壇5007位瀬戸染付焼4008位三河仏壇3909位有松・鳴海絞32010位三州鬼瓦工芸品28011位岡崎石工品24012位名古屋桐箪笥23013位名古屋黒紋付染22014位尾張仏具13015位名古屋節句飾20 愛知県の伝統工芸品は15品目で、常滑焼が検索数で1位になりました。 日本六古窯の1つである常滑焼は、赤茶色の見た目が特徴で、急須や和食器などの製品があります。 意外と知られてませんが、東京駅の赤レンガにも常滑焼が使われているので、知らぬ間にあなたも伝統工芸品を目にしているかもしれません。 他にも陶磁器、文具、染織品、木工品、石工品、仏壇などさまざまな種類の工芸品が愛知県では生産されています。 近畿エリアの伝統工芸品人気ランキング 三重県 人気順位工芸品名月間検索数1位伊賀焼45002位伊賀くみひも24003位鈴鹿墨10004位四日市萬古焼8105位伊勢形紙190 三重県の伝統工芸品は5品目で、伊賀焼が検索数で1位になりました。 伊賀焼は色や形などが個性的で、口当たりや手触りが良く、使うほど馴染む特徴があります。料理を引き立ててくれる魅力がある陶器です。 検索数2位の伊賀くみひもは、手組紐の全国シェア率が90%にも及びます。映画「君の名は。」で組紐が注目を集めていましたね。 滋賀県 人気順位工芸品名月間検索数1位信楽焼505002位近江上布12003位彦根仏壇460 滋賀県の伝統工芸品は3品目で、信楽焼が検索数で1位になりました。 伝統工芸品の中でも人気の高い信楽焼が滋賀県では有名ですね。 信楽焼は日本六古窯の1つで、琵琶湖から採れる土を使った焼き物です。土の素朴な雰囲気が可愛らしく、茶碗や小鉢、マグカップなどの製品が人気ですね。 京都府 人気順位工芸品名月間検索数1位西陣織197002位京焼・清水焼86003位京友禅50004位京扇子39005位京うちわ20006位京人形15007位京くみひも8708位京漆器6809位京表具47010位京仏壇35011位京小紋34012位京指物31013位京仏具21013位京繍21015位京黒紋付染15016位京石工芸品14017位京鹿の子絞80 京都府の伝統工芸品は17品目で、西陣織が検索数で1位になりました。 平安時代から都として栄えた京都では、東京に次ぐ数の伝統工芸品が生産されています。 西陣織も歴史は平安時代から続いており、着物としてファンが多い伝統工芸品です。12種類に分かれていて、錦織や綴織をはじめとする様々な技法で織り出される文様は、他に類を見ない精妙さを誇っています。 京焼・清水焼などの焼き物や京友禅などの染色品も人気が高く、古き良き日本を表す代表的な伝統工芸品が現在もたくさん生産されているのです。 大阪府 人気順位工芸品名月間検索数1位堺打刃物14002位大阪浪華錫器4803位大阪欄間4304位大阪仏壇3805位大阪金剛簾1906位大阪唐木指物1807位浪華本染め1708位大阪泉州桐箪笥140 大阪府の伝統工芸品は8品目で、堺打刃物が検索数で1位になりました。 堺打刃物はプロの料理人が使うほどの品質で、なんと言っても切れ味の良さが抜群です。職人が鍛造と研ぎの技法で丁寧に仕上げます。 大阪府は堺打刃物、大阪浪華錫器の金工品に加え、大阪欄間、大阪金剛簾、大阪唐木指物、大阪泉州桐箪笥などの木工品が多く生産されています。 兵庫県 人気順位工芸品名月間検索数1位播州そろばん21002位丹波立杭焼20002位出石焼20004位播州毛鉤2905位豊岡杞柳細工1506位播州三木打刃物0 兵庫県の伝統工芸品は6品目で、播州そろばんが検索数で1位になりました。 播州そろばんは100を超える工程で作られ、使いやすさ、珠はじきの良さに加え、磨き上げられた美しさを備えている工芸品です。 丹波立杭焼は日本六古窯のひとつで、およそ850年の歴史が受け継がれてきました。灰釉や鉄釉などによる素朴で独特な色、模様が特徴的です。 奈良県 人気順位工芸品名月間検索数1位奈良筆15002位奈良墨6303位高山茶筌550 奈良県の伝統工芸品は3品目で、奈良筆が検索数で1位になりました。 奈良筆は馬や羊、リスなど数十種類の動物の毛を原材料として作られており、仕入れから仕上げまでの全工程を1人の職人が行います。 奈良墨とともに、奈良筆は現在でも高級筆として芸術家や書家に愛されているのです。 和歌山県 人気順位工芸品名月間検索数1位紀州漆器9902位紀州へら竿3703位紀州箪笥170 和歌山県の伝統工芸品は3品目で、紀州漆器が検索数で1位になりました。 古くから木の国と謳われる和歌山県は、原材料が豊富でモノづくりに適した地域です。 紀州箪笥の素材は桐の木で、軽くて柔らかく、湿気の多い時期には水分を吸い、乾燥時には水分を出す性質があります。 湿度を一定に保つことができるため、日本の気候において衣装や財産の保管に重宝されています。 中国・四国エリアの伝統工芸品人気ランキング 鳥取県 人気順位工芸品名月間検索数1位因州和紙9602位弓浜絣6803位出雲石燈ろう60 鳥取県の伝統工芸品は3品目で、因州和紙が検索数で1位になりました。 因州和紙の歴史は古く、その起源は特定されていませんが、おおよそ1300年も前から鳥取県で作られていたとされています。 きめが細かく、筆運びが滑らかな特徴があり、書道紙の全国シェア約50%を因州和紙が占めているのです。 島根県 人気順位工芸品名月間検索数1位雲州そろばん11002位石見焼9803位石州和紙7004位出雲石燈ろう60 島根県の伝統工芸品は4品目で、雲州そろばんが検索数で1位になりました。 雲州そろばんは、命とも言える珠、そして軸となる芯竹の仕上げに細心の注意を払って作られます。そのため指で弾きやすく、高品質として評価されています。 また、水かめや漬物用の壷などとして有名な石見焼、強靭で破れにくい特徴の石州和紙なども人気の伝統工芸品です。 岡山県 人気順位工芸品名月間検索数1位備前焼263002位勝山竹細工230 岡山県の伝統工芸品は2品目で、備前焼が検索数で1位になりました。 備前焼は日本六古窯のひとつで、釉薬を一切使わず、絵付けもしないため素朴でシンプルな見た目が特徴的な焼き物です。 備前焼のビールグラスは、とてもきめ細かな泡がたつことで非常に人気があるので、お酒好きの人に送ると喜ばれること間違いなしですよ。 広島県 人気順位工芸品名月間検索数1位熊野筆191002位福山琴4803位宮島細工4204位広島仏壇2805位川尻筆210 広島県の伝統工芸品は5品目で、熊野筆が検索数で1位になりました。 熊野筆は書筆、画筆、化粧筆などの用途で使われる工芸品で、天然毛ならではの心地よい肌触りから女性にとても人気です。 プロのメイクアップアーティストにも愛用されており、日本だけでなく海外からも注目を集めています。 山口県 人気順位工芸品名月間検索数1位萩焼164002位赤間硯13003位大内塗840 山口県の伝統工芸品は3品目で、萩焼が検索数で1位になりました。 豊かな風土に恵まれている山口県で作られる萩焼は、原材料の土が粗く、浸透性・保水性・保温性に優れています。 使い込むと器の色合いが変化していくことから、「萩の七化け」と呼ばれ湯呑や茶碗などの商品がとても人気です。 徳島県 人気順位工芸品名月間検索数1位大谷焼39002位阿波和紙6703位阿波正藍しじら織180 徳島県の伝統工芸品は3品目で、大谷焼が検索数で1位になりました。 江戸時代、徳島の城下町は全国でも有数の大都市でした。そんな徳島県では大谷焼が有名で、ザラリとした手ざわりと、金属的な光沢が特徴的です。 香川県 人気順位工芸品名月間検索数1位丸亀うちわ27002位香川漆器1000 香川県の伝統工芸品は2品目で、丸亀うちわが検索数で1位になりました。 丸亀うちわは、全国のうちわ生産量の約90%を占めていて、「涼」を楽しむ伝統的工芸品として現在でも愛されています。 愛媛県 人気順位工芸品名月間検索数1位砥部焼194002位大洲和紙390 愛媛県の伝統工芸品は2品目で、砥部焼が検索数で1位になりました。 砥部焼は、白磁に藍色で絵付けされた焼き物で、厚みのある器で和洋中のどの料理にも合います。 色は藍色だけ使われることが多く、可愛らしいデザインも人気の理由ですよ。 高知県 人気順位工芸品名月間検索数1位土佐和紙23002位土佐打刃物110 高知県の伝統工芸品は3品目で、土佐和紙が検索数で1位になりました。 良質な石灰や原料が豊富にとれたこと、製紙業に必要な清らかな水に恵まれていたことが、土佐和紙が発展した理由と言われています。 土佐和紙は、0.03〜0.05mmと手すき和紙では日本一の薄さと、破れにくい丈夫が最大の特徴で、現在では領収書やカレンダー、ご祝儀袋などの用途で使われています。 九州・沖縄エリアの伝統工芸品人気ランキング 福岡県 人気順位工芸品名月間検索数1位小石原焼217002位久留米絣111003位博多人形90004位博多織43005位上野焼24006位八女提灯9007位八女福島仏壇210 福岡県の伝統工芸品は7品目で、小石原焼が検索数で1位になりました。 九州・アジアの玄関口として古くから発展してきた福岡県では、焼き物や織物、人形などさまざまな工芸品が生み出されました。 小石原焼は、独特な模様と上品な風合いが特徴で、一目で小石原焼だと分かる雰囲気があります。「用の美の極地」と称えられた小石原焼は、全国的に見ても人気の焼き物と言えます。 佐賀県 人気順位工芸品名月間検索数1位伊万里焼・有田焼494002位唐津焼7400 佐賀県の伝統工芸品は2品目で、伊万里焼・有田焼が検索数で1位になりました。 400年以上の歴史を誇る焼き物が特に有名ですね。 伊万里焼・有田焼は薄いのに耐久性は高く、キメ細やかでなめらかな手触りと美しい配色が特徴です。 また唐津焼は、茶の湯の世界では古くから「一楽二萩三唐津」と言われ、茶人たちから愛される茶陶として有名で、伊万里焼・有田焼と並んで人気の焼き物です。 長崎県 人気順位工芸品名月間検索数1位波佐見焼546002位三川内焼29003位長崎べっ甲690 長崎県の伝統工芸品は3品目で、波佐見焼が検索数で1位になりました。 白磁の美しさと、藍色で絵付けされた可愛らしいデザインが特徴の波佐見焼。 生産地の距離が近いため、昔は有田焼として売られていましたが、現在では別の伝統工芸品として定められています。 熊本県 人気順位工芸品名月間検索数1位小代焼30002位肥後象嵌28003位山鹿灯籠19004位天草陶磁器1000 熊本県の伝統工芸品は4品目で、小代焼が検索数で1位になりました。 日本の金工品として有名な肥後象嵌は、当時鉄砲の銃身や刀の鍔に施す装飾として作られていました。 現在では、ネクタイピンや万年筆の装飾などの商品があります。漆黒の地鉄に金や銀で表現される模様は、高級感と上品な雰囲気がありとても人気です。 大分県 人気順位工芸品名月間検索数1位小代焼3000 大分県の伝統工芸品は1品目で、小代焼となっています。 小代焼は、釉薬を二重掛けする技法で作られており、「雪の降ったような美しい白」と絶賛されました。 また、工程で釉薬の掛け方や濃度によって、焼きあがったときに自由奔放な模様が現れることから、同じ模様の器は出来上がらないオンリーワンの焼き物として人気です。 宮崎県 人気順位工芸品名月間検索数1位都城大弓10002位本場大島紬610 宮崎県の伝統工芸品は2品目で、都城大弓が検索数で1位になりました。 真竹と櫨を原材料として作られている都城大弓は、2メートルにもおよぶ長さが特徴です。放った矢が蛇行せず、直線的に真っ直ぐ飛ぶため、当時武器として重宝されました。 鹿児島県 人気順位工芸品名月間検索数1位薩摩焼46002位川辺仏壇7703位本場大島紬610 鹿児島県の伝統工芸品は3品目で、薩摩焼が検索数で1位になりました。 薩摩焼は主に白薩摩と黒薩摩に分けられます。黒薩摩は庶民の器として浸透し、鉄分の多い陶土を使用するため、黒褐色に仕上がります。 一方、白薩摩は原料が貴重だったことや繊細な見た目から薩摩藩の御用品とされ、身分の高い人たちに愛されてきました。 現在では食器や湯呑、インテリア・家具として壺などが販売されています。 沖縄県 人気順位工芸品名月間検索数1位三線166002位琉球漆器18003位宮古上布13003位琉球絣13005位壺屋焼11006位久米島紬10007位読谷山花織8008位琉球びんがた7609位首里織73010位八重山ミンサー53011位八重山上布52012位知花花織39013位喜如嘉の芭蕉布29014位南風原花織22015位与那国織13016位読谷山ミンサー100 沖縄県の伝統工芸品は16品目で、三線が検索数で1位になりました。 かつて琉球王国が栄え、隣国であった中国や朝鮮の文化に強い影響を受けてきたことが、伝統工芸品からも読み取れます。 当時、織物の生産が盛んであったことから、16品目中13品目が織物です。 誰でも一度は見たことがある有名な三線も、沖縄の楽器として伝統工芸品として認定されています。 まとめ 今回は都道府県別の伝統工芸品ランキングを紹介してきました。 意外と知られていないだけで、私たちの生活には伝統工芸品がたくさん使われています。今回の記事を読んで、身近に感じた人も少なくないでしょう。 有名な工芸品でも今では簡単に購入することができるので、興味のある人は検討してみてはいかがでしょうか。

  • 伝統工芸品は全部で15種類!指定されている品目を都道府県別で紹介

    全国各地にはさまざまな伝統工芸品があります。 地元で有名なものもあれば、名前だけは聞いたことがあるという伝統工芸品もあるでしょう。 この記事を読んでいるあなたは 「伝統工芸品ってどのくらい種類があるの?」 と疑問に感じているのではないでしょうか。 結論から言うと、伝統工芸品は主に15種類あり、日本の各地で生産されています。 ここでは伝統工芸品の種類を都道府県別で紹介していきます。 伝統工芸品の種類は15種類! 冒頭でもお伝えしましたが、伝統工芸品の種類は主に15種類です。 織物染色品その他繊維製品陶磁器漆器木工品・竹工品金工品仏壇・仏具和紙文具石工品貴石細工人形・こけしその他の工芸品工芸材料・工芸用具 伝統工芸とは、長年受け継がれてきた技術や技法で作られた作品で、各都道府県や自治体によって認められたものを指します。 令和4年現在だと、伝統工芸品は全国で1200種類ほどあるとされており、各地の名産品となっていることが多いです。 伝統工芸品の特徴として、日常生活で使用されていることや製造過程のほとんどが手作業であること、長年に渡って技術や技法が受け継がれてきたことなどがあげられます。 実は、伝統工芸品とは別で伝統的工芸品も存在します。この2つはどちらも日本が誇る文化ですが、明確な違いがあるので次で分かりやすく解説していきますね。 現在指定されている伝統的工芸品は237品目ある 先ほど紹介した伝統工芸品に明確な定義はありませんが、「伝統的工芸品」は法律に基づいた要件をクリアすることで認定されます。 伝統的工芸品として認められるための要件は以下の5つです。 技術や技法により製造されていること原材料がおよそ100年以上継承されていること日常生活で使用されていること主要部分が手作業で作られていること一定の地域で産業が成り立っていること これらの要件を満たしていることで、経済産業大臣によって伝統的工芸品として認められるのです。 日本で現在指定されている伝統的工芸品は237品目で、世界中から注目を集めている日本の文化と言えるでしょう。 都道府県別伝統工芸品一覧 北海道・東北地方の伝統工芸品 北海道(2品目)二風谷イタ、二風谷アットゥㇱ青森県(1品目)津軽塗秋田県(4品目)樺細工、川連漆器、大館曲げわっぱ、秋田杉桶樽岩手県(4品目)南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗山形県(5品目)山形鋳物、置賜紬、山形仏壇、天童将棋駒、羽越しな布宮城県(4品目)宮城伝統こけし、雄勝硯、鳴子漆器、仙台箪笥福島県(5品目)会津塗、大堀相馬焼、会津本郷焼、奥会津編み組細工、奥会津昭和からむし織 北海道・東北地方の伝統工芸品は、寒冷な地域での生活に役立つ工芸品や豊富な森林資源を活かした工芸品が多い特徴があります。 北海道の二風谷イタはアイヌ民族の文化を継承してきた工芸品で、カツラやクルミなどの木を原材料として作られています。 うずまき模様やウロコ模様などの美しい見た目が魅力の1つです。 また、岩手県の南部鉄器は、和テイストのおしゃれなデザインと幅広い用途で調理に活用できる工芸品としても非常に人気です。 関東地方の伝統工芸品 東京都(18品目)村山大島紬、東京染小紋、本場黄八丈、江戸木目込人形、東京銀器、東京手描友禅、多摩織、江戸和竿、江戸指物、江戸からかみ、江戸切子、江戸節句人形、江戸木版画、江戸硝子、江戸べっ甲、東京アンチモニー工芸品、東京無地染、江戸押絵埼玉県(6品目)江戸木目込人形、春日部桐箪笥、岩槻人形、秩父銘仙、行田足袋、江戸押絵神奈川県(4品目)鎌倉彫、箱根寄木細工、小田原漆器、江戸押絵千葉県(2品目)房州うちわ、千葉工匠具茨城県(3品目)結城紬、笠間焼、真壁石燈籠栃木県(2品目)結城紬、益子焼群馬県(2品目)伊勢崎絣、桐生織 関東地方には37品目の伝統的工芸品があります。 江戸時代に日本の中心となり、多くの職人や文化の発展となったため、東京には多くの伝統的工芸品が現存します。 日光東照宮や鬼怒川温泉など、自然と歴史の観光地が多い栃木県では、蚕の真綿を原材料とした結城紬が有名です。 真綿を1本ずつ丁寧につむいだ系から作られる着物は丈夫で軽く、ユネスコの無形文化遺産としても登録されていています。 中部地方の伝統工芸品 新潟県(16品目)塩沢紬、小千谷縮、小千谷紬、村上木彫堆朱、本塩沢、加茂桐箪笥、新潟・白根仏壇、長岡仏壇、三条仏壇、燕鎚起銅器、十日町絣、十日町明石ちぢみ、越後与板打刃物、新潟漆器、羽越しな布、越後三条打刃物石川県(10品目)加賀友禅、九谷焼、輪島塗、山中漆器、金沢仏壇、七尾仏壇、金沢漆器、牛首紬、加賀繍、金沢箔富山県(6品目)高岡銅器、井波彫刻、高岡漆器、越中和紙、越中福岡の菅笠、庄川挽物木地福井県(7品目)越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥長野県(7品目)信州紬、木曽漆器、飯山仏壇、松本家具、内山紙、南木曽ろくろ細工、信州打刃物岐阜県(6品目)飛騨春慶、一位一刀彫、美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯、岐阜和傘山梨県(3品目)甲州水晶貴石細工、甲州印伝、甲州手彫印章静岡県(3品目)駿河竹千筋細工、駿河雛具、駿河雛人形愛知県(15品目)有松・鳴海絞、常滑焼、名古屋仏壇、三河仏壇、豊橋筆、赤津焼、岡崎石工品、名古屋桐箪笥、名古屋友禅、名古屋黒紋付染、尾張七宝、瀬戸染付焼、尾張仏具、三州鬼瓦工芸品、名古屋節句飾 中部地方には伝統工芸品の産地が多く、漆器や焼き物、木工品など貴重な資源を使った工芸品がたくさんあります。 新潟県は京都府、東京都に次いで全国3位の品目の多さで、今でも日常生活で工芸品が使われているため、伝統的な文化が根付いている地域です。 石川県には連続テレビ小説「まれ」で一躍有名になった輪島塗や金沢箔、九谷焼など一度は耳にしたことのある工芸品が多くあります。 近畿地方の伝統工芸品 京都府(17品目)西陣織、京鹿の子絞、京仏壇、京仏具、京漆器、京友禅、京小紋、京指物、京繍、京くみひも、京焼・清水焼、京扇子、京うちわ、京黒紋付染、京石工芸品、京人形、京表具大阪府(8品目)大阪欄間、大阪唐木指物、堺打刃物、大阪仏壇、大阪浪華錫器、大阪泉州桐箪笥、大阪金剛簾、浪華本染め兵庫県(6品目)播州そろばん、丹波立杭焼、出石焼、播州毛鉤、豊岡杞柳細工、播州三木打刃物奈良県(3品目)高山茶筌、奈良筆、奈良墨三重県(5品目)伊賀くみひも、四日市萬古焼、鈴鹿墨、伊賀焼、伊勢形紙滋賀県(3品目)彦根仏壇、信楽焼、近江上布和歌山県(3品目)紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿 近畿地方には、伝統文化が詰まった京都府や奈良県など日本を象徴する伝統工芸品があります。 伝統工芸品について詳しく知らない人でも、近畿地方の工芸品は知っているという場合が多いですよね。 京都府の西陣織は古墳時代から歴史を継承していて、高級織物として重宝されています。 他にも、滋賀県の信楽焼や三重県の四日市萬古焼などの焼き物類も非常に人気の工芸品です。 中国地方の伝統工芸品 鳥取県(3品目)因州和紙、弓浜絣、出雲石燈ろう島根県(4品目)出雲石燈ろう、雲州そろばん、石州和紙、石見焼岡山県(2品目)勝山竹細工、備前焼広島県(5品目)熊野筆、広島仏壇、宮島細工、福山琴、川尻筆山口県(3品目)赤間硯、大内塗、萩焼 中国地方の伝統工芸品は、生活で使われる機械の多い伝統工芸品が多くあります。 意外に感じる人もいるかもしれませんが、伝統工芸品の中には食器や着物などの他にも雲州そろばんのようなものもあるのです。 雲州そろばんは「コクタン」、「ツゲ」などを素材にした珠や枠作り、竹を用いた軸作りなど、職人によって1つずつこだわって作られていて堅牢で使い易く人気の工芸品の1つです。 四国地方の伝統工芸品 香川県(2品目)香川漆器、丸亀うちわ愛媛県(2品目)砥部焼、大洲和紙高知県(2品目)土佐和紙、土佐打刃物徳島県(3品目)阿波和紙、阿波正藍しじら織、大谷焼 資源が豊富な四国地方では、実用性に長けてデザイン性にも優れた伝統工芸品が多い特徴があります。 徳島県の大谷焼はざらざらとした素朴な土感と、わずかに光る光沢が魅力で使えば使うほど味が出てくるため、長く愛用される工芸品として人気です。 また高知県の土佐打刃物は金工品として全国的に有名で、切れ味が良く丈夫なためナイフや包丁が料亭で使われたり、農林用刃物として注文されるほど愛されていますね。 九州地方の伝統工芸品 福岡県(7品目)小石原焼、博多人形、博多織、久留米絣、八女福島仏壇、上野焼、八女提灯長崎県(3品目)三川内焼、波佐見焼、長崎べっ甲佐賀県(2品目)伊万里焼・有田焼、唐津焼大分県(1品目)別府竹細工宮崎県(2品目)本場大島紬、都城大弓熊本県(4品目)小代焼、天草陶磁器、肥後象嵌、山鹿灯籠鹿児島県(3品目)本場大島紬、川辺仏壇、薩摩焼沖縄県(16品目)久米島紬、宮古上布、読谷山花織、読谷山ミンサー、壺屋焼、琉球絣、首里織、琉球びんがた、琉球漆器、与那国織、喜如嘉の芭蕉布、八重山ミンサー、八重山上布、知花花織、南風原花織、三線 九州地方には、焼き物や織物やガラス食器など、様々なジャンルの工芸品があります。 中国大陸や朝鮮半島から近いため、昔から貿易が盛んだった九州地方には海外と日本の文化が混ざり独自に発展した文化を色濃く反映させた工芸品が多いのが特徴です。 磁器として有名なのが、佐賀県の伊万里焼・有田焼ですね。耐久性に優れていて壊れにくく、色鮮やかな絵付けが美しいため普段使いから贈答品としても人気です。 沖縄県には「やちむん」と呼ばれる沖縄の伝統的な陶磁器があり、ぽってりとした厚みと重厚感、かわいらしいデザインが特徴で沖縄料理屋などの食器で多用されています。 伝統的工芸品を見分けるためにはマークを探そう! ここまで都道府県別で伝統的工芸品を紹介してきましたが、いざ目の前にすると「これって伝統的工芸品なの?」と迷ってしまうこともあるでしょう。 伝統的工芸品かどうかを見分ける際には、商品に伝統マークが付いてるか確認すると簡単に見分けられます。 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/ 伝統マークとは、経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 ちなみに、伝統マークは金色と銀色の2種類あり、金色の伝統マークは100年以上の歴史がある伝統的工芸品に貼られています。 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 一方で、銀色の伝統マークは「現代の伝統工芸品」が対象とされていて、伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品の証です。 もしあなたが、伝統工芸品を購入しようか迷った際には、伝統マークが貼られていることを確認しておくことをおすすめします。 まとめ 今回は伝統工芸品の種類について解説してきました。 都道府県別で伝統工芸品を見てみると、各地の気候や文化を読み取ることができて楽しいですよね。 日本が世界に誇る文化の伝統工芸品を守っていくためにも、この記事を読んだあなたが少しでも伝統工芸品について興味を持つきっかけになれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介

    日本の古き良き文化として知られている伝統工芸品。 あまり関心がない人でも、伝統工芸品と聞けばなんとなくイメージはできるのではないでしょうか。 しかし、いざ伝統工芸とは何か?と尋ねられると答えに詰まってしまう人は意外と多いのです。 ここでは伝統工芸とはどういったものなのかを分かりやすく解説していきます。 認定されるための基準や有名な伝統工芸についても紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸品とは? そもそも伝統工芸とは、簡単に説明すると“長年受け継がれてきた日用品”を指します。 芸術品やアート作品のようなイメージを持っている人もいますが、もっと身近で私たちの生活を支えてきた製品がほとんどです。 例えば、食事に使うお椀やうちわなどの伝統工芸品もあるのです。 100年以上の歴史を持つ伝統工芸品が多く、長いものだと1000年以上前の素材・技術が現代にまで受け継がれています。 今まで意識していなかっただけで、あなたも伝統工芸品に関わっているかもしれませんね。 作る目的は日常の暮らしを豊かにするため 伝統工芸品を作る目的は、日常の暮らしを豊かにするためです。 生活必需品として、冬の寒さに耐えられるように身にまとうものとして「織物」が作られたり、漆などを塗る道具として「刷毛」を作ったりしていました。 伝統的工芸品の数は全国に236品目! 伝統工芸の技術などを生かした製品は伝統工芸品と一般的に呼ばれますが、中でも経済産業大臣に指定されたものを伝統的工芸品と呼びます。 伝統的工芸品は厳しい条件をクリアしなければ認定されず、100年以上の歴史を築いている文化の1つです。 現在、全国に236品目の伝統的工芸品があります。 各都道府県にあるので、お住まいの地域や地元で探してみてください。 伝統的工芸品は法律によって定められている 先ほど紹介した伝統的工芸品は、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき、経済産業大臣から指定されています。 指定要件は以下の5つです。 主として日常生活で使われるものであること 製造過程の多くが手作りであること 伝統的な技術や技法により製造されていること 伝統的に使用されてきた原材料を使っていること 地域産業として成立していること 1.主として日常生活で使われるものであること 伝統的工芸品は私たちの日常生活で使われているものでないと認められません。 毎日の食事に使うお椀や箸、お祭りや祝い事での着物、風鈴やうちわなどのように古くから生活を支えてきたことが要件の1つに入ります。 工芸品は「用の美」と言われていて、日常生活で使われることが前提となっているのです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 2.製造過程の多くが手作りであること 工芸品が作られる過程の大部分は、機械を使わず手作りされています。”手作り”ということも、伝統的工芸品として認められる要件に含まれます。 古くから継承されてきた伝統的な技術・技法を用いて、職人が1つ1つ丁寧に手作りすることが重要とされているからです。 そのため、伝統的工芸品は全く同じ製品は存在せず、全てがオンリーワンの製品だと言えますね。 ただ、すべてが手作りでなければいけない訳ではなく、工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 3.伝統的な技術や技法により製造されていること 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を指します。 つまり、現在まで技術や技法が100年間以上受け継がれ、製造されていることが伝統的工芸品として認定される要件に入るのです。 4.伝統的に使用されてきた原材料を使っていること 伝統的工芸品の原材料は、木、土、漆、金など日本の天然資源が多く使用されています。 この原材料が100年間以上、不変であることも要件の1つです。 ただし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値が高く入手困難になっていたりする場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で、同種の原材料に転換することが認められます。 また、工芸品の原材料が人と自然にやさしい材料であることも重要視されています。 5.地域産業として成立していること 伝統的工芸品は、地域産業として成立していなければいけません。 また、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいることも必須条件です。 製造者がたった1人だとしたら、これから先も受け継いでいくのは困難になります。 そのため、技術や技法が長年受け継がれていくためには、ある程度の人や企業が関わる必要があるのです。 日本の代表的な文化とも言える伝統的工芸品の技術や技法を途絶えさせる訳にはいきませんからね。 上記5条件をクリアすると伝統マークが与えられる 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 上記の5条件をクリアすると伝統工芸品として指定され、伝統マークが付与されます。 伝統マークは、経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国から伝統的工芸品として認められた証です。 日本に数多くある工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統マークが製品に貼られることで、消費者は一目で伝統的工芸品と認識できるようになります。 https://quon.jp/816 伝統工芸品の歴史と簡単年表付き 奈良時代  仏教文化が栄え、唐などの大陸の影響で生活用品の材料・技術が向上し多様性に富んだものが作られるようになる。東大寺の正倉院には、様々な文物・工芸品が、宝物として現在まで大量に残されている。平安時代寺院建築や造仏の技術の影響を受けて、金工、木工、漆工の分野で技術が著しく進歩した。工芸品も直線的な形から、ふくらみを持った柔らかな形となり日本的な美意識を持つものが数多く作られた。鎌倉時代武士や農民層の生活文化が著しく発展し、鍛冶、焼物、鋳物、木工などの分野の職人が地位を高める。室町時代中国文化と日本の技術が交わり発展する。明や朝鮮半島との貿易で銅、金、硫黄などの原材料や、扇、漆器、刀剣などの工芸品が輸出され、生糸、絹織物、綿糸、綿布や銅銭などが輸入され始める。安土・桃山時代スペインやポルトガルの貿易船が来航し、新しい技術や材料を得て発展した。陶磁器の絵模様などはヨーロッパ文化の影響を受けるものも。江戸時代各地の藩が工芸品を産業としてすすめ、現在まで伝わる伝統的工芸品の技術や技法のほとんどが完成した。伝統工芸品の簡単年表 奈良・平安・室町時代 奈良・平安・室町時代には外国から伝わってきた優れた技術と日本の文化が混ざり合って、多種多様な工芸品がたくさん生まれました。 飲食具、遊戯具、文房具、仏具、服飾具など、当時の工芸品は東大寺に正倉院宝物として多く残されています。 江戸時代には、鎖国により日本は外国との交流をやめ、日本の文化を育てていく中で、各地方(藩)が競って工芸に力を入れていました。 現代の伝統的工芸品は江戸時代から大きく変わっていないものもあります。 1873年のウィーン万国博覧会で伝統工芸品が好評! 明治政府がはじめて正式に参加した万博は、明治6年(1873年)のウィーン万博です。 ウィーン万国博覧会で日本は浮世絵、錦などの染織品、漆器、櫛、人形、陶磁器や漆器、七宝などの工芸品を出品しました。 新しい日本を全世界にアピールしなければならないという使命で望んだ日本の工芸品は、ヨーロッパで高い評価を受けました。 そして、日本は「美術工芸の国」として世界中から注目されるようになったのです。 第二次世界大戦以降は需要が低迷し生産額も減少傾向 第二次世界大戦が勃発すると、軍需産業が優先され始めます。その影響で工芸品産業は荒廃していきました。 戦後は高度経済成長にともない、大量生産や大量消費が進み、日本人の生活様式が大きく変化します。 価格、量産性の面における競争で近代工業製品に圧倒されたため、伝統工芸品の需要が低迷し生産額も減少傾向になりました。 戦後の経済成長により、効率的に安価で大量の製品生産が可能になったことも、伝統的工芸品が衰退していくことに繋がっていくのです。 伝統工芸品の歴史については、下記記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね! https://quon.jp/988 伝統工芸品のよさは大きく4つ 1.日本の文化に触れられること 伝統工芸品は、主に日常生活で使われている物がほとんどです。 そのため、伝統工芸品が生まれた地域の文化を知ることに繋がります。 また、使われている原料は、地域特有の資源であることも多いため、伝統工芸品を通してその地域の地形や特徴について知れるのです。 2.手作りによる個性を楽しめる 伝統工芸品は製造過程のほとんどが職人による手作りです。 機械をほとんど使わないので、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 模様や形が微妙に異なる点は、オリジナリティがあり、世界に1つだけの製品ともいえます。 職人の手作りだからこそ出る「個性」を楽しめるのも伝統工芸品の良さですね。 3.使い込むことで味が出る楽しみ 日常生活で使うものは、消耗品が多く、使えば使うほど劣化していき、見た目や機能性が衰えていきます。 一方、伝統工芸品は使い込むことで魅力的になったり、使いやすくなったりするのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても修理することで新しい魅力が生まれる 食器類などは落として割れてしまうことがありますよね。割れてしまったら捨てるのが一般的ですが、伝統工芸品の中には修復可能なものもあるのです。 「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術を使い、割れたり欠けてしまったりした器を修復できます。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を銀を振る技術。 修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで、全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 伝統工芸品のよさは以下の記事でも紹介しているので、さらに深く知りたい方は、読んでみてください! https://quon.jp/813 有名な伝統工芸品5種類 ここでは有名な日本の伝統工芸品を5種類紹介していきます。 1.宮城伝統こけし(宮城県) 出典元:https://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/item/miyagi_01.htm 宮城伝統こけしは、昭和56年に指定された宮城県の伝統的工芸品です。 江戸時代中期以後に、東北地方の温泉土産として生まれたものと伝えられています。 宮城県内には、「鳴子こけし」「作並こけし」「遠刈田こけし」「弥治郎こけし」「肘折こけし」の5つの伝統こけしがあり、系統作者により形・描彩にちがう特徴があります。 簡略化された造形の美しさに加え、清楚にして可憐な姿は、山村の自然に囲まれた素朴な工人の心を通じて表現した美しさがあります。産地の独特の形・模様を通じて、今日に受け継がれています。 2.南部鉄器(岩手県) 南部鉄器は昭和50年に指定された岩手県の伝統的工芸品です。 丈夫で割れにくく長持ちする上に、使い込むほどに奥深い味わいが楽しめる特徴があります。 鉄瓶や急須が有名ですが、フライパンや鍋も料理が美味しく出来ると大人気。 最近では、現代風のおしゃれで上品なデザインの製品もあるので、幅広い世代から注目を集めています。 3.有田焼(佐賀県) 有田焼は、昭和52年に指定された佐賀県の伝統的工芸品です。 江戸時代から作られており、軽く硬質で耐久性に優れているという特徴があります。 また絵柄が美しいことでも有名で、かつてヨーロッパの貴族から絶賛されたといわれています。 食器類や壺など、さまざまな種類の製品があり、美しい見た目から食卓を彩る工芸品の1つです。 4.西陣織(京都府) 出典元:https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/nishijinori/ 西陣織は、昭和51年に指定された京都府の伝統的工芸品です。 西陣織は、紗(しゃ)や羅(ら)といった透かし生地や二重構造の風通といった、多彩な織り方が発達している特徴があります。 そして、一般的な染色法である後染めよりも丈夫で、シワになりにくい点も魅力の一つです。 伝統的な着物だけでなく、洋風着物やインテリアなど時代にマッチした製品も製造されています。 5.輪島塗(石川県) 出典元:https://furunavi.jp/product_detail.aspx?pid=81682 輪島塗は、昭和50年に指定された石川県の伝統的工芸品です。 日本を代表する漆器で、輪島特産の地の粉(珪藻土の一種)を下地に塗り、塗り上げるまでに20工程以上、総手数では75〜124回にも及ぶ、丁寧な手作業で作られています。 頑丈で壊れにくく、非常に美しい見た目が特徴で、世界的にも注目されている工芸品といえます。 ここまで紹介してきた伝統工芸品以外にも有名な製品はいくつもあります。以下記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください! https://quon.jp/951 伝統工芸品の人気ランキング 最後に、伝統工芸品の人気ランキングTOP5を紹介しておきますね。 気になる方は、ぜひチェックしてみてください。 1位.金沢箔(石川県) 出典元:https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/kanazawahaku/ 金沢箔は、石川県の伝統的工芸品です。 職人の卓越した技術により、10円玉ほどの小さな金合金を1万分の1ミリメートルの厚さにまで均等に延ばすことで、金沢箔は作られています。 金閣寺や日光東照宮などの建造物に用いられており、織物や九谷焼、漆工芸といったさまざまな工芸品にも使われています。 現在ではファッション、インテリア用品などにも用いられています。 2位.益子焼(栃木県) 益子焼は、栃木県の伝統的工芸品のひとつです。 陶土(とうど)を用いて作られるため、ずっしりとした土の質感を肌で感じとることができ、手に馴染みやすい特徴があります。 食器類の製品が多く、和の雰囲気が素敵なため、人気の伝統的工芸品です。 3位.西陣織(京都府) 出典元:https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/nishijinori/ 多色の糸を使用した美しい模様が魅力的な西陣織は、京都府の伝統的工芸品です。 西陣織の着物に憧れる女性は、多いのではないでしょうか。 織機を使って丁寧に製造されるので、製造には時間を要します。そのため希少性は高く、高級感のある美しい織物が出来上がるのです。 4位.伊万里・有田焼(佐賀県) 伊万里焼、有田焼は、佐賀県の伝統的工芸品。 手にすると薄くて軽いため、壊れやすいイメージを持つ人もいますが、伊万里焼、有田焼は耐久性に優れている点も特徴です。 また美しく色鮮やかな絵柄は目を引き、いつもの食事をより華やかにしてくれること間違いなしです。 旅館や料亭などの食器として使われていることが多いですね。 5位.宮城伝統こけし(宮城県) 出典元:https://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/item/miyagi_01.htm 宮城伝統こけしは、宮城県の伝統的工芸品です。 宮城伝統こけしは、近年ちょっとしたブームになっているのをご存知でしょうか。 鳴子(なるこ)、作並(さくなみ)、遠刈田(とおがった)、弥治郎(やじろう)、肘折(ひじおり)の主に5つの系統に分かれていて、それぞれ違った特徴があります。 例えば、遠刈田伝統こけしは頭部が比較的大きく、切れ長の目に鼻筋のとおった大人っぽい女性の表情の描彩が印象的なこけしになります。 系統ごとに表情やデザインが違うので、好みのこけしを探してみるのも楽しいですね。 今回は5位までの紹介でしたが、以下記事では都道府県別で人気ランキングを出しているので、ぜひ読んでみてください! https://quon.jp/953 まとめ 今回は伝統工芸とは?について解説してきました。 伝統工芸品として認定されるためには、国が定めた要件をクリアしていなければいけません。 日本の全国各地には、多種多様な伝統工芸品が存在しますので、お住まいの地域や出身地などで調べてみることをおすすめします。 この記事を読んで、少しでも伝統工芸品について興味が湧くきっかけになれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸のマークは一体どんなもの?意味や伝統証紙との違いも解説

    織物や陶磁器、漆器など日本を象徴する伝統的工芸品は、現在日本には237品目あります。 そんな伝統的工芸品には、品質を保証するための目印として「伝統マーク」が付けられているのです。 伝統マークを見たことがある人の中には 「伝統マークはどういう基準で付けられているの?」「伝統マークがなぜつけられているのか知りたい」 このような疑問を持っている人も多いはず。 ここでは伝統マークの意味や認定されるための条件について分かりやすく解説していきます。 また、 伝統マークと伝統証紙の違いや伝統的工芸品の定義などについても紹介していきますので、伝統的工芸品に興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統マークとは? 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 伝統マークの見た目は、日の丸がマークの中に入っており、日本をイメージしやすいデザインが特徴的です。 伝統的工芸品として認められれば、伝統マークのデザインが入った伝統証紙が貼られます。 国から認められた伝統的工芸品のみに与えられる信頼の証と言えるでしょう。 経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークのこと 伝統マークは経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 日本には工芸品が数多く存在しますが、その中でも国が定めた厳しい基準をクリアした工芸品が伝統的工芸品として登録されています。 日本の工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統的工芸品として認定されるための条件 伝統的工芸品として認定されるための条件は主に5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの 上記の要件全てを満たしていることが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律で定められています。 主として日常生活で使われるもの 現在でも私たちの日常生活で使われるものでなければ、伝統的工芸品として認められません。 例えば、福島の奥会津編み組細工はバックやカバンとして使われていますし、東京の江戸切子はグラスとして多くの人に使われています。 他にも扇子や着物、包丁などさまざまな伝統的工芸品がありますが、日常生活でしっかり使われていることが条件の1つです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 製造過程のほとんどが手作り 製品が職人の手で製造されていることも伝統的工芸品の条件です。 ただ、厳密にいえば工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 しかし、製品の品質、形態、デザインを手作りで継承することが重要とされているので、メインとなる主要部分はやはり職人による手作りとなります。 現在では機械が発達していますが、人の手によって製造される製品には特有の味があり、製作者の技術を楽しめるのも伝統的工芸品の良さですね。 100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている そもそも伝統的とは、何を指すのでしょうか? 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を意味します。 魅力的な美しい見た目や高い機能性の工芸品であったとしても、製造技術や技法が確立されてから100年以上継続されていないと、伝統的工芸品に指定されることはありません。 そのため、伝統的工芸品として認められている製品は少なくとも100年以上前から存在していたということになります。 長年紡がれてきた技術や技法により、伝統的工芸品は機能性に長けていたり、美しさや丈夫さに秀でているのです。 伝統的に使われる原材料 工芸品に使われる原材料も、伝統的工芸品として認定されるための条件に関わっています。 原材料は木、土、漆、金など日本の天然資源が使用されていることが多く、100年間以上製品に使われる原材料が同じであることが条件となっているのです。 しかし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値の高さから入手が困難な場合もあります。 上記のようにやむを得ない事情がある場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で同種の原材料に転換することが認められます。 一定の地域で産地を形成しているもの 伝統的工芸品は、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいて、地域産業として成立している必要があります。 もし、1人だけしか製造方法を知らなかったら、技術や技法を次世代に残せませんよね。 そのため、ある程度の規模で製造に関わっている人が条件になっているのです。 また、いくら素晴らしい技術だとしても日常生活で利用される製品でなければ、工芸品とは呼べないので、地域産業として私たちの生活を豊かにしてくれることも条件になっています。 伝統マークと伝統証紙の違い 伝統マークは、冒頭に伝えている通り経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークです。 一方、伝統証紙は伝統的工芸品の表示のために、伝産協会が発行する伝統マークを使用した証紙のことを指します。 つまり、伝統マークはシンボルであり、伝統証紙は伝統的工芸品を一目で分かりやすくするために貼るものと考えてください。 伝統証紙が貼られていることで、消費者が伝統的工芸品を安心して購入できるのです。 また、伝統証紙は職人にとって、「伝統を誇る手作りの証」でもあります。 伝統証紙には2種類ある 伝統証紙は金と銀の2種類あります。 前提として、どちらも伝統的工芸品を保証する証紙ではありますが、細かい違いがあるのでそれぞれ解説していきます。 金色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 金色の伝統証紙は、100年以上の歴史があり、先程紹介した5つの条件を満たした伝統的工芸品に貼られます。 経済産業大臣が指定した技術・技法・原材料で制作され、産地検査に合格した製品が対象となっています。 銀色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 銀色の伝統証紙は、「現代の伝統工芸品」が対象とされています。 伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品のことを指します。 伝統的工芸品産業振興協会と産地組合の間で条件を決め、クリアしたものだけに銀色の伝統証紙が貼られます。 銀色の伝統証紙は、金色の伝統証紙の後に作られました。日本のライフスタイルの変化に合わせて、「現代の匠の逸品」として新しい伝統的工芸品が誕生したのです。 伝統工芸品と伝統的工芸品の違い 伝統工芸品と伝統的工芸品には違いがあるのをご存知でしょうか。 今回紹介した伝統マークが貼られているのは伝統的工芸品ですが、耳なじみがあるのは伝統工芸品という人も少なくないでしょう。 そこで最後に、伝統工芸品と伝統的工芸品の定義をそれぞれ紹介しておきますね。 伝統工芸品の定義 実は、伝統工芸品には明確な定義がなく、長年受け継がれてきた工芸品の事を指します。 現在の日本では、約1300種類もの伝統工芸品が全国各地に存在するのです。 伝統工芸品は伝統的工芸品と同じように、「日常生活で使われるもの」を指し、着物や漆器、ガラス細工、人形、和紙など種類はさまざまです。 伝統的工芸品の定義 伝統的工芸品の定義は明確で、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められている条件を満たしており、経済産業大臣に認定されていることです。 伝統的工芸品として認定されるための条件は下記の5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの さらに、伝統的工芸品として認定された製品には伝統証紙が貼られるので、消費者が明確に判断しやすくなっています。 つまり、伝統工芸品と伝統的工芸品の違いを判断したいときには、製品に伝統証紙が貼られているかを見ればいいですね。 まとめ 今回は伝統マークの意味や伝統証紙との違いについて解説してきました。 おさらいすると、伝統マークは経済産業大臣に認定された伝統的工芸品を表すシンボルマークです。 国が定めた厳しい条件をクリアした伝統的工芸品に与えられる証なのです。 この記事を読んで、伝統的工芸品への興味・関心が少しでも高まってくれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸って何がいいの?良さ5つと良さがわかる製品5選

    日本の文化として、世界中から高い注目を集めている伝統工芸品。 職人による独自の技法や技術で作られていることが多く、古くから日本で愛されてきた文化でもあります。 最近では、SNSなどの普及により若者からも注目され、幅広い世代から関心を集めているのです。 しかし、まだ伝統工芸に興味を持っていない人やあまり知らない人からすると 「伝統工芸のよさってなんなの?」 と感じてしまいますよね。 ここでは伝統工芸のよさを5つ紹介していきます。記事の最後ではおすすめの製品も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸ってそもそも何?伝統工芸の歴史は?など網羅的に理解したい人は、以下の記事で解説していますのでぜひチェックしてみてください。 →伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介 伝統工芸のよさを5つ紹介! 伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い それぞれ詳しく解説していきます。 1.日本の美を演出している 伝統工芸のよさ1つ目は、日本の美を演出している点です。 伝統工芸には古くからの歴史があり、100年間以上継承されてきた工芸品もあります。 意外に感じる人もいるのですが、工芸品は主に日本人が生活の中で使っているものが多く、着物やうちわ、漆器など身近な物がほとんどです。 日本刀なども工芸品の1つで、現代では美術工芸品として人気がとても高いですね。 このように、工芸品は日本をイメージしやすい物がほとんどで、その美しさや技術力は世界中から高く評価されていると言えるでしょう。 2.職人の手作り 伝統工芸のよさ2つ目は、職人の手作りで製造されている点です。 機械をほとんど使わず、主な製造工程は手作業であるため、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 つまり、世界に同じ工芸品は1つも無いということになります。 手作りだからこそ、製品それぞれに個性がでるのも伝統工芸の魅力ですよ。 3.経年変化してこその楽しみがある 伝統工芸のよさ3つ目は、経年変化してこその楽しみがある点です。 日常生活で使う物は、基本的に使えば使うほど劣化していきますよね。見た目も古く感じたり、機能性が落ちたりするのが普通でしょう。 しかし、伝統工芸品は年季が入ることで魅力的になったり、使いやすくなるのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても新たな魅力を見出せる 伝統工芸のよさ4つ目は、壊れても新たな魅力を見出せる点です。 焼き物などは落として割れてしまうこともありますよね。普通は割れてしまったら捨てますが、工芸品は修復できます。 割れたり欠けてしまった器は「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術で修復します。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を振る技術です。 「金継ぎ」によって修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 5.デザイン性と機能性が高い 伝統工芸のよさ5つ目は、デザイン性と機能性が高い点です。 もともと工芸品は日本人が日常生活で使用しているものが多く、使いやすく壊れにくい特徴があります。 また職人の手で1つずつ作られているため、機械では表現できない美しさも魅力の1つと言えるでしょう。 最近では、新進気鋭なデザイナーが手掛ける「現代の伝統工芸品」が非常に人気で、古き良き日本を感じながらおしゃれでかわいいデザインの伝統工芸品が注目を集めています。 伝統工芸のよさが広まらない原因は大きく3つ 使いやすく丈夫でデザイン性も魅力的な伝統工芸品のよさが広まらないのはなぜでしょうか? 原因は大きく3つあります。 伝統的=古いイメージがあるから そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 身近で触れることがないから 1つずつ解説していきますね。 伝統的=古いイメージがあるから 伝統的と聞くと、なんだか古いイメージがある人は少なくないはず。 実際、工芸品の中には100年間以上の歴史があるものがたくさんあるのは事実。 しかし、いざ伝統工芸品を目にするとデザイン性や美しさに気づき、イメージと違ったという人は多いのです。 手作りだからこそ分かる独特の世界観が感じられ、その場で即決して購入する人もいるほどです。 近年ではデザイナーにより現代の伝統工芸品が生み出され、和モダンなデザインの工芸品が非常に人気なのをご存知でしょうか。 イメージにとらわれず、ぜひ一度伝統工芸品を直接見て触れてみてください。 そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 伝統工芸は興味を持たれにくいのが現状です。 まず伝統工芸を知る機会がなければ、興味を持ちにくいでしょう。 こうした現状を打破すべく、伝統工芸の体験イベントなどが実施されています。 例えば、藍染めでオリジナルTシャツを作れたり、鍛冶屋で刃物造りを体験できたりと日本全国で伝統工芸を体験できるのです。 旅行先で友人と楽しんだり、お子さんが自由研究で体験教室に通うなど、伝統工芸にふれられる機会はどんどん増えてきていますよ。 伝統工芸の後継者不足問題を少しでも解消できるよう、より多くの人に伝統工芸の魅力を知ってもらえる機会が増えると嬉しいです。 身近で触れることがないから 伝統工芸は身近で触れることがあまり無いですよね。 機械で大量に生産されているわけではなく、職人により手作りされているので生産数には限りがあり、製品が市場に出回る数は多くはありません。 そのため百貨店や大型デパートなどで販売されていることが多いです。 科学と技術が進歩し、安くて質の良い製品が大量に作られていることは私たちにとってありがたいですが、一方で日本の文化が失われてしまう原因にもなっていると言えるでしょう。 伝統工芸のよさがわかる製品5選 伝統工芸のよさをより知ってもらうために、日本の代表的な伝統工芸品を5つ紹介します。 日常で使えるもの、贈り物として喜ばれるもの、趣味として人気なものなど、さまざまありますのでぜひチェックしてみてください。 1.陶磁器 陶磁器は、土をこねて焼いたものの総称で、一般的には「やきもの」と呼ばれています。 耐久性が高く、手触りが良いことやデザイン面に優れている特徴を持つため食器や湯呑などの製品が多いです。 日本の代表的な陶磁器として、岐阜県の美濃焼、滋賀県の信楽焼、佐賀県の有田焼、京都府の清水焼、石川県の九谷焼などが有名ですね。 陶磁器は割れたり欠けたりしても修復でき、壊れても魅力を見いだせる工芸品の1つです。 2.漆器 漆器は、漆を塗った工芸品のことで、お椀や箸などの製品が多いです。 耐久性・耐水性・断熱性・抗菌作用に優れていて、食器だけでなく棚や台などにも漆は使われています。 機能性が高い上に、美しい見た目も漆器の魅力なんです。合成樹脂では表現できない上品なツヤがあり、使い込むほどに美しい光沢が生まれます。 もし漆器が欠けたりしても、上から漆を塗ることで修復できるので長い間使用できるメリットもありますよ。 3.和紙 和紙は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の伝統工芸品。薄くてとても頑丈でさまざまな種類の製品に使われています。 日本が誇る和紙は、和傘・提灯・うちわなどに使われていて、最近ではくつ下や付箋の材料として利用されているのです。 日本三大和紙として、岐阜県の美濃和紙、高知県の土佐和紙、福井県の越前和紙がとても有名です。 4.染物 染物は、染料などで染めた布のことを指し、着物や洋服などの衣類が製品として代表的。 種類や技法は全国でかなりの数があり、それぞれ歴史のある技法を用いて製造されます。 高級な着物は染物としてイメージしやすいですが、Tシャツやスカーフ、手ぬぐいなどの身近な衣類にも使われているため女性の方は触れる機会も多いでしょう。 成人式や結婚式などの行事で着物を着ることはありますし、最近では着物をおしゃれに着こなすファッションなども流行っていますよね。 5.日本刀 日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた刀です。 昔は武器として使用されていましたが、現代では美術工芸品や文化財として扱われています。 日本刀の魅力は何と言っても美しい見た目で、刀身に反りがあることや片側だけに刃が付けられているのが特徴です。 また、折れない・曲がらない・切れ味が鋭いことも有名で、頑丈さや刃物としてムダが削ぎ落とされている面も高く評価されています。 アニメやマンガで刀を扱うキャラクターが人気だったり、武将がブームになったことで若者から注目を集めましたね。 その美しさから思わず息を呑んでしまう魅力の日本刀は、博物館で見れます。日本刀をコンセプトにしたカフェなどもあるので、最近では日本刀を気軽に楽しめるようになりました。 伝統工芸品と現代技術のコラボもある 出典元:https://kishu-plus.jp/product/details 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 例えば、3Dプリンターで作られた器に職人が漆を塗って食器を作るコラボや藍染をスニーカーに施したコラボなど、さまざまな新しい製品が誕生しているのです。 伝統工芸品の良さと現代技術の進歩をマッチさせることで、より魅力的な製品が出来上がるのはワクワクしますよね。 また、伝統工芸品と人気コンテンツとのコラボも高い注目を集めています。 伝統工芸×人気キャラクターという異色な組み合わせにより、今まで伝統工芸に関心が無かった人に知ってもらえるきっかけとなりました。 伝統工芸は決して閉鎖的な文化・技術ではないのです。 まとめ 今回は伝統工芸のよさについて解説してきました。 おさらいすると、伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い 古くて敷居が高いイメージを持たれがちな伝統工芸ですが、良さがたくさん詰まっているのでぜひ一度手に取って魅力を感じてください。 伝統工芸の体験イベントやさまざまなコラボも実施されているので、この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。

  • 【完全保存版】日本刀の購入方法と注意点|所持するための資格も紹介

    歴史や映画などで活躍する武将たちは、現代でもとても人気です。 そんな武将や歴史が好きな人の中には 「日本刀を購入したい」「日本刀ってどこで買うの?」 と、日本刀が欲しい!と考えている人もいるのではないでしょうか。 しかし、いざ日本刀を購入したいと思っても、購入方法や値段が分からず悩んでいる人も多いはず。 そこで本記事では、日本刀の購入方法と注意点についてわかりやすく解説していきます。 また、日本刀の相場や、日本刀購入に関するよくある質問も紹介していきますよ。 この記事では、日本刀を購入するために必要な知識が全て把握できるので、ぜひ最後まで読んでみてください。 日本刀についてより網羅的に知りたい人は以下の記事を参考にして下さい。特徴や種類、歴史も紹介しています。 →【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介 前提:日本刀の購入前に決めておきたい3つのポイント まずは、日本刀を購入する前に決めておきたいポイントを3つ紹介します。 日本刀の購入を検討している人は、このポイントをしっかり押さえておくと、スムーズに購入することができますよ。 予算を決める 事前に、予算はいくらまでなのかをハッキリと決めておきましょう。 後ほど日本刀の値段や相場について詳しく解説していきますが、最低でも10万円ほど必要になります。 さらに、種類や刀工のランクによって金額は大きく変わるため、あらかじめ日本刀購入の予算がどのくらいになるか明確にしておくことがおすすめです。 購入したい日本刀はどれか明確にする 日本刀を購入する前に、どの日本刀が欲しいのか明確にしておきましょう。 一口に日本刀と言っても種類は豊富で、作成された時代や刀工によって、見た目や値段が変わるのです。 事前に、ある程度は欲しい日本刀を決めておかないと、いざお店に行った際になかなか決められないことが多々あります。 また、希望する日本刀の取り扱いが無いなんてこともあるので、欲しい日本刀を決めてから購入に進むと非常にスムーズです。 日本刀をどこに飾るか決める もし日本刀を購入したら、どこに飾りますか? 一般的なのは、和室の「床の間」ですが、家に和室が無い方もいますよね。 和室に飾らなければいけないというルールは無いため、家のどこに飾っても問題はありませんが、意外とスペースが必要になることに注意してください。 また、日本刀の保存に適した刀箪笥や刀剣ディスプレイケースなどを置く場所も必要になります。 勢いで日本刀を購入すると、置く場所や保存環境が整っておらず、後悔してしまう方もいるのです。 そのため、事前に日本刀を飾るスペースの確保ができてから購入することがおすすめです。 日本刀の値段や相場 「日本刀はいくらで買えるの?」 と、日本刀の値段や相場について、気になっている人は多いですよね。 ここでは、日本刀の値段や相場について解説していきます。 刀のランクが値段に影響する 日本刀の値段は、定められたランクによって大きく変わります。 当然ですが、有名な刀工が鍛えた名刀は価値が高くなり、値段も上がります。 刀工のランクは「位列」で格付けされ、上から「最上作」、「上々作」、「上作」、「中上作」、「中作」の5段階に定められているのです。 日本刀の出来栄えや切れ味も、格付け評価の対象となっています。 また、前提として、国宝や重要文化財に指定されている日本刀は非常に貴重で、基本的に購入はできません。 一般的に購入できる日本刀の値段は、「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」が発行する鑑定書により、4つのランクに分けられます。 保存刀剣特別保存刀剣重要刀剣特別重要刀剣 ランクによって値段・相場は変わりますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。 保存刀剣の場合 保存刀剣の値段の相場は、10万円〜100万円程度とされています。 保存刀剣とは、江戸時代までに制作された著名な刀工の銘がある作品を指します。 上記に加えて、地刃に多少の疲れ、あるいはキズがあっても鑑賞に堪え得るものも該当します。 特別保存刀剣の場合 特別保存刀剣の値段の相場は、30万円〜300万円程度とされています。 特別保存刀剣とは、保存刀剣のなかでも、さらに出来がよく、保存状態もよいものを指します。 在銘・無銘にかかわらず、傷・錆・補修などが目立ち、美観を損なうものは対象外となっています。 重要刀剣の場合 重要刀剣の値段の相場は、100万円〜500万円程度とされています。 重要刀剣とは、特別保存刀剣の中でも、特に出来が良く、保存状態も良好なものを指します。 国認定の重要美術品に準ずると判断される作品です。 特別重要刀剣の場合 特別重要刀剣の値段の相場は、500万円〜1000万円以上とされています。 重要刀剣のなかで、さらに一段と出来が傑出し、保存状態が優れているものを指します。 資料的価値が極めて高く、国認定の重要美術品の上位に相当すると判断されるもの、もしくは国指定の重要文化財に相当する価値があると考えられるものとされ、価値が高く値段も高額となります。 刃長によっても金額が変わる 日本刀は、刃長によっても金額が変わります。刃長が長いと、比例して値段も上がると考えてください。 一般的には刃長60cm以上の日本刀は、太刀、打刀と呼ばれ、刃長30〜60cmの日本刀は脇差、刃長30cm以下の日本刀は短刀に分類されます。 太刀と打刀の値段は高い傾向にあり、脇差は太刀と打刀の3割程度、短刀は半値くらいが相場とされています。 もちろん、刃長だけで価値が決まるものではありませんが、刃長の短い脇差や短刀の方が安価な場合が多いです。 そのため、初めて日本刀を購入する人や、予算的に厳しい人などは、脇差や短刀を検討してみるのもいいでしょう。 飾る場所や保存スペースを考えると、コレクションしやすいメリットもありますからね。 日本刀を購入できるECサイト オンラインで日本刀を購入できる、おすすめECサイトを3つ紹介しておきます。 刀の蔵 出典元:https://katananokura.jp/ 刀の蔵は、代表が倉敷刀剣美術館を運営している信頼のできるECサイトです。 日本刀は美術品なので、定価はありません。しかし、刀の蔵は良心的な価格設定なため、購入しやすいと人気なのです。 また、写真や刀の説明などの詳細も1つ1つ見られるので、ユーザーにとってはありがたいポイントでしょう。 さらに、日本刀の下取りや購入後のアフターサービスなども充実しています。 刀の蔵公式Webサイト:https://katananokura.jp/ 勇進堂 出典元:https://yushindou.com/ 勇進堂は、創業30年を誇る信頼と実績がある会社で、ECサイトから日本刀の購入が可能です。 勇進堂の刀剣には、必ず一振り毎に「登録証」が付いているため、「譲渡・売買等」がスムーズに行なえます。 「日本刀は購入しにくいな…」という人でも、鍔、目貫、拵え(外装)などの刀装具ごとに購入もできるため、非常におすすめです。 勇進堂Webサイト:https://yushindou.com/ 刀剣杉田 出典元:https://www.token-net.com/ 刀剣杉田は、創業から10年ほどで約5千本の刀剣を国内外に販売してきた実績を持つ会社です。 ECサイトでは、さまざまなカテゴリーから日本刀を探すことができ、価格帯から選ぶこともできるので、予算に合った日本刀を見つけやすいメリットがあります。 返品やクーリングオフ制度、海外への発送にも対応しているため、トラブルが起きにくく、安心して購入できる会社と言えるでしょう。 刀剣杉田の公式Webサイト:https://www.token-net.com/ 日本刀を購入できる実店舗 「日本刀は、実際に見てから買うか決めたい」という人もいますよね。 実際に足を運び、直接日本刀を購入できる実店舗も紹介していきます。 霜剣堂 原宿店 出典元:https://www.sokendo.jp/ 霜剣堂 原宿店は、東京都渋谷区にあり、原宿駅から徒歩5分の刀剣店。 約60年ほど日本刀の販売を行なっていて、買取にも対応しています。 常設展示販売も行っているので、見て感じて購入を検討できます。 店舗名霜剣堂 原宿店住所東京都渋谷区神宮前6-28-1電話番号03-3499-8080定休日木曜日公式Webサイトhttps://www.sokendo.jp/ 大阪刀剣会 吉井美術 出典元:http://www.art-express.co.jp/guide-net/osaka/osakatokenkaiyoshii/index.html# 大阪刀剣会 吉井美術は、大阪市にあり、難波駅から徒歩5分の刀剣店。 鎌倉時代より伝わる名刀から、現代の名匠による美術刀剣まで、太刀・打刀・脇差・短刀などを幅広く扱っています。 定期的に展示即売会を開催しているので、興味のある方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。 店舗名大阪刀剣会 吉井美術住所大阪市中央区日本橋2-7-1電話番号06-6631-2210定休日水曜日公式Webサイトhttp://www.art-express.co.jp/guide-net/osaka/osakatokenkaiyoshii/index.html# 古美術・刀剣 山城屋 出典元:https://www.yamasiroya.com/ 古美術・刀剣 山城屋は、東京都豊島区にあり、巣鴨駅から徒歩5分の刀剣店。 日本刀の展示販売だけでなく、美術工芸品、刀剣類などの保存・修復も行っています。 買取査定も対応してくれるので、日本刀を売りたいと考えている人は、引越しや相続、資金作り等の際に相談してみてください。 店舗名古美術・刀剣 山城屋住所東京都豊島区巣鴨1-21-8 吉田ビル電話番号03-3942-2701定休日土曜日、日曜日、祝日公式Webサイトhttps://www.yamasiroya.com/ 日本刀を購入する際の注意点 銃砲刀剣類登録証の所有者変更 日本刀を所持する際には、「銃砲刀剣類登録証」が必要です。 登録証がない場合、「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)違反となり、購入することも、所持することもできません。 刀剣店で日本刀を購入した後は、必ず登録証の所有者変更手続きを行いましょう。 購入した日から20日以内に、該当する刀剣・日本刀を登録した都道府県の教育委員会等へ届け出なければ、法律違反となり、せっかく購入した日本刀を手放すことになってしまいます。 登録証の所有者変更に関する届出用紙は、購入した店舗や各都道府県にある教育委員会のホームページからダウンロードできます。 銃砲刀剣類登録証のない刀剣を買わない もし、あなたがネットで銃砲刀剣類登録証が付いていない日本刀を見つけても、絶対に購入してはいけません。 先程も説明した通り、日本刀は「銃砲刀剣類登録証」が付いていなければ、「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)違反となるからです。 今回紹介したECサイトや刀剣店など、実績のある会社なら「銃砲刀剣類登録証」が付いているので問題はありません。 しかし、ネットオークションなどで個人から購入する際に、「銃砲刀剣類登録証」が付いていないこともあるので必ずチェックしましょう。 「知らなかった」と言っても、法律に違反していると見なされてしまうことがあるため要注意です。 日本刀購入に関するFAQ Q1.購入した日本刀の持ち運び方が知りたい 購入した日本刀を持ち帰る際には、専用の刀袋や風呂敷、ゴルフバッグなどに入れて持ち運びましょう。 法律として、日本刀を持ち帰ることは問題ありませんが、その際に日本刀を所持していることが分からないようにすることが大切です。 もし、日本刀を所持していることが周りの人に気づかれたら、騒ぎになったり通報されたりすることもありますからね。 心配な方は、購入した日本刀を郵送してもらうことをおすすめします。 Q2.日本刀の手入れはどうしたらいい? 日本刀は錆ないよう、古い油を拭き取り、新しい油を塗って手入れします。 目釘抜き、丁子油、拭紙、打粉などの手入れ道具は刀剣店や通販サイトから購入できます。 個人でも手入れはできますが、刀身に錆や傷が付いている場合には、刀剣店や研磨師に手入れを依頼するのがおすすめです。 Q3.日本刀を買い取ってもらうためには? 日本刀を買い取ってもらう際には、刀剣評価鑑定士がいる刀剣店に依頼するのがおすすめです。 個人でネットオークションに出したり、リサイクルショップで買い取ってもらう方法もありますが、前述した通り日本刀の値段は定価がなく、1振りごとに価値が違います。 そのため、日本刀の知識が無い人からすると、適切な値段が付けられず、0円で引き取られるなんてこともあるのです。 売りたいのであれば、日本刀の価値をしっかりと鑑定してもらい、買い取ってもらえる刀剣店に依頼するのが間違いないでしょう。 まとめ 今回は、日本刀の購入方法と注意点、値段の相場などについて解説してきました。 日本刀の相場は10万〜100万円程度で、決して安くはありません。 そのため、事前に予算や希望の日本刀を決めておき、信頼できる刀剣店やECサイトから購入するようにしましょう。 今回紹介した刀剣店やECサイトは実績があり、信頼できるところばかりなので、日本刀の購入を検討している人は一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

  • 日本刀の種類とそれぞれの特徴を解説!構造や名称なども紹介

    日本刀と一口に言っても、種類は豊富です。 この記事を読んでいるあなたは 「日本刀の種類について知りたい」「日本刀の構造ってどうなってるの?」 と、疑問に感じているのではないでしょうか。 結論から言うと、日本刀は主に7種類に分類され、それぞれ形や大きさはかなり違ってくるのです。 そこで今回は、日本刀の種類と構造について詳しく解説していきます。 意外と知られていない日本刀もあるので、興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。 また日本等の歴史や切れ味、作り方などより詳しく知りたい人は、以下の記事で紹介していますのでぜひ参考にして下さい。 →【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介 日本刀の種類は全部で7種類! 日本刀は、主に以下の8種類に分類されます。 直刀 太刀 打刀 脇差 短刀 薙刀 槍 それぞれの用途や特徴について見ていきましょう。 1.直刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 直刀は、古墳時代から奈良時代にかけて制作されました。 特徴はその名の通り、刀身がまっすぐな点で、湾刀と比べると反りがほとんどありません。 「上古刀」とも呼ばれ、日本刀の起源とされています。 武器としてだけでなく、権威の象徴としての意味があったり、献上品としても扱われていました。 2.太刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 太刀は、平安後期から戦国時代頃までに制作された日本刀です。 日本刀と言われた際に、一番イメージしやすい形の日本刀ではないでしょうか。 刀身が反っている湾刀で、「断ち斬る」が語源と言われています。 刃渡りが2尺(約60cm)以上の長刀で、騎馬戦が主流だった時代に作られました。 あえて刀身を反らすことで、馬上で刀が抜きやすいよう設計された刀です。 3.打刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 打刀は、太刀に代わって室町時代中期(15世紀後半)から江戸時代末期(19世紀中頃)まで使用された日本刀です。 一般的に日本刀といえば「打刀」のことを差す場合が多いでしょう。 太刀との違いは刀身がやや短くなっており、騎馬戦による馬上での使用ではなく、主に徒戦での使用を想定した刀とされています。 戦い方が変わると、日本刀の形も変わり、武器としてより洗練された作りに変化していきました。 4.脇差 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 脇差は打刀の一種で、刃渡り1尺(30cm)以上2尺(60cm)未満の日本刀です。 室町時代以降に誕生し、太刀や打刀の補助武器として用いられました。 刀身が打刀より短く、近接戦闘や打刀が折れた際などに使用されます。 打刀と脇差を同時に使うことは二刀流と呼ばれ、宮本武蔵なども大小二本の刀を戦闘に用いていたことは有名ですね。 5.短刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 短刀は打刀の一種で、刃渡り1尺(30cm)未満の日本刀です。 懐にも収められるサイズから、懐刀・腰刀と呼ばれたりもしますね。 脇差と同様に、太刀・打刀の補助武器として使用されました。 小さく扱いやすいので、女性や子供に護身用として持たせることも多かったそうです。 また、武器としてだけでなく、邪気や災厄を払うお守りとして扱われる一面もあります。 6.薙刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 薙刀は、長い柄の先に反りがついた刃を付けた武器のことで、日本刀として分類されます。 平安時代に誕生し、南北朝時代の主要武器として流行しました。 日本刀の柄の長さだけで約5尺(約150cm)あるリーチに優れた特徴があります。 間合いが広く、斬る・刺突・打撃などに優れていたため、長きに渡って使用された日本刀の1つです。 しかし、その長さゆえに味方を傷つけるなど、集団戦闘に不向きな点もありました。 7.槍 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 槍は鎌倉時代に登場し、安土桃山時代に多く使われた日本刀です。 薙刀と同様に長さが特徴で、「穂」と「柄」を合わせると3〜5mほどにもなります。 種類は穂の形や柄の長さで分けられ、時代によってさまざまな槍が作られました。 戦国時代に槍を使った武将として、加藤清正や本多忠勝が有名です。 日本刀の構造 日本刀本体の構造 出典元:https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/151803 日本刀本体は、10個のパーツに分けられます。 刀身:刀の本体にあたる部分 切先(きっさき):刀身の先端部分 刃(は):物を斬る鋭利な部分 刃先(はさき):刃の端の部分 物打(ものうち):切っ先から3寸(約9cm)ほどの部分。主にこの部分で斬る 峰(みね):刃の反対側の背にあたる部分 鎬(しのぎ):刀身の中ほどにある刃と峰の境界 鎺(はばき):鞘に収めた刀身が抜けないように固定する金具 茎(なかご):柄に収まる持ち手側の部分 目釘穴(めくぎあな):柄から抜けないように目釘を通して固定するための穴 刀剣の本体を「刀身」と呼び、鞘に収まる部位と柄(つか)に納まる部位に大別されます。 茎(なかご)には、製作者の「銘」や、刀そのものに名付けられた「号」などが刻まれることもあります。 このように、日本刀はそれぞれの部位で名称が細かく分かれていて、知っておくと鑑賞する際に奥深さが知れるので面白いですよね。 刀装の構造 続いて、刀身を包む外装である刀装の構造を見ていきましょう。 出典元:https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/151803 柄(つか):手で握る部分 柄頭(つかがしら):柄の末端。柄を補強するためにつけられた金具 目釘(めくぎ):刀身を柄に固定するための留め具 鞘(さや):刀身部分を納めて保護するための筒 鯉口(こいくち):鞘の口 鍔(つば):柄を握る手の保護や、刀全体の重心を調整するためにつける金具 鍔(つば)は、手が刀身まで滑って斬ってしまわないための留めとしての役割があります。 製作者の色や持ち主の好みなどで、鍔は華やかで魅力的なデザインとなっており、鍔をコレクションする人もいるほどです。 また、鍔がずれないように、切羽(せっぱ)と呼ばれる板金が重要な役割を果たしています。 出典元:https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/151803 切羽は柄(つか)、鍔(つば)、鎺(はばき)と刀身がしっかりと合致するために必要な部位です。 この部分がちゃんと合致していないと、日本刀を振った際に刀身が柄から抜けて飛び出たりすることがあるため、欠かせないパーツの1つです。 まとめ 今回は日本刀の種類と構造について解説してきました。 短刀や薙刀、槍などのように、一見すると日本刀とは思えない刀剣が、実は日本刀に分類されることは意外でしたね。 ちなみに、日本刀は制作された時代や刀工によって、価値がランク付けされるのも面白いポイントの1つですよ。 この記事を読んで、日本刀への関心をより深めてもらえたら嬉しいです。

  • 日本刀の歴史|成り立ちや年代別での日本刀の役割も紹介

    この記事を読んでいるあなたは 「日本刀ってどうやって作られたの?」「日本刀の歴史について知りたい」 と、思っているのではないでしょうか? 私たち日本人にとって馴染みがありますが、日本刀のルーツや成り立ちについて知らない人は多いはず。 そこで今回は、日本刀の歴史や起源について解説していきます。年代別で日本刀の役割についても紹介していきますよ。 さらに日本刀に関するよくある質問も、FAQで掲載しておきますので、日本刀に少しでも興味がある方はぜひ最後まで読んでください。 日本刀について網羅的に知りたい人は、以下の記事で日本刀の歴史だけでなく特徴や種類も解説していますので、是非参考にしてください。 →【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介 日本刀の起源 まずは、日本刀がどのようにして誕生したのか?そのルーツについて紹介していきます。 武具として扱う目的で作られたもの 日本刀は、古墳時代に中国大陸から鉄の加工技術が伝わり、作られた刀剣が起源とされています。 古墳時代以前にも刀剣は存在していましたが、戦いのための武器ではなく、権力・権威の象徴品として使用されていたのです。 古墳時代の刀剣は、平造(ひらづくり)と切刃造(きりはづくり)と呼ばれる反りのない直刀で、武具としての目的で作られました。 平安時代以前は上古刀が主流だった 古墳時代は直刀の上古刀が主流でしたが、平安時代に入ると片側に刃がある、反りの付いた湾刀が多く生産されるようになります。 戦い様式が騎馬戦に移ったことから、馬上でも抜刀しやすい、刀が求められるようになったのです。 平安時代以降に作られた湾刀は日本独自の刀剣であり、現在でも知られる日本刀が誕生したのです。 時代別で見る日本刀の歴史と役割 古墳時代 出典元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/making.html 古墳時代の日本刀は、反りのない直刀で上古刀と呼ばれ、日本刀の起源とも言えます。 今まで刀剣は権威の象徴品として使用されていましたが、古墳時代からは戦いの武器として生産されるようになりました。 上古刀として、「三種の神器」のひとつである「天叢雲剣」(あめのむらくものつるぎ)別名「草薙剣」や、「七星剣」(しちせいけん)などが有名です。 平安時代 平安時代に入ると、反りの付いた湾刀が主流になります。 騎馬戦が主になり、馬上でも抜刀しやすい刀が生産されるようになったのです。 斬りやすく、より効率的な形へと進化した日本刀が誕生した時代です。 博物館や美術館に展示されている形の日本刀で、太刀と呼ばれています。 鎌倉時代 出典元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/making.html 鎌倉時代は、日本刀が最も栄えた時代です。 武家が政権を握り、後鳥羽上皇が日本刀を作らせるため御番鍛冶制を設けたことで、日本刀はさらに発展します。 上皇が作刀を奨励したことで、山城国の粟田口派、備前国の福岡一文字派、備中国の青江派など、優れた刀工の流派が誕生しました。 当時、日本刀は折れやすいことが弱点とされていましたが、折れにくく丈夫な日本刀の作り方として「相州伝」が開発されました。 鎌倉時代に作られた有名な日本刀として、国宝「太刀銘則宗」や、御物「鬼丸国綱」などがあげられます。 南北朝時代 南北朝時代は、単騎の騎馬戦から徒歩での集団戦が主流となり、敵を薙ぎ払う大太刀や大薙刀などが作られるようになります。 大太刀は長さが1mを超え、腰の帯刀から背に背負う様式へと変化しました。 さらに武士だけでなく、農民なども使用しやすい槍や短刀などの日本刀も多く生産され、全国的に日本刀の需要が増大した時代でもあります。 室町時代 出典元:https://www.touken.or.jp/museum/sword/making.html 室町時代後期には、応仁の乱をきっかけに各地で乱戦が勃発します。 農民なども戦に参加する機会が多くなり、数打物と呼ばれる安価で大量生産が可能な日本刀が流行しました。 数打物の中には粗悪品がたくさんあり、美術的価値はありません。 備前(岡山県)と美濃(岐阜県)が二大生産地とされています。 安土桃山時代 安土桃山時代には織田信長や豊臣秀吉が台頭し、戦国時代に突入します。 長篠の戦いでは火縄銃が使われ、最強騎馬隊として知られていた武田信玄を織田信長が破りましたね。 この時代の主力武器は鉄砲となりますが、日本刀も戦場では必須の武器でした。 豊臣秀吉が国内統一を果たした際に、刀狩令を発令し、武士以外の農民や商人が日本刀を持つことを禁止しました。 そのため、日本刀は武士だけが所持できる物として価値を高めたのです。 江戸時代・幕末 江戸時代になると徳川家康によって幕府が開かれ、大きな合戦は起きない太平の世へと移ります。 この時代は日本刀に武器としての価値は少なく、贈答品や美術品として価値を高めていくのでした。 実践で日本刀は使われなくなりますが、武芸として剣術が流行したこともあり、日本刀の需要が増加することも。 幕末になると、ペリー来航をきっかけに江戸幕府が弱体化し、物騒な世の中になったことで日本刀を注文する人も増えたのです。 明治時代以降 明治時代には江戸が東京に変わり、廃刀令が命じられます。 廃刀令によって武士の特権は無くなっていきました。これに伴い、多くの刀工が失業したのです。 武器として、日本刀の需要はほとんど無くなったものの、鍛刀の技術は保護され明治〜令和現在まで鍛錬技法は受け継がれています。 日本刀に関するFAQ Q.日本刀とは? 日本特有の鍛刀技術で作られた刀剣類のことを指します。 大きさや形によって名称が異なり、直刀、太刀、薙刀、短刀、打刀、脇差、槍などの種類に分類されます。 片刀で刀身が反っていて、薄身で切れ味が抜群に良いことが特徴です。 日本刀は4部構造になっていて、本体である刀身と、外装品である鞘、柄、鍔の4つから形成されています。 Q.日本最古の刀はなに? 出典元:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25985170S8A120C1CR8000/ 奈良市の春日大社が所持している「古伯耆(こほうき)」が最古級の日本刀と言われています。 平安時代後期に作られた日本刀で、最古の刀工「安綱」の作品である可能性が高いです。 Q.日本刀の有名な生産地はどこ? 日本刀は備前(岡山)、大和(奈良)、山城(京都)、相模(神奈川)、美濃(岐阜)の5大産地(五箇伝)が有名です。  中でも岡山県瀬戸内市の長船は、日本刀の聖地とされています。 国宝や文化財に指定されている日本刀の約4割が備前で作られたもので、質量共に全国トップレベルの技術と生産体制であったことが分かりますね。 織田信長、上杉謙信、坂本龍馬などの歴史上の人物は、備前刀を愛用していました。 Q.日本刀の良いところはどこ? 日本刀は「丈夫で折れにくく、切れ味が良い」という特徴があります。 また、鑑賞する上では「刃文や地鉄の美しさ」「反り姿」などの見た目も魅力の1つ。 さらに、作られた当時の時代背景が読み取れたり、愛刀していた武将の人物像もあわせて知れる面白さもあります。 Q.日本刀はどのようにして作られていた? 日本刀の作り方は流派や個人によって異なりますが、主に以下のとおりです。 水へし・小割り積沸し折り返し鍛錬・皮鉄造り心鉄造り・組み合わせ素延べ・火造り焼き入れ仕上げ 玉鋼という素材を加熱し、鍛えることで頑丈で薄身の日本刀が出来上がります。 まとめ 今回は日本刀の歴史や起源について解説してきました。 古墳時代に起源と言える上古刀が武器として誕生し、平安時代以降に多くの日本刀が生産されました。 日本刀は時代背景や生産地域によって形や特色が変わるので、それぞれどのようにして作られたのか?を気にしてみると面白いですね。

  • 【伝統工芸】日本刀の歴史や種類を解説|特徴や愛刀蒐集家も紹介

    伝統工芸品の中でも人気な日本刀。 かつては武器や権力の象徴とされていましたが、現在では美術品・工芸品としてさまざまな美術館や博物館に展示されています。 女性からの人気度も高く、日本刀に興味を持つ若い世代の人が増えているのです。 今回は日本刀の歴史や種類、特徴についてくわしく解説していきます。 また日本刀と関わりの深い歴史上の人物も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 日本刀の定義 日本特有の鍛刀技術で作られた刀剣類のこと 日本刀は、刃が良質な玉鋼で造られていることや繰り返し鍛錬で造られている物を指します。 素材に使われる玉鋼は、たたら製鉄によって生産される鋼で、純度の高い鉄が日本刀の元になっているのです。 鋼を溶かし、塊になるまで叩いた後には、不純物を取り除くことと、炭素量を均一化させるために折り返し鍛錬と呼ばれる作業に移ります。 当時、日本刀は「折り返し鍛錬するから強靱になる」と言われており、何度も折り返して数十回叩くことで強く丈夫な鉄が作られました。 玉鋼から作られることと、折り返し鍛錬の作業があることが、日本特有の鍛刀技術・製造過程と言えるのです。 日本古来の作り方に則って作られたものだけが日本刀と呼べる 日本刀の作り方は流派や個人によって異なりますが、主に以下のとおりです。 水へし・小割り積沸し折り返し鍛錬・皮鉄造り心鉄造り・組み合わせ素延べ・火造り焼き入れ仕上げ 1本ずつ丁寧に作られているため、武器としての機能性が高く、どこか美しさを感じるのでしょう。 同じ刀剣でも、日本で古くから受け継がれてきた作り方に則っている刀だけが日本刀として呼ばれるのです。 日本刀の歴史 いつ、どうして日本刀は作られたのか?と気になりますよね。 ここでは日本刀の歴史について触れていきます。 古墳時代には鉄の加工技術が伝来し刀剣類が作られた 古墳時代に中国から鉄の加工技術が伝わり、日本刀の元と言える上古刀が誕生しました。 上古刀は、反りのない直刀で、「三種の神器」のひとつである「天叢雲剣」(あめのむらくものつるぎ)別名「草薙剣」が有名ですね。 後に、推古天皇や聖徳太子が日本を統一するための戦いが激化したため、武器として上古刀の需要が増え大量に生産されました。 平安時代中期以降に直刀から湾刀に変化 平安時代になり、反りの付いた湾刀に変化し、日本刀と定義される形になりました。 この時代では騎馬戦が主流となっていたため、馬上でも抜刀しやすい、反りの付いた刀が求められるようになったのです。 鎌倉時代中期〜戦国時代には名刀が誕生 鎌倉時代中期〜戦国時代は日本刀の全盛期と言っても過言ではない時代です。 武家が政権を握り、後鳥羽上皇が日本刀を作らせるため御番鍛冶制を設けたことで、日本刀はさらに発展します。 戦国時代には、応仁の乱をきっかけに全国的に争乱が広まり、合戦の規模が拡大したことで、徒歩での集団戦が主流になります。 刀の需要が増え、数打物と呼ばれる日本刀が大量に生産されました。 この時代には上杉謙信の愛刀である備前長船兼光(おさふねかねみつ)、織田信長のへし切長谷部など、数々の名刀が誕生したのです。 江戸時代後期〜現代へ 江戸時代になると、大きな合戦は起きない太平の世になり、日本刀は武器ではなく贈答品として扱われるようになります。 そして幕末以降は銃や火器が戦いの主流となり、日本刀は実戦で用いられることがなくなっていきました。 所持することも法律で取り締まられ、美術品として贈り物や家宝としての価値を見出していきました。 なお、廃刀令以降に作刀された日本刀を「現代刀」と呼びます。 日本刀は、神社のご神体として祀られることもあり、日本人にとって武具以上の意味を持った歴史的な文化的財産と言えるでしょう。 日本刀の歴史についてより詳しく知りたい人は、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてくだしあ。 →日本刀の歴史|成り立ちや年代別での日本刀の役割も紹介 日本刀の種類 日本刀は、形や大きさなどの違いから以下の7つの種類に分類されます。 直刀太刀薙刀短刀打刀脇差槍 それぞれの違いについて見ていきましょう。 1.直刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 直刀は、古墳時代から奈良時代にかけて制作された刀を指します。 反りがなくまっすぐか、わずかに内反りで、平造りや切刃造(きりはづくり)となっています。 湾刀との違いは、制作がしやすく安価で、斬るよりも叩いたり突いたりする使い方になります。 2.太刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 「断ち切る」を語源とする太刀は、刃長約80cm前後の刀剣のことです。 騎馬戦が主流となった平安時代〜鎌倉時代にかけて生産され、反りが強く長大な特徴があります。 腰から下げ、すぐに抜刀しやすい実践的な日本刀で、博物館などで刃先が下向きに展示されていることが多いです。 3.薙刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 薙刀とは、長い柄の先に反りがついた刃を付けた武器のことです。 南北朝時代の主要武器として流行しましたが、その長さゆえに味方を傷つけるなど、集団戦闘に不向きな点もありました。 間合いが広く、斬るだけでなく、刺突や打撃も与えられる武器です。 薙刀の名手である武蔵坊弁慶の愛刀として、「岩融」(いわとおし)が有名ですね。 4.短刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 短刀は長さが30cm以内の刀剣を指します。 力のない女性や子供でも扱え、主に護身用の武器として使われていました。 また、邪気や災厄を払うお守りとして扱われる一面もあります。 5.打刀 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 打刀は太刀に続いて武士の間で広く流行した刀剣です。 太刀より軽く、刀身の反りが浅い特徴があります。 主に徒戦用に作られた刀剣で、「大小2本差」と呼ばれる小型の脇差と合わせて帯刀されることが多かったようです。 有名な打刀として、「長曾祢虎徹」(ながそねこてつ)や「村正」(むらまさ)があげられます。 6.脇差 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 脇差は長さが30cm〜60cmの刀剣で、短刀よりは長い刀剣を指します。 その名の通り、脇に差し、打刀と合わせて帯刀されることの多い日本刀です。 二刀流の剣豪として有名な宮本武蔵、新選組の近藤勇なども脇差を使用していたことで有名ですね。 7.槍 出典元:https://www.touken-world.jp/tips/76859/ 日本刀のイメージと違うかもしれませんが、槍も日本刀として分類されます。 最大の特徴は、長い柄に「穂」と呼ばれる先の尖った刃が付いていること。 長いリーチから斬る、突き刺すことができ、徒歩での集団戦が多かった室町時代に主力武器として流行しました。 日本刀の種類についてより詳しく知りたい人は以下の記事をどうぞ。 →日本刀の種類とそれぞれの特徴を解説!構造や名称なども紹介 日本刀の特徴 片刀で刀身が反っている 日本刀の特徴1つ目は、片刀で刀身が反っていることです。 西洋の剣は両刃で直刀であるのに対して、日本刀は片側にのみ刃があり湾曲しています。 基本的に西洋の剣は重く分厚い構造ですが、薄くて細身の日本刀は切れ味が抜群に良く、斬ることに特化された刀と言えます。 丈夫で切れ味が良い 日本刀の特徴2つ目は、丈夫で切れ味が良いことです。 原材料には砂鉄を製錬した鋼の「玉鋼」が使われており、不純物が少ないことから頑丈な鉄になるのです。 また、刀身が反っていることで切れ味が鋭く、武器として非常に優秀といえますね。 軽量で携帯性が高い 日本刀の特徴3つ目は、軽量で携帯性が高いことです。 70cmの日本刀で、重さは約1kg。 携帯しやすいことから、武士は常に日本刀を腰に差して生活出来ていたんですね。 4部構造になっている 日本刀の特徴4つ目は、4部構造になっていることです。 本体である刀身と、外装品である鞘、柄、鍔の4つから形成されています。 鞘、柄、鍔は「拵」(こしらえ)と呼ばれていて、主に刀身の保護を目的としますが、他にも家柄などを象徴する意味もあります。 鞘、柄、鍔などのデザインも日本刀の魅力の1つです。 刀の長さ・形で呼称が異なる 日本刀の特徴5つ目は、刀の長さで呼称が異なることです。 長さが30cm以内の刀剣は短刀、30cm〜60cmの長さの刀剣は脇差、それ以上は太刀や打刀と呼ばれます。 同じ日本刀でも、それぞれ武器としての使い道が変わります。 刀身に刃文がある 日本刀の特徴6つ目は、刀身に刃文があることです。 刃文は「焼き入れ」によって付けられた焼刃の形状のことで、白い波のような模様が特徴的。 作られた時代、刀匠によって刃文は異なり、日本刀の美しさ・価値を決める上で重要なポイントとなります。 鋼を素材としている 日本刀の特徴7つ目は、鋼を素材としていることです。 かつては銅や青銅を原材料として剣が作られましたが、丈夫さや重さなどが不十分でした。 たたら製鉄によって生産される玉鋼は、不純物の含有量が極めて低く、材質が均一であるため貴重な材料とされています。 日本等の特徴についてより詳しく知りたい人は、以下の記事で詳細に解説していますので、どうぞ。 →日本刀の特徴とは?6つの特徴を詳しく解説!よく斬れるのには理由がある 日本刀に魅了された歴史上人物 最後に、日本等に魅了された歴史上の人物を紹介していきます。 それぞれが愛した日本刀もあわせてどうぞ。 足利義輝 室町幕府の第13代将軍である足利義輝は、「剣豪将軍」と呼ばれた人物です。 わずか11歳で将軍となり、塚原卜伝から指導を受けた直弟子の一人で、奥義「一之太刀」を伝授されたと言われています。 足利義輝の愛刀は「基近造」(もとちかつくる)。 徳川家康 天下を統一し、江戸幕府を開いたことで有名な徳川家康。 あまりイメージは無いかもしれませんが、徳川家康は武芸の達人で、剣豪だったと言われている戦国武将の1人です。 徳川家康の愛刀は重要文化財となっている名物・物吉貞宗で、家康がこの短刀を差して出陣すると、必ず勝利を収めたそうです。 明治天皇 実は、愛刀家として知られるのが明治天皇。 約300振もの刀をコレクションしていたと言われています。 中でも、現在では国宝の「岡田切」、「小竜景光」、「津軽正宗」などの日本刀が有名です。 上杉謙信 戦国時代の最強武将と言われる上杉謙信。 愛刀家でもあり、後に上杉景勝に多くの名刀を引き継いでいます。上杉景勝の名刀リストは「上杉家御手選三十五腰」としても有名です。 上杉謙信の愛刀は国宝の「山鳥毛一文字」、重要文化財の「姫鶴一文字」、重要美術品の「国宗」などがあげられます。 有名な武田信玄との川中島の戦いで使われた日本刀は、「典厩割国宗」(てんきゅうわりくにむね)で、現在では京都の井伊美術館に所蔵されています。 まとめ 今回は日本刀の歴史や種類、特徴について解説してきました。 日本刀は長さや形によって名称が変わったり、機能性や使い方も変化するところも魅力の1つです。 また、刀に関連する歴史や人物についても知っていくと、さらに興味が湧くこと間違いないですよ。 本来武器である日本刀ですが、美しさや魅力の詰まった伝統工芸品なので、この記事を読んで少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

  • 伝統工芸の歴史が3分で分かる記事|伝統工芸の未来も解説!

    世界中から高い評価を得ている日本の伝統工芸品。 中には1000年以上前を起源とし、現在まで技術と技法が継承されてきたものもあります。 そんな伝統工芸品に対して 「伝統工芸品って、どんな歴史があるの?」「いつから作られているんだろう?」 と、疑問に感じる人も多いでしょう。 ここでは伝統工芸品の歴史について、どこよりも分かりやすく解説していきます。 また、伝統工芸品が抱える課題や将来についても紹介していきますので、興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸品の歴史 伝統工芸品の起源は約1万年ほど前、原始時代にまで遡ります。 原始時代の人たちによって、木器や石器、骨角器、土器などが大量に作られました。 紀元前2世紀ころになると、大陸から青銅器、鉄器といった金属器の文化が伝わり、狩りや農作業に使われました。 当時の生活を支える狩りや農作業の道具として作られたものが、伝統工芸品が誕生することに大きく影響しています。 工芸品の技術は外国の技術との融合により生まれた 工芸品は、海外からの技術や文化と融合して生まれたものが多いです。 飛鳥、奈良時代に遣唐使が派遣されたり、朝鮮半島や中国から仏教文化とともにさまざまな技術が日本に渡ってきたりしました。 木工、金工などの技術者が朝鮮半島から渡来し、仏像や寺院の建設が進められたのです。 奈良の東大寺正倉院には正倉院宝物として、シルクロードを通って伝えられたさまざまな工芸品が残されています。 奈良時代〜平安時代に外国から伝わった技術や文化が融合したことによって、日本の工芸品は生まれたのです。 伝統工芸品の多くは生活必需品として作られた そもそも伝統工芸品とは、主に日常生活で使われるものを指します。 使われるほどに使いやすくなったり、見た目も美しくなったりすることが多く、工芸品は「用の美」ともいわれています。 生活を豊かにする道具として、各産地の原材料が利用され、独自の技法・技術によって質の高い道具が作られました。 伝統工芸品の多くは、生活必需品として、生活に根ざしたものの中から生まれたのです。 江戸時代は農民らの副業とさせていた 江戸時代の鎖国制度によって、国内で生活用具・生産用具が自給されるようになり、特に生産技術の進歩に大きな影響を与えました。 地方諸藩は財政を支えるために、農民の副業として特産品の開発を奨励していました。 それぞれの地域で伝統工芸が生産されるようになり、「土地の素材」を使った製品が生まれたのです。 江戸時代に伝統工芸の技術・技法がほとんどが完成し、現在にまで継承されてきました。 明治時代にヨーロッパで伝統工芸品が好評 1873年に、明治政府はウィーン万国博覧会にはじめて参加しました。 新しい日本を世界にアピールする絶好の機会だったため、日本はさまざまな工芸品を展示したのです。 日本が自信を持つ浮世絵、錦などの染織品、漆器、櫛、人形などの工芸品をはじめ、仏像、楽器、刀剣、甲冑、伊万里・瀬戸・薩摩焼などの陶磁器に至る美術用品等、種類は豊富でした。 出品された工芸品の中には、正倉院宝物や御神宝水晶玉、籬菊螺鈿手箱など国宝級のものも多数含まれており、世界中から注目を集め、日本は「美術工芸の国」として高い評価を受けました。 第二次世界大戦が勃発し伝統工芸の需要と生産が減少 1940年代に入ると、第二次世界大戦の影響で軍事産業が優先され、工芸品産業は荒廃します。 そして高度経済成長により、大量生産と大量消費が進みました。今までは道具の質が評価されていましたが、安く効率的に生産されることが重要視されるようになりました。 日本人の生活変化により、工芸品の需要が減ってしまい、生産量も減少していったのです。 伝統工芸品が抱える課題とは? 現在、伝統工芸品が抱えている課題は以下の3つです。 手作り故に大量生産ができない後継者不足関心の薄れ それぞれ詳しく見ていきましょう。 手作り故に大量生産ができない 伝統工芸品の課題1つ目は、大量生産が難しい点です。 伝統工芸品は、機械をほとんど使わず、職人の手によって1つずつ作られます。 そのため、1度に生産できる量は決まっており、需要が合っても供給が追いつかないのが現状なのです。 後継者不足 伝統工芸品の課題2つ目は、後継者不足です。 需要の低下とともに、売上も低下したことが影響し、伝統工芸品を継ぎたい人が増えなかったり、後継者が育たなかったりしたことが現在にまで響いています。 現在の職人が高齢化してきていることもあり、若い世代で伝統工芸品の技術を受け継ぐ人材が望まれています。 関心の薄れ 伝統工芸品の課題3つ目は、関心の薄れです。 かつて日本人の生活を支えていた工芸品ですが、戦後の高度経済成長で大量生産と大量消費が進み需要が低下しました。 より安い製品が求められるようになり、価格面で劣る工芸品が生活の一部から遠ざかってしまったのです。 伝統工芸品の多くは、希少な原材料を使っていたり、製造工程が複雑なためコストがかかったりしますからね。 しかし、最近では伝統工芸品の良さが見直され、求める声も増えています。 伝統工芸品の未来とは? 最後に、日本の古き良き文化である伝統工芸品の未来について紹介しておきます。 最近になって伝統工芸品に興味・関心が出てきた人は要チェックですよ。 伝統工芸と現代技術がコラボ! 伝統工芸品と現代技術のコラボにより、全く新しい製品がどんどん生まれています。 例えば、漆器に使われる津軽塗の技術をスマホカバーに生かした製品や、南部鉄器の技術を利用した炊飯ジャーなど、魅力的な製品がたくさんあります。 また、ジャパンブルーとして有名な藍染とコラボしたスニーカーなども非常に人気。 このように、今まで触れる機会が少なかった伝統工芸品が、形を変えて身近な製品に生まれ変っているのです。 現代技術と融合することで、現代風の工芸品と呼べる製品が増えれば、幅広い世代から注目され、伝統工芸品が抱える課題の解消に繋がることが期待されています。 伝統工芸の魅力を海外へ発信! もともと海外からの評価が高い伝統工芸品ですが、まだまだ認知されていないことも事実です。 近年、伝統工芸品の魅力を海外の人たちにも知ってもらうために、WebサイトやSNSでの発信が活発になっています。 今ではGoogleやSNSで簡単に検索でき、写真付きで製品の詳細を知ることができます。 また、海外での展示会なども積極的に行われており、改めて日本の伝統工芸品の魅力・良さが世界に浸透してきていると言えます。 伝統工芸品の保護 伝統工芸品を衰退させないため、保護や支援する動きも出てきています。 まず、伝統工芸品自体に興味を持ってもらうことや、需要を増やすことが重要です。 WebサイトやSNSでの発信、鑑賞会やイベントの開催などによって、存在を知ってもらえる仕組みが作られています。 また、場所を選ばず購入できるよう、ECサイトの制作会社が協力したり、マーケティング会社によって販路が増やされたりもしていますよ。 伝統工芸品の興味・関心が増えることは売上増加とともに、後継者不足の解消にも繋がります。 このように、他業種との協力によって伝統工芸品は、新たな歴史の道を歩み始めているのです。 まとめ 今回は伝統工芸品の歴史について解説してきました。 100年以上の歴史を持つ伝統工芸品はたくさんあり、それぞれの歴史を知ることで、その地域の歴史や文化も知ることができます。 この記事を読んで、あなたが伝統工芸品に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

  • 伝統工芸品の人気ランキングを紹介!47都道府県別に紹介

    伝統工芸品は日常生活でも使われ、贈答品としても人気です。 全国各地でさまざまな伝統工芸品があり、日本だけではなく世界中からも注目を集めています。 そんな伝統工芸品の人気ランキングが知りたいという人も多いでしょう。 ここでは47都道府県別で伝統工芸品の人気ランキングを紹介していきます。 意外と知らない魅力的な伝統工芸品がたくさんあるので、ぜひ最後まで見て参考にして下さい。 都道府県エリア別の伝統工芸品数ランキング 1位:東京都(18品目)村山大島紬、東京染小紋、本場黄八丈、江戸木目込人形、東京銀器、東京手描友禅、多摩織、江戸和竿、江戸指物、江戸からかみ、江戸切子、江戸節句人形、江戸木版画、江戸硝子、江戸べっ甲、東京アンチモニー工芸品、東京無地染、江戸押絵2位:京都府(17品目)西陣織、京鹿の子絞、京仏壇、京仏具、京漆器、京友禅、京小紋、京指物、京繍、京くみひも、京焼・清水焼、京扇子、京うちわ、京黒紋付染、京石工芸品、京人形、京表具3位:新潟県(16品目)塩沢紬、小千谷縮、小千谷紬、村上木彫堆朱、本塩沢、加茂桐箪笥、新潟・白根仏壇、長岡仏壇、三条仏壇、燕鎚起銅器、十日町絣、十日町明石ちぢみ、越後与板打刃物、新潟漆器、羽越しな布、越後三条打刃物3位:沖縄県(16品目)久米島紬、宮古上布、読谷山花織、読谷山ミンサー、壺屋焼、琉球絣、首里織、琉球びんがた、琉球漆器、与那国織、喜如嘉きじょかの芭蕉布、八重山ミンサー、八重山上布、知花花織、南風原花織、三線5位:愛知県(15品目)有松・鳴海絞、常滑焼、名古屋仏壇、三河仏壇、豊橋筆、赤津焼、岡崎石工品、名古屋桐箪笥、名古屋友禅、名古屋黒紋付染、尾張七宝、瀬戸染付焼、尾張仏具、三州鬼瓦工芸品、名古屋節句飾6位:石川県(10品目)加賀友禅、九谷焼、輪島塗、山中漆器、金沢仏壇、七尾仏壇、金沢漆器、牛首紬、加賀繍、金沢箔7位:大阪府(8品目)大阪欄間、大阪唐木指物、堺打刃物、大阪仏壇、大阪浪華錫器、大阪泉州桐箪笥、大阪金剛簾、浪華本染め8位:福井県(7品目)越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥8位:長野県(7品目)信州紬、木曽漆器、飯山仏壇、松本家具、内山紙、南木曽ろくろ細工、信州打刃物8位:福岡県(7品目)小石原焼、博多人形、博多織、久留米絣、八女福島仏壇、上野焼、八女提灯11位:埼玉県(6品目)江戸木目込人形、春日部桐箪笥、岩槻人形、秩父銘仙、行田足袋、江戸押絵11位:富山県(6品目)高岡銅器、井波彫刻、高岡漆器、越中和紙、越中福岡の菅笠、庄川挽物木地11位:岐阜県(6品目)飛騨春慶、一位一刀彫、美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯、岐阜和傘11位:兵庫県(6品目)播州そろばん、丹波立杭焼、出石焼、播州毛鉤、豊岡杞柳細工、播州三木打刃物15位:山形県(5品目)山形鋳物、置賜紬、山形仏壇、天童将棋駒、羽越しな布15位:福島県(5品目)会津塗、大堀相馬焼、会津本郷焼、奥会津編み組細工、奥会津昭和からむし織15位:三重県(5品目)伊賀くみひも、四日市萬古焼、鈴鹿墨、伊賀焼、伊勢形紙15位:広島県(5品目)熊野筆、広島仏壇、宮島細工、福山琴、川尻筆19位:秋田県(4品目)樺細工、川連漆器、大館曲げわっぱ、秋田杉桶樽19位:岩手県(4品目)南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗19位:宮城県(4品目)宮城伝統こけし、雄勝硯、鳴子漆器、仙台箪笥19位:島根県(4品目)出雲石燈ろう、雲州そろばん、石州和紙、石見焼19位:熊本県(4品目)小代焼、天草陶磁器、肥後象嵌、山鹿灯籠24位:茨城県(3品目)結城紬、笠間焼、真壁石燈籠24位:神奈川県(3品目)鎌倉彫、箱根寄木細工、小田原漆器24位:山梨県(3品目)甲州水晶貴石細工、甲州印伝、甲州手彫印章24位:静岡県(3品目)駿河竹千筋細工、駿河雛具、駿河雛人形24位:奈良県(3品目)高山茶筌、奈良筆、奈良墨24位:滋賀県(3品目)彦根仏壇、信楽焼、近江上布24位:和歌山県(3品目)紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿24位:鳥取県(3品目)因州和紙、弓浜絣、出雲石燈ろう24位:山口県(3品目)赤間硯、大内塗、萩焼24位:徳島県(3品目)阿波和紙、阿波正藍しじら織、大谷焼24位:長崎県(3品目)三川内焼、波佐見焼、長崎べっ甲24位:鹿児島県(3品目)本場大島紬、川辺仏壇、薩摩焼36位:北海道(2品目)二風谷イタ、二風谷アットゥㇱ36位:千葉県(2品目)房州うちわ、千葉工匠具36位:栃木県(2品目)結城紬、益子焼36位:群馬県(2品目)伊勢崎絣、桐生織36位:岡山県(2品目)勝山竹細工、備前焼36位:香川県(2品目)香川漆器、丸亀うちわ36位:愛媛県(2品目)砥部焼、大洲和紙36位:高知県(2品目)土佐和紙、土佐打刃物36位:佐賀県(2品目)伊万里焼・有田焼、唐津焼36位:宮崎県(2品目)本場大島紬、都城大弓46位:青森県(1品目)津軽塗46位:大分県(1品目)別府竹細工 令和4年現在、伝統工芸品数のランキング1位は東京都で18品目となっています。江戸切子や東京染小紋など有名な伝統工芸品が多数あります。 2位は京都府の17品目で高級着物として知られる西陣織や京焼・清水焼が有名ですね。 古い歴史を持つ伝統工芸品は、平安京から千年の都として栄えた京都府や江戸時代から日本の中心地となった東京都に多い傾向があります。 人や物流が多いほど文化は発展しやすく、さまざまな伝統工芸品が生まれたことが要因の1つです。 北海道・東北エリアの伝統工芸品人気ランキング 北海道 人気順位工芸品名月間検索数1位二風谷イタ9702位二風谷アットゥㇱ50 北海道の伝統工芸品は二風谷イタと二風谷アットゥㇱの2品目です。 二風谷イタはカツラやクルミの木などで作られる木のお盆で、アイヌ文様が可愛らしいデザインで人気ですね。 アイヌ文化が現在まで継承されてきた証とも言える伝統工芸品です。 青森県 人気順位工芸品名月間検索数1位津軽塗5400 青森県の伝統工芸品は津軽塗の2品目ですが、全国的に見ても人気度の高い伝統工芸品の1つです。 津軽塗の特徴は、堅牢で実用性に富んでいることで、漆を幾重にも塗り重ねることで高い耐久性のある商品になります。 また非常に美しい見た目で漆器として家庭での食卓や料亭などで使用されることが多いですね。 岩手県 人気順位工芸品名月間検索数1位南部鉄器445002位岩谷堂箪笥23003位浄法寺塗岩谷堂箪笥14004位秀衡塗1100 岩手県の伝統工芸品は4品目で、中でも南部鉄器は非常に人気の伝統工芸品です。 重厚感がありながらも、和テイストでスタイリッシュな見た目の南部鉄器は、幅広い世代の人から支持を得ています。 検索数もトップクラスなので、全国の人から注目されているのがわかりますね。 宮城県 人気順位工芸品名月間検索数1位仙台箪笥27002位雄勝硯23003位宮城伝統こけし10004位鳴子漆器460 宮城県の工芸品数は4品目で、仙台箪笥が検索数ではトップです。 仙台箪笥は欅、栗、杉等が原材料で牡丹や龍などの派手で美しい見た目が特徴的なタンスです。 近年、若い女性層を中心に宮城伝統こけしも注目されており、友人や家族で工房への見学・体験なども人気となっています。 秋田県 人気順位工芸品名月間検索数1位大館曲げわっぱ36002位川連漆器28003位樺細工28004位秋田杉桶樽550 秋田県の伝統工芸品は4品目で、大館曲げわっぱが検索数で1位となりました。 素材の良さを感じられる伝統工芸品が多く、秋田杉で作られる大館曲げわっぱや山桜の樹皮を使用した樺細工などが人気です。 山形県 人気順位工芸品名月間検索数1位天童将棋駒30002位置賜紬6803位山形鋳物6504位羽越しな布3605位山形仏壇250 山形県の伝統工芸品は5品目で、天童将棋駒が検索数で1位となりました。 天童将棋駒は、駒木地に漆で直接文字を書く草書体の書き駒で、生産地の天童市は「将棋駒のまち天童」として有名ですよね。 天童市内はいたる所に将棋駒のモニュメントが見られ、観光地としても人気の市です。 福島県 人気順位工芸品名月間検索数1位会津塗44002位会津本郷焼29003位大堀相馬焼21004位奥会津編み組細工2305位奥会津昭和からむし織60 福島県の伝統工芸品は5品目で、会津塗が検索数で1位になりました。 松竹梅と破魔矢を組み合わせた模様が魅力的で、会津塗は人気の漆器の1つです。 また会津本郷焼や大堀相馬焼などの陶磁器類も福島県を代表する伝統工芸品として有名で、戦国時代を起源とする焼物のため、見た目は渋くカッコいいと男女問わず注目されています。 関東エリアの伝統工芸品人気ランキング 茨城県 人気順位工芸品名月間検索数1位笠間焼148002位結城紬71003位真壁石燈籠170 茨城県の伝統工芸品は3品目で、笠間焼が検索数で1位になりました。 笠間焼は丈夫で壊れにくく、見た目も現代風なデザインが多いため人気の工芸品です。 またユネスコ無形文化遺産に指定されている結城紬は、製造工程が非常に繊細で、ほとんどが人の手によって作られることでも有名ですね。 栃木県 人気順位工芸品名月間検索数1位益子焼371002位結城紬7100 栃木県の伝統工芸品は2品目で、益子焼が検索数で1位になりました。 益子焼は江戸時代末期が起源とされていて、産地の陶土の影響で、厚手の手触りの良い感触が特徴的な焼き物です。 益子焼の器は和食から洋・中まで、どのジャンルの料理にでも合ってしまう雰囲気があるので、使い勝手が良く贈答品としても人気の工芸品と言えます。 群馬県 人気順位工芸品名月間検索数1位桐生織15002位伊勢崎絣450 群馬県の伝統工芸品は2品目で、桐生織が検索数で1位になりました。 桐生織の産地である桐生市は、気候や地形に恵まれていることから養蚕が盛んだったため、質の高い織物が生産されたそうです。 柔らかな感触と光沢が特徴で、高級な着物や服飾品として多くの人に愛されている工芸品です。 埼玉県 人気順位工芸品名月間検索数1位岩槻人形27002位秩父銘仙11003位行田足袋8604位江戸木目込人形7405位春日部桐箪笥3206位江戸押絵60 埼玉県の伝統工芸品は6品目で、岩槻人形が検索数で1位になりました。 岩槻人形をはじめ、織物や箪笥、足袋などさまざまな工芸品があります。 行田足袋は唯一無二の伝統的工芸品で、江戸時代に特産品として有名になり、行田市は国内有数の足袋の産地となりました。 千葉県 人気順位工芸品名月間検索数1位房州うちわ30002位千葉工匠具120 千葉県の伝統工芸品は2品目で、房州うちわが検索数で1位になりました。 房州うちわは京都の「京うちわ」、四国の「丸亀うちわ」とともに、日本三大うちわのひとつとして知られ、美しい半円で格子模様の窓が特徴です。 千葉工匠具は、千葉県の鍛冶職人が伝統的な技法で製作する刃物・手道具類のこと。主な製品として、鎌、鍬、包丁、洋鋏があり、全国の職人や一般の利用者にも愛されています。 東京都 人気順位工芸品名月間検索数1位江戸切子470002位東京染小紋31003位江戸硝子15004位江戸指物8705位東京銀器7506位江戸木目込人形7407位村山大島紬7308位江戸和竿4809位江戸からかみ45010位江戸べっ甲43011位多摩織37012位東京手描友禅32013位本場黄八丈27014位江戸木版画22015位東京無地染21016位東京アンチモニー工芸品16017位江戸節句人形9018位江戸押絵60 東京都の伝統工芸品は18品目で、江戸切子が検索数で1位になりました。 日本で最多数の伝統工芸品数を誇る東京都は、江戸時代から急速に文化や技術が発達し、さまざまな工芸品が生まれました。 中でも江戸切子はガラス工芸品として、華やかで美しいカットのデザインから酒器やグラスとして非常に人気が高い工芸品です。 東京都で人気順位2位の東京染小紋は、模様が細かく繊細で男女問わず人気の染色品。 他にも、羽子板や釣り竿など娯楽の用途で使われる工芸品などがあるのも、東京都の特徴です。 神奈川県 人気順位工芸品名月間検索数1位箱根寄木細工109002位鎌倉彫91003位小田原漆器1100 神奈川県の伝統工芸品は3品目で、箱根寄木細工が検索数で1位になりました。 天然木から作られる箱根寄木細工は、色彩と木目を生かしながら、職人の腕により精緻な幾何学模様が特徴の工芸品です。 箱根寄木細工、鎌倉彫、小田原漆器のどれも見た目が非常に美しく、思わず目を奪われてしまうほどですよ。 お土産品としても人気なので、神奈川に旅行・観光のさいにはぜひ注目してみてください。 中部エリアの伝統工芸品人気ランキング 新潟県 人気順位工芸品名月間検索数1位小千谷縮56002位塩沢紬11003位新潟漆器7304位加茂桐箪笥5605位小千谷紬4906位村上木彫堆朱4806位越後三条打刃物4808位本塩沢3909位燕鎚起銅器36010位羽越しな布36011位十日町明石ちぢみ23012位十日町絣21013位長岡仏壇18013位越後与板打刃物18015位新潟・白根仏壇16016位三条仏壇90 新潟県の伝統工芸品は16品目で、小千谷縮が検索数で1位になりました。 雪国の新潟県には、自然環境に応じた工芸品がたくさんあります。冬には積雪のため家屋での作業が必然となり、そこから織物文化などが発展したぞうです。 国の重要無形文化財に指定されている小千谷縮は、上質な麻で作られており、優れた通気性と吸湿性を持っている夏物着尺地として人気の工芸品です。 富山県 人気順位工芸品名月間検索数1位高岡銅器44002位井波彫刻27003位高岡漆器8604位越中和紙2905位庄川挽物木地1306位越中福岡の菅笠60 富山県の伝統工芸品は3品目で、高岡銅器が検索数で1位になりました。 高岡銅器は高岡市周辺で生産されており、力強さと繊細さ、しなやかさを併せ持つ鋳物として富山の代表的な工芸品です。 室内置物や仏具、花器などの小物から、仏像、銅像など銅器はさまざまな製品があります。 石川県 人気順位工芸品名月間検索数1位九谷焼606002位輪島塗200003位加賀友禅102004位山中漆器24004位牛首紬24006位金沢箔16007位金沢漆器5408位金沢仏壇2909位加賀繍17010位七尾仏壇120 石川県の伝統工芸品は10品目で、九谷焼が検索数で1位になりました。 世界的に高い評価を受けている九谷焼は、五彩で描かれた色絵が特徴で、日本の焼き物の中でもトップクラスの人気を誇っています。 他にも輪島塗、加賀友禅、山中漆器、金沢箔など有名な工芸品が多く、普段使い用に購入する人や贈答品として検索する人がたくさんいます。 福井県 人気順位工芸品名月間検索数1位越前和紙38002位越前焼30003位越前漆器20004位越前打刃物12005位若狭塗10006位若狭めのう細工9907位越前箪笥360 福井県の伝統工芸品は7品目で、越前和紙が検索数で1位になりました。 越前和紙は1500年の歴史を持っており、明治元年に出された日本最初のお札に採用されたほど品質が高いのです。 折り紙やしおり、ブックカバーとして気軽に購入できる点も人気の理由でしょう。 また一流料理人が愛用する越前打刃物、模様が個性的な若狭塗箸なども人気が高い工芸品です。 山梨県 人気順位工芸品名月間検索数1位甲州印伝42002位甲州水晶貴石細工11003位甲州手彫印章100 山梨県の伝統工芸品は3品目で、甲州印伝が検索数で1位になりました。 鹿革に漆で模様を付けた甲州印伝は、鞄やベルト、財布などのさまざまな製品があり、仕事で成功したいビジネスマンの憧れですね。 甲州手彫印章には、実印、銀行印などの日常生活でよく使う多種多様な印章があります。人生の節目の年や記念日に購入を検討してみてはいかがでしょうか。 長野県 人気順位工芸品名月間検索数1位木曽漆器25002位松本家具15003位信州紬5104位信州打刃物4505位内山紙3806位飯山仏壇3207位南木曽ろくろ細工300 長野県の伝統工芸品は7品目で、木曽漆器が検索数で1位になりました。 木曽漆器は天然漆が使われていて、丈夫で温もりのある艶が特徴です。高級ホテルや旅館で使われたり、土産品として人気の工芸品です。 松本家具は国産のミズメザクラ、栃、楢、欅などの無垢材を組み立てた後に漆を塗って作られています。家具にこだわりを持つ愛好家から絶大の人気です。 岐阜県 人気順位工芸品名月間検索数1位美濃焼328002位美濃和紙48003位岐阜提灯24004位飛騨春慶15005位一位一刀彫15006位岐阜和傘1300 岐阜県の伝統工芸品は6品目で、美濃焼が検索数で1位になりました。 美濃焼の歴史は1300年以上と言われていて、原料となる粘土や窯を焚くための燃料が豊富なことから質の高い焼き物が生産されているのです。 また日本最古の紙であると言われている美濃和紙は奈良時代からの歴史があり、薄くて丈夫な特徴がありますよ。 静岡県 人気順位工芸品名月間検索数1位駿河竹千筋細工19002位駿河雛人形3403位駿河雛具110 静岡県の伝統工芸品は3品目で、駿河竹千筋細工が検索数で1位になりました。 駿河竹千筋細工は丸ひごを使って、職人が一本一本ひごを組み、千筋にする特徴があります。 花器や籠などの製品があります。駿河竹千筋細工を作る体験教室も実施されているので、子どもから大人までおすすめですよ。 愛知県 人気順位工芸品名月間検索数1位常滑焼118002位豊橋筆15003位赤津焼8404位尾張七宝7905位名古屋友禅6606位名古屋仏壇5007位瀬戸染付焼4008位三河仏壇3909位有松・鳴海絞32010位三州鬼瓦工芸品28011位岡崎石工品24012位名古屋桐箪笥23013位名古屋黒紋付染22014位尾張仏具13015位名古屋節句飾20 愛知県の伝統工芸品は15品目で、常滑焼が検索数で1位になりました。 日本六古窯の1つである常滑焼は、赤茶色の見た目が特徴で、急須や和食器などの製品があります。 意外と知られてませんが、東京駅の赤レンガにも常滑焼が使われているので、知らぬ間にあなたも伝統工芸品を目にしているかもしれません。 他にも陶磁器、文具、染織品、木工品、石工品、仏壇などさまざまな種類の工芸品が愛知県では生産されています。 近畿エリアの伝統工芸品人気ランキング 三重県 人気順位工芸品名月間検索数1位伊賀焼45002位伊賀くみひも24003位鈴鹿墨10004位四日市萬古焼8105位伊勢形紙190 三重県の伝統工芸品は5品目で、伊賀焼が検索数で1位になりました。 伊賀焼は色や形などが個性的で、口当たりや手触りが良く、使うほど馴染む特徴があります。料理を引き立ててくれる魅力がある陶器です。 検索数2位の伊賀くみひもは、手組紐の全国シェア率が90%にも及びます。映画「君の名は。」で組紐が注目を集めていましたね。 滋賀県 人気順位工芸品名月間検索数1位信楽焼505002位近江上布12003位彦根仏壇460 滋賀県の伝統工芸品は3品目で、信楽焼が検索数で1位になりました。 伝統工芸品の中でも人気の高い信楽焼が滋賀県では有名ですね。 信楽焼は日本六古窯の1つで、琵琶湖から採れる土を使った焼き物です。土の素朴な雰囲気が可愛らしく、茶碗や小鉢、マグカップなどの製品が人気ですね。 京都府 人気順位工芸品名月間検索数1位西陣織197002位京焼・清水焼86003位京友禅50004位京扇子39005位京うちわ20006位京人形15007位京くみひも8708位京漆器6809位京表具47010位京仏壇35011位京小紋34012位京指物31013位京仏具21013位京繍21015位京黒紋付染15016位京石工芸品14017位京鹿の子絞80 京都府の伝統工芸品は17品目で、西陣織が検索数で1位になりました。 平安時代から都として栄えた京都では、東京に次ぐ数の伝統工芸品が生産されています。 西陣織も歴史は平安時代から続いており、着物としてファンが多い伝統工芸品です。12種類に分かれていて、錦織や綴織をはじめとする様々な技法で織り出される文様は、他に類を見ない精妙さを誇っています。 京焼・清水焼などの焼き物や京友禅などの染色品も人気が高く、古き良き日本を表す代表的な伝統工芸品が現在もたくさん生産されているのです。 大阪府 人気順位工芸品名月間検索数1位堺打刃物14002位大阪浪華錫器4803位大阪欄間4304位大阪仏壇3805位大阪金剛簾1906位大阪唐木指物1807位浪華本染め1708位大阪泉州桐箪笥140 大阪府の伝統工芸品は8品目で、堺打刃物が検索数で1位になりました。 堺打刃物はプロの料理人が使うほどの品質で、なんと言っても切れ味の良さが抜群です。職人が鍛造と研ぎの技法で丁寧に仕上げます。 大阪府は堺打刃物、大阪浪華錫器の金工品に加え、大阪欄間、大阪金剛簾、大阪唐木指物、大阪泉州桐箪笥などの木工品が多く生産されています。 兵庫県 人気順位工芸品名月間検索数1位播州そろばん21002位丹波立杭焼20002位出石焼20004位播州毛鉤2905位豊岡杞柳細工1506位播州三木打刃物0 兵庫県の伝統工芸品は6品目で、播州そろばんが検索数で1位になりました。 播州そろばんは100を超える工程で作られ、使いやすさ、珠はじきの良さに加え、磨き上げられた美しさを備えている工芸品です。 丹波立杭焼は日本六古窯のひとつで、およそ850年の歴史が受け継がれてきました。灰釉や鉄釉などによる素朴で独特な色、模様が特徴的です。 奈良県 人気順位工芸品名月間検索数1位奈良筆15002位奈良墨6303位高山茶筌550 奈良県の伝統工芸品は3品目で、奈良筆が検索数で1位になりました。 奈良筆は馬や羊、リスなど数十種類の動物の毛を原材料として作られており、仕入れから仕上げまでの全工程を1人の職人が行います。 奈良墨とともに、奈良筆は現在でも高級筆として芸術家や書家に愛されているのです。 和歌山県 人気順位工芸品名月間検索数1位紀州漆器9902位紀州へら竿3703位紀州箪笥170 和歌山県の伝統工芸品は3品目で、紀州漆器が検索数で1位になりました。 古くから木の国と謳われる和歌山県は、原材料が豊富でモノづくりに適した地域です。 紀州箪笥の素材は桐の木で、軽くて柔らかく、湿気の多い時期には水分を吸い、乾燥時には水分を出す性質があります。 湿度を一定に保つことができるため、日本の気候において衣装や財産の保管に重宝されています。 中国・四国エリアの伝統工芸品人気ランキング 鳥取県 人気順位工芸品名月間検索数1位因州和紙9602位弓浜絣6803位出雲石燈ろう60 鳥取県の伝統工芸品は3品目で、因州和紙が検索数で1位になりました。 因州和紙の歴史は古く、その起源は特定されていませんが、おおよそ1300年も前から鳥取県で作られていたとされています。 きめが細かく、筆運びが滑らかな特徴があり、書道紙の全国シェア約50%を因州和紙が占めているのです。 島根県 人気順位工芸品名月間検索数1位雲州そろばん11002位石見焼9803位石州和紙7004位出雲石燈ろう60 島根県の伝統工芸品は4品目で、雲州そろばんが検索数で1位になりました。 雲州そろばんは、命とも言える珠、そして軸となる芯竹の仕上げに細心の注意を払って作られます。そのため指で弾きやすく、高品質として評価されています。 また、水かめや漬物用の壷などとして有名な石見焼、強靭で破れにくい特徴の石州和紙なども人気の伝統工芸品です。 岡山県 人気順位工芸品名月間検索数1位備前焼263002位勝山竹細工230 岡山県の伝統工芸品は2品目で、備前焼が検索数で1位になりました。 備前焼は日本六古窯のひとつで、釉薬を一切使わず、絵付けもしないため素朴でシンプルな見た目が特徴的な焼き物です。 備前焼のビールグラスは、とてもきめ細かな泡がたつことで非常に人気があるので、お酒好きの人に送ると喜ばれること間違いなしですよ。 広島県 人気順位工芸品名月間検索数1位熊野筆191002位福山琴4803位宮島細工4204位広島仏壇2805位川尻筆210 広島県の伝統工芸品は5品目で、熊野筆が検索数で1位になりました。 熊野筆は書筆、画筆、化粧筆などの用途で使われる工芸品で、天然毛ならではの心地よい肌触りから女性にとても人気です。 プロのメイクアップアーティストにも愛用されており、日本だけでなく海外からも注目を集めています。 山口県 人気順位工芸品名月間検索数1位萩焼164002位赤間硯13003位大内塗840 山口県の伝統工芸品は3品目で、萩焼が検索数で1位になりました。 豊かな風土に恵まれている山口県で作られる萩焼は、原材料の土が粗く、浸透性・保水性・保温性に優れています。 使い込むと器の色合いが変化していくことから、「萩の七化け」と呼ばれ湯呑や茶碗などの商品がとても人気です。 徳島県 人気順位工芸品名月間検索数1位大谷焼39002位阿波和紙6703位阿波正藍しじら織180 徳島県の伝統工芸品は3品目で、大谷焼が検索数で1位になりました。 江戸時代、徳島の城下町は全国でも有数の大都市でした。そんな徳島県では大谷焼が有名で、ザラリとした手ざわりと、金属的な光沢が特徴的です。 香川県 人気順位工芸品名月間検索数1位丸亀うちわ27002位香川漆器1000 香川県の伝統工芸品は2品目で、丸亀うちわが検索数で1位になりました。 丸亀うちわは、全国のうちわ生産量の約90%を占めていて、「涼」を楽しむ伝統的工芸品として現在でも愛されています。 愛媛県 人気順位工芸品名月間検索数1位砥部焼194002位大洲和紙390 愛媛県の伝統工芸品は2品目で、砥部焼が検索数で1位になりました。 砥部焼は、白磁に藍色で絵付けされた焼き物で、厚みのある器で和洋中のどの料理にも合います。 色は藍色だけ使われることが多く、可愛らしいデザインも人気の理由ですよ。 高知県 人気順位工芸品名月間検索数1位土佐和紙23002位土佐打刃物110 高知県の伝統工芸品は3品目で、土佐和紙が検索数で1位になりました。 良質な石灰や原料が豊富にとれたこと、製紙業に必要な清らかな水に恵まれていたことが、土佐和紙が発展した理由と言われています。 土佐和紙は、0.03〜0.05mmと手すき和紙では日本一の薄さと、破れにくい丈夫が最大の特徴で、現在では領収書やカレンダー、ご祝儀袋などの用途で使われています。 九州・沖縄エリアの伝統工芸品人気ランキング 福岡県 人気順位工芸品名月間検索数1位小石原焼217002位久留米絣111003位博多人形90004位博多織43005位上野焼24006位八女提灯9007位八女福島仏壇210 福岡県の伝統工芸品は7品目で、小石原焼が検索数で1位になりました。 九州・アジアの玄関口として古くから発展してきた福岡県では、焼き物や織物、人形などさまざまな工芸品が生み出されました。 小石原焼は、独特な模様と上品な風合いが特徴で、一目で小石原焼だと分かる雰囲気があります。「用の美の極地」と称えられた小石原焼は、全国的に見ても人気の焼き物と言えます。 佐賀県 人気順位工芸品名月間検索数1位伊万里焼・有田焼494002位唐津焼7400 佐賀県の伝統工芸品は2品目で、伊万里焼・有田焼が検索数で1位になりました。 400年以上の歴史を誇る焼き物が特に有名ですね。 伊万里焼・有田焼は薄いのに耐久性は高く、キメ細やかでなめらかな手触りと美しい配色が特徴です。 また唐津焼は、茶の湯の世界では古くから「一楽二萩三唐津」と言われ、茶人たちから愛される茶陶として有名で、伊万里焼・有田焼と並んで人気の焼き物です。 長崎県 人気順位工芸品名月間検索数1位波佐見焼546002位三川内焼29003位長崎べっ甲690 長崎県の伝統工芸品は3品目で、波佐見焼が検索数で1位になりました。 白磁の美しさと、藍色で絵付けされた可愛らしいデザインが特徴の波佐見焼。 生産地の距離が近いため、昔は有田焼として売られていましたが、現在では別の伝統工芸品として定められています。 熊本県 人気順位工芸品名月間検索数1位小代焼30002位肥後象嵌28003位山鹿灯籠19004位天草陶磁器1000 熊本県の伝統工芸品は4品目で、小代焼が検索数で1位になりました。 日本の金工品として有名な肥後象嵌は、当時鉄砲の銃身や刀の鍔に施す装飾として作られていました。 現在では、ネクタイピンや万年筆の装飾などの商品があります。漆黒の地鉄に金や銀で表現される模様は、高級感と上品な雰囲気がありとても人気です。 大分県 人気順位工芸品名月間検索数1位小代焼3000 大分県の伝統工芸品は1品目で、小代焼となっています。 小代焼は、釉薬を二重掛けする技法で作られており、「雪の降ったような美しい白」と絶賛されました。 また、工程で釉薬の掛け方や濃度によって、焼きあがったときに自由奔放な模様が現れることから、同じ模様の器は出来上がらないオンリーワンの焼き物として人気です。 宮崎県 人気順位工芸品名月間検索数1位都城大弓10002位本場大島紬610 宮崎県の伝統工芸品は2品目で、都城大弓が検索数で1位になりました。 真竹と櫨を原材料として作られている都城大弓は、2メートルにもおよぶ長さが特徴です。放った矢が蛇行せず、直線的に真っ直ぐ飛ぶため、当時武器として重宝されました。 鹿児島県 人気順位工芸品名月間検索数1位薩摩焼46002位川辺仏壇7703位本場大島紬610 鹿児島県の伝統工芸品は3品目で、薩摩焼が検索数で1位になりました。 薩摩焼は主に白薩摩と黒薩摩に分けられます。黒薩摩は庶民の器として浸透し、鉄分の多い陶土を使用するため、黒褐色に仕上がります。 一方、白薩摩は原料が貴重だったことや繊細な見た目から薩摩藩の御用品とされ、身分の高い人たちに愛されてきました。 現在では食器や湯呑、インテリア・家具として壺などが販売されています。 沖縄県 人気順位工芸品名月間検索数1位三線166002位琉球漆器18003位宮古上布13003位琉球絣13005位壺屋焼11006位久米島紬10007位読谷山花織8008位琉球びんがた7609位首里織73010位八重山ミンサー53011位八重山上布52012位知花花織39013位喜如嘉の芭蕉布29014位南風原花織22015位与那国織13016位読谷山ミンサー100 沖縄県の伝統工芸品は16品目で、三線が検索数で1位になりました。 かつて琉球王国が栄え、隣国であった中国や朝鮮の文化に強い影響を受けてきたことが、伝統工芸品からも読み取れます。 当時、織物の生産が盛んであったことから、16品目中13品目が織物です。 誰でも一度は見たことがある有名な三線も、沖縄の楽器として伝統工芸品として認定されています。 まとめ 今回は都道府県別の伝統工芸品ランキングを紹介してきました。 意外と知られていないだけで、私たちの生活には伝統工芸品がたくさん使われています。今回の記事を読んで、身近に感じた人も少なくないでしょう。 有名な工芸品でも今では簡単に購入することができるので、興味のある人は検討してみてはいかがでしょうか。

  • 伝統工芸品は全部で15種類!指定されている品目を都道府県別で紹介

    全国各地にはさまざまな伝統工芸品があります。 地元で有名なものもあれば、名前だけは聞いたことがあるという伝統工芸品もあるでしょう。 この記事を読んでいるあなたは 「伝統工芸品ってどのくらい種類があるの?」 と疑問に感じているのではないでしょうか。 結論から言うと、伝統工芸品は主に15種類あり、日本の各地で生産されています。 ここでは伝統工芸品の種類を都道府県別で紹介していきます。 伝統工芸品の種類は15種類! 冒頭でもお伝えしましたが、伝統工芸品の種類は主に15種類です。 織物染色品その他繊維製品陶磁器漆器木工品・竹工品金工品仏壇・仏具和紙文具石工品貴石細工人形・こけしその他の工芸品工芸材料・工芸用具 伝統工芸とは、長年受け継がれてきた技術や技法で作られた作品で、各都道府県や自治体によって認められたものを指します。 令和4年現在だと、伝統工芸品は全国で1200種類ほどあるとされており、各地の名産品となっていることが多いです。 伝統工芸品の特徴として、日常生活で使用されていることや製造過程のほとんどが手作業であること、長年に渡って技術や技法が受け継がれてきたことなどがあげられます。 実は、伝統工芸品とは別で伝統的工芸品も存在します。この2つはどちらも日本が誇る文化ですが、明確な違いがあるので次で分かりやすく解説していきますね。 現在指定されている伝統的工芸品は237品目ある 先ほど紹介した伝統工芸品に明確な定義はありませんが、「伝統的工芸品」は法律に基づいた要件をクリアすることで認定されます。 伝統的工芸品として認められるための要件は以下の5つです。 技術や技法により製造されていること原材料がおよそ100年以上継承されていること日常生活で使用されていること主要部分が手作業で作られていること一定の地域で産業が成り立っていること これらの要件を満たしていることで、経済産業大臣によって伝統的工芸品として認められるのです。 日本で現在指定されている伝統的工芸品は237品目で、世界中から注目を集めている日本の文化と言えるでしょう。 都道府県別伝統工芸品一覧 北海道・東北地方の伝統工芸品 北海道(2品目)二風谷イタ、二風谷アットゥㇱ青森県(1品目)津軽塗秋田県(4品目)樺細工、川連漆器、大館曲げわっぱ、秋田杉桶樽岩手県(4品目)南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗山形県(5品目)山形鋳物、置賜紬、山形仏壇、天童将棋駒、羽越しな布宮城県(4品目)宮城伝統こけし、雄勝硯、鳴子漆器、仙台箪笥福島県(5品目)会津塗、大堀相馬焼、会津本郷焼、奥会津編み組細工、奥会津昭和からむし織 北海道・東北地方の伝統工芸品は、寒冷な地域での生活に役立つ工芸品や豊富な森林資源を活かした工芸品が多い特徴があります。 北海道の二風谷イタはアイヌ民族の文化を継承してきた工芸品で、カツラやクルミなどの木を原材料として作られています。 うずまき模様やウロコ模様などの美しい見た目が魅力の1つです。 また、岩手県の南部鉄器は、和テイストのおしゃれなデザインと幅広い用途で調理に活用できる工芸品としても非常に人気です。 関東地方の伝統工芸品 東京都(18品目)村山大島紬、東京染小紋、本場黄八丈、江戸木目込人形、東京銀器、東京手描友禅、多摩織、江戸和竿、江戸指物、江戸からかみ、江戸切子、江戸節句人形、江戸木版画、江戸硝子、江戸べっ甲、東京アンチモニー工芸品、東京無地染、江戸押絵埼玉県(6品目)江戸木目込人形、春日部桐箪笥、岩槻人形、秩父銘仙、行田足袋、江戸押絵神奈川県(4品目)鎌倉彫、箱根寄木細工、小田原漆器、江戸押絵千葉県(2品目)房州うちわ、千葉工匠具茨城県(3品目)結城紬、笠間焼、真壁石燈籠栃木県(2品目)結城紬、益子焼群馬県(2品目)伊勢崎絣、桐生織 関東地方には37品目の伝統的工芸品があります。 江戸時代に日本の中心となり、多くの職人や文化の発展となったため、東京には多くの伝統的工芸品が現存します。 日光東照宮や鬼怒川温泉など、自然と歴史の観光地が多い栃木県では、蚕の真綿を原材料とした結城紬が有名です。 真綿を1本ずつ丁寧につむいだ系から作られる着物は丈夫で軽く、ユネスコの無形文化遺産としても登録されていています。 中部地方の伝統工芸品 新潟県(16品目)塩沢紬、小千谷縮、小千谷紬、村上木彫堆朱、本塩沢、加茂桐箪笥、新潟・白根仏壇、長岡仏壇、三条仏壇、燕鎚起銅器、十日町絣、十日町明石ちぢみ、越後与板打刃物、新潟漆器、羽越しな布、越後三条打刃物石川県(10品目)加賀友禅、九谷焼、輪島塗、山中漆器、金沢仏壇、七尾仏壇、金沢漆器、牛首紬、加賀繍、金沢箔富山県(6品目)高岡銅器、井波彫刻、高岡漆器、越中和紙、越中福岡の菅笠、庄川挽物木地福井県(7品目)越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥長野県(7品目)信州紬、木曽漆器、飯山仏壇、松本家具、内山紙、南木曽ろくろ細工、信州打刃物岐阜県(6品目)飛騨春慶、一位一刀彫、美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯、岐阜和傘山梨県(3品目)甲州水晶貴石細工、甲州印伝、甲州手彫印章静岡県(3品目)駿河竹千筋細工、駿河雛具、駿河雛人形愛知県(15品目)有松・鳴海絞、常滑焼、名古屋仏壇、三河仏壇、豊橋筆、赤津焼、岡崎石工品、名古屋桐箪笥、名古屋友禅、名古屋黒紋付染、尾張七宝、瀬戸染付焼、尾張仏具、三州鬼瓦工芸品、名古屋節句飾 中部地方には伝統工芸品の産地が多く、漆器や焼き物、木工品など貴重な資源を使った工芸品がたくさんあります。 新潟県は京都府、東京都に次いで全国3位の品目の多さで、今でも日常生活で工芸品が使われているため、伝統的な文化が根付いている地域です。 石川県には連続テレビ小説「まれ」で一躍有名になった輪島塗や金沢箔、九谷焼など一度は耳にしたことのある工芸品が多くあります。 近畿地方の伝統工芸品 京都府(17品目)西陣織、京鹿の子絞、京仏壇、京仏具、京漆器、京友禅、京小紋、京指物、京繍、京くみひも、京焼・清水焼、京扇子、京うちわ、京黒紋付染、京石工芸品、京人形、京表具大阪府(8品目)大阪欄間、大阪唐木指物、堺打刃物、大阪仏壇、大阪浪華錫器、大阪泉州桐箪笥、大阪金剛簾、浪華本染め兵庫県(6品目)播州そろばん、丹波立杭焼、出石焼、播州毛鉤、豊岡杞柳細工、播州三木打刃物奈良県(3品目)高山茶筌、奈良筆、奈良墨三重県(5品目)伊賀くみひも、四日市萬古焼、鈴鹿墨、伊賀焼、伊勢形紙滋賀県(3品目)彦根仏壇、信楽焼、近江上布和歌山県(3品目)紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿 近畿地方には、伝統文化が詰まった京都府や奈良県など日本を象徴する伝統工芸品があります。 伝統工芸品について詳しく知らない人でも、近畿地方の工芸品は知っているという場合が多いですよね。 京都府の西陣織は古墳時代から歴史を継承していて、高級織物として重宝されています。 他にも、滋賀県の信楽焼や三重県の四日市萬古焼などの焼き物類も非常に人気の工芸品です。 中国地方の伝統工芸品 鳥取県(3品目)因州和紙、弓浜絣、出雲石燈ろう島根県(4品目)出雲石燈ろう、雲州そろばん、石州和紙、石見焼岡山県(2品目)勝山竹細工、備前焼広島県(5品目)熊野筆、広島仏壇、宮島細工、福山琴、川尻筆山口県(3品目)赤間硯、大内塗、萩焼 中国地方の伝統工芸品は、生活で使われる機械の多い伝統工芸品が多くあります。 意外に感じる人もいるかもしれませんが、伝統工芸品の中には食器や着物などの他にも雲州そろばんのようなものもあるのです。 雲州そろばんは「コクタン」、「ツゲ」などを素材にした珠や枠作り、竹を用いた軸作りなど、職人によって1つずつこだわって作られていて堅牢で使い易く人気の工芸品の1つです。 四国地方の伝統工芸品 香川県(2品目)香川漆器、丸亀うちわ愛媛県(2品目)砥部焼、大洲和紙高知県(2品目)土佐和紙、土佐打刃物徳島県(3品目)阿波和紙、阿波正藍しじら織、大谷焼 資源が豊富な四国地方では、実用性に長けてデザイン性にも優れた伝統工芸品が多い特徴があります。 徳島県の大谷焼はざらざらとした素朴な土感と、わずかに光る光沢が魅力で使えば使うほど味が出てくるため、長く愛用される工芸品として人気です。 また高知県の土佐打刃物は金工品として全国的に有名で、切れ味が良く丈夫なためナイフや包丁が料亭で使われたり、農林用刃物として注文されるほど愛されていますね。 九州地方の伝統工芸品 福岡県(7品目)小石原焼、博多人形、博多織、久留米絣、八女福島仏壇、上野焼、八女提灯長崎県(3品目)三川内焼、波佐見焼、長崎べっ甲佐賀県(2品目)伊万里焼・有田焼、唐津焼大分県(1品目)別府竹細工宮崎県(2品目)本場大島紬、都城大弓熊本県(4品目)小代焼、天草陶磁器、肥後象嵌、山鹿灯籠鹿児島県(3品目)本場大島紬、川辺仏壇、薩摩焼沖縄県(16品目)久米島紬、宮古上布、読谷山花織、読谷山ミンサー、壺屋焼、琉球絣、首里織、琉球びんがた、琉球漆器、与那国織、喜如嘉の芭蕉布、八重山ミンサー、八重山上布、知花花織、南風原花織、三線 九州地方には、焼き物や織物やガラス食器など、様々なジャンルの工芸品があります。 中国大陸や朝鮮半島から近いため、昔から貿易が盛んだった九州地方には海外と日本の文化が混ざり独自に発展した文化を色濃く反映させた工芸品が多いのが特徴です。 磁器として有名なのが、佐賀県の伊万里焼・有田焼ですね。耐久性に優れていて壊れにくく、色鮮やかな絵付けが美しいため普段使いから贈答品としても人気です。 沖縄県には「やちむん」と呼ばれる沖縄の伝統的な陶磁器があり、ぽってりとした厚みと重厚感、かわいらしいデザインが特徴で沖縄料理屋などの食器で多用されています。 伝統的工芸品を見分けるためにはマークを探そう! ここまで都道府県別で伝統的工芸品を紹介してきましたが、いざ目の前にすると「これって伝統的工芸品なの?」と迷ってしまうこともあるでしょう。 伝統的工芸品かどうかを見分ける際には、商品に伝統マークが付いてるか確認すると簡単に見分けられます。 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/ 伝統マークとは、経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 ちなみに、伝統マークは金色と銀色の2種類あり、金色の伝統マークは100年以上の歴史がある伝統的工芸品に貼られています。 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 一方で、銀色の伝統マークは「現代の伝統工芸品」が対象とされていて、伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品の証です。 もしあなたが、伝統工芸品を購入しようか迷った際には、伝統マークが貼られていることを確認しておくことをおすすめします。 まとめ 今回は伝統工芸品の種類について解説してきました。 都道府県別で伝統工芸品を見てみると、各地の気候や文化を読み取ることができて楽しいですよね。 日本が世界に誇る文化の伝統工芸品を守っていくためにも、この記事を読んだあなたが少しでも伝統工芸品について興味を持つきっかけになれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介

    日本の古き良き文化として知られている伝統工芸品。 あまり関心がない人でも、伝統工芸品と聞けばなんとなくイメージはできるのではないでしょうか。 しかし、いざ伝統工芸とは何か?と尋ねられると答えに詰まってしまう人は意外と多いのです。 ここでは伝統工芸とはどういったものなのかを分かりやすく解説していきます。 認定されるための基準や有名な伝統工芸についても紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸品とは? そもそも伝統工芸とは、簡単に説明すると“長年受け継がれてきた日用品”を指します。 芸術品やアート作品のようなイメージを持っている人もいますが、もっと身近で私たちの生活を支えてきた製品がほとんどです。 例えば、食事に使うお椀やうちわなどの伝統工芸品もあるのです。 100年以上の歴史を持つ伝統工芸品が多く、長いものだと1000年以上前の素材・技術が現代にまで受け継がれています。 今まで意識していなかっただけで、あなたも伝統工芸品に関わっているかもしれませんね。 作る目的は日常の暮らしを豊かにするため 伝統工芸品を作る目的は、日常の暮らしを豊かにするためです。 生活必需品として、冬の寒さに耐えられるように身にまとうものとして「織物」が作られたり、漆などを塗る道具として「刷毛」を作ったりしていました。 伝統的工芸品の数は全国に236品目! 伝統工芸の技術などを生かした製品は伝統工芸品と一般的に呼ばれますが、中でも経済産業大臣に指定されたものを伝統的工芸品と呼びます。 伝統的工芸品は厳しい条件をクリアしなければ認定されず、100年以上の歴史を築いている文化の1つです。 現在、全国に236品目の伝統的工芸品があります。 各都道府県にあるので、お住まいの地域や地元で探してみてください。 伝統的工芸品は法律によって定められている 先ほど紹介した伝統的工芸品は、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき、経済産業大臣から指定されています。 指定要件は以下の5つです。 主として日常生活で使われるものであること 製造過程の多くが手作りであること 伝統的な技術や技法により製造されていること 伝統的に使用されてきた原材料を使っていること 地域産業として成立していること 1.主として日常生活で使われるものであること 伝統的工芸品は私たちの日常生活で使われているものでないと認められません。 毎日の食事に使うお椀や箸、お祭りや祝い事での着物、風鈴やうちわなどのように古くから生活を支えてきたことが要件の1つに入ります。 工芸品は「用の美」と言われていて、日常生活で使われることが前提となっているのです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 2.製造過程の多くが手作りであること 工芸品が作られる過程の大部分は、機械を使わず手作りされています。”手作り”ということも、伝統的工芸品として認められる要件に含まれます。 古くから継承されてきた伝統的な技術・技法を用いて、職人が1つ1つ丁寧に手作りすることが重要とされているからです。 そのため、伝統的工芸品は全く同じ製品は存在せず、全てがオンリーワンの製品だと言えますね。 ただ、すべてが手作りでなければいけない訳ではなく、工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 3.伝統的な技術や技法により製造されていること 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を指します。 つまり、現在まで技術や技法が100年間以上受け継がれ、製造されていることが伝統的工芸品として認定される要件に入るのです。 4.伝統的に使用されてきた原材料を使っていること 伝統的工芸品の原材料は、木、土、漆、金など日本の天然資源が多く使用されています。 この原材料が100年間以上、不変であることも要件の1つです。 ただし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値が高く入手困難になっていたりする場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で、同種の原材料に転換することが認められます。 また、工芸品の原材料が人と自然にやさしい材料であることも重要視されています。 5.地域産業として成立していること 伝統的工芸品は、地域産業として成立していなければいけません。 また、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいることも必須条件です。 製造者がたった1人だとしたら、これから先も受け継いでいくのは困難になります。 そのため、技術や技法が長年受け継がれていくためには、ある程度の人や企業が関わる必要があるのです。 日本の代表的な文化とも言える伝統的工芸品の技術や技法を途絶えさせる訳にはいきませんからね。 上記5条件をクリアすると伝統マークが与えられる 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 上記の5条件をクリアすると伝統工芸品として指定され、伝統マークが付与されます。 伝統マークは、経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国から伝統的工芸品として認められた証です。 日本に数多くある工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統マークが製品に貼られることで、消費者は一目で伝統的工芸品と認識できるようになります。 https://quon.jp/816 伝統工芸品の歴史と簡単年表付き 奈良時代  仏教文化が栄え、唐などの大陸の影響で生活用品の材料・技術が向上し多様性に富んだものが作られるようになる。東大寺の正倉院には、様々な文物・工芸品が、宝物として現在まで大量に残されている。平安時代寺院建築や造仏の技術の影響を受けて、金工、木工、漆工の分野で技術が著しく進歩した。工芸品も直線的な形から、ふくらみを持った柔らかな形となり日本的な美意識を持つものが数多く作られた。鎌倉時代武士や農民層の生活文化が著しく発展し、鍛冶、焼物、鋳物、木工などの分野の職人が地位を高める。室町時代中国文化と日本の技術が交わり発展する。明や朝鮮半島との貿易で銅、金、硫黄などの原材料や、扇、漆器、刀剣などの工芸品が輸出され、生糸、絹織物、綿糸、綿布や銅銭などが輸入され始める。安土・桃山時代スペインやポルトガルの貿易船が来航し、新しい技術や材料を得て発展した。陶磁器の絵模様などはヨーロッパ文化の影響を受けるものも。江戸時代各地の藩が工芸品を産業としてすすめ、現在まで伝わる伝統的工芸品の技術や技法のほとんどが完成した。伝統工芸品の簡単年表 奈良・平安・室町時代 奈良・平安・室町時代には外国から伝わってきた優れた技術と日本の文化が混ざり合って、多種多様な工芸品がたくさん生まれました。 飲食具、遊戯具、文房具、仏具、服飾具など、当時の工芸品は東大寺に正倉院宝物として多く残されています。 江戸時代には、鎖国により日本は外国との交流をやめ、日本の文化を育てていく中で、各地方(藩)が競って工芸に力を入れていました。 現代の伝統的工芸品は江戸時代から大きく変わっていないものもあります。 1873年のウィーン万国博覧会で伝統工芸品が好評! 明治政府がはじめて正式に参加した万博は、明治6年(1873年)のウィーン万博です。 ウィーン万国博覧会で日本は浮世絵、錦などの染織品、漆器、櫛、人形、陶磁器や漆器、七宝などの工芸品を出品しました。 新しい日本を全世界にアピールしなければならないという使命で望んだ日本の工芸品は、ヨーロッパで高い評価を受けました。 そして、日本は「美術工芸の国」として世界中から注目されるようになったのです。 第二次世界大戦以降は需要が低迷し生産額も減少傾向 第二次世界大戦が勃発すると、軍需産業が優先され始めます。その影響で工芸品産業は荒廃していきました。 戦後は高度経済成長にともない、大量生産や大量消費が進み、日本人の生活様式が大きく変化します。 価格、量産性の面における競争で近代工業製品に圧倒されたため、伝統工芸品の需要が低迷し生産額も減少傾向になりました。 戦後の経済成長により、効率的に安価で大量の製品生産が可能になったことも、伝統的工芸品が衰退していくことに繋がっていくのです。 伝統工芸品の歴史については、下記記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね! https://quon.jp/988 伝統工芸品のよさは大きく4つ 1.日本の文化に触れられること 伝統工芸品は、主に日常生活で使われている物がほとんどです。 そのため、伝統工芸品が生まれた地域の文化を知ることに繋がります。 また、使われている原料は、地域特有の資源であることも多いため、伝統工芸品を通してその地域の地形や特徴について知れるのです。 2.手作りによる個性を楽しめる 伝統工芸品は製造過程のほとんどが職人による手作りです。 機械をほとんど使わないので、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 模様や形が微妙に異なる点は、オリジナリティがあり、世界に1つだけの製品ともいえます。 職人の手作りだからこそ出る「個性」を楽しめるのも伝統工芸品の良さですね。 3.使い込むことで味が出る楽しみ 日常生活で使うものは、消耗品が多く、使えば使うほど劣化していき、見た目や機能性が衰えていきます。 一方、伝統工芸品は使い込むことで魅力的になったり、使いやすくなったりするのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても修理することで新しい魅力が生まれる 食器類などは落として割れてしまうことがありますよね。割れてしまったら捨てるのが一般的ですが、伝統工芸品の中には修復可能なものもあるのです。 「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術を使い、割れたり欠けてしまったりした器を修復できます。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を銀を振る技術。 修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで、全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 伝統工芸品のよさは以下の記事でも紹介しているので、さらに深く知りたい方は、読んでみてください! https://quon.jp/813 有名な伝統工芸品5種類 ここでは有名な日本の伝統工芸品を5種類紹介していきます。 1.宮城伝統こけし(宮城県) 出典元:https://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/item/miyagi_01.htm 宮城伝統こけしは、昭和56年に指定された宮城県の伝統的工芸品です。 江戸時代中期以後に、東北地方の温泉土産として生まれたものと伝えられています。 宮城県内には、「鳴子こけし」「作並こけし」「遠刈田こけし」「弥治郎こけし」「肘折こけし」の5つの伝統こけしがあり、系統作者により形・描彩にちがう特徴があります。 簡略化された造形の美しさに加え、清楚にして可憐な姿は、山村の自然に囲まれた素朴な工人の心を通じて表現した美しさがあります。産地の独特の形・模様を通じて、今日に受け継がれています。 2.南部鉄器(岩手県) 南部鉄器は昭和50年に指定された岩手県の伝統的工芸品です。 丈夫で割れにくく長持ちする上に、使い込むほどに奥深い味わいが楽しめる特徴があります。 鉄瓶や急須が有名ですが、フライパンや鍋も料理が美味しく出来ると大人気。 最近では、現代風のおしゃれで上品なデザインの製品もあるので、幅広い世代から注目を集めています。 3.有田焼(佐賀県) 有田焼は、昭和52年に指定された佐賀県の伝統的工芸品です。 江戸時代から作られており、軽く硬質で耐久性に優れているという特徴があります。 また絵柄が美しいことでも有名で、かつてヨーロッパの貴族から絶賛されたといわれています。 食器類や壺など、さまざまな種類の製品があり、美しい見た目から食卓を彩る工芸品の1つです。 4.西陣織(京都府) 出典元:https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/nishijinori/ 西陣織は、昭和51年に指定された京都府の伝統的工芸品です。 西陣織は、紗(しゃ)や羅(ら)といった透かし生地や二重構造の風通といった、多彩な織り方が発達している特徴があります。 そして、一般的な染色法である後染めよりも丈夫で、シワになりにくい点も魅力の一つです。 伝統的な着物だけでなく、洋風着物やインテリアなど時代にマッチした製品も製造されています。 5.輪島塗(石川県) 出典元:https://furunavi.jp/product_detail.aspx?pid=81682 輪島塗は、昭和50年に指定された石川県の伝統的工芸品です。 日本を代表する漆器で、輪島特産の地の粉(珪藻土の一種)を下地に塗り、塗り上げるまでに20工程以上、総手数では75〜124回にも及ぶ、丁寧な手作業で作られています。 頑丈で壊れにくく、非常に美しい見た目が特徴で、世界的にも注目されている工芸品といえます。 ここまで紹介してきた伝統工芸品以外にも有名な製品はいくつもあります。以下記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください! https://quon.jp/951 伝統工芸品の人気ランキング 最後に、伝統工芸品の人気ランキングTOP5を紹介しておきますね。 気になる方は、ぜひチェックしてみてください。 1位.金沢箔(石川県) 出典元:https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/kanazawahaku/ 金沢箔は、石川県の伝統的工芸品です。 職人の卓越した技術により、10円玉ほどの小さな金合金を1万分の1ミリメートルの厚さにまで均等に延ばすことで、金沢箔は作られています。 金閣寺や日光東照宮などの建造物に用いられており、織物や九谷焼、漆工芸といったさまざまな工芸品にも使われています。 現在ではファッション、インテリア用品などにも用いられています。 2位.益子焼(栃木県) 益子焼は、栃木県の伝統的工芸品のひとつです。 陶土(とうど)を用いて作られるため、ずっしりとした土の質感を肌で感じとることができ、手に馴染みやすい特徴があります。 食器類の製品が多く、和の雰囲気が素敵なため、人気の伝統的工芸品です。 3位.西陣織(京都府) 出典元:https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/nishijinori/ 多色の糸を使用した美しい模様が魅力的な西陣織は、京都府の伝統的工芸品です。 西陣織の着物に憧れる女性は、多いのではないでしょうか。 織機を使って丁寧に製造されるので、製造には時間を要します。そのため希少性は高く、高級感のある美しい織物が出来上がるのです。 4位.伊万里・有田焼(佐賀県) 伊万里焼、有田焼は、佐賀県の伝統的工芸品。 手にすると薄くて軽いため、壊れやすいイメージを持つ人もいますが、伊万里焼、有田焼は耐久性に優れている点も特徴です。 また美しく色鮮やかな絵柄は目を引き、いつもの食事をより華やかにしてくれること間違いなしです。 旅館や料亭などの食器として使われていることが多いですね。 5位.宮城伝統こけし(宮城県) 出典元:https://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/item/miyagi_01.htm 宮城伝統こけしは、宮城県の伝統的工芸品です。 宮城伝統こけしは、近年ちょっとしたブームになっているのをご存知でしょうか。 鳴子(なるこ)、作並(さくなみ)、遠刈田(とおがった)、弥治郎(やじろう)、肘折(ひじおり)の主に5つの系統に分かれていて、それぞれ違った特徴があります。 例えば、遠刈田伝統こけしは頭部が比較的大きく、切れ長の目に鼻筋のとおった大人っぽい女性の表情の描彩が印象的なこけしになります。 系統ごとに表情やデザインが違うので、好みのこけしを探してみるのも楽しいですね。 今回は5位までの紹介でしたが、以下記事では都道府県別で人気ランキングを出しているので、ぜひ読んでみてください! https://quon.jp/953 まとめ 今回は伝統工芸とは?について解説してきました。 伝統工芸品として認定されるためには、国が定めた要件をクリアしていなければいけません。 日本の全国各地には、多種多様な伝統工芸品が存在しますので、お住まいの地域や出身地などで調べてみることをおすすめします。 この記事を読んで、少しでも伝統工芸品について興味が湧くきっかけになれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸のマークは一体どんなもの?意味や伝統証紙との違いも解説

    織物や陶磁器、漆器など日本を象徴する伝統的工芸品は、現在日本には237品目あります。 そんな伝統的工芸品には、品質を保証するための目印として「伝統マーク」が付けられているのです。 伝統マークを見たことがある人の中には 「伝統マークはどういう基準で付けられているの?」「伝統マークがなぜつけられているのか知りたい」 このような疑問を持っている人も多いはず。 ここでは伝統マークの意味や認定されるための条件について分かりやすく解説していきます。 また、 伝統マークと伝統証紙の違いや伝統的工芸品の定義などについても紹介していきますので、伝統的工芸品に興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。 伝統マークとは? 出典元:https://kyokai.kougeihin.jp/stamp/ 伝統マークの見た目は、日の丸がマークの中に入っており、日本をイメージしやすいデザインが特徴的です。 伝統的工芸品として認められれば、伝統マークのデザインが入った伝統証紙が貼られます。 国から認められた伝統的工芸品のみに与えられる信頼の証と言えるでしょう。 経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークのこと 伝統マークは経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークで、国が伝統的工芸品として認めなければ与えられません。 日本には工芸品が数多く存在しますが、その中でも国が定めた厳しい基準をクリアした工芸品が伝統的工芸品として登録されています。 日本の工芸品のうち、伝統マークが貼られる対象は伝統的工芸品のみです。 伝統的工芸品として認定されるための条件 伝統的工芸品として認定されるための条件は主に5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの 上記の要件全てを満たしていることが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律で定められています。 主として日常生活で使われるもの 現在でも私たちの日常生活で使われるものでなければ、伝統的工芸品として認められません。 例えば、福島の奥会津編み組細工はバックやカバンとして使われていますし、東京の江戸切子はグラスとして多くの人に使われています。 他にも扇子や着物、包丁などさまざまな伝統的工芸品がありますが、日常生活でしっかり使われていることが条件の1つです。 また、冠婚葬祭などの行事で年に数回のみ使用される場合も「日常生活」に含まれます。 製造過程のほとんどが手作り 製品が職人の手で製造されていることも伝統的工芸品の条件です。 ただ、厳密にいえば工芸品の持ち味が損なわれなければ、補助的工程に機械を導入することは許可されます。 しかし、製品の品質、形態、デザインを手作りで継承することが重要とされているので、メインとなる主要部分はやはり職人による手作りとなります。 現在では機械が発達していますが、人の手によって製造される製品には特有の味があり、製作者の技術を楽しめるのも伝統的工芸品の良さですね。 100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている そもそも伝統的とは、何を指すのでしょうか? 工芸品における伝統的とは、100年間以上の継続を意味します。 魅力的な美しい見た目や高い機能性の工芸品であったとしても、製造技術や技法が確立されてから100年以上継続されていないと、伝統的工芸品に指定されることはありません。 そのため、伝統的工芸品として認められている製品は少なくとも100年以上前から存在していたということになります。 長年紡がれてきた技術や技法により、伝統的工芸品は機能性に長けていたり、美しさや丈夫さに秀でているのです。 伝統的に使われる原材料 工芸品に使われる原材料も、伝統的工芸品として認定されるための条件に関わっています。 原材料は木、土、漆、金など日本の天然資源が使用されていることが多く、100年間以上製品に使われる原材料が同じであることが条件となっているのです。 しかし、現在では資源が枯渇していたり、希少価値の高さから入手が困難な場合もあります。 上記のようにやむを得ない事情がある場合には、工芸品の持ち味を変えない範囲で同種の原材料に転換することが認められます。 一定の地域で産地を形成しているもの 伝統的工芸品は、一定の地域で10企業以上または30人以上の製造者がいて、地域産業として成立している必要があります。 もし、1人だけしか製造方法を知らなかったら、技術や技法を次世代に残せませんよね。 そのため、ある程度の規模で製造に関わっている人が条件になっているのです。 また、いくら素晴らしい技術だとしても日常生活で利用される製品でなければ、工芸品とは呼べないので、地域産業として私たちの生活を豊かにしてくれることも条件になっています。 伝統マークと伝統証紙の違い 伝統マークは、冒頭に伝えている通り経済産業大臣指定伝統的工芸品のシンボルマークです。 一方、伝統証紙は伝統的工芸品の表示のために、伝産協会が発行する伝統マークを使用した証紙のことを指します。 つまり、伝統マークはシンボルであり、伝統証紙は伝統的工芸品を一目で分かりやすくするために貼るものと考えてください。 伝統証紙が貼られていることで、消費者が伝統的工芸品を安心して購入できるのです。 また、伝統証紙は職人にとって、「伝統を誇る手作りの証」でもあります。 伝統証紙には2種類ある 伝統証紙は金と銀の2種類あります。 前提として、どちらも伝統的工芸品を保証する証紙ではありますが、細かい違いがあるのでそれぞれ解説していきます。 金色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 金色の伝統証紙は、100年以上の歴史があり、先程紹介した5つの条件を満たした伝統的工芸品に貼られます。 経済産業大臣が指定した技術・技法・原材料で制作され、産地検査に合格した製品が対象となっています。 銀色の伝統証紙 出典元:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/densan_hojokin/hojyokin_portal.html 銀色の伝統証紙は、「現代の伝統工芸品」が対象とされています。 伝統的工芸品の技術・技法を残しつつ、新しい技術や素材を取り入れて作られた工芸品のことを指します。 伝統的工芸品産業振興協会と産地組合の間で条件を決め、クリアしたものだけに銀色の伝統証紙が貼られます。 銀色の伝統証紙は、金色の伝統証紙の後に作られました。日本のライフスタイルの変化に合わせて、「現代の匠の逸品」として新しい伝統的工芸品が誕生したのです。 伝統工芸品と伝統的工芸品の違い 伝統工芸品と伝統的工芸品には違いがあるのをご存知でしょうか。 今回紹介した伝統マークが貼られているのは伝統的工芸品ですが、耳なじみがあるのは伝統工芸品という人も少なくないでしょう。 そこで最後に、伝統工芸品と伝統的工芸品の定義をそれぞれ紹介しておきますね。 伝統工芸品の定義 実は、伝統工芸品には明確な定義がなく、長年受け継がれてきた工芸品の事を指します。 現在の日本では、約1300種類もの伝統工芸品が全国各地に存在するのです。 伝統工芸品は伝統的工芸品と同じように、「日常生活で使われるもの」を指し、着物や漆器、ガラス細工、人形、和紙など種類はさまざまです。 伝統的工芸品の定義 伝統的工芸品の定義は明確で、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)で定められている条件を満たしており、経済産業大臣に認定されていることです。 伝統的工芸品として認定されるための条件は下記の5つ。 主として日常生活で使われるもの製造過程のほとんどが手作り100年間以上継続された伝統的技術や技法により作られている伝統的に使われる原材料一定の地域で産地を形成しているもの さらに、伝統的工芸品として認定された製品には伝統証紙が貼られるので、消費者が明確に判断しやすくなっています。 つまり、伝統工芸品と伝統的工芸品の違いを判断したいときには、製品に伝統証紙が貼られているかを見ればいいですね。 まとめ 今回は伝統マークの意味や伝統証紙との違いについて解説してきました。 おさらいすると、伝統マークは経済産業大臣に認定された伝統的工芸品を表すシンボルマークです。 国が定めた厳しい条件をクリアした伝統的工芸品に与えられる証なのです。 この記事を読んで、伝統的工芸品への興味・関心が少しでも高まってくれたら嬉しいです。

  • 伝統工芸って何がいいの?良さ5つと良さがわかる製品5選

    日本の文化として、世界中から高い注目を集めている伝統工芸品。 職人による独自の技法や技術で作られていることが多く、古くから日本で愛されてきた文化でもあります。 最近では、SNSなどの普及により若者からも注目され、幅広い世代から関心を集めているのです。 しかし、まだ伝統工芸に興味を持っていない人やあまり知らない人からすると 「伝統工芸のよさってなんなの?」 と感じてしまいますよね。 ここでは伝統工芸のよさを5つ紹介していきます。記事の最後ではおすすめの製品も紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 伝統工芸ってそもそも何?伝統工芸の歴史は?など網羅的に理解したい人は、以下の記事で解説していますのでぜひチェックしてみてください。 →伝統工芸品とは?歴史や種類、良さ、ランキングも紹介 伝統工芸のよさを5つ紹介! 伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い それぞれ詳しく解説していきます。 1.日本の美を演出している 伝統工芸のよさ1つ目は、日本の美を演出している点です。 伝統工芸には古くからの歴史があり、100年間以上継承されてきた工芸品もあります。 意外に感じる人もいるのですが、工芸品は主に日本人が生活の中で使っているものが多く、着物やうちわ、漆器など身近な物がほとんどです。 日本刀なども工芸品の1つで、現代では美術工芸品として人気がとても高いですね。 このように、工芸品は日本をイメージしやすい物がほとんどで、その美しさや技術力は世界中から高く評価されていると言えるでしょう。 2.職人の手作り 伝統工芸のよさ2つ目は、職人の手作りで製造されている点です。 機械をほとんど使わず、主な製造工程は手作業であるため、同じ製品であっても1つ1つに違いが出ます。 つまり、世界に同じ工芸品は1つも無いということになります。 手作りだからこそ、製品それぞれに個性がでるのも伝統工芸の魅力ですよ。 3.経年変化してこその楽しみがある 伝統工芸のよさ3つ目は、経年変化してこその楽しみがある点です。 日常生活で使う物は、基本的に使えば使うほど劣化していきますよね。見た目も古く感じたり、機能性が落ちたりするのが普通でしょう。 しかし、伝統工芸品は年季が入ることで魅力的になったり、使いやすくなるのが特徴です。 例えば、漆を塗り重ねて作る漆器は、お椀や箸などの食器製品が多いのですが、使えば使うほど風合いが増すことで、購入当初とは違う魅力を楽しめると人気。 もともと伝統工芸品は職人の手で丁寧に作られているためとても頑丈です。長年使えて製品の経年変化を楽しめるのも伝統工芸のよさですね。 4.壊れても新たな魅力を見出せる 伝統工芸のよさ4つ目は、壊れても新たな魅力を見出せる点です。 焼き物などは落として割れてしまうこともありますよね。普通は割れてしまったら捨てますが、工芸品は修復できます。 割れたり欠けてしまった器は「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技術で修復します。 「金継ぎ」は漆を塗って割れた器を付け、その上から金粉を振る技術です。 「金継ぎ」によって修復された器は、継ぎ目が新たな模様のようになることで全く別の魅力を感じられるようになります。 壊れても以前とは違う魅力を見いだせるのは、伝統工芸品の特徴でもあるのです。 5.デザイン性と機能性が高い 伝統工芸のよさ5つ目は、デザイン性と機能性が高い点です。 もともと工芸品は日本人が日常生活で使用しているものが多く、使いやすく壊れにくい特徴があります。 また職人の手で1つずつ作られているため、機械では表現できない美しさも魅力の1つと言えるでしょう。 最近では、新進気鋭なデザイナーが手掛ける「現代の伝統工芸品」が非常に人気で、古き良き日本を感じながらおしゃれでかわいいデザインの伝統工芸品が注目を集めています。 伝統工芸のよさが広まらない原因は大きく3つ 使いやすく丈夫でデザイン性も魅力的な伝統工芸品のよさが広まらないのはなぜでしょうか? 原因は大きく3つあります。 伝統的=古いイメージがあるから そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 身近で触れることがないから 1つずつ解説していきますね。 伝統的=古いイメージがあるから 伝統的と聞くと、なんだか古いイメージがある人は少なくないはず。 実際、工芸品の中には100年間以上の歴史があるものがたくさんあるのは事実。 しかし、いざ伝統工芸品を目にするとデザイン性や美しさに気づき、イメージと違ったという人は多いのです。 手作りだからこそ分かる独特の世界観が感じられ、その場で即決して購入する人もいるほどです。 近年ではデザイナーにより現代の伝統工芸品が生み出され、和モダンなデザインの工芸品が非常に人気なのをご存知でしょうか。 イメージにとらわれず、ぜひ一度伝統工芸品を直接見て触れてみてください。 そもそも伝統工芸に興味をもたれないから 伝統工芸は興味を持たれにくいのが現状です。 まず伝統工芸を知る機会がなければ、興味を持ちにくいでしょう。 こうした現状を打破すべく、伝統工芸の体験イベントなどが実施されています。 例えば、藍染めでオリジナルTシャツを作れたり、鍛冶屋で刃物造りを体験できたりと日本全国で伝統工芸を体験できるのです。 旅行先で友人と楽しんだり、お子さんが自由研究で体験教室に通うなど、伝統工芸にふれられる機会はどんどん増えてきていますよ。 伝統工芸の後継者不足問題を少しでも解消できるよう、より多くの人に伝統工芸の魅力を知ってもらえる機会が増えると嬉しいです。 身近で触れることがないから 伝統工芸は身近で触れることがあまり無いですよね。 機械で大量に生産されているわけではなく、職人により手作りされているので生産数には限りがあり、製品が市場に出回る数は多くはありません。 そのため百貨店や大型デパートなどで販売されていることが多いです。 科学と技術が進歩し、安くて質の良い製品が大量に作られていることは私たちにとってありがたいですが、一方で日本の文化が失われてしまう原因にもなっていると言えるでしょう。 伝統工芸のよさがわかる製品5選 伝統工芸のよさをより知ってもらうために、日本の代表的な伝統工芸品を5つ紹介します。 日常で使えるもの、贈り物として喜ばれるもの、趣味として人気なものなど、さまざまありますのでぜひチェックしてみてください。 1.陶磁器 陶磁器は、土をこねて焼いたものの総称で、一般的には「やきもの」と呼ばれています。 耐久性が高く、手触りが良いことやデザイン面に優れている特徴を持つため食器や湯呑などの製品が多いです。 日本の代表的な陶磁器として、岐阜県の美濃焼、滋賀県の信楽焼、佐賀県の有田焼、京都府の清水焼、石川県の九谷焼などが有名ですね。 陶磁器は割れたり欠けたりしても修復でき、壊れても魅力を見いだせる工芸品の1つです。 2.漆器 漆器は、漆を塗った工芸品のことで、お椀や箸などの製品が多いです。 耐久性・耐水性・断熱性・抗菌作用に優れていて、食器だけでなく棚や台などにも漆は使われています。 機能性が高い上に、美しい見た目も漆器の魅力なんです。合成樹脂では表現できない上品なツヤがあり、使い込むほどに美しい光沢が生まれます。 もし漆器が欠けたりしても、上から漆を塗ることで修復できるので長い間使用できるメリットもありますよ。 3.和紙 和紙は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の伝統工芸品。薄くてとても頑丈でさまざまな種類の製品に使われています。 日本が誇る和紙は、和傘・提灯・うちわなどに使われていて、最近ではくつ下や付箋の材料として利用されているのです。 日本三大和紙として、岐阜県の美濃和紙、高知県の土佐和紙、福井県の越前和紙がとても有名です。 4.染物 染物は、染料などで染めた布のことを指し、着物や洋服などの衣類が製品として代表的。 種類や技法は全国でかなりの数があり、それぞれ歴史のある技法を用いて製造されます。 高級な着物は染物としてイメージしやすいですが、Tシャツやスカーフ、手ぬぐいなどの身近な衣類にも使われているため女性の方は触れる機会も多いでしょう。 成人式や結婚式などの行事で着物を着ることはありますし、最近では着物をおしゃれに着こなすファッションなども流行っていますよね。 5.日本刀 日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた刀です。 昔は武器として使用されていましたが、現代では美術工芸品や文化財として扱われています。 日本刀の魅力は何と言っても美しい見た目で、刀身に反りがあることや片側だけに刃が付けられているのが特徴です。 また、折れない・曲がらない・切れ味が鋭いことも有名で、頑丈さや刃物としてムダが削ぎ落とされている面も高く評価されています。 アニメやマンガで刀を扱うキャラクターが人気だったり、武将がブームになったことで若者から注目を集めましたね。 その美しさから思わず息を呑んでしまう魅力の日本刀は、博物館で見れます。日本刀をコンセプトにしたカフェなどもあるので、最近では日本刀を気軽に楽しめるようになりました。 伝統工芸品と現代技術のコラボもある 出典元:https://kishu-plus.jp/product/details 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 近年、伝統工芸品は新しい技術を取り入れたコラボも行っています。 例えば、3Dプリンターで作られた器に職人が漆を塗って食器を作るコラボや藍染をスニーカーに施したコラボなど、さまざまな新しい製品が誕生しているのです。 伝統工芸品の良さと現代技術の進歩をマッチさせることで、より魅力的な製品が出来上がるのはワクワクしますよね。 また、伝統工芸品と人気コンテンツとのコラボも高い注目を集めています。 伝統工芸×人気キャラクターという異色な組み合わせにより、今まで伝統工芸に関心が無かった人に知ってもらえるきっかけとなりました。 伝統工芸は決して閉鎖的な文化・技術ではないのです。 まとめ 今回は伝統工芸のよさについて解説してきました。 おさらいすると、伝統工芸のよさは以下の5つです。 日本の美を演出している 職人の手作り 経年変化してこその楽しみがある 壊れても新たな魅力を見出せる デザイン性と機能性が高い 古くて敷居が高いイメージを持たれがちな伝統工芸ですが、良さがたくさん詰まっているのでぜひ一度手に取って魅力を感じてください。 伝統工芸の体験イベントやさまざまなコラボも実施されているので、この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。